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本記事では、一戸建てのリフォームや新築に向けてデザインを検討中の方に向けて、
- ヨーロピアンな一戸建てのデザイン事例
- ヨーロピアンデザインに使われる色・素材のパターン
- ヨーロピアンなデザインの外壁に仕上げるコツ
等について、数多くの写真とともに分かりやすく解説しています。
お家の外壁のデザインを決めるにあたって、候補やイメージを固めるお役に立てば幸いです。
▼外壁のおしゃれな配色・色選び全般について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
- メインカラーは「ホワイト」「ベージュ」「ブラウン」を使う
- 北欧風や柔らかなアースカラー、南欧風はリゾート感のある明るい色味を使う
- 外壁材は「タイル調の窯業系サイディング」「漆喰」がヨーロピアンなイメージになりやすい
ヨーロピアンなデザインとは？
「ヨーロピアン」という語を辞書で引くと「ヨーロッパ風の」といった意味が出てきます。
ヨーロピアンな建物とは、ヨーロッパの街並みを連想させるエレガントで格式高い外観を表します。
一口にヨーロピアン風なデザイン、といっても大きく分けて北欧風、南欧風と2種類に分類されます。北欧風デザインは、急勾配でどっしりとした三角屋根と、自然と調和したあたたかみのある配色が特徴的です。
一方、南欧風は軒がなくスマートですっきりとしたデザインと、明るめの配色が特徴となっています。
著名なヨーロピアンな建物
開智学校
旧開智学校は、明治９年に建設された当時最新の洋風建築です。当時は文明開化の真っただ中であり、洋風なものが求められていました。漆喰塗の外壁を使用した木造二階建てで、八角形の塔屋を載せられています。
これまでの技術と日本の材料を駆使して作られたため、和風と洋風が混ざり合った仕上がりとなりました。
ホーフブルク宮殿
ホーフブルク宮殿は、オーストリアのウィーン中央にある元皇宮宮殿です。13世紀頃にオーストリア公国公城として建てられた言われており、世界最大級の宮殿複合体となっています。
強大な統治国家を築いたハプスブルク家が、何世代にもわたって増築を繰り返してきたため2000室を超える部屋が存在しています。
王級は時代とともに増設していたため、バロック様式、ゴシック様式、ルネッサンス様式と複数の建築様式が混在しており、歴史の重みを感じることができます。
一般住宅にとり入れる際のコツ
「シンプル」「フラット」などを一戸建てのデザイン向けに少し具体的にすると、例えば以下のようなことといえるでしょう。
- 白やベージュを基調とした明るい色味
- レンガ調
- アイアン製の装飾
これらのポイントを踏まえて、ヨーロピアンでおしゃれな一戸建てで使われている色や素材とデザインのバリエーションをより深く見ていきましょう。
ヨーロピアンな外壁に使われる色
ヨーロピアンな印象の家にしたい場合、メインカラーは「ホワイト」や「ベージュ」など暖かみのある色味に、「ブラウン」を組み合わせたシンプルなデザインが主流です。
メインカラー別に、ヨーロピアンなデザインの事例を見ていきましょう。
白
メインカラーを白とした定番テイストのヨーロピアン住宅です。柔らかく変化のあるへら仕上げ風の外壁材が、繊細で上品な外観を演出します。
繊細なシルクホワイトをメインカラーに、暖かみのあるオレンジベージュの屋根材が相性良くマッチし、南欧風の外観を再現しています。
ベージュ
ベージュをメインカラーとした住宅です。クローズホワイトの石積み柄が繊細な印象を与えつつ、ブラウンの屋根が柔らかさを引き立てています。シンプルでありながらもヨーロピアンを再現した外観です。
アイアン製の装飾が柔らかな雰囲気とマッチし、ヨーロピアンな要素を強調しています。
ピンク
落ち着いたピンクベージュをメインカラーとした住宅です。ヴィンテージ風で趣深いレンガを積み重ねたような意匠が、建物に重厚感を与え、歴史あるヨーロピアンな雰囲気を再現しています。
ヨーロッパの住宅は何世代にもわたって住むことを前提としているため、重厚感溢れる外観が特徴的です。「色別の施工事例集」を見たい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の色の選び方＆全10色分の仕上がり写真30選」
ヨーロピアンな外壁に使われる素材
ヨーロピアンな外観に近づけるには、外壁材の選び方も気をつける必要があります。
ヨーロッパ風のデザインにしたい場合、外壁は「窯業系サイディング」「漆喰」から選ぶとよいでしょう。
窯業系サイディング
柄やデザインが豊富となっている窯業系サイディングを使用することで、ヨーロピアンな住宅を再現することができます。
窯業系サイディングを使うことのメリットに、金属系サイディングやコンクリート仕上げなどより費用が安いことがあります。
ヨーロッパ建築によく利用されているレンガ造りにしたいけれども、コスト的に厳しいといった際にはレンガ調の窯業系サイディングが適しています。
ただし、窯業系サイディングの質感は表面のプリント（印刷）で再現されていることが多いため、本物のヨーロピアンな素材感には劣ることがあります。
「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「窯業系サイディングとは？メリットとデメリット、費用やデザインを比較！」
漆喰
「漆喰」と聞くと日本の伝統的な建物をイメージされやすいですが、ヨーロッパでは西洋漆喰として、外装だけでなく内装にも使用されています。
ただし、ヨーロッパの住宅は石やレンガが多く使用されているため、日本と西洋の漆喰の成分には異なりがあります。
漆喰を使うことのメリットに、耐用年数が100年超えといった高さと、重厚感のある華やかなデザインを再現できるといったことがあります。
北欧系デザインと南欧系デザインの違いとは
ヨーロピアンなイメージの住宅は、さらに2種類に細分化できます。
日本でも人気が高い、柔らかなテイストの北欧系デザインと、陽を浴びた明るさの南欧系デザインです。
そもそも北欧とは、北ヨーロッパに位置するデンマーク，フィンランド，アイスランド，ノルウェー，スウェーデンを表します。
南欧とは、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポルトガル、地中海の島嶼を表します。北欧系デザインと南欧系デザインの具体的な違いや特徴についてご紹介します。
北欧系デザインの特徴
画像出典：Sweden House
シンプルなアースカラー
北欧系デザインは、自然に囲まれた風土を持つ北欧ならではの、シンプルなアースカラーを使用していることが特徴的です。自然の美しさをモチーフとしており、柔らかく温かみのある色味が選ばれています。多種類な色味は使用せず、機能的でありながらもシンプルでナチュラルなデザインが定番となっています。
三角屋根
雪が多い地域である北欧は、雪が積もりにくいように三角屋根が定番となっています。厳しい冬が長く続くからこそ、自然に調和する北欧スタイルとなっています。
南欧系デザインの特徴
色合いが明るい
南欧系デザインの特徴として、明るい色合いがベースとして使用されていることが挙げられます。白い外壁にオレンジの明るい瓦屋根は定番のテイストとなっており、日本の住宅地とも相性が良く馴染みます。背の高い樹木や鮮やかな花壇と合わせて、トロピカルなムードに仕上げることもできます。
軒が浅め
南欧系デザインの特徴として、軒が浅め、もしくは全くないといった事が挙げられます。軒とは、住宅の屋根のうちで、窓や外壁よりも出っ張っている部分を表します。
軒は雨から建物を守ってくれる役割があります。しかし、南欧では雨が日本よりも少ないため、軒の必要性がそれほど高くありません。
日本の住宅の場合、軒がしっかりとあるケースが多いので、南欧デザインならではの大きな特徴と言えるでしょう。
外壁をヨーロピアンなデザインにするためのポイント
施工事例の収集を通して見えてきた、ヨーロピアンなデザインの共通点や、ヨーロピアンデザインをとり入れた家としておしゃれに魅せるための鉄則をご紹介します。
色数は2色以内
ヨーロピアンデザインの家にしたい場合、外壁で使う色は2色までにするのがオススメです。
どんなに多くても3色は超えないようにし、3色目は使用面積の少ないポイントカラーとして使いましょう。
特に北欧デザインを希望している場合、色使いのシンプルさも重要なポイントとなります。
使用色数ごとに、ヨーロピアンデザインの成功例を見ていきましょう。
例① 1色だけの外壁
ベージュを外壁とした住宅です。陽が差し込むかのようなリゾート感のある南欧デザインに仕上がっています。
南欧デザインは屋根が明るいため、外壁は1色のみに統一した方がよりコントラストのある仕上がりとなります。
例② 2色使用した外壁
フランスの古城を連想させるかのような、渋みのあるアンティークレンガ調のサイディングに、隣り合うピースのデコボコが重厚感を感じせています。
2色使いにすることによってより品格の漂うヨーロピアンな要素を強調しています。
メインカラーは白・ベージュ・ブラウンのどれかにする
外壁のもっとも大きな面積を占める色には白・ベージュ・ブラウンなどの色を選びましょう。
ヨーロピアンな雰囲気には柔らかく温かみのある印象が必要と前述しましたが、この要素を強めるにはこれらの色が最適なのです。
外壁の色や素材を決める前の注意点
モダンなデザインを志向している・していないに関わらず、家の色やデザインを決定する前に確認しておきたいポイントを最後に解説します。
カラーシミュレーションで色を確かめる
塗料メーカーや外壁材メーカーのウェブサイトには、デザインのシミュレーションページが用意されています。
外壁の色や塗装デザインを最終決定する前に、シミュレーターで色や塗り分けのパターンをいろいろ試しておきましょう。
おすすめのカラーシミュレーターは、エスケー化研のウェブサイトにある「住まいの塗り替えシミュレーション」です。
その理由は、操作が分かりやすいこと、戸建ての形状や色の種類が豊富なことと、候補となる色が決まったあとに塗料の色番号が分かることです。
「カラーシミュレーション」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「調査してわかった！外壁カラーシミュレーションのおすすめ4選＋α」
色見本はA4サイズのものを使う
塗料を選ぶ際に、施工店からは無料で冊子タイプのカラーサンプルがもらえると思います。
しかし、色の最終決定は冊子タイプのものではなく、A4大の「塗り板」と呼ばれるサンプルを取り寄せて、実際に屋外で見たり、自宅の壁に立て掛けて色の見え方をチェックしましょう。
塗り板は無料ではなく500～1,000円程度の料金がかかるのが通常で、取り寄せにも1週間前後かかるのが通常ですが、仕上がりに後悔しないためにも使うほうがオススメです。
ドアやサッシの色が変えられない場合も想定する
ドアや窓枠の塗装は、外壁塗装の工事には通常含まれていません。
サッシ等は外壁塗装時の養生の下に隠れてしまう部分であり、塗料も外壁と共通ではないため、同時に作業ができないからです。
玄関ドアやサッシの色が変えられることを前提に、プランを立てないほうがよいでしょう。
なお、サッシの塗装にかかる費用は1箇所につき3～6万円が目安で、作業期間も外壁と分ける必要があります。
そのような背景があるためか、ほとんどの方はサッシの色はそのままで住み続けます。
「アルミサッシの塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装を長持ちさせる！アルミサッシの塗装は7つの工程を丁寧に」
塗装技術が高い業者に依頼する
外壁の色やデザインを決めただけではまだ半分。
実際におしゃれに仕上がるかどうかは、業者の腕にもかかっています。
腕が良くて信頼できる塗装業者に心当たりがない場合は、地域で3～4社ほどから相見積もりをとって、実際の業者と接してみるのが地道ながら有効です。
訪問した担当者の説明の分かりやすさ、質問や要望に対する対応力、担当者の人柄、工事費用など、対面でないと分からない要素を比べて、今後10年以上の家のデザインを託せる業者を見極めましょう。
なお、当記事の料金おためし計算ツール
を通して相見積もりをとることもできます。
フォームからお申し込みいただくメリットとして、あなたの地元ですでに実績のあるの優良業者を最初からご紹介できることと、選ばなかった業者への気まずい断りの連絡を当社が代わりに行います。
この記事が参考になったら、ぜひご利用いただけると幸いです。
まとめ
リフォームをイメージ通りに進めるには、そのイメージを支える要素を特定してとり入れることが重要です。
ヨーロピアンの場合は、タイル調の窯業系サイディングや漆喰がその要素でした。
家の形状まではなかなか変えられないものですが、色や外壁材を気にするだけでもおしゃれな住宅に近づくはずです。
リフォームや新築が望むデザインで成功することを、編集部一同お祈りいたします。
