ヌリカエ屋根棟の修理費用の相場は? ウチの見積もりは適正? 火災保険で直せるの?

屋根棟の修理費用の相場は? ウチの見積もりは適正? 火災保険で直せるの?

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屋根の面と面が合わさる境界線「棟」と呼びます。
屋根のなかでも、傷みやすく修理機会の多い場所となっています。

今回は、屋根棟の傷みを発見したり、雨漏りなどをきっかけに、
・「屋根棟が壊れたが、修理にいくらぐらいかかるか知りたい」
・「屋根棟修理の見積もり金額が、適正かどうか知りたい」
・「保険で対応できるか知りたい」

という疑問にお答えできる解説をしていきます。

Point
  • 屋根棟の修理費用は、スレートか金属屋根ならば「約30万円」が目安
  • 和瓦・洋瓦の屋根ならば「約25~40」万円が目安
  • 「足場の要否」「棟瓦の段数」などで費用が変わる
  • 風災による屋根棟の損傷は、多くの場合火災保険の対象

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    1. 「屋根棟」とは? 修理ってどんな工事になるの?

    【表:屋根の種類による棟の違い】
    屋根の種類 棟の見た目(黄色い部分) 素材・固定方法 修理方法
    棟板金
    ・スレート屋根
    ・金属屋根 用
    金属製の板金
    ・釘で固定
    ・釘の打ち直し
    ・板金の交換 など
    棟瓦
    ・和瓦屋根
    ・洋瓦屋根 用
    陶器製などの瓦(棟専用の形)
    ・漆喰(しっくい)や針金で固定
    ・棟用瓦の積み直し
    ・漆喰の塗り直し
    ・瓦の交換 など

    1.1. 「屋根棟」とは、屋根の面同士が接する辺のこと

    屋根棟(やねとう)とは、屋根面が接する境界部分のことです。
    屋根の頂上にあるものや、軒先に向かって下っていく「まっすぐで少し盛り上がった部分」がそうです。

    屋根棟は、瓦が置けない凹凸部分からの水の侵入を防ぐはたらきがあります。 屋根棟は屋根のなかでも傷みやすく、修理機会の多い部分です。
    特に20~30年以上前に建てられた住宅では、固定法が現在に比べ発達していなかったことから、修理の多い箇所と言われています。

    1.2 屋根棟は「板金」と「瓦」の2種類。修理方法も異なる

    屋根棟は、屋根の材質の種類によって2つ素材に分かれ、修理時の工事内容も変わります。

    ご自宅の屋根が「金属」「スレート」の場合は、棟は金属製の「棟板金(棟包み板金)」と呼ばれるものが使われています。
    棟板金の修理は、固定に使われている釘の打ち直しや、傷んだ板金の交換などが行われます。
    棟板金は薄い金属板であるため、広い範囲の交換になっても比較的費用が安く、工期も短めで済みます。

    屋根材が日本風や洋風の「瓦敷き」ならば、棟も同じ材質を使った棟瓦で出来ています。
    瓦屋根の棟の修理は、ズレた棟瓦の積み直し(「棟の取り直し」と言われる)や、固定に使われている漆喰の再塗装などが行われます。

    日本の住宅の屋根材は「スレート」か「金属」が約6割を占めるので、ほとんどの方は「棟板金」が使われているでしょう。

    ウチの屋根は「金属」「スレート」「和洋瓦」のどれ?

    屋根の材質名・商品名と、それに対応する屋根棟の種類を下記にまとめました。ご自宅の屋根棟の判別にお役立てください。
    また、屋根瓦の種類と判別については、こちらの記事をご覧ください。


    棟の種類 分類 屋根瓦の種類
    棟板金 金属 トタン
    ガルバリウム鋼板
    ジンカリウム鋼板
    ステンレス
    スレート (化粧)スレート
    コロニアル
    カラーベスト
    厚型スレート
    和瓦・洋瓦 和瓦・洋瓦 陶器瓦
    コンクリート瓦
    モニエル瓦
    アスファルトシングル 例外。棟材と屋根材の区別がないため、同じ「アスファルトシングル」

    2. 屋根棟の修理・メンテナンスのサインは? 屋根棟が傷むと起こるトラブルは?

    棟の種類 周期目安 修理・メンテナンスのサイン
    棟板金
    ・スレート屋根
    ・金属屋根 用
    約15年 通常 色あせ、サビがある
    ・風で動く音がする
    緊急 ・板金がめくれている
    ・板金が飛んでなくなっている
    棟瓦
    ・和瓦屋根
    ・洋瓦屋根 用
    約20~30年 通常 ・瓦がズレている
    ・風で動く音がする
    漆喰が剥がれ、中の土が見えている
    緊急 ・瓦が割れている
    ・棟が崩れている
    ・瓦が飛んでなくなっている

    2.1 「棟板金」の修理タイミング

    金属屋根とスレート屋根用の「棟板金(棟包み板金)」のメンテナンスは、約15年おきが目安です。
    作業内容は、固定が甘くなった釘の打ち直しや、腐食した板金そのものの交換が主になります。

    棟板金がめくれている場合、吹き飛んでなくなってしまっている場合は、至急対応が必要です。
    そのままにしておくと、屋根の下地に雨水が侵入し、雨漏りが発生したり、建材が腐ってしまったりします。
    放置すると、屋根瓦と下地の全交換が必要になり、費用が200万円前後かかってしまう場合もあります。

    2.2 「瓦棟」の修理タイミング

    和瓦・洋瓦屋根用の「棟瓦」は、約20~30年おきのメンテナンスが目安です。 作業内容は、接着力がなくなった漆喰の塗り直しや、瓦のズレの調整、損傷した瓦の交換が主になります。

    棟瓦が崩れてしまっている場合や、瓦が吹き飛んでしまっている場合は、至急修理を依頼してください。
    放置すると、棟板金の場合と同様、雨漏りや建材の腐食が起こります。
    進行が進むと、「葺き替え」という瓦と下地の全交換が必要になり、工事に200万円前後の費用が発生してしまいます。


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    3. 屋根棟の修理費用は? 価格の差はどこに出る?

    屋根棟の修理で、実際にどのくらいの費用がかかるのか、「棟板金(棟包み板金)」と「棟瓦」に分けて解説します。
    なお、試算には一般的な30坪の住宅をモデルにしました。

    3.1 棟板金の修理費用は「30万円」が目安

    【「棟板金」の交換工事費用の試算例】
    費目 単価 数量 金額 備考
    足場代 750 200(㎡) 150,000 ・高所作業の補助用に設置
    ・屋根の勾配や作業内容によっては不要なことも
    養生代 200 200(㎡) 40,000 ・足場や周辺部分の保護
    棟板金の交換 5,000 12(m) 60,000 ・施工範囲「12m」と設定
    業者 諸経費 - - 25,000 ・工事費の10%と設定
    合計 - - 275,000

    金属屋根かスレート屋根で使われる棟材「棟板金」の修理工事は、多くが「棟板金の交換」です。
    費用は、交換が必要な棟板金の長さによって変わります。
    修理費の目安は、足場を使用し、棟の交換長を12メートルとした場合で約30万円前後となります。

    棟板金の修理費を変える要素:「足場の要否」「板金の長さ」

    ・足場の要否
    実は、修理費用のうちもっとも多くを占めるのが「足場代」です。
    緩い勾配の屋根で、工事範囲も少ない場合は足場が不要なこともありますが、
    安全性や作業の正確性のためにも、足場は原則的に必要なものです。

    つい「足場はナシでお願いします」と業者さん頼みたくなってしまいますが、業者の安全を軽視していると受け取られる場合もあるので、オススメできません。

    【「足場不要」の場合の棟板金 工事費例】
    費目 単価 数量 金額 備考
    棟板金の交換 5,000 12(m) 60,000 ・施工範囲「12m」と設定
    業者 諸経費 - - 6,000 ・工事費の10%と設定
    合計 - - 66,000

    ・交換する板金の長さ
    もうひとつ、棟板金の修理費用にかかわるのは「交換する板金の長さ」です。
    材料費・工事費で「1メートルあたり5,000円」が目安となります。
    板金を交換する長さが増えれば、それだけ工事費用も高くなります。

    本章にある表の試算では、交換する棟板金が長さ「12メートル」とした場合で27万5千円でしたが、
    長さを倍の「24メートル」にすると33万5千円になります。

    屋根全体の修理と同時なら、棟修理の単価が下がる

    屋根瓦の「葺き替え」など、屋根全体の工事の一貫として棟を修理する場合には、棟板金交換の単価は2,000円~3,000円/mが相場です。棟板金の交換のみを行う場合の5,000円/mに比べると、安くなっています。
    一方で、屋根の葺き替えの場合は200万円前後の費用がかかる工事です。棟板金の単価をおさえるために屋根全体の工事をするのは、現実的ではありません。

    3.2 棟瓦の修理費用は、「漆喰の補修」で25万円~、「棟瓦の積み直し」で40万円~が目安

    和瓦・洋瓦屋根の場合は、傷みの程度により「漆喰の塗り直し」のみで済む場合と、それに「棟の取り直し」が加わる場合の2通りがあります。
    「棟の取り直し」とは、棟瓦に崩れている箇所がある場合などに、瓦を積み直す作業のことです。

    【棟瓦の「漆喰の塗り直し」の工事費用例】
    費目 単価 数量 金額 備考
    足場代 750 200(㎡) 150,000 ・高所作業の補助用に設置
    ・屋根の勾配や作業内容によっては不要なことも
    養生代 200 200(㎡) 40,000 ・足場や周辺部分の保護
    漆喰の塗り直し(片面)基本料金 27,000 1 27,000 ・「1~5m」までは同一料金
    漆喰の塗り直し(片面)6m以降 3,000 7(m) 21,000 ・1mにつき3,000円
    業者 諸経費 - - 23,800 ・工事費の10%と設定
    合計 - - 261,800
    【棟瓦の「漆喰の塗り直し」+「棟の取り直し」の工事費用例】
    費目 単価 数量 金額 備考
    足場代 750 200(㎡) 150,000 ・高所作業の補助用に設置
    ・屋根の勾配や作業内容によっては不要なことも
    養生代 200 200(㎡) 40,000 ・足場や周辺部分の保護
    漆喰の塗り直し(両面)基本料金 54,000 1 54,000 ・「1~5m」までは同一料金
    漆喰の塗り直し(両面)6m以降 6,000 7(m) 42,000 ・1mにつき6,000円
    棟の取り直し 基本料金 38,000 1 38,000 ・「1~5m」までは同一料金
    棟の取り直し 6m以降 8,000 7(m) 56,000 ・1mにつき8,000円
    業者 諸経費 - - 38,000 ・工事費の10%と設定
    合計 - - 418,000

    「漆喰の塗り直し」「棟の取り直し」ともに、施工長5メートルまでの基本料金と、それを超えた分の料金が1メートルごとにかかるのが一般的です。
    修理費の目安は、棟板金の場合と同様に、足場を使用し、修理する棟の長さを12メートルとした場合で計算しました。


    棟瓦の修理費を変える要素:「足場の要否」「漆喰の塗り直しが片面か両面か」「棟瓦の段数」

    ・足場の要否
    修理費用の半分近くを占めるのが「足場代」です。
    屋根の勾配や、工事範囲によっては足場が不要なこともあります。
    しかし、安全性や作業の正確性のためにも、足場は原則的に必要なものです。
    費用の大きさから、つい業者さんに「足場はナシでお願いします」言いたくなってしまいますが、業者側の心証などを考えてもオススメはできません。

    ・漆喰が片面か両面か

    【図:瓦屋根の棟の「漆喰」部分】



    漆喰は、棟瓦の固定のためと、屋根面との隙間を埋めるために使われています。
    棟の左右両側に塗られているものなので、両面の塗り直し費用は、片面の場合の倍になります。
    片面の作業費は、5メートルまでが27,000円
    それを超えると1メートルにつき3,000円が目安になります。

    ・棟用の瓦(のし瓦)の段数
    棟に使用されている瓦の段数で、工賃も変化します。
    一般的な、のし瓦3,4段の積み直し(「棟の取り直し」)の場合で、5メートルまでが38,000円
    それを超えると1メートルにつき8,000円が目安になります。

    4. 風災でおこった損害は「火災保険」で直せることも

    補償範囲の例 保証対象の例 保険料 備考
    住宅火災保険 家屋・家財 火災、落雷、破裂・爆発、
    風災、雪災、雹災
    自己負担額の
    設定によっては
    保険金がおりない
    ケースも
    住宅総合保険 家屋・家財 火災保険の補償対象

    水害、盗難、破損、
    いたずら書き など
    同上
    オールリスク
    タイプ
    家屋・家財

    外灯・ベランダ
    など
    住宅総合保険の補償範囲

    機械設備の事故、
    ガラス破損など広範囲
    少額の損害も
    実費で補償など、
    自由度が高い

    屋根棟の損傷が、台風などの風災が原因である場合には、多くの場合で加入している火災保険で対応することができます。
    火災保険には3つのタイプがあり、補償の内容も保険会社によって様々です。

    業者によっては、火災保険についてあまり積極的に説明しないこともあります。
    その理由は、施工業者にとっては、保険が関わると手続きが増える一方で、売上が増えるわけではないからです。
    屋根棟の修理を検討中の方は、ご自宅が火災保険に加入しているか、保証内容や免責金額などを確認することをオススメします。

    屋根修理と火災保険について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

    「地震」が原因の場合は別途「地震保険」「地震特約」が必要

    多くの火災保険では、「台風」による損害は補償されても、「地震」による損害はカバーしていません。地震に対する損害については、「地震保険」に別途加入する必要があります。
    ほかに、火災保険に「地震火災費用特約」を付帯する方法もありますが、こちらは限度額があり、損害額すべてをカバーできるものではありません(「1敷地ごとに300万円」など)。
    地震保険は、単独で入ることができず、主契約となる火災保険と一緒に入ります。火災保険の補償内容と同時に、地震保険の加入有無も確認してみてください。

    5. まとめ:屋根棟の修理費用を抑えるために「相見積もり」を

    「屋根棟の修理工事と費用」について、内訳なども交えてご説明してきました。

    現在、屋根に関わる工事の修理費用は、予測することが非常に難しくなっています。
    同じ坪数の家でも、屋根の形状や傾斜によって面積が大きく変わるため、家の大きさが工事費用の目安にならないからです。

    また、部分修理の場合でも、業者の得意・不得意により、同じ工事でも金額が倍近く変わることも珍しくありません。
    提案された修理内容がベストな選択肢であるかは、素人には判断がつけられないでしょう。

    そこで、できるだけ複数の業者から相見積もりを取り、費用や工事内容に一番納得のいく業者を選ぶことで、コスト的にも効果的にも最適な工事を行うことができます。

    また屋根の修理業者は、塗装業者ではなく屋根専門の業者になります。
    棟板金の工事は「板金業者」陶器やセメントの棟なら「瓦葺(かわらふき)業者」が依頼先になります。

    本記事が、屋根棟のリフォームを検討中の方々のお役に立てば幸いです。


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    この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

    監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

    塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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