トタン屋根とは? 古くなったトタン屋根、いつ修理すべき?

  • 【更新日】2021-03-18

日本中の住宅で活躍していたトタン屋根。
本記事では、お住まいのトタン屋根が古くなってきた方に向けて、

  • トタン屋根の寿命・耐用限界の目安
  • トタン屋根のメンテナンスの種類と選び方
  • トタン屋根の修理が得意な業者の探し方

について解説を行います。

本記事のポイント

  • サビが目立つ場合は「塗装」。費用は「約40万円~」
  • 穴などの異常がある場合は「葺き替え」。費用は「約110万円~」
  • 葺き替える素材は、同等価格で性能の良い「ガルバリウム鋼板」へ
  • 私の家だといくら?


    トタン屋根とは?

    そもそも「トタン」ってどんな素材?

    「トタン」とは、薄い鉄板に亜鉛メッキを施した板状の資材です。
    トタン屋根とは、トタン板を使用して作られた屋根のことで、住宅のほか倉庫や工場にも使われています。

    トタン屋根の種類と外見

    トタン屋根といえば、波打った青い鉄板の屋根を思い浮かべる方が多いと思います。
    しかし、それとはまったく違う外見をしたトタン屋根も少なくありません。

    トタン屋根には主に3種類あります。

    一般的なイメージの「波板トタン屋根」

    波板トタン屋根

    波型に加工されたトタン板で作られた屋根です。
    波の間隔には大小の2種類があります。
    波型に加工する理由は薄い鉄板の強度不足を補うためです。
    一般的な「トタン屋根」のイメージはこの波板トタン屋根かと思います。

    雨漏りに強い「瓦棒葺きトタン屋根」

    瓦棒葺きトタン屋根

    屋根が下る向きに合わせて、等間隔に線が走っているトタン屋根です。
    この線の中には木がわたされており、施工時はここにひっかけるようにしてトタン板を葺いてます。
    雨漏りに強いため、日本瓦やスレートの屋根よりも緩やかな勾配の屋根が作れるメリットがあります。

    工場や倉庫でよく使用「折板トタン屋根」

    折板トタン屋根

    波型トタン屋根よりも鉄板を大きく折り曲げたトタン屋根です。
    上の瓦棒葺きトタン屋根よりも、さらに勾配のない屋根に使うことができるのが特徴です。
    住居よりも、工場や倉庫、体育館などの大きな施設の屋根に使われることが多い種類です。

    トタン屋根と間違えやすい屋根

    ガルバリウム鋼板製のことが多い「立平葺き屋根」

    立平葺き屋根

    前述の瓦棒葺き屋根とよく似ていますが、屋根にある線が細く、逆V字型をしているのが特徴です。
    内部には木がわたされておらず金属板自体が折り曲げられており、この部分を重ね合わせて屋根が組まれています。

    新しい工法のため、トタン板が用いられていることほぼありません。 立平葺き屋根では、金属の屋根材として現在主流の「ガルバリウム鋼板」が使われています。

    金属ではないので”トタン”は間違い「波板屋根」

    無色透明な波板屋根 色付き透明な波板屋根

    よく、「トタン板」を「波型の板材」という意味と誤解して使っている方がいらっしゃいます。
    トタンとは亜鉛メッキされた鉄板のことなので、特定の形状を指す言葉ではありません。 波型の屋根材には、塩ビ製やポリカーボネート製など多くの種類があります。
    形状だけを見て「トタン」と呼んでしまうと、業者のやり取りに齟齬が生まれるのでご注意ください。

    「トタン屋根は強風に弱い」という誤解

    台風のニュースを見ていると、しばしばトタン屋根が風で飛ばされている様子が流れます。
    このイメージから、「トタン屋根は風に弱い」と思っている方も多いのではないでしょうか。

    トタン屋根自体は、決して風に弱い素材ではなりません。
    トタンだから飛びやすいのではなく、「トタンを使っている家には、屋根材が飛んでしまうぐらい古い家が多い」というほうが正確でしょう。

    ひと昔、ふた昔前に活躍した素材であるトタンは、建築から年月が建っている家屋に多い屋根材です。
    そのため下地の木材が痩せてきた家が多く、打ち付けてある釘も抜けやすくなっており、強風でトタンごと飛んでしまう家が多い、というのが実態です。

    トタン屋根のメリット・デメリット

    トタン屋根のメリットは、価格が安いことと、軽量なため家の構造に負担がかからず、耐震性も高いことです。
    反対にデメリットは、錆びが発生しやすいこと、断熱性が低く夏場は暑いこと、遮音性が低く雨音が響くことなどです。

    メリット デメリット
    ・価格が安い
    ・軽量
    ・緩い勾配にも施行可
    ・錆びが発生しやすい
    ・夏場は暑い
    ・雨音が大きい
    ・今ではあえて選ぶ理由がない

    トタン屋根のメリット

    メリット① 価格が安い

    トタン屋根は、費用の安い屋根材です。
    1㎡あたりの価格は4,000~6,000円で、これは金属製の屋根だけでなく、屋根材全体から見てもトップクラスの安さとなります。

    素材自体が安いため、修理や張り直しなどの工事費用も安価になります。

    メリット② 軽量

    軽量なため、家の構造を選ばず使用可能なのもメリットです。
    屋根の軽いと、家の耐震性が向上することにも繋がります。

    メリット③ 緩い勾配にも施行可

    スレート(コロニアル)屋根や瓦屋根は、ある程度の勾配(4寸以上)が必要となりますが、トタン屋根をはじめとした金属屋根は、ほとんど傾きのない屋根にも使える屋根材です。

    トタン屋根のデメリット

    デメリット① 錆びが発生しやすい

    トタン屋根は、非常に錆びが発生しやすい屋根材です。
    これは、表面の亜鉛が溶け出すことにより屋根の穴あきを防ぐ効果を狙っているのですが、内部の鉄部分が露出してしまうため錆びには弱くなります。

    デメリット② 夏場は暑い

    トタン屋根は、厚さ1mm未満の薄い金属で出来ています。
    そのため断熱効果はほとんど期待できず、夏場は熱したトタン屋根の表面温度が室内に伝わり、大変暑くなります。

    デメリット③ 雨音が大きい

    前述の通り、薄い金属でできているため、遮音効果もほぼありません。
    雨音が響きやすく、それが室内にも伝わりやすい素材です。

    デメリット④ 今からあえて選ぶ理由がない素材である

    トタン屋根は、安価で軽量な屋根材として、30~40年前までは重宝されていました。
    しかし近年「ガルバリウム鋼板」が登場してから、トタン屋根の優位性は失われ、金属素材ではトタン屋根が新しく使われることはかなり少なくなりました。

    トタン屋根の修理方法は4種類

    修理方法 作業内容 費用相場
    塗装 トタン表面の塗り替え 40万~48万円
    葺き替え トタンと下地材の張り直し 110万~140万円
    カバー工法 既存のトタン屋根の上に新しい屋根をつくる 94万~120万円
    部分修理 損傷の部分的な補修 3万円~

    トタン屋根の塗装にかかる費用

    塗装とは、表面を塗り替えて、美観を回復させる作業のことです。

    トタン屋根の塗装にかかる費用は1㎡あたり約4,000円~4,800円/㎡です。
    一般的な30坪住宅で、屋根面積を100㎡とした場合は約40万~48万円かかります。

    費用の内訳は、

    • 足場代(約750円/㎡)
    • 養生代(約200円/㎡)
    • 高圧洗浄(約200円/㎡)
    • 下地処理(約500円/㎡)
    • 塗料代(約2400円/㎡)※シリコン塗料使用・下塗り代含む

    となっています。

    塗料には「ウレタン」「シリコン」「フッ素」など樹脂の種類があり、耐用年数の長いものほど高価になります。

    >>【参考記事】「トタン屋根の塗装方法は?DIYと業者依頼でどう違う?」
    ▼「塗料の種類と耐用年数」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 【外壁塗装】塗料知識を全公開!種類・特徴・価格・耐用年数・選び方  

    トタン屋根の葺き替えにかかる費用

    葺き替え(ふきかえ)とは、今あるトタン屋根と下地(防水シートと下地木板)をはがして、新しいものに交換する作業のことです。

    トタン屋根の葺き替えにかかる費用は1㎡あたり約11,000円~14,000円/㎡です。
    一般的な30坪住宅で、屋根面積を100㎡とした場合は約110万~140万円かかります。

    費用の内訳は、

    • 足場代(約750円/㎡)
    • 養生代(約200円/㎡)
    • 既存屋根の撤去(約1,600円/㎡)
    • 防水シート(約650円/㎡)
    • 新しい屋根材の設置(約6,000円/㎡)※ガルバリウム鋼板の普及品を使用
    • 新しい棟・軒の設置(約1,800円/㎡)

    となっています。

    ▼「屋根の葺き替え」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根の葺き替え修理の費用はいくら? うちの見積もり額は適正?  

    トタン屋根のカバー工法にかかる費用

    カバー工法とは、今あるトタン屋根の上に、新しい下地を張って屋根を作る作業のことです。

    トタン屋根のカバー工法にかかる費用は1㎡あたり約9,400円~12,000円/㎡です。
    一般的な30坪住宅で、屋根面積を100㎡とした場合は約94万~120万円かかります。

    費用の内訳は、

    • 足場代(約750円/㎡)
    • 養生代(約200円/㎡)
    • 防水シート(約650円/㎡)
    • 新しい屋根材の設置(約6,000円/㎡)※ガルバリウム鋼板の普及品を使用
    • 新しい棟・軒の設置(約1,800円/㎡)

    となっています。

    「カバー工法」と「葺き替え」の違い

    葺き替えに比べ、既存の屋根材の撤去費用がかからない分、料金が割安になります。
    一方、既存屋根材の内部が傷んでいるかどうか分からないので、異常があった場合に放置されてしまうリスクがある工法です。

    ▼「屋根のカバー工法」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根の「カバー工法」の修理費用は? ウチの見積もりは適正? 地震に弱くなるってホント?  

    トタン屋根の部分修理にかかる費用

    部分修理とは、破損したり剥がれたりした箇所を、部分的に補修したり新しくしたりする作業のことです。

    トタン屋根の部分修理にかかる費用は1箇所あたり約3万円です。
    工事費用には、屋根材の費用と修理の人件費が含まれます。

    ただし、修理箇所が2階以上の高い部分にある場合、高所作業用の足場代(15万円前後)が別途発生する場合があります。

    ▼「工事の足場代」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 足場料金の単価・費用相場はいくら?見積もりで損しないコツとは?  

    トタン屋根に起こるトラブルと修理方法

    劣化状況 最適な修理・メンテナンス方法
    軽度のサビ
    色あせ
    塗装の剥がれ
    屋根の塗装 ※屋根表面の洗浄・補修・塗り替え作業
    小さな穴あき トタンのコーキング ※穴埋め材による部分補修
    重度のサビ
    屋根全体の穴あき
    屋根の葺き替え ※屋根材の交換

    屋根のカバー工法 ※既存の屋根の上に新しい屋根を作ってかぶせる

    トタン屋根が古くなってきてはいるものの、穴あきや雨漏りなどのトラブルにまでは至っていない場合は、屋根の塗装が最適なメンテナンスです。

    一方、トタン屋根に穴があいていたり、ボロボロと崩れるほどの重度のサビがある場合は、屋根の葺き替えを検討しましょう。
    屋根のカバー工法は、葺き替えに比べて費用が少なく済みますが、デメリットもあります。あくまで予算が足りない場合の選択肢とお考えてください。

    また、小さな穴が数個ある程度であれば、屋根の葺き替えをせずともコーキング(穴埋め)で対処できる[/text]でしょう。

    トタン屋根の修理・メンテナンスの費用については、前の章「トタン屋根の修理・メンテナンス費用」をご覧ください。

    葺き替え・カバー工法に使う屋根材は「ガルバリウム鋼板」を

    葺き替えやカバー工法で屋根をリフォームする場合、新しい屋根もトタンで作るのはオススメできません。現在ではトタンとほぼ同価格で、強度や耐用年数がより長い「ガルバリウム鋼板」が登場していますので、こちらを使いましょう。

    トタン屋根に必要なメンテナンスと時期の目安

    築年数 おすすめのメンテナンス方法
    10~15年 棟板金の交換
    25~30年 屋根の葺き替え もしくは 屋根のカバー工法

    トタン屋根向けのメンテナンスと時期

    雨漏りを起こさないために、トタン屋根に必要な定期メンテナンスは大きく分けて2種類です。

    築10~15年目に「棟板金の交換」

    棟とは、屋根の頂上のフタの部分です。
    この部分には、屋根のなかで一番雨や風による負担がかかり、劣化が早い箇所です。

    トタン屋根の棟は、築15年を境に棟を固定している釘が弱くなり、強風で外れる可能性が高まります。
    棟が外れると雨漏りリスクも跳ね上がるので、この時期に棟板金と下地木材の交換を行うのがオススメです。

    築25~30年目に「葺き替え」か「カバー工法」

    トタン屋根材のすぐ内側にあるルーフィング(防水シート)が築25~30年で寿命を迎えます。
    が防水シートがダメになるとすぐに雨漏りをするのと、このタイミングでトタン屋根材自体の寿命も訪れるので、25~30年目には「葺き替え」をすべきと判断します。

    予算の都合上、葺き替えが難しい場合は「カバー工法」が候補になりますが、デメリットが多い工事ですので慎重に検討しましょう。

    ▼「カバー工法」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根のカバー工法とは? 費用は安いが、多くのデメリットに注意  

    「塗装」は必ずしも必須ではない

    屋根塗装の主目的は、あくまで美観の回復

    色あせが目立ってきて気になる場合、早めに屋根塗装を検討しましょう。
    そのまま放置すると、穴が空いて雨漏りの原因になる場合があります。

    見た目が気にならない限りは、トタン屋根の塗装は必ずしも行う必要はありません。

    塗装自体には屋根の異常を直す効果はほぼないので、もしトタン屋根のヒビや穴を直したい場合には、塗装ではなく屋根の部分修理を業者に依頼しましょう。

    トタン屋根の修理業者は「板金業者」が最適

    金属屋根材の工事は「板金業者」へ

    屋根は、屋根材の種類によって、修理可能な業者に違いがあります。
    トタン屋根を葺き替えやカバー工法で工事したい場合は、必ず「板金業者」に依頼しましょう。
    新しい屋根をガルバリウム鋼板の屋根にする場合、トタン屋根にする場合ともに、板金業者が最適な依頼先です。

    なお、トタン屋根の塗装の場合は「塗装施工店」に依頼してください。

    安くて高品質な修理を受けたいなら「相見積もり」を

    数多くのリフォーム工事・修理工事のお手伝いをしてきた私達から、最後に1点、お伝えしたいことがあります。

    それは、トタンに限らず屋根の工事は「相見積もりをとる前に決断をしないほうが無難」ということです。

    3社ほどの業者から相見積もりをとることで、

    • ・価格が比較できる、適正金額も見えてくる
    • ・説明のわかりやすさなどで、腕や信頼性が比べられる
    • ・感じの悪い業者にあたっても、別の候補に頼めばよい

    というメリットがあります。

    とくに、業者によって値段がバラバラなことが多い屋根修理をご検討中の場合、1社だけとやりとりをして決めてしまうのはややリスキーと考えられます。

    「そんなにたくさんの業者に心当たりがない…」という方は、よろしければこのページの相場チェックから、相見積もりの照会をぜひご利用ください。
    当サービスを経由して相見積もりをしていただいた方へのサービスとして、業者へのキャンセル連絡が必要な場合に、お客様にかわって当社が連絡をお引き受けいたします。

    以上、本記事があなたのご自宅の陸屋根防水の検討に役立てば大変幸いです。

    ▼参考書籍
    小林敏勝『わかる! 使える! 塗料入門』(日刊工業新聞社 2018)
    平野八州夫『住まいのリフォーム 外壁塗り替え塗装入門』(慧文社 2008)
    建築工事研究会『積算資料ポケット版 住宅建築編 2019年度版』(一般社団法人経済調査会 2019)
    建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2019年度版』(一般社団法人経済調査会 2019)

    ▼専門家(ヒアリング)
    株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏

    ▼画像引用元
    川崎水漏れ・雨漏り修理センター

    カプライリフォーム

    DIY(日曜大工,園芸)を楽しもう!

    (株)みすず

    ウツノミヤ板金工業所

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