外壁塗装の満足度を大きく左右する塗料選び。
ご自宅に沿った塗料を選ぶことが大切ですが、そもそもどんな種類があるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初めての外壁塗装を検討している方に向けて、外壁塗装で使われる12種類の塗料の特徴と価格、失敗しない塗料の選び方や人気ランキングなどについて詳しく解説しています。
「水性油性」「1液2液」「艶あり艶なし」の違いについても分かりやすく解説しますので、塗料選びの参考となれば幸いです。
- 外壁塗装の主要な塗料は「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「ラジカル制御形塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」の6つ
- 「水性」「油性」の違いは耐久性!
- 外壁塗装に使う塗料は、価格と耐用年数を基準に決めると失敗しない!
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監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
外壁塗装塗料の12種類一覧
「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」など、外壁塗装の塗料には様々なグレード・種類が存在しています。
機能性などによっても分類されており、外壁用塗料は一般的に以下の12種類に分けることができます。
※塗料名のリンクを押すと、各塗料の解説へ飛ぶことができます。
【外壁塗装に用いる塗料12種類一覧】
塗料の種類 | 耐用年数 | 実勢価格 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年~7年 | 1,500円/㎡ |
ウレタン塗料 | 8年~10年 | 1,950円/㎡ |
シリコン塗料 | 10年~15年 | 2,300円/㎡ |
ラジカル制御形塗料 | 12年~16年 | 2,400円/㎡ |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 4,300円/㎡ |
無機塗料 | 25年~30年 | 5,300円/㎡ |
ナノテクノロジー塗料 | 12年~15年 | 4,000円/㎡ |
遮熱・断熱塗料 | 10年~20年 | 2,500~3,500円/㎡ |
ピュアアクリル塗料 | 15年~20年 | 4,500円/㎡ |
光触媒塗料 | 12~15年 | 4,000円/㎡ |
含浸塗料 | 3~4年 | 塗料による |
漆系塗料 | 塗料による | 塗料による |
アクリル塗料の特徴と価格
アクリル塗料は耐用年数が短く、特に屋外の耐久性に弱みがあるために外壁塗装で使われることは少ないです。
塗ったとしてもすぐに劣化して再塗装が必要になるため、コストパフォーマンは悪い塗料となります。
DIYなど、少ない範囲の部分を塗る際は扱いやすいアクリル塗料がおすすめです。
メリット
アクリル塗料は価格が安く、初心者にも扱いやすい点が特徴です。短いスパンでの塗り替えを前提にしている場合、コストを抑えながら気軽に施工が可能です。軽量で乾燥が早いため、DIYにも適しています。
デメリット
アクリル塗料は耐用年数が短く、紫外線や雨風による劣化が早い傾向があります。耐候性も低いため、外壁の保護性能を重視する場合には不向きです。ウレタン塗料と同様、長期的なコストパフォーマンスを重視する場合はシリコン塗料やラジカル塗料などがおすすめとなります。
価格
アクリル塗料の価格は、1,500円/㎡前後となります。
この金額は、数ある塗料のなかで最も低価格な部類です。
ただし、耐久性も悪いためアクリル塗料で外壁塗装をするのはおすめしません。
おすすめな人
短期的なコストパフォーマンスよりも直近の工事費用を抑えたい人や、10年以内に退去する予定の人、DIYで外壁塗装をする人におすすめです。アクリル塗料はプラモデルなど身近なところでも使われていることから、誰でも手軽に扱うことができます。
代表的な製品
代表的なアクリル塗料には、日本ペイントの「DANフレッシュR」やエスケー化研の「水性コンポアクリル」などがあります。
ウレタン塗料の特徴と価格
ウレタン塗料も6種類のなかでは耐用年数が短く、昨今では外壁塗装に使われることは少ないです。
メリット
ウレタン塗料は、価格が安く塗膜に柔軟性があるため密着力に優れています。外壁以外の付帯部や細かい部分の塗装にも適しており、用途の幅が広い点が魅力です。また、光沢感や艶がある仕上がりも、デザイン上のメリットといえるでしょう。
デメリット
ウレタン塗料は耐用年数が短いことから定期的な塗り替えが必要になるため、長期的なコストは高くなりがちです。また、紫外線に弱いため外壁全体に使用する際は注意が必要となります。
10年以上建物に住む予定がある方は、 別の塗料にした方が良いでしょう。
価格
ウレタン塗料の価格は、1,950円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、総額は70万円~90万円が相場です。
ただし、アクリル塗料と同じく耐久性は比較的短いため、外壁全体の塗装にはおすすめできません。
昔前までは主流の塗料でしたが、より高性能かつ耐用年数が長いシリコン塗料の方がシェアが高いです。
おすすめな人
10年以内に退去する予定の人や、付帯部用の塗料を探している人に向いています[/text]。
特に、雨樋部分や窓のサッシ回りは限られて塗り面積であることから、耐用年数にそこまでこだわる必要はありません。
部分的な塗装であれば、ウレタン塗料は良い有力な選択肢の一つです。
代表的な製品
代表的なウレタン塗料には、日本ペイントの「ファインウレタンU100」やエスケー化研の「クリーンマイルドウレタン」などがあります。
シリコン塗料の特徴と価格
シリコン塗料は、耐用年数・費用ともに標準的でバランスの取れた塗料です。
2012年にラジカル制御形塗料が登場する前は、もっともコストパフォーマンスのよい選択肢でした。現在でも人気があり、様々な製品が開発されています。
メリット
シリコン塗料は、価格と性能のバランスが取れた塗料として人気があります。耐候性や防汚性に優れているため、一般住宅から大規模な高層建築に至るまで、幅広く採用されています。
また、製品の種類が豊富で、さまざまなカラーバリエーションや仕上がりを選ぶことが可能です。そのため、自分の家に最適な選択がしやすい点も大きな魅力といえるでしょう。
デメリット
ラジカル制御形塗料やフッ素塗料に比べると耐用年数がやや短い傾向にあります。また、製品によっては汚れが付きやすい場合があるため、慎重な選択が必要です。
価格を重視しすぎると、質の低い塗料を選んでしまう可能性があるでしょう。
価格
シリコン塗料の価格は、2,300円/㎡前後です。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、総額は80万円~100万円が相場となります。
全塗料のなかでも平均的な価格のため、外壁塗装におけるシェアも高い塗料です。
おすすめな人
実績のある塗料を使って安心したい人、さまざまな製品から自分に合った塗料を選びたい人、価格や知名度のバランスを重視したい人におすすめです。
初めての塗装にも適しており、実績も豊富なことから安心感のある選択肢と言えるでしょう。
代表的な商品
代表的なシリコン塗料には、日本ペイントの「オーデフレッシュSi100 III」やエスケー化研の「クールマイルドシリコン」などがあります。
ラジカル制御型塗料の特徴と価格
ラジカル制御型塗料とは、「ラジカル」という塗膜の劣化させる成分の発生を抑える力をもつ塗料です。ラジカル塗料は、シリコン塗料とほぼ同価格で耐用年数が1~2年長いため、人気の高い塗料になっています。
メリット
ラジカル制御形塗料の最大の特徴は、紫外線による劣化を抑える「ラジカル制御技術」です。シリコン塗料よりも高い耐久性が期待でき、外壁の美しさを長期間保てます。
また、コストパフォーマンスが良く、耐用年数と価格のバランスが取れているため、多くの建物の外壁で採用されています。
汚れが付着しにくいという特性もあるため、外壁のメンテナンス頻度を減らせる点も大きな魅力です。
デメリット
他の塗料に比べて歴史が浅いため、製品の種類が限られている場合があります。
また、フッ素塗料や無機塗料に比べると耐用年数が劣るため、長期間の耐久性を重視する方には向かない可能性が高いです。
価格
ラジカル塗料の価格は2,400円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、総額は100万円~120万円が相場です。
外壁塗装におけるシェアの高いシリコン塗料よりも高くなるため、総額も平均より高くなる傾向にあります。
おすすめな人
コストパフォーマンスをもっとも重視したい人や、汚染や紫外線に強い塗料を使いたい人に適しています。
初めて外壁塗装を行う方にも扱いやすく、幅広い条件で選びやすい塗料です。
代表的な商品
代表的なラジカル塗料には、日本ペイントの「パーフェクトトップ」やエスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」などが代表的です。
フッ素塗料の特徴と価格
フッ素塗料は多少値が張りますが、耐用年数が長く、塗り替え回数を少なくできるメリットがあります。
一回あたり塗装費用が高額になる大きな邸宅や、塗装工事による休業や通行規制をなるべく避けたい商業施設への使用がおすすめです。メリット
フッ素塗料は高い耐久性と耐候性が特徴で、紫外線や雨風による劣化を防ぎます。そのため、塗り替え頻度を大幅に減らすことが可能です。また、防汚性が高く外壁が汚れにくいため、美観を長期間維持できます。長期的に見ると、トータルコストを抑えられる点もメリットです。
デメリット
価格が高めで、初期費用が他の塗料よりもかかる点がデメリットです。
また、高性能な反面、築年数などよっては必要以上のスペックになる場合もあります。
お住まいの建物の数十年後や、トータルコストについて慎重に判断をしてから選ぶとよいでしょう。
価格
フッ素塗料の価格は4,300円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、総額は110万円~140万円が相場です。
外壁塗装に使われる塗料のなかでもグレードが高くなるため、ほとんどの場合で総額が100万円を超えます。
おすすめな人
現在住んでいる住宅に20年以上住み続ける予定の人や長期的な観点でトータルコストを抑えたい人、メンテナンス頻度を減らしたい人に適しています。フッ素塗料は、数ある塗料のなかでも耐用年数が長いです。長期的に見たときの維持管理費を軸に考えることをおすすめします。
代表的な商品
代表的なフッ素塗料には、日本ペイントの「ファイン4Fセラミック」、関西ペイントの「クリーンマイルドフッソ」などがあります。
無機塗料の特徴と価格
無機塗料は成分に有機物をほぼ含まないため劣化が遅く、寿命が非常に長いのが特徴です。
耐用年数が最も長く、塗り替えの回数を減らしたいという方におすすめです。耐用年数が長い分、他の外壁メンテナンス周期も考慮すると、コストパフォーマンスが下がる可能性もあります。
メリット
無機塗料は、耐久性と耐候性の高さが最大の魅力です。無機成分が含まれていることで、紫外線や雨風による劣化を抑えられます。
また、カビやコケが発生しにくいため、外壁を清潔に保ちやすいです。そのため、美観上も優れています。
デメリット
無機塗料は、塗料のなかでもトップクラスに初期費用が高い点がデメリットです。また、固くて割れやすい性質があることから、外壁材との相性によっては耐用年数前に剥がれるといったトラブルが起こる可能性もあるでしょう。
価格
無機塗料の価格は5,300円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、総額は130万円~170万円が相場です。
総額は、シリコン塗料よりも1.5~2倍ほど高くなっています。
おすすめな人
カビやコケの発生を抑えたい人や、費用がかかっても耐用年数の長い塗料を使用したい人に適しています。
フッ素塗料と同じ比較検討軸で、より耐用年数を重視する場合は無機塗料が良いです。
代表的な製品
代表的な無機塗料には、日本ペイントの「アプラウドシェラスターⅡ」や、関西ペイントの「アレスシルクウォール」などがあります。
遮熱・断熱塗料の特徴と価格
遮熱・断熱塗料は、その名の通り、暑さを軽減する効果をもつ塗料です。
断熱塗料は暑さ・寒さ両方の対策になりますが、遮熱塗料は暑さの対策効果のみという違いがあります。
メリット
遮熱・断熱塗料は、室内の温度上昇を抑える効果があります。夏場の強い日差しによる熱の侵入を防ぐため、冷房効率が上がり、電気代の節約につながるでしょう。また、冬場には熱が外に逃げにくくなる断熱効果も期待できます。省エネ性能が高い点から、環境にも優しい塗料です。
デメリット
遮熱・断熱塗料は一般的な塗料に比べて価格が高い傾向があり、初期費用がかかることがデメリットです。また、外壁材や施工状況によっては効果が十分に発揮されない場合もあるため、専門家による適切な施工が必要です。
価格
遮熱塗料の価格は2,500円/㎡前後、断熱塗料の価格は3,500円/㎡前後となります。
一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、遮熱塗料は50万円~70万円、断熱塗料は100万円前後が相場です。
いずれの塗料も、樹脂の種類によって価格が大きく異なります。シリコン樹脂の遮熱・断熱塗料よりも、フッ素樹脂の遮熱・断熱塗料の方が高価格です。
遮熱・断熱塗料の使用を検討する際は、使われている樹脂が何かを確認しておきましょう。
おすすめな人
室内の暑さを軽減し快適に過ごしたい人、節電や省エネをしたい人、省エネ系の助成金を活用したい人におすすめです。
遮熱・断熱塗料は省エネに貢献することから、自治体によっては施工にあたって助成金が出るところもあります。
代表的な製品
代表的な遮熱・断熱塗料には、日進産業の「ガイナ」やシンマテリアルワン「キルコート」
ピュアアクリル塗料の特徴と価格
ピュアアクリル塗料は、通常アクリル塗料に含まれる不純物を除き、耐久性と防水性に優れた塗料です。
比較的最近になって開発された、新しい塗料となります。
メリット
ピュアアクリル塗料は高い柔軟性があり、外壁のひび割れを防ぎやすい塗料です。モルタル外壁など、割れやすい素材に最適で、家全体をしっかり保護できます。耐候性も高く比較的長期間の使用も可能で、従来のアクリル塗料の上位グレードという位置づけといえるでしょう。
デメリット
ピュアアクリル塗料は価格が高めで、初期費用が他の塗料よりもかかる点がデメリットです。また、選べる商品の種類は限られること、塗布実績の豊富な施工業者が少ない点にも注意してください。比較的新しい種類の塗料のため、その性能に対する評価が定まりきっていません。
価格
ピュアアクリル塗料の価格は4,500円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、100万円前後が相場です。
比較的新しく高性能な塗料のため、価格も高めになっています。
おすすめな人
ピュアアクリル塗料は、モルタルなど、ひび割れしやすい外壁を持つ住宅に住んでいる人に適しています。特に耐久性を重視し、外壁をしっかりと保護したいとお考えの方におすすめです。
代表的な商品
代表的なピュアアクリル塗料には、アステックペイントの「EC-5000PCM-IR」などがあります。
ナノテクノロジー塗料の特徴と価格
ナノテクノロジー塗料は、細かいガラスの粒子(微粒子シリカ)を含んだ塗料です。
無機物を主体とすることから、無機塗料に似た特性をもちます。
ピュアアクリル塗料と同様、最近になり新しく開発された塗料で使用実績も多くありません。
メリット
無機物が主体のため、優れた防汚性と耐久性を誇ります。
また、帯電しにくくホコリが付きにくい、紫外線に強いため色褪せしにくいことも特徴です。
また、環境に配慮した成分が使用されている場合が多く、エコロジー志向の方にも適しています。
デメリット
他の塗料よりも製造・開発にコストがかかる分、価格が他の塗料より高い傾向があります。また、一般的な住宅では効果を十分に実感できない場合もあるため、背用品や使用用途をしっかり見極める必要があるでしょう。
価格
ナノテクノロジー塗料の価格は4,000円/㎡前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、80万円前後が相場です。
おすすめな人
長く外壁の美しさを保ちたい人、環境に配慮した塗料を選びたい人におすすめです。高級感や先進的な性能を重視する方にも向いています。
代表的な製品
代表的なナノテクノロジー塗料には、水谷ペイントの「ナノコンポジットw」や「ナノテクシリーズ」などがあります。
光触媒塗料の特徴と価格
光触媒塗料は、酸化チタンの性質を利用し太陽光との化学反応から壁面の汚れを分解・自然に洗い流すことができるという強みを持った塗料です。
そもそも「光触媒」とは、太陽光によって何らかの化学的な働きが生まれることを意味します。光触媒の例として分かりやすいのは光合成です。
太陽光が多くあたる外壁は光触媒による効果が高いとして注目されています。
メリット
光触媒塗料は、太陽光を利用して汚れを分解するセルフクリーニング効果を持っています。日当たりの良い場所では特に効果を発揮し、外壁を清潔に保ちやすくなるでしょう。
防カビや防藻効果も高く、長期間にわたり外壁を保護できます。
デメリット
光触媒塗料は、日当たりが悪い場所では効果が薄れるため、立地によっては期待する性能が発揮されない場合があります。また、他の塗料よりも価格が高く、初期費用が大きくなりやすい点もデメリットです。
価格
光触媒塗料の価格は4,000円/㎡
前後となります。一般的な規模の戸建て(30坪)の場合、80万円前後が相場です。価格帯では、ナノテクノロジー塗料などに近くなります。
おすすめな人
長く外壁の美しさを保ちたい人や日当たりの良い立地に住んでいる人におすすめです。メンテナンス頻度を減らしたい場合にも向いています。
代表的な製品
代表的な光触媒塗料には、ピアレックステクノロジーズの「ピュアコート水星」やオプティマス「オプティマスホワイトペイント」などがあります。
含浸塗料の特徴と価格
含浸塗料とは、木材に染み込む性質のある塗料です。無色透明のため、外壁材そのものの模様や雰囲気を損ないません。
防腐・防虫性があるため、雨水による腐食やシロアリ対策にも最適です。
メリット
含浸塗料は、外壁のデザインを損なわない点が最大の特徴です。
素材を活かしつつ外壁の耐久性を上げられるため、今のデザインはそのまま楽しめる点が魅力です。
デメリット
耐候性が低いため、定期的なメンテナンスが必要です。また、外壁全体を保護する塗膜が形成されないため、防水性はあまり高くありません。
価格
含浸塗料の価格は、製品にごとにかなり変わります。
代表的な製品である「キシラデコール」の場合、4L缶で9,000円が相場です。
おすすめな人
木目を生かした外壁にしたい人、自分でDIYして外壁をメンテナンスしたい人におすすめです。特に自然素材の魅力を活かしたい方に向いています。
代表的な製品
代表的な含浸塗料には、日本エンバイロケミカルズの「キシラデコール」、トーヨーマテリアの「シッケンズ」などがあります。
漆系塗料の特徴と価格
本物の漆を主成分とする塗料を外壁に塗ることは少なく、現在では多くの場合、純粋な漆塗料の仕上がりに似せた合成樹脂塗料が使われています。
メリット
漆系塗料は、日本の伝統技術を活かした高級感のある仕上がりが魅力です。耐久性や耐候性にも優れており、独特の風合いや深みのある光沢を得られます。
デメリット
漆系塗料非常に高価で、専門的な施工技術が必要な点がデメリットです。施工費用も割高になります。また、商品や取り扱い可能な業者も限られているため、選択肢の幅が非常に少ないことにも注意してください。
価格
漆系塗料の価格は、80mlあたり900円が相場です。
塗料の缶として一般的な一斗缶の容量は18Lです。漆系塗料だと、18Lで約20万円となります。
おすすめな人
日本の伝統を活かしたデザイン性の高い住宅にしたい人に適しています。特に、和風建築や特別な意匠を重視する方におすすめです。また、一部の柱に塗るなどワンポイントとして採用するのもおしゃれでしょう。
代表的な製品
代表的な漆系塗料にはカシュ―の「 No48 ネオクリアー」「No.91 黒」などがあります。
「水性・油性」「1液・2液」「艶の有無」とは
水性と油性とは
塗料そのものは固いため、溶剤と呼ばれるもので希釈してから塗る必要があります。
溶剤は、水で希釈する「水性」と、シンナーなどの化学物質を使う「油性」の2種類があります。そして、それぞれの溶剤で作られるのが「水性塗料」と「油性塗料」です。
水性塗料と油性塗料に違いを以下にまとめました
水性 | 油性 |
---|---|
・環境に優しく、においが少ない ・油性塗料よりも価格が安い |
・耐久性や密着性に優れている ・においが強く環境負荷が高い ・水性塗料より価格が高い |
昔は水性塗料よりも油性塗料が耐久性に優れていましたが、最近では油性と同等の耐久性をもつ水性塗料が増えています。
今日では、外壁塗装に使われる塗料の多くが水性塗料です。外壁塗装よりも耐久性が求められる屋根塗装では、油性塗料が多く使われています。特別な理由がない限り、一般的な戸建ての外壁塗装であれば水性塗料で問題ないことが多いです。
1液・2液とは
外壁塗装に使われる塗料について調べていると「1液」「2液」といった言葉を見聞きします。では、「1液」「2液」で具体的に何が違い、塗料の性能にはどのような影響があるのでしょうか?
まず、1液型とは硬化剤がすでに混ざっている状態の塗料のことです。缶を開けたらすぐに外壁に塗れるため、作業性が高くDIYにも適しています。余っても翌日使えるのがうれしいポイントです。また、価格も2液型より安くなります。
一方の2液型とは、硬化剤が混ぜられていない状態の塗料のことです。硬化剤は塗る直前で混ぜます。1液型に比べて耐用年数が3年ほど高く、あらゆる塗装面に密着するため塗る場所を選びません。
沿岸地域や豪雪地帯は、潮風や雪によって外壁へのダメージが大きくなるため耐久性の高い2液型が多く使われます。
艶の有無とは
一般的に艶ありの塗料は光沢があり、高級感を演出できます。表面が滑らかなため、汚れがつきにくいのも特徴です。耐用年数でも、艶有の方が1.5~2年ほど長くなると言われています。
一方、艶なし塗料は落ち着いた仕上がりになり、温かみのある印象やナチュラルな雰囲気を演出できます。ただし、汚れは艶ありよりも付きやすいです。
また、製品によっては艶ありしか選べないケースもあるので注意してください。フッ素塗料や無機塗料は艶ありのみしか選べないことが多いです。
【2024年版】プロが選ぶ外壁塗装の人気塗料商品ランキング
塗料の種類や特徴はわかっても、具体的な商品選びには困ってしまいますよね。
以下の表はリフォーム産業新聞という業界紙発表の、プロ321名がおすすめの人気ランキングになります。
ランキング上位であれば、専門家からの評価が高い一般的な塗料になりますので、商品選びの失敗も少なく安心です。
データ出典:【2024年版】プロ321名がおすすめする人気塗料ランキング 壁用は僅差でエスケーに軍配
1位:プレミアムシリコンシリーズ
プレミアムシリコンシリーズは「エスケー化研」から出ている外壁用塗料です。
色や艶の強弱ともにラインナップが豊富で、艶消しを選べる点が大きな特徴となっています。
内外装問わず使うことができ、価格も比較的安いことから人気な塗料の一つです。
メーカー | エスケー化研 |
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価格 | 約2,500円/㎡ |
耐用年数 | 14~16年 |
特徴 | ラジカル制御技術採用、低汚染性、高耐候性 |
プレミアムシリコンシリーズについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>プレミアムシリコンってどんな塗料?性能や評判、人気の度合いを解説!
2位:パーフェクトシリーズ
パーフェクトシリーズは「日本ペイント」から出ている外壁・屋根用の塗料です。
水性のラジカル制御型塗料のため、臭気が少なく作業性に優れるとともに高い耐久性能がある塗料になっています。
遮熱性能のあるものや、内装用のものも展開されているため、幅広い用途で使うことが可能です。
メーカー | 日本ペイント |
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価格 | 約4,500円/㎡ |
耐用年数 | 15年 |
特徴 | ラジカル制御技術採用、低汚染性、高耐候性 |
下記の記事では、パーフェクトシリーズの中でも特に人気のある「パーフェクトトップ」の性能や施工事例について詳しくご紹介しています。
>>パーフェクトトップの施工例13選。写真で外壁の色の仕上がりをチェック
3位:アレスダイナミックシリーズ
アレスダイナミックシリーズは「関西ペイント」から出ている外壁用の塗料です。
シリコン塗料でありながらも、シリコンよりグレードの高いフッ素塗料と同様の耐久性があります。
コンクリートからALCまで、幅広い外壁材に対応していることも特徴です。
メーカー | 関西ペイント |
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価格 | 約3,500円/㎡ |
耐用年数 | 15年程度 |
特徴 | 独自の緻密・強靭塗膜形成技術、超低汚染、艶選択可能 |
アレスダイナミックシリーズについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【2024年版】アレスダイナミックTOPの特徴や費用は? こんな人にピッタリ
4位:水性セラミシリコンシリーズ

水性セラミシリコンシリーズは「エスケー化研」から出ている外壁用塗料です。
紫外線や湿気に強いほか、防かび・防藻性も備ており衛生的な環境を維持できます。水性塗料であることから、嫌な臭いが少なく作業性にも優れていることが特徴です。
メーカー | エスケー化研 |
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価格 | 約1,900円/㎡ |
耐用年数 | 12~15年 |
特徴 | 超耐久性、低汚染性、防かび・防藻性、低臭気 |
水性セラミシリコンについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【2024年版】水性セラミシリコンとは?5つの特徴やシリーズ、硬質・弾性との違いを徹底解説
5位:ガイナ
ガイナは「日進産業」から出ている、航空宇宙技術を応用して作られた外壁・屋根用塗料です。
高い耐久性に加えて、遮熱・断熱性を備えていることから高品質な塗料としてよく選ばれる商品でもあります。
室内の塗布ではマイナスイオンを多く発生させ、、一般的なビニールクロス仕上げよりも空気清浄効果が高いとされています。
メーカー | 日進産業 |
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価格 | 約5,000~5,500円/㎡ |
耐用年数 | 15年 |
特徴 | 遮熱・断熱性、遮音効果、結露抑制 |
ガイナについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【2024年版】ガイナの耐久性や断熱効果は?塗料の費用!メリット・デメリットを解説
6位:リファインシリーズ
リファインシリーズは「アステックペイント」から出ている外壁・屋根用塗料です。
最大24年の耐用年数があるほか、遮熱性能があるため建材の劣化抑制や室温調整にも期待できます。
臭気の少ない水性タイプも販売されています。
メーカー | アステックペイント |
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価格 | 2,000~2,500円/㎡ |
耐用年数 | 15~18年 |
特徴 | 遮熱性、低汚染性、防かび・防藻性 |
6位:クリーンマイルドシリーズ

クリーンマイルドシリーズは「エスケー化研」から出ている外壁用塗料です。
セラミック複合の特殊技術により、超低汚染性を実現しています。
透湿性にも優れているため、建材内部の腐食や劣化を防ぐ機能がある点も特徴です。
メーカー | エスケー化研 |
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価格 | 約2,300円/㎡ |
耐用年数 | 15年程度 |
特徴 | 超低汚染性、高耐候性、防かび・防藻性 |
クリーンマイルドシリーズについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【2024年版】クリーンマイルド塗料とは?シリーズ製品の特徴・価格・耐用年数を徹底解説
8位:ファインSiシリーズ
ファインSiシリーズは「日本ペイント」から出ている外壁用塗料です。
建材や塗装方法を問わず幅広い使い方ができるため、現場での作業性が高くオールマイティーな商品といえます。
弱溶剤系のため、密着性も高いです。
メーカー | 日本ペイント |
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価格 | 4,200円~4,940円/㎡ |
耐用年数 | 10~12年 |
特徴 | 弱溶剤系塗料、低汚染性、透湿性 |
9位:ファインコートシリーズ
ファインコートシリーズは「菊水化学工業」から出ている内外装用塗料です。
高い抗菌・抗ウイルス性能があることから、学校など公共施設での使用実績も豊富な塗料となります。
メーカー | エスケー化研 |
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価格 | 約2,000円/㎡ |
耐用年数 | 10~22年 |
特徴 | 内外装用、防カビ・防藻性、抗菌・抗ウイルス性 |
9位:RSシリーズ
RSシリーズは「関西ペイント」から出ている高デザイン・高耐候塗料です。
塗料でありながら様々なデザインや質感を実現できるため、外壁デザインにこだわる場合におすすめとなります。フッ素や無機など耐用年数の長い種類を選ぶこと可能です。
メーカー | 関西ペイント |
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価格 | 約2,500円/㎡ |
耐用年数 | 15年~20年程度 |
特徴 | ラジカル制御技術、高耐候性、抗密着、低臭気 |
9位:サーモアイウォールシリーズ
サーモアイシリーズは「日本ペイント」から出ている外壁用遮熱塗料です。
赤外線透過率混色技術を採用し、上塗り層と下塗り層ダブルで遮熱効果を発揮します。
また、カラーバリエーションは全40色と豊富なラインナップも魅力です。
メーカー | 日本ペイント |
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価格 | 約5,000円/㎡ |
耐用年数 | 14~16年 |
特徴 | 遮熱性能、高耐候性、坊カビ・防藻性 |
12位:スーパームキコート
スーパームキコートは「ジャパンカーボライン」によって開発された外壁用塗料です。
無機塗料の耐候性と有機塗料の弾力性、それぞれの長所を兼ね備えているため、使い勝手が良く、戸建てのみならず、マンションの外壁にも使用されています。メーカー | ジャパンカーボライン |
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価格 | 2,200円~2,800円/㎡ |
耐用年数 | 14~16年 |
特徴 | ラジカル制御技術採用、低汚染性、高耐候性 |
「スーパームキコート」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【2024年版】スーパームキコートとは?特徴やメリット、デメリット、塗装の際の注意点をご紹介
13位:ルミステージ
ルミステージは「AGC」から出ている外壁・屋根用塗料です。
AGCが開発したフッ素樹脂「ルミフロン」を主原料としており、¥優れた耐候性や耐久性をもっています。
水族館や美術館などの有名な施設や公共建築などにも使われている実績のある塗料です。
メーカー | AGC |
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価格 | 5,000円/㎡ |
耐用年数 | 20年程度 |
特徴 | 高耐久、低汚染性 |
最後に:後悔のない外壁塗装を目指して
塗料選びは、外壁塗装の成否を分ける大事な作業です。
塗料次第で家の耐用年数が数年間変わったり、費用が数十万円変わったりします。
だからこそ、冒頭でお伝えした「本当に理解・納得した上でのベターな選択なのか?」という問いを忘れず、時々この記事に立ち返りながら、ぜひ、賢い塗料選びを実践していってください。
塗装方法や種類、使用する道具については、こちらの記事で詳しく解説しております。
ぜひ参考にしてください。


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