ヌリカエ【入門】ALC外壁とは?メリット・デメリット、塗装時の注意点

【入門】ALC外壁とは?メリット・デメリット、塗装時の注意点

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「ALC外壁を検討しているけど、特徴がわからない」
「ALC外壁は他の外壁材と比べて買いなの?」
「ALC外壁のメンテナンスや塗装の注意点は?」

この記事は、こんなお悩みをお持ちの方向けに書いています。

ALC外壁は「軽い」「耐久性がある」というメリットがある一方、「水に弱い」というデメリットも存在するため、選択は慎重に行いましょう。
この記事では、ALC外壁のメリット・デメリットのほかに、そもそもALC外壁とは何なのか?そして塗装の注意点やメンテナンス方法、主要メーカーについても解説していきます。
初めての方でも理解しやすいように書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。


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1. ALC外壁とは?

1-1. ALC外壁とはどんな外壁材?

ALC外壁とは、ヨーロッパを中心に普及した建材で、「軽量気泡コンクリート」を意味します。高温で発泡加工しており内部に気泡が空いているため、その名の通り、非常に軽いのが一番の特徴(一般的なコンクリートの約1/4の重量)です。国外では北極圏から砂漠地帯まで、国内では東京スカイツリーや東京都庁でも使われています。 また、そのALCパネルの代表的製品には、旭化成のへーベルハウスに使われる、へーベルパワーボードなどがあります。

1-2. ALC外壁の特徴

デザイン  
価格 ¥7,500~/㎡
・他の外壁材よりも性能が高く、その分費用も高い傾向にある
性能 ①断熱性
  • ・外壁内の気泡により熱抵抗が高く、夏は涼しく冬は暖かい
  • ・そのため、屋内の冷暖房効率が高まり省エネにつながる
②耐火性
  • ・主成分がコンクリートで、燃えにくい素材
  • ・一般的なサイディング(14mm)に比べ、2倍以上の厚さ(37mm)
③耐久性
  • ・珪石や生石灰など無機物を主原料とし、有機物を含まない
  • ・そのため、乾燥収縮や熱膨張が小さく、ひび割れや反りが起きにくい
  • ・化学変化の起きにくい安定した板状結晶構造体、トバモライト結晶を含有
④遮音性
  • ・外壁内部の独立気泡が音を吸収し、内部への侵入を防ぐ
  • ・体感値で音の大きさが半分に減少するほどの効果
⑤調湿性
  • ・多孔構造より、室内空気中の水分量を調整する機能を持つ
  • ・湿度が高い場合は湿気を吸い、乾燥している場合は湿気を吐き出す
メンテナンス性 前提 ・ALCは防水加工のメンテナンス必須
頻度 ・メンテナンスは約10年周期で行う
方法 ・外壁塗装(防水性のある塗料を使う)
・コーキングの打ち増し・打ち換え

1-3. サイディング・モルタルとの比較

それでは、日本の住宅で多くのシェアを占める「サイディング」「モルタル」といった外壁材とALC外壁の違いは何でしょうか?
結論から言うと、ALC壁はサイディング・モルタルと比較して耐久性に優れているといえるでしょう。後程詳しく説明しますが、ALC壁は熱や乾燥に強いことからひび割れや反りが発生しづらいため、定期的なメンテナンスをすれば50年ほどもつこともあると言われています。

ALC vs サイディング

耐久性 耐火性 断熱性 軽さ
ALC
窯業系サイディング
樹脂系サイディング
木質系サイディング
金属系サイディング

サイディングの場合、窯業系や金属系、樹脂系、木質系など複数の種類があります。はじめてサイディングを見た人はALC外壁との違いがわからないかもしれませんが、無理もありません。なぜなら、サイディングの上位互換の外壁材にあたるのが「ALC外壁」だからです。

サイディングは種類によって温度に弱かったり、火に弱かったりしますが、ALC外壁だと温度の影響をほとんど受けず、耐火性があるなど、ほかのサイディングにはない多くのメリットを持っています。

ただし、全ての点においてALC外壁が優れている訳ではありません。外壁材を選ぶ理由によってはALC外壁よりもサイディングの方が良いこともあります。

ALC vs モルタル

耐久性 デザイン性 工期の短さ
ALC
モルタル

ALCはモルタルに比べ、耐久性に優れ、その軽さ故、工期が短く済みます。

モルタルは「セメント」「砂」「水」を混ぜたものです。これを左官コテで塗り付けて外壁として仕上げます。そして塗り付けた後に塗装することが多いです。一方で、ALC外壁はパネルを設置していくのに対して、モルタルは塗って外壁を作ります。

またモルタルのメリットとしてはデザイン性が高く、メンテナンスが楽という点があります。ただ小さなひび割れが起きやすく、工期が長くなりやすいデメリットがあります。反対にALC外壁は工期が短く、ひび割れは起きにくいです。

2. ALC外壁のメリット・デメリットとは?

ALC外壁のメリット・デメリットについて解説します。ALC外壁は軽くて耐久性が高い以外にも、優れたメリットが複数あります。もちろんデメリットもあるので、把握が必要です。

自宅に最適な外壁材を選ぶためにも、ALC外壁のメリット・デメリットを抑えましょう。

2-1. ALC外壁のメリット

  • ● 耐久性が高い
  • ● 軽い
  • ● 断熱性が高い
  • ● 耐火性・防火性が高い
  • ● 遮音性が高い
  • ● 調湿性に優れる

耐久性が高い

ALC外壁は耐久性の高いことがメリットです。これは、木繊維やパルプ材といった有機物が含まれていないため、熱や乾燥に強く、その原因で発生してしまうひび割れや反りが起きにくいためです。

定期的なメンテナンスを怠らなければ50年以上は工事が必要ありません。このため、長く住みたいという方におすすめです。

軽い

ALC外壁は軽いです。これは直径0.05~0.1ミクロンという非常に細かい気泡が含まれているため、コンクリートなのに圧倒的な軽さを実現しまた。さらに、軽いためほかの外壁材と比べて工期を短縮できます。

また他の外壁材と比べて軽いため、地震時に外壁による負担を軽減させます。このように地震からの安全性を高められるだけでなく、すぐ外壁を施工できる特徴があるのです。

断熱性が高い

ALC外壁は断熱性が高いため、夏の暑さ、冬の寒さでも室内の温度を一定に保つ断熱効果があります。その理由は、内部に気泡を数多く含んでいるため、この気泡に包まれた空気が層を作り熱の伝わりを抑えるのです。
なお、ALC外壁の熱伝導率はコンクリートの約1/10。他の外壁材と比較しても、非常に優れた断熱性を持っていることがわかります。

耐火性・防火性が高い

ALC外壁は耐火性・防火性が高いため、火事の危険性を低くくします。なぜなら、主原料が無機質の珪石やセメントなどで構成されているためです。そのため炎や熱を受けても燃えにくく、有害物質が発生しません。火事からの安全性を高めます。

遮音性が高い

ALC外壁は遮音性が高いです。これは、ALC外壁に含まれている多数の気泡が音を吸収するためです。なので、自動車や電車の騒音、さらに上や下の階の生活音を防ぎます。音が気になる人でも安心です。

調湿性に優れる

ALC外壁は調湿性に優れています。室内にある空気中の水分量をコントロールすることで、結露の発生を抑えて空調を快適にします。ただし外の水分を吸収してしまうと、調湿性が低下するので、調湿性を維持するために防水塗装を施しましょう。これで湿気が気になりません。

2-2. ALC外壁のデメリット

  • ● 水に弱い
  • ● つなぎ目が多い
  • ● 価格が高い

水に弱い

ALC外壁は水に弱いです。これは外壁内部に細かい気泡が含まれているため、吸水性が高いです。ALC外壁が水を吸収してしまうと外壁がひび割れ、欠落の原因になります。壁の強度を維持するためにも「水」は絶対に避けなくてはなりません。

つなぎ目が多い

ALC外壁はつなぎ目が多いです。ただ、問題はつなぎ目ではなく、そのつなぎ目から侵入してしまう「水」です。水がALC外壁に侵入すると、上記で述べたように壁が劣化する原因になります。そのため「シーリング」という素材をつなぎ目に注入することで、水の侵入を防ぐのです。

価格が高い

ALC外壁は価格が高いです。ですが、代わりに品質が高い特徴があります。なぜなら、「JIS A 5416」という日本工業規格の認証を取得した企業でないと生産できないからです。この規格は日本で3社しか認証されておらず、ALC外壁の品質の高さが伺えるはずです。

3. ALC外壁の注意点

ここでは、ALC外壁を採用する場合、絶対に注意していただきたいポイントをご説明します。

3-1. 防水塗装が必須

実は、ALC外壁は非常に水に弱い外壁材です。
ALC外壁は内部が多孔構造になっており、それゆえ断熱性や遮熱性は飛躍的に向上しますが、水分が浸透しやすくなっています。加えて、ALCの場合、サイディング等と異なり外壁内側に透湿シート張らないため、ひび割れやシーリングの劣化は雨漏りに直結しやすいのです。
もし劣化を放置し、外壁自体が水分を多く含んだ結果、内部の腐食が進行し、耐久性を落とす原因になります。

3-2. ALC外壁に油性塗料は適さない

油性塗料は、塗料自体の透湿性が低いため、折角のALCの調湿性効果を台無しにしてしまいます。それどころか、その密閉性の高さゆえ、塗膜内部で結露が発生し、内部の腐食進行を加速させてしまうのです。
ALC外壁の調湿効果を損なわないためにも、塗料自体の透湿性が高い水性塗料を塗布するようにしましょう。

3-3. コーキングのメンテナンスが特に重要

ALC外壁は、パネル一枚当たりの幅が305mm・605mmと他の外壁材に比べ小さめに規格されています。そのため、同じ外壁面積でも、コーキング部分の長さが長くなるため、それだけ水分が浸透するリスクが高まるのです。
コーキング材は、外壁に関する材料の中でも最も劣化が早いため、少なくとも10年に一度は打ち増し(もしくは打ち替え)を行いましょう。

補足:メンテナンスが必要な劣化症状

ALC外壁には周期に限らず、メンテナンスが必要になる劣化症状があります。表のような症状が外壁に現れた場合は、早急なメンテナンスが必要です。放置すればするほど補修金額が上がるため、すぐに業者へ連絡することをおすすめします。

劣化症状 特徴
藻・カビ
深刻度:★
塗膜の防水機能の低下により発生する。
特に、日当たりの悪い箇所に生じ、放置すると広がる。
高圧洗浄で対応しましょう。
チョーキング
深刻度:★★★
塗料が乾燥し、白い粉状になる。
放置すると、塗膜の剥がれや膨れが発生する。
塗り替えに最適な時期です。
塗膜の剥がれ
深刻度:★★★★
塗膜の防水機能が低下した状態。
放置すると、ひび割れ(クラック)が起こる。
早急に塗り替えが必要。
コーキングの亀裂
深刻度:★★★★
コーキングが乾燥し収縮した状態。
放置すると、建物内部への浸水の恐れも。
コーキングだけでも早めの対応が必要。
ヒビ割れ・反り
深刻度:★★★★★
外壁の防水性能はもはや皆無。
放置すると、湿気により建物内部の部材が腐食する。
緊急で塗り替えが必要。

4. ALC外壁の取扱いメーカー

メーカー名 製品名 特徴
旭化成建材 へーベル 建物の特徴に合わせたALCパネルを提供
住友金属鉱山シポレックス シポレックス 幅広い場所で使えるALCパネルや、軽くて薄い特徴をもつALCパネルを提供
クリオン株式会社 クリオン 鉄骨造から木造まで、防音に優れたALCパネルに強み

ALC外壁を取り扱っているメーカーは全3社です。これらメーカーは「JIS A 5416」という日本工業規格の認証のあるメーカーになります。メーカーによっては特徴が違ってきますので、参考ください。

5. まとめ

ALC外壁のまとめ

  • ALC外壁は軽くて耐久性がある。
  • ALC外壁は水に弱いので注意が必要。
  • ALC外壁は約19年周期でメンテナンスを行う。
  • ALC外壁のメーカーは「JIS A 5416」の認証がある3社のみ。

もし、ここまで解説してきたことで疑問に感じたことがあれば、専門のアドバイザーにご相談ください。

ALC外壁のメリット・デメリットと注意点を把握して、後悔のない外壁材を選びましょう。


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この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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