飛び込み営業や訪問販売でアトモス塗料を「強く勧められ検討し始めた」という方は多いのではないでしょうか。しかし、どんな塗料にもメリット・デメリットがあります。両方を踏まえ、納得した上で塗料を選ぶことが大切です。
結論から言うと、アトモスは高級感がありデザイン性の高い塗料ですが、非常に高価で相性の良い外壁材も限られるため、決定には慎重になるべき塗料です。迷われている方は、中立の立場から専門スタッフが無料でご相談に乗りますので、ヌリカエにご相談ください。
尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。
- ・アトモス塗料はデザイン性が高いが、価格も高い!
- ・アトモス塗料は高級感ある見た目にこだわりたい方におすすめ!。
- ・塗料選びは1社のみでなく、複数業者の意見を聞こう!
結論:アトモス塗料結局どう?
アトモス塗料は、デザイン性において素晴らしい塗料ですが、同時に非常に注意が必要な塗料です。
●最高峰にこだわった耐久性とデザイン性に優れた塗料
●ただし価格はシリコン塗料の約3倍
耐久性が高いセラミック系塗料の中でも、特に品質にこだわった「アトモス」。また、天然石がキラキラと輝く上質感と、重厚な趣を見せる立体感が”最高峰”を感じさせます。
耐久性も良くデザインも申し分ないとなれば、価格もそれなりに高くなります。高価なだけでなく施工技術も手間も必要です。大切な家の外壁を最高品質の塗料で仕上げたいなら、アトモス塗料を選ぶ余地があると言えるでしょう。
アトモス塗料がおすすめな方は?
・チープな外壁は避けたい!重厚感を出したい方
・できるだけ長持ちする外壁に仕上げたい方
アトモス塗料は価格よりも品質を重視する人には、ぴったりな塗料です。「光沢のある薄い塗料は安っぽいから避けたい」と考えているなら、アトモス塗料が適しているでしょう。
アトモス塗料に光沢はなくマットな仕上がりが特徴です。石や陶器の粒が美しく、建材ごとリフォームしたような特別な雰囲気も楽しめます。普通の塗料にはない深みのある色合いと立体感で、ワンランク上の住まいに仕上げてくれるでしょう。おすすめできない方は?
・サイディング外壁のお家
反対に、デザイン性よりも価格にこだわりたいという方にとって、アトモス塗料は向いていません。
アトモスと同程度の機能を有していてもアトモスよりお得な塗料はたくさんあるので、「どうしてもアトモスのような石材調の外壁にしたい!」、「アトモスの施工例の写真を見て気に入った!」といったことでなければアトモスにこだわる必要はないでしょう。
また、サイディングの外壁はアトモスには合いません。なぜなら、アトモスは塗料が硬いので、サイディングやコーキングの上のような柔らかい下地の上から塗ってしまうとひび割れが起きやすくなってしまうからです。
「ではうちに合っている塗料って何なんだろう?」と疑問を持つ方も多いかと思います。
ヌリカエでは、中立の立場の専門アドバイザーが塗料のご相談にも乗っております。
是非、お気軽にご利用ください。
アトモス塗料とは?
分類 | 水性セラミック塗料 |
---|---|
工法 | 吹付工法 |
メーカー | 株式会社アペティー |
適用外壁 | コンクリート・モルタル・ALC |
色の種類 | 20種類 |
実勢価格 | 9,000~14,000円/㎡ |
アトモス塗料とは、ウレタン塗料やシリコン塗料といった塗料のジャンル名ではなく、商品名です。ATOMOS(アトモス)というセラミック系塗料のブランドを指します。
水性の塗料ですが、粒状の天然石や陶器質が含まれており、ざらざらした質感が特徴です。コンクリートやモルタルなどに吹き付けると、まるで自然素材のような重厚な仕上がりになります。
株式会社アぺティーの高級塗料
株式会社アペティーは高級塗料を開発している塗料メーカーです。意匠性が高く、高品質な塗料を取り揃えています。アトモスは2012年に開発・販売開始しました。今ではアトモスを含め3種類のセラミック系塗料をメインに販売しています。
どれも特徴的なのは、高いデザイン性です。塗料とは思えないほどの重厚感と上質感があり、仕上がりは本物の鋳物や石造りのような佇まいを実現します。
また、デザインだけでなく高耐候性も注目したい点です。見た目だけでなく耐久性もワンランク上の品質を誇ります。
ホタテの貝殻を含むセラミック系塗料
アトモスは天然石や陶磁器質を含むセラミック塗料のひとつ。他のセラミック系塗料と異なる点はホタテの貝殻成分を含むことです。このホタテ貝を配合することで、防カビ性や調湿性が備わっています。
セラミック系塗料とは?
セラミック系塗料とは、塗料の中に粒状にした天然石や砂利・砂などの無機質骨材を混ぜたものを指します。 正確には、セラミック配合塗料と言われます。アクリル塗料やシリコン塗料の中にこれらセラミックを混ぜることで、耐候性を高めることができます。なぜホタテの貝殻なの?
ホタテの貝殻を高温で焼いた後、水で溶かすと「消石灰(水酸化カルシウム)」になります。消石灰は古来から利用されている万能成分で、消臭や除湿に使われています。
住宅に使う材料としては、漆喰(しっくい)が有名です。漆喰は消石灰で造られていて、ホタテの貝殻を使用した漆喰を「ホタテ漆喰」と言います。漆喰は酒蔵などに使われることが多い外壁塗料です。なぜなら、調湿性・断熱性に優れており、適切な温度と湿度に保てるためです。大切な巻物や宝物を収納する蔵や、醤油やお酒を造るための蔵にも使われています。
アトモス塗料の特徴
アトモス塗料には、他の塗料にはない唯一無二の特徴があります。
・耐久性が高い
・弾力性ある塗膜でひび割れしにくい
・有害物質を吸着する
・湿度を調整する
・抗菌、除菌、防カビ効果がある
・断熱性がある
・防火性、防水性がある
深みのある色合いと重厚な質感
アトモス塗料は石材調を表現する塗料です。天然素材に似た自然な立体感があり、塗料の中に含まれる自然石や陶磁器質の成分が、味わい深い色合いを表現します。
石や無機質骨材を含むと、壁が重たくなり耐震性に不安を残しますが、アトモス塗料は軽量のセラミック塗料です。壁の負担を軽減できるように、独自の配合で軽量化を実現しました。
劣化しにくい優れた耐久性
セラミック系塗料は、他の塗料に比べて高い耐久性があります。天然石や陶磁器は、紫外線や雨に強いため、外壁として利用するのに最適な素材です。
特に、アトモスに含まれているセラミックは高温で焼成し強度を高めています。
高い弾力性と厚い塗膜でひび割れを防ぐ
従来のセラミック塗装は塗膜(塗装して乾燥させた表面のこと)が硬いために、ひび割れが発生しやすい特徴があります。
そのため、アトモス塗料は独自技術によって塗料に弾力性を持たせ、ひび割れしにくくしました。アーチ状の壁や円形の柱にも塗装できる柔軟性があります。また、厚い塗膜を生成することで細かいクラックを防ぐなど、表面のカバー力があります。
ホルムアルデヒドなど有害物質の吸着効果
ホタテの貝殻には有害物質や二酸化炭素を吸収する性質があります。シックハウスの原因になるホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着し、無害化します。
また、不快なニオイ成分も吸着してくれるため、空気清浄効果・消臭効果もあると言われています。
湿気を吸収・放出する調湿性が高い
ホタテの貝殻には調湿効果があります。湿度が高い時には水分を吸収し、湿度が低い時には水分を放出します。雨が多く湿度が高い傾向にある日本では嬉しい性質です。
また、セラミック塗料は耐久性がありながらも、通気性に優れているという魅力があります。通気性が高ければ、壁内結露を防ぐことができます。抗菌・除菌・防カビ効果
ホタテ貝殻に含まれる水酸化カルシウムには、菌やカビの繁殖を防ぐ効果があります。実際に日本では、ホタテパウダーを使ってまな板などを消毒したり、洗濯時に一緒に入れて消臭や漂白をする習慣もあります。
さらに、仕上げのコーティングを重ねることで長期間に渡って、美しさを保持することができます。
室内を快適に保つ断熱性がある
アトモスに含まれるセラミックは熱伝導率が低い性質があるため、外壁に断熱性を高めることができます。また、セラミックによって壁に厚みができることも、断熱性が高い理由です。断熱性が高いと室内の温度に影響を与えにくくなるため、冬は温かく夏は涼しい環境を維持できます。
防火性、防水性がある
ホタテ貝殻や天然石などのセラミック素材は不燃材であるため、防火性に優れています。また、水が溶け込むこともないため、防水性も高い性質があります。
アトモス塗料のメリット・デメリット
アトモス塗料のメリット・デメリットを比較してみましょう。性能に優れたアトモスにも、チェックしておきたい難点があります。
メリット | デメリット |
---|---|
耐久性が高く耐用年数が長い | 価格が高い |
住宅が高級な印象になる | 吹付工法のみ |
アトモス塗料のメリット
耐久性が高い
アトモス塗料のメリットは、やはり耐久性の高さです。セラミック系塗料の耐用年数は約10~25年と言われています。現在、最も供給されているシリコン塗料は、長くても15年とされているので、その違いは歴然です。
デザイン性が高い
アトモス塗料は仕上がりの高級感が魅力です。石や砂が混ざった凹凸のある外壁は、天然素材の落ち着きと上質感が漂います。
以下の写真のように、大理石のような重厚感あるデザインになるのがアトモスの魅力です。
<出典:株式会社APETIE>
アトモス塗料のデメリット
最も注目しておきたいデメリットは、価格です。
シリコン塗料と比べて約3倍!価格が高い
アトモス塗料は価格が高く、一般的なシリコン塗料に比べて3倍に跳ね上がります。【様々な種類の塗料の相場価格】
アクリル塗料 | 1,000~1,500円/㎡ |
---|---|
ウレタン塗料 | 1,500~2,200円/㎡ |
シリコン塗料 | 2,500~3,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 3,500~4,500円/㎡ |
アトモス塗料 | 9,000~14,000円/㎡ |
最もリーズナブルなアクリル塗料と比べると一目瞭然で、10倍もの価格差が付く場合もあります。
塗装では技術力が問われる
アトモス塗料は、セラミック特有の凹凸と厚みがあるため、吹付け工法で工事をします。
この吹付け工法は施工会社の技術力によって出来栄えが左右されます。
どんな工事にも言えることですが、アトモス塗料を使った吹付け工法では塗装会社の技術力が問われることを抑えておきましょう。
使用カラーが限られている
アトモス塗料のカラーバリエーションは全20種類。アクリルやシリコン塗料と比べると少ないほうです。セラミック系塗料は石や陶器を使っているため自然色が中心になり、ホワイト・ベージュ・ブラウン系がほとんどです。
このように、アトモス塗料は高価なうえに、実績がまだ無く多い塗料ですので、担当者を過信しすぎず、まずは慎重に他の様々な塗料と比較してみることをお勧めします。 ヌリカエなら、今すぐの工事でなくても診断が可能ですので、お気軽に診断してみてください。
まとめ:施工会社選びが重要
アトモス塗料は高品質な塗料ですが、「価格が高い」「施工には技術力が必要」という弱点があるため、施工会社選びが重要になります。
もし専門業者を探すのに苦労していたり、直接交渉しにくい場合は、第三者の目線で紹介してくれる仲介業者の活用がオススメです。ヌリカエでは専門スタッフが無料で相談に乗りますので、ぜひお気軽にご利用ください。
こちらの記事をふまえたうえで、外壁塗装の塗料の基礎知識から知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介」