「外壁に付いたコケみたいなものってどうやって取るの?」
「どうして外壁にコケが生えるの?予防方法は?」
こんな悩みや疑問を持っていませんか?
白い外壁のお家は、購入してしばらくたつとコケが目立ってきますよね。
「コケはできるだけ取り除きたいけれど、その都度、業者を呼んでいたらキリがないし・・・」
・・・などと気になりつつも、手を付けられず放置していた方も多いのではないでしょうか?
害がなさそうなコケですが、放っておくと大変なことになるかもしれません・・・。
コケを除去する方法は、自分で掃除して落とすか、業者に除去依頼をするかの2択です。
また、外壁のコケは塗料や洗浄液、外壁材で再発を防止することが可能です。
この記事では、外壁のコケをなんとかしたい方に向けて、コケを除去する方法、コケの予防方法などを解説します。
きちんと対処すれば壁のコケに悩まされることが無くなります!ぜひ、最後までご覧ください。
- 外壁のコケは湿気が溜まりやすい環境になっているため発生している
- 自分でコケを除去する場合は安全に配慮して行おう
- コケが発生するのは外壁の防水性が切れているサイン
- 高所にある、もしくは水を弾かないコケは必ず業者に依頼しよう
そもそもコケとは?家の外壁にこびりついたのは本当にコケ?
コケは植物の一種です。お家の外壁などにこびりつくように発生し、広がっていきます。「コケ」に似たものには「カビ」があります。
コケとカビの違いとは?
以下↓の表は、コケとカビの違いをあらわしたものです。汚れの種類 | 違い | 特徴 |
---|---|---|
コケ |
基本的には、深緑や黄緑のような 緑に近い色 | ・胞子によって増殖する ・乾燥や日光の不足で枯れることも |
カビ |
あきらかに緑系統の色ではない場合はカビ(黒、赤、白、黄色など) | ・カビ菌によって増殖する ・条件が整えば無制限に増殖可能 |
見た目の違いですが、カビは薄っぺらくコケには高さ(厚み)があります。
カビは、一度生えたら完全に除去しないと何度も生えてきます。
「頑固なコケも除去できる高圧洗浄機でコケのようなものを落としたのに、また生えてきた」
このような経験をした方もいるかもしれませんが、落としたのはカビであり、完全に除去できなかったのだと思います。
外壁にコケが生えるのはなぜ?
外壁にコケが生えてしまうのは、外壁に湿気が溜まりやすい環境になっていることが原因です。
そもそもコケは植物。光合成を行うために水を必要とします。そのため湿気が多い場所を好み、完全に日光が当たらない場所には繁殖しにくい性質を持っています。
ではどんな環境だと、外壁の湿度が高くなり、コケが繁殖しやすくなってしまうのでしょうか。
大きく分けると住宅の環境と、外壁材自体の特徴の2つが考えられます。
以下で詳しく見ていきましょう。
【原因①】住宅の環境
周辺の湿度が高く、日当たりが悪い
外壁に湿気が溜まりやすくなってしまうのは、水が近くにある、日光が当たりにくい北側などの環境であることがやはり主な起因になります。
特に池や川が近くにあったり、隣の家の影になってしまったりする場所はコケが生えやすいです。
室内と室外の温度差が大きい
エアコンなどの影響で、室内と室外の温度差が生じることで外壁に結露が発生しやすい状態になってしまいます。
【原因②】外壁材自体の特徴
塗料の防水機能が切れている
外壁に塗布してある塗料には防水効果がありますが、年月の経過と共にその防水性は薄れていきます。
そのためだんだん外壁が水を弾かなくなり、コケができる原因とつながってしまうのです。
外壁材に凹凸がある
外壁材が凸凹した素材だと、平らな状態より水が溜まりやすいため、コケができやすくなってしまいます。
しかし凸凹がある外壁材でも塗料の機能が残っていれば、コケができる可能性は低いので、ほとんどの場合は塗料の効き目が切れ、外壁の機能性が下がっていることに起因します。
外壁のコケを放置するとどうなる?
コケは、湿気が溜まりやすい場所にへばりつくように生えてしまう植物です。風などで飛んできたコケの胞子が外壁に付着すると、水を栄養にしどんどん繁栄してしまいます。
外壁のコケは美観が損なわれるというデメリットはありますが、「ただの植物ならすぐに対策をしなくても大丈夫だろう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし外壁のコケは放っておくとどんどん増えるだけではなく、人体や外壁にも悪い影響がでる可能性があります。以下で詳しく見ていきましょう。
将来的な健康被害に繋がる恐れがある
コケの放置はアレルギーの原因になる可能性があります。コケは胞子を飛ばして繁栄します。
胞子は、吸い込むと「アレルギー性皮膚炎」を誘発してしまう危険があります。またコケはカビを新たに発生させる原因にもなります。カビは体内に入ってアレルギーを引き起こし、鼻炎や皮膚炎なども起こしかねませんので、コケの放置は健康被害が十分に出ると言えるでしょう。
外壁の浮き・膨れ・ヒビ割れの原因になる

外壁にコケが付いてしまうのは、塗膜の防水機能が失われつつあるということです。さらに水分を保ったコケが付着したままだと、塗膜の機能性がますます低下します。
そうすると外壁材の中にまで水の侵入が発生したり、腐敗が進んで外壁材がどんどん脆くなったりして、浮き・膨れ・ヒビ割れなどの劣化が進んでしまうでしょう。すぐにコケが劣化の原因になるわけではないですが、長い間放置しておくと既に手遅れで多額な補修工事になってしまったということに繋がりかねません。
そのためなるべく気付いたときに対処できるのが好ましいです。
>> 外壁塗装の耐用年数って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!
外壁のコケ、状況別の緊急度は?
緊急度【低】表面に付着した軽度のコケ
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写真のように、薄い黄緑色のようなコケは拭けば取れる可能性が高く、緊急度はそこまで高くありません。
1つの目安は、外壁に水をかけても水を弾く状態です。
このような状態であれば、外壁の奥までコケが根深く張っているわけではないので、見つけたらスポンジや雑巾などで拭いたり、予防と除去ができるコケ専用クリーナーを使ったりして、お手入れしましょう。
緊急度【中】外壁に根深く張ったコケ
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緊急度1より緑色が濃く、拭き取っても取れないコケは外壁の塗膜が薄くなってきています。
クリーナーを使って自分で除去できる場合もありますが、「塗装時期が近付いている、もしくはもう塗装時期だ」と思っていただいて問題ない状態です。
該当部分に水をかけてみたときに、外壁が水を吸い込んでしまい、色が変わってしまうような状態でしたら迷わず塗装を検討して下さい。
緊急度【高】外壁が盛り上がるほど繁殖したコケ
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繁殖して立体化してしまったコケは大変危険な状態です。
塗膜の防水性が切れてしまっているだけではなく、外壁材の中にまで水が浸入し、腐敗が起こっている可能性があります。
外壁材が腐敗してしまうと、業者に依頼してもコケの除去や補修、塗装で済むことは少なく、外壁材自体の交換が必要になるでしょう。
そうなると塗装工事以上に費用がかかってしまいます。本来であれば必要のない費用なので、お金を無駄にしないためにも早急に業者に相談しましょう。
外壁に付いたコケの取り方
いざ外壁のコケを取ろうと思ったとき、まず自宅のコケの状況から自分で取るか、業者に依頼した方がいいかを判断する必要があります。
以下のチャート図で、判断基準を設けました。ご自宅の外壁の状況と照らし合わせて確認してみましょう。
【自分で掃除して除去できるor業者に依頼すべき外壁コケの見分け方】

特にカビが高所にある場合は、自分でハシゴを組んで転倒してしまったり、誤って目にクリーナーが入ってしまったりすると危険なので、業者に頼みましょう。
自分で掃除する方法
業者に依頼する方法とは違い、自分でコケを取るのは大変ですが、費用を安く抑えられます。 しかしデメリットとして、外壁を痛める可能性があったり、防護していないと体調が悪化したりする恐れがあるので、きちんと事前に理解した上で行っていきましょう。
ではまず必要な道具から確認します。
外壁のコケを掃除するのに必要な道具
高さに合わせてブラシを使いましょう。低い場所の掃除ならスポンジでも大丈夫です。
外壁のコケを掃除する流れ
- マスク・ゴーグルなど安全準備する
- カビ取り剤クリーナーを塗布する
- 水で洗い流す(商品による)
まずは安全に掃除をするためにもマスク、ゴーグル、レインコート、ゴム手袋を必ず着用しましょう。防護していないと体調が悪化する可能性があります。
そのあとクリーナーを塗布する流れになりますが、使う商品によって水洗いが必要か不要も変わるので、商品説明をよく確認して掃除して下さい。
コケ掃除にオススメな商品
ヌリカエ編集部でオススメするカビ取りクリーナーとモップをご紹介します。
よかったら参考にしてみて下さい。
カビ取りクリーナー
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ブラシ
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オススメできない方法
・塩素系洗剤
・熱湯
・お酢
塩素系洗剤や熱湯、お酢はよくコケを取るアイテムとして知られていますが、外壁に付いたコケを除去することに関しては向いていません。
塩素系洗剤は、漂白作用があるので外壁の色を変えてしまうだけでなく、外壁材を痛めてしまいます。
熱湯を外壁にかけるのもすぐ流れ落ちてしまいますし、火傷の原因に繋がりかねません。
お酢はアクアリウムでよく使用される方法ですが、外壁のように広範囲な部分を除去するには数日かかるため、この3つの方法を外壁に使用するのは避けましょう。
業者にコケの除去を依頼する場合
それでは、業者に依頼して除去する方法を以下で詳しく見ていきます。
業者に依頼して外壁のコケを除去する場合、2つの方法があります。
高圧洗浄とバイオ洗浄です。
どちらも洗浄の仕方・特徴が違います。どのような方法なのか確認しましょう。
高圧洗浄

高圧洗浄とは、水圧の力を使って手でこすっても取れない頑固なコケを除去できる方法です。
コケだけでなく、外壁にこびりついた汚れ、藻、カビなども綺麗に落とせます。
高圧洗浄の費用相場は1㎡につき200~300円で、業者による洗浄の中でも費用は比較的安価です。
高圧洗浄作業についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
バイオ洗浄

<引用:benzsoftwash>
バイオ洗浄とは、洗剤を外壁に吹きかけて、コケを除去する方法です。
このバイオ洗浄を使うことで、高圧洗浄では落とせないようなコケを根こそぎ浮かせて落とせます。さらに外壁を傷つけることなく洗浄が可能です。
ただし費用相場が1㎡につき500~800円と高圧洗浄と比べると高いです。
コケの除去は外壁塗装とセットがおすすめ
外壁のコケを除去してもらう際は、外壁の塗装工事もセットで行うのがオススメです。
なぜなら、外壁にコケができるのは、塗料の防水・防汚効果がなくなってきているからです。
つまり洗浄してコケを落とした後、塗り替えも行うことで、コケを予防できます。
さらに洗浄と塗り替えをセットで行うことで、足場代12万円~18万円の負担を一度に抑えられます。
もし外壁のコケが深刻な場合、洗浄と外壁塗装のセットで検討してみましょう。
外壁のコケを予防する4つの方法
外壁のコケを予防する方法として、以下のような4つの方法があります。

【予防①】光触媒塗料を使って塗装する
光触媒塗料とは日光が当たると、触媒反応が発生してコケやカビを死滅させる塗料です。
さらにコケの除去だけでなく、外壁を保護する役割もあります。
ただしコケは光の当たりにくい場所に生えるので、効果が高いと言われると微妙な線です。
外壁が光に当たりやすい場合、検討してみましょう。
光触媒塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
【予防②】防藻・防カビ性の高い塗料を選ぶ
防藻性・防カビ性の高い塗料を塗ることで、外壁のコケを予防できます。
ただし塗料は一度塗れば効果が続く訳ではないので、定期的にメンテナンスをすることが大切です。
また塗料の色は、グレーやベージュを使うと、コケの薄緑色が目立ちにくくなります。反対に黒や白といった色は、コケが目立ちやすくなるので注意しましょう。
【予防③】バイオ洗浄を行う
先ほどの業者に除去を依頼する方法でも触れましたが、バイオ洗浄液の成分には、目では分かりづらいコケを死滅させる効果もあります。
そのため、コケの再発を遅らせる予防方法としてもバイオ洗浄は使用できるのです。
【予防④】金属系の外壁材に張り替える
湿気が多い環境で、もう何をしてもコケが生えてしまうという方は、金属系の外壁材に張り替えてみましょう。
金属系の外壁材にすることで、フラットな壁面となり、水はけが良くなることでコケを防ぐことができます。
コケは凹凸の多い壁面に生えやすいため、根本的にコケを防ぎたい人におすすめの方法です。
ただし、費用が高く、建物の外観も変わるため、金属系の外壁材を選ぶときは慎重に検討しましょう。
まとめ
今回の記事では、外壁のコケを除去・予防する方法、コケが発生する原因について解説しました。
もしコケが発生してしまった場合は、ぴったりだと思う方法を選んでください。
コケを除去・予防して、綺麗な外壁を目指しましょう。
最後にこの記事のおさらいです。
外壁のコケができる原因は?
湿気と日当たりの悪さ、室内外の温度の差による結露、塗膜の防水性が失われていること、外壁面の凹凸などが原因です。詳しく知りたい方は外壁にコケが生えるのはなぜ?をご覧ください。
外壁のコケを除去する方法は?
高圧洗浄(200~300円/㎡)とバイオ洗浄(500~800円/㎡)のふたつの方法があります。外壁塗装と同時に行われることが一般的です。詳しくは業者にコケの除去を依頼する場合をご覧ください。
外壁のコケを自分で掃除する方法は?
コケの高さに合わせたブラシを使うとラクですが、低い場所の掃除ならスポンジでも可能です。詳しくは自分で掃除する方法をご覧下さい。
外壁のコケを予防する方法は?
光触媒塗料を使って塗装する、防藻防カビ性の高い塗料を選ぶ、バイオ洗浄をおこなう、金属系の外壁材に張り替えるなどの方法があります。詳しくは外壁のコケを予防する4つの方法をご覧ください。
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