本記事では、ガルバリウム鋼板の外壁材をお探しの方に向けて、
- ガルバリウム鋼板外壁の「基礎知識」
- 性能面や価格面で優秀な「定番・おすすめ製品」
などをデザイン例の写真つきでご紹介します。
「ガルバリウム鋼板」や「デザイン事例」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【入門】ガルバリウム鋼板の全知識を公開!特徴・価格・勾配・選び方」
「ガルバリウム鋼板の施工イメージ」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ガルバリウム鋼板外壁材のデザインパターンと施工事例15選。イメージ通りにリフォームするには?」
- アイジー工業の製品には、高品質だがやや価格が高いものが多い
- 旭トステムの製品は、変退色・穴あき・サビなどの保証が方法で年数も長い
- ケイミューの製品は、同じ値段でも他社より素材に厚みがあり高耐久
- 福泉工業の製品は、断熱材一体型で保証年数も長い
ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板とは、亜鉛・アルミニウム・シリコンで表面がメッキされた、薄い金属板です。
軽量で耐久性が高く、外壁材や屋根材として近年人気が増しています。
耐用年数は一般的に30~40年が平均です。
新築時に使われることの多い窯業系サイディングの寿命は20~30年が一般的であることから、ガルバリウム鋼板の耐用年数は長めと言えるでしょう。
またガルバリウム鋼板外壁の価格は、1㎡あたり4,000~6,000円が相場となっており、外壁材のなかでも比較的リーズナブルです。
そのほか、ガルバリウム鋼板製の外壁材をさして「金属系サイディング」と呼ぶこともあります。
金属系サイディングとは、その名の通り金属でできたパネル式の外壁材のことです。ガルバリウム鋼板以外にも、アルミ・ステンレス・トタンなどでできた種類もあります。
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「外壁材の種類と特徴」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【全7種】外壁材の種類は結局どれがいい?人気の外壁材ベスト3を公開」
ガルバリウム鋼板外壁のメリット・デメリット
本章では、気になるガルバリウム鋼板外壁のメリットとデメリットについて解説します。
ガルバリウム鋼板外壁のメリット
ガルバリウム鋼板外壁には、以下のような多くのメリットがあります。
- 防水性が高い
- 軽量で耐震性が高い
- 金属材のなかでは「錆びにくい」
- 金属質でスタイリッシュな質感
防水性が高い
ガルバリウム鋼板外壁は、セメントや繊維素材が原料の「窯業系サイディング」と比べて耐水性が高いのが最大の特徴です。
吸水性がないため、水分によるひび割れや凍害の心配がありません。
軽量で耐震性が高い
セメント系やタイル材の外壁に比べて、非常に軽いこともガルバリウム鋼板の魅力です。
重さは窯業サイディングの約5分の1で、建物にかかる負担が少なく、地震による揺れも少ない外壁材といえます。
金属材のなかでは「錆びにくい」
ガルバリウム鋼板外壁は、従来用いられてきたトタンに比べると非常に錆びにくいの利点です。
その証拠に、大手メーカーの製品には10年程度の赤サビ保証がついているのが標準です。
金属質でスタイリッシュな質感
近年、モダンデザインをとりいれた住宅が人気です。
そんため、メタリックな黒やグレーの外壁にしたいためにガルバリウム鋼板の外壁を選ぶ人が増えています。
ガルバリウム鋼板外壁のデメリット
一方で、ガルバリウム鋼板外壁には以下のような注意点もあります。
- 価格がやや高め
- ひっかき傷やへこみに弱い
- 断熱性・遮音性が低い
価格がやや高め
ガルバリウム鋼板外壁の工事は、窯業系サイディングを使うのに比べると「1,000~3,000/㎡」ほど費用が高くなります。
耐用年数からみると元は取れるのですが、工事の際に出ていくお金は少し高くなるでしょう。
ひっかき傷やへこみに弱い
ガルバリウム鋼板は1mm以下の薄い金属板であることから、物がぶつかるとへこみやすく、表面のコーティングを傷めないよう使い続ける必要があります。
断熱性・遮音性が低い
薄い金属板であることから、素材単独の断熱性・遮音性にも難があります。
しかし、近年は断熱材などで対策ずみの製品が主流なので、市価より大幅に安い製品を使わない限り気にする必要はありません。
ガルバリウム鋼板外壁の価格
ガルバリウム鋼板外壁の価格は、1㎡あたり4000~6,000円が相場です。
価格に差がある理由は、多数のメーカーがガルバリウムの外壁を生産しており品質が異なることが挙げられます。
昨今では断熱材入りの外壁も生産されており便利ですが、もちろんその分だけ価格が高くなることに注意が必要です。
そのほか高級なものでは12,000円/㎡以上の製品もあり、厚みによる耐久性の強化や、塗膜のセルフクリーニング機能などが搭載されており、多様なニーズがあると言えるでしょう。
具体的な人気製品・定番製品はおすすめのガルバリウム鋼板外壁の章で解説しています。
施工内容ごとの費用目安
施工一式にかかる費用は、ガルバリウム鋼板外壁をどのような工法で使うかによっても変動します。
下記の表は一般的な30坪の家を例に挙げて、ガルバリウム鋼板外壁を使用した施工ごとの費用をまとめたものです。
施工内容 | 価格目安 |
---|---|
新築 | 180~300万円 |
張り替え | 160~260万円 |
カバー工法 | 120~240万円 |
費用は施工の規模が大きくになればなるほど高額になる傾向にあり、新築→外壁の張り替え→外壁のカバー工法の順で高くなっています。
昨今では既存の外壁材の上から新しい外壁を貼る「カバー工法」が価格も安いため人気を集めていますが、現状の外壁の劣化が進行している場合には施工ができないことがあるため注意が必要です。
ほかの外壁材との価格を比較
ガルバリウム鋼板外壁とほかの外壁材の価格を比較すると、以下のようになります。
外壁材の種類 | 価格目安 |
---|---|
ガルバリウム鋼板外壁 | 4,000~6,000円/㎡ |
窯業系サイディング外壁 | 3,500~5,000円/㎡ |
モルタル外壁 | 6,000~1,000円/㎡ |
タイル外壁 | 10,000~20,000円/㎡ |
他の一般的に使われている外壁材と比べてみても、ガルバリウム鋼板外壁は比較的リーズナブルな外壁材であることが分かるでしょう。
価格単価こそ窯業系サイディングよりも高いですが、耐用年数がガルバリウム鋼板の方が10年ほど長いため、トータルコストで見ると最もコストパフォーマンスが高い外壁のひとつと言えます。
ガルバリウム鋼板外壁がおすすめな人・おすすめできない人
「自分の住宅の外壁はガルバリウム鋼板でいいのかな…」と迷ってしまう方も安心できるように、本章ではガルバリウム鋼板外壁がおすすめな人・おすすめでない人を解説していきます。
ガルバリウム鋼板外壁がおすすめな人
ガルバリウム鋼板外壁がおすすめな人は、主に以下のような方です。
・耐震性や防災性を高めたい方
・現在の住宅に向こう30年以上住む予定の人
それぞれについて、詳しく解説して行きます。
カバー工法を希望する人
ガルバリウム鋼板は軽い外壁材のため、カバー工法を検討している方には非常におすすめとなっています。
というのも、軽い材の方が外壁を2重に重ねる場合に、住宅への負担を少なくできるためです。
軽量という性質上、カバー工法においてはガルバリウム鋼板がもっとも人気の外壁材となっているので、迷わずにガルバリウム鋼板外壁を検討してみると良いでしょう。
ただし、すでに大きなクラックが生じていたりと現在の外壁の劣化が激しい場合などはカバー工法は採用できない場合があるため、注意しておきましょう。
耐震性や防災性を高めたい方
ガルバリウム鋼板は外壁材のなかで最も軽量な素材のため建物の負荷を軽減でき、耐震性の向上が期待できます。
というのも地震が起こった際、建物の揺れの大きさは建物の重量と重心の高さが大きく関係しています。
瓦などの重たい物を屋根に使用している場合、建物の大きな重心が高い位置にあるため、揺れが大きくなる傾向にあるのです。
一方で前述の通りガルバリウム屋根は非常に軽い屋根材であるため、他の材と比較すると耐震性に優れていると言えます。
したがって、耐震性や防災性を高めたい方にピッタリの屋根材と言えるでしょう。
現在の住宅に向こう30年以上住む予定の人
ガルバリウム鋼板は、他の材に比べても耐久性が高く20~30年以上持つと言われている外壁材です。
耐用年数が長いということは、将来的に長いあいだ外壁のメンテナンスをしなくても問題ないということにつながります。
比較的メンテナンスの手間がかからないほか、塗装や張り替え工事のコストも抑えられることは大きな利点と言えるでしょう。
したがって、今のお住まいに30年以上住む予定がある人や子供に家を残したい方などには、「長く安心して使用できる素材」としておすすめです。
ガルバリウム鋼板外壁をおすすめできない人
ガルバリウム鋼板外壁をおすすめできない人は、主に以下のような方です。
・雨音に敏感な方
・物の出し入れが頻繁な箇所への施工を検討している人
それぞれについて、詳しく解説して行きます。
初期工事費用を抑えたい人
ガルバリウム鋼板は他の材に比べるとへこみやすく、デリケートな外壁材です。
そのため施工の際には細やかな技術が必要なため、工事費用が高くなる傾向にあるのです。
参考程度に一般的な家の規模で、窯業系サイディングを張り替え工事で使用した場合は130~220万円ほどが相場ですが、ガルバリウム屋根では150~270万円ほどが相場となります。
もちろん前述のとおり耐用年数は長いですが、初期費用にして約30万円ほどが変わってくるため注意が必要です。
したがってなるべく初期費用を抑えたい方には不向きであると言えるでしょう。
雨音に敏感な方
ガルバリウム鋼板外壁は他の材に比べると遮音性が低いため、雨音が大きく聞こえる傾向にあります。
降雨量の多い地域に住んでおり、物音に敏感な方はストレスを感じる原因になるかもしれません。
どうしても気になるという場合は、断念材や吸収材を併用することによって防音性は向上しますが、その分費用は高くなる傾向にあります。
したがって、降雨量の多い地域に住んでいて物音に敏感な方には不向きとも言えるでしょう。
物の出し入れが頻繁な箇所への施工を検討している人
前述のとおり、ガルバリウム鋼板はデリケートでへこみやすい素材です。
例えばガレージなどの頻繁にモノや車が行き来するような箇所への施工には不向きな場合があります。
また子供が頻繁に遊ぶ庭付近などの施工にも注意が必要なため覚えておきましょう。
新築なら2番目、リフォームなら1番人気の外壁材
日本サッシ協会が令和5年に発表した調査によると、ガルバリウム鋼板・金属サイディングは新築の外壁材としては2番目の人気となっています。
一番人気として圧倒的なシェアを見せているのは窯業系サイディングで、新築住宅の78%ユーザーに選ばれています。
しかしガルバリウム鋼板・金属サイディングを選ぶユーザーは年々増加してきているため、これから更なる人気となることが見込まれます。
一方でリフォームにおける外壁材となると、ガルバリウム鋼板は窯業系サイディングを抑えて1番人気となっています
リフォームで選ばれた外壁材 | 割合(%) |
---|---|
金属サイディング | 40% |
窯業系サイディング | 28% |
外壁リフォームでのガルバリウム鋼板のシェア率が高い理由としては、軽量で耐久性が高いという性質からカバー工法に最適な素材であるためです。
更に詳しくは後述の「ガルバリウム鋼板外壁がおすすめな人・おすすめできない人」にて解説しています。
いずれにせよガルバリウム鋼板外壁は昨今で人気が上昇しており、勢いのある外壁材であると言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板外壁を選んだ人の体験談
本章では実際にガルバリウム鋼板を外壁に選んだ人の体験談を紹介していきます。
ポジティブな意見もあれば、ネガティブな実体験もあるため外壁材を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
体験談①:ガルバリウムの耐久性を実感しており選んで良かった
機能面・デザイン面共に満足しており、ガルバリウム鋼板という選択に間違いはなかったという体験談です。
ガルバリウム鋼板の外壁で家を建てました。
建ててから17年くらい経ちますが、それなりにきれいな状態だと思います。これが他の壁材であったらくすみやひび割れなどもあったかもしれません。
壁の色は白がベースになって黄色の部分もあります。レンガっぽいデザインになっています。
(yahoo知恵袋より引用)
ガルバリウムは30~40年という長い耐用年数が特徴です。
17年が経っても現状において劣化症状の気配や今後の不安が見られないということから、やはりガルバリウムならではの大きなメリットを感じてることが読み取れます。
体験談②:ガレージハウスのようなスタイリッシュな見た目が気に入っている
ガルバリウム鋼板ならではのモダンでスタイリッシュなデザインに満足しているという体験談です。
ガルバリウムの家に住んで3年ほどが経過しました。
このガレージハウス的な見た目が好きな人にはたまらないんですね。逆にガルバが「ダサい」と感じる人もいますし人それぞれですが。
僕も、ガルバに一定のデメリットがあるのは分かっていましたがやっぱり「ガルバの家に住みたい」という思いが勝っちゃいました。
「ガルバ」と一口に言っても、色のバラエティがたくさんありますし、「縦張り」「横張り」でまた印象がガラッと変わったりもします。
(こちらのサイトより引用)
ガルバリウムは金属特有の無骨・無機質な印象が特徴ですが、「ガレージハウスのような見た目が好き」という方は多くいらっしゃいます。
また体験談にあるように「ガルバリウム鋼板」といってもデザインや色のバラエティは豊富に存在しています。
自分の好みのデザインか、理想の外観を実現できるか製品を調べてみながら考えてみると良いでしょう。
体験談③:思ったよりもチープな質感になってしまい後悔している
一方でガルバリウム鋼板の外観が想像と違うものになってしまい、後悔してしまったという体験談です。
私はシンプルモダンというデザインをに憧れたのではなく、ガルバリウム鋼板外壁の性能に惹かれて決めました。
しかしガルバリウム鋼板外壁を使う場合は、ガルバリウム鋼板の外壁に相応しい住宅のデザインというものがあると気づきました。
ガルバリウム鋼板はデザインをシンプルモダンにすれば、非常にかっこいいと思いますが設計士の経験とセンスに大きく左右されます。
私は普通の家の形でガルバリウム鋼板外壁を選んでしまったため、ガルバリウム鋼板の質感が変に目立ってしまい後悔する住宅外観になってしまいました。
(こちらのサイトより引用)
ユーザーの好みにもよりますが、ガルバリウム鋼板の無機質さが生きるデザイン・生きないデザインがあると言えるでしょう。
体験談のような引き渡し後のギャップが起こらないためには、設計・デザイン段階で建築士と細かい打ち合わせを行っていくことが大切です。
完成図イメージだけでなく、実際にサンプルを用意してもらったりと質感なども把握しておくことをおすすめします。
体験談④:金属の熱や遮音性の低さにデメリットを感じた
生活上でガルバリウム鋼板のスペックならではの問題点を感じたという体験談です。
ガルバリウム鋼板は雨が激しいときは音がうるさいと感じた。陶器瓦・サイディングの家と比べちゃうと流石に少し劣る。
気になるなら裏打ちありのやつとか断熱材がしっかり入ってるものを選ぶのがいいと思うな。
あと濃い色のガルバは夏に屋外側がすごく熱くなる。紙ゴミでも飛んできたら、マジで火事になるんじゃないかと思うくらい。
それから仕事場の外壁が銀ガルバなんだけど、微妙な凹凸が意外と目立つ。
トタンみたいな安っぽい仕上がりになることもあるので、個人的には好きじゃない。
(こちらのサイトより引用)
デメリットでも解説しましたが、ガルバリウム鋼板は遮音性が低い傾向にあります。
体験談からも読み取れるように、降雨量の多い地域にお住まいの方や音に敏感なかたは断熱材入りなどで遮音性を高めることも手段の1つです。
また住宅の立地にもよりますが金属は太陽光により熱を持ちやすいため、気になる方は打ち合わせ段階で遮熱の方法などについて相談してみると良いでしょう。
ガルバリウム鋼板外壁を選ぶ際のポイント
外壁を導入したあとに「やっぱり気に入らなかった…」ということにならないよう、本章ではガルバリウム鋼板外壁を選ぶ際のポイントを3つ紹介していきます。
- 必ずサンプルを確認する
- 色・汚れの付きやすさを確認する
- 複数のメーカーの商品を比較する
必ずサンプルを確認する
ガルバリウム鋼板外壁を選ぶ際は、インターネットや雑誌の画像だけでなく必ずサンプルを確認するようにしましょう。
というのも実際の質感や色味は画像だけでは判断することが非常に難しいためです。
メーカーのショールームに行ったり業者に問い合わせたりすれば、サンプルは案外簡単に手に入るため確認しておきましょう。
また光の加減によっても見え方が変わるため、室内や外で見たときにどのように変わるかを知っておくことはおすすめです。
色・汚れの付きやすさを確認する
ガルバリウム鋼板外壁にはさまざまな色や種類がありますが、白色などは汚れが目立ちやすい傾向にあるためよく考えて選びましょう。
昨今では汚れが目立ちにくいという理由から、黒やシルバーが人気の色になってきています。
またデザインにこだわりたい場合は自宅だけの外観で考えるのではなく、周辺の環境から目立ちすぎていないか・景観を損ねていないかなども考えられると後々のトラブルを減らすことができます。
複数のメーカーの商品を比較する
同じガルバリウム鋼板外壁でもメーカーによって素材の質感が異なるため、複数の商品を比較してみることがおすすめです。
例えばツヤの出かたや手触りが人によって好みが分かれる部分であるため、しっかり見ておくと良いでしょう。
ガルバリウム鋼板外壁は実績が豊富な業者に依頼しよう
ガルバリウム鋼板は外壁材の性質上、へこみやすく施工が難しいとされています。
したがってガルバリウム鋼板外壁の施工実績が豊富な業者へ依頼することが重要です。
また業者を選ぶ際は必ず一社だけではなく、複数の業者に相見積もりを取ることで納得のいく施工を行いやすくなります。
ヌリカエのチャットフォームからお問い合わせいただけると、お住まいの地域でガルバリウム鋼板外壁の施工に強い業者を無料で紹介することができますのでぜひご活用ください。
ガルバリウム鋼板外壁にもメンテナンスを!
ガルバリウム鋼板外壁は非常に耐久性が高いことが特徴ですが、定期的な清掃をすることによってさらに耐用年数を伸ばすことができます。
特別難しい清掃をする必要はなく、汚れてきたなと思ったときにやわらかい布やスポンジをみずで湿らせ、汚れを優しくこすって落としていきましょう。
こうすることによって錆の原因であるコケや錆を予防することができ、外壁材は長持ちします。
一方で強くこすりすぎてしまったり、高圧洗浄機を使うことはガルバリウム鋼板に傷がつき逆に錆の原因となることがあるためおすすめしません。
もしも汚れが目立つけれで自分の清掃で落ちない場合は、気軽に業者に相談してみることが大切です。
ガルバリウム鋼板外壁はDIYできる?
ガルバリウム鋼板外壁のDIYはおすすめすることができません。というのも前述のとおりガルバリウム鋼板は性質上、プロでも施工が難しい外壁材として知られています。
施工中にへこんでしまったり、張れたとしても表面の隙間からすぐにはがれてしまうことがほとんどのため、結果的に最初から業者に依頼した方が安くなる傾向にあります。
また外壁のDIYは高所作業が伴うため、転落などの危険性があります。
専門性の面から見ても危険性の面から見ても、ガルバリウム鋼板外壁の施工は業者に任せるべきであると言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板外壁のおすすめ人気製品
住宅外壁用のガルバリウム鋼板の定番・おすすめを7製品解説します。
製品の一覧
製品名 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|
SF-ビレクト |
7,600円/㎡~ | なめらかで光沢のある質感。自由度が高い定番製品 |
銘壁スタッコJ |
4,900円/㎡~ | 塗り壁調を再現。住宅を選ばないシンプルなデザイン |
Danサイディング カジュアルブリックⅡSF |
5,589円/㎡~ | レンガの質感を再現。金属素材の耐久性とデザインの温かみが両立 |
Danサイディング ジオストライプS |
5,972円/㎡~ | 凹凸が大きめのメタリックな表情。価格も安い |
アニューシリーズ プレーンシェイプ |
7,502円/㎡~ | 単色塗装のスタイリッシュなデザインが魅力 |
デザインシリーズ 斜石柄 |
6,083円/㎡~ | 石柄デザインの製品では価格がリーズナブル |
ラングロンRXF18 |
7,280円/㎡~ | 石積調とレンガ調を組み合わせたデザイン。断熱材一体型 |
性能表の見方
各製品詳解には、下記のような表がついています。
表の各項目の内容があわらす性能や、数値の平均は以下のとおりです。
方向「縦張り」「横張り」「両対応」のいずれか。デザインの好みで選ぶと良い
価格 | 普及品は6,000~9,000円/㎡。それ以上だと特別な機能がある高級品が多い |
---|---|
厚さ | 15mmがもっとも標準。14~18mmの製品が多い。 厚いものほど断熱性能が高いが、丈夫な胴縁(土台木材)が必要 |
塗装 | 「フッ素」系のものが最高級。 「遮熱性」のものは夏場の室温をおさえる効果あり |
カラー | 3~7色が標準。黒、グレー、シルバー、ネイビーなどが主流 |
それでは、具体的な製品の紹介に移ります。
アイジー工業「SF-ビレクト」
価格と性能
方向横張り
価格 | 7,600円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 15mm |
塗装 | 遮熱性フッ素塗装 |
カラー | 全7色 |
ガルバリウム鋼板外壁の主要メーカーであるアイジー工業の定番シリーズの製品。
価格、カラーバリエーション、厚みなどが高いバランスでまとまっています。
また、10年間の変褪色・穴あき・赤さび保証がメーカーから付帯されています。
デザイン・施工例
「SF-ビレクト」のデザインは平滑かつ直線的なので、スタイリッシュ・モダンな印象をもたせたい場合におすすめです。
色はブラック・ダークグレー、ダークブラウン、ネイビー、モスグリーン、シルバー、ホワイトの7色と多彩です。
アイジー工業「銘壁スタッコJ」
価格と性能
方向縦張り
価格 | 4,900円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 15mm |
塗装 | ポリエステル樹脂塗装 |
カラー | 全5色 |
アイジー工業のロングセラー商品。
用途を選ばないシンプルなデザインと、ガルバリウム外壁としては非常に安い価格が特徴。塗装の耐用年数はフッ素より短いため注意。
施工方法は縦張りに限られ、メーカー保証は穴あき・赤さびが10年間ついていますが、変褪色の保証はありません。
デザイン・施工例
漆喰仕上げをイメージしたシンプルでスタンダードなデザインなので、どんな建物にも合わせやすい製品です。
カラーもガルバリウム鋼板外壁にはあまりないライトグレー、ライトブラウン、アイボリーなどを含む全5色が展開されています。
旭トステム「Danサイディング カジュアルブリックⅡSF」
価格と性能
方向横張り
価格 | 5,589円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 15mm |
塗装 | フッ素系 |
カラー | 全3色 |
旭トステムは、総合建材・住宅設備メーカー「LIXIL」のグループ企業。
「カジュアルブリックⅡRF」は、レンガ調の金属サイディングのなかではお買い得な製品。
変褪色、穴あき、赤さびに10年保証がついており、美観を長く保ちたい人におすすめの製品です。
デザイン・施工例
洋風の家ではなく、瓦屋根の一戸建てにあえてレンガ柄の本製品を使用した例。
くっきりと存在感のあるレンガ模様のアンティークさが、瓦の重厚感とマッチしています。
見た人はおそらく、金属外壁材を使っているとは気づかないことでしょう。
旭トステム「Danサイディング ジオストライプS」
価格と性能
方向縦張り
価格 | 5,972円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 15mm |
塗装 | 遮熱性フッ素 |
カラー | 全6色 |
上記と同じ旭トステムから、こちらはメタリックな印象を強く感じるガルバリウム鋼板外壁。
カラーラインナップも、黒やシルバーに加え、ダークブルー、ダークグリーンなどシックで金属質な配色が多くなっています。
こちらはの保証年数は変褪色は10年と変わりませんが、穴あき・赤さび保証が15年と長くなっています。
デザイン・施工例
「スパン柄」と呼ばれる金属質な溝を活かしたデザインで、箱状に近いシルエットの家に使用すれば流行のモダンイメージが実現します。
本製品の溝は高さの違う2種類の凹凸が特徴で、明るさや見る角度によって外壁の表情が変わります。
ケイミュー「はる一番アニューシリーズ プレーンシェイプ」
価格と性能
方向縦横張り(両対応)
価格 | 7,502円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 16mm |
塗装 | 遮熱性フッ素 |
カラー | 全5色 |
ケイミューは、窯業系サイディングやのメーカーとしても有名な会社です。
こちらも金属質でモダンなデザインをしていますが、やや光沢が抑えられており、スパン柄の溝も細いため繊細な印象を与えます。
またこちらの「プレーンシェイプ」は、縦張り・横張りどちらにも対応しており、変退色、赤サビともに10年保証がついています。
カラーはブラック、ホワイト、ライトグレー、ダークグレー、ネイビーのダーク系・寒色系ものが5あります。
デザイン・施工例
いかにも金属鋼板らしいギラギラした質感はおさえられ、とくに横張りにすると落ち着きと高級感が出ます。
施工例はどちらも木目柄と合わせています。他の素材と合わせるならこちらの製品が有力候補となるでしょう。
ケイミュー「デザインシリーズ 斜石柄」
価格と性能
方向縦横張り(両対応)
価格 | 6,083円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 16mm |
塗装 | 遮熱性フッ素 |
カラー | 全5色 |
「斜石柄」は単色塗装の石積調のガルバリウム鋼板外壁です。
本商品を含むケイミューのガルバリウム鋼板外壁材の多くは、他社より1mm厚い16mm規格ですが価格帯は変わらず、同じ値段でも断熱性に優れる傾向があります。
メーカー保証は変褪色・赤さびに10年保証がついています。
デザイン・施工例
金属系サイディングとは気づきにくい、ナチュラルな質感を家にもたせられます。
2枚目のデザインは、本製品「斜石柄」の色違い2種を組み合わせて施工したものです。
福泉工業「ラングロンRFX18」
価格と性能
方向横張り
価格 | 7,280円/㎡~ |
---|---|
厚さ | 18mm |
塗装 | フッ素塗装 |
カラー | 全4色 |
福泉工業の「ラングロン」シリーズは、18mm厚のウレタンフォームを組み合わせることで、建物の設計を問わずに高い断熱性・遮音性を発揮できる製品です。
また、本製品は既存の外壁にそのまま重ね張りするカバー工法を想定して開発されています。
メーカー保証は、赤さび保証10年、塗膜(変褪色)保証15年、穴あき保証25年と、ガルバリウム鋼板外壁ではトップクラスに手厚くなっています。
デザイン・施工例
石積調とレンガ模様を組み合わせたデザインで、ナチュラル寄りのイメージに合います。
カラーは、やさしい温もりのある「オークル」「ローズ」と、重厚感のある「ブロンズ」「ブラウン」の計4色です。
まとめ
ガルバリウム鋼板とは、亜鉛・アルミニウム・シリコンで表面がメッキされた、薄い金属板です。
軽量で耐久性が高く、外壁材としても近年人気が増しています。
ガルバリウム鋼板外壁のメリットとしては錆びにくく、防水性・耐震性が高いこと、デメリットとしてはひっかき傷やへこみに弱いことや、断熱性・遮音性が低いことなどが挙げられます。
ガルバリウム鋼板を外壁に使用する際は、必ずサンプルを用意し色味や質感、汚れの付きやすさを確認してから選ぶことをおすすめします。