外壁が汚れる原因の一つにコケが挙げられます。
こうした外壁のコケは水洗いや洗濯用漂白剤、重曹などを用いて落とすことが可能です。
本記事では外壁にコケが生える原因から、コケの落とし方、コケを予防する方法までを解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
外壁コケを自分できれいに落とす2つの方法と手順
外壁に発生したコケを自分できれいに落とす方法には「ブラシやスポンジの手作業で落とす方法」と「高圧線洗浄機やスチームクリーナーで落とす方法」の2つの方法があります。
それぞれの方法を手順や用意するものを交えて解説しますので、参考にしてみてください。
ブラシやスポンジの手作業で落とす方法
布などを使ったり、ブラシやスポンジを使ったりして手作業でコケを落とす方法がひとつです。
たとえば以下のような手順で外壁コケを落としていきます。
ブラシやスポンジの手作業で外壁コケを落とす手順
- 水洗い
- 塩素系漂白剤を薄めてコケにかけて放置する
- 10分ほど放置したら、ブラシやスポンジで丁寧に落とす
簡単なコケであればこの作業できれいに落ちていきます。しかし、強くこすったりしてしまうと外壁を傷つけてしまうので注意が必要です。
作業する際には「ゴム手袋」「ブラシ」「スポンジ」「雑巾」「メガネ(ゴーグル)」「塩素系漂白剤(専用クリーナー等)」「バケツ」などを用意します。
掃除する範囲にもよりますが、おおむね3,000円程で掃除が行えます。
高圧洗浄機やスチームクリーナーで落とす方法
カビが頑固であったり、手作業では届かない範囲のカビを掃除したい場合は高圧洗浄機やスチームクリーナーで落としていきます。
たとえば高圧洗浄機を利用する場合は、以下のような手順になります。
高圧洗浄機で外壁コケを落とす手順
- 目立たない部分で水圧などを確認する
- ノズルを変更して本格的に洗浄する
- 残った細かい部分を洗浄機やブラシなどで洗浄する
高圧洗浄機を使ったり、希釈したクリーナーを利用したスチームクリーナーを使ったりすれば、頑固で深い根のあるカビも除去できます。
一方で高圧洗浄機などの水圧は外壁を傷つけてしまい、塗装の剝がれなどを引き起こしてしまう可能性も高くなるので注意が必要です。
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そのため高圧洗浄機を使って自分で行うのか、業者に依頼するのかは、次章の比較ポイントを必ず確認してから判断してください。
高圧洗浄機やスチームクリーナーで作業する際には「高圧洗浄機」「スチームクリーナー」「クリーナー」「雑巾」「スポンジ」などを用意して作業しましょう。
外壁のコケを自分で落とすか、業者に依頼するかの比較ポイント
外壁にコケが発生している場合、自分で対応するか、業者に依頼するかのどちらかになります。
どちらで対応するかの比較ポイントは「コケの進行度合い」と「コケが発生している個所」です。
比較ポイント①:コケの進行度合い
外壁のコケが洗浄剤では落ちない場合は業者に依頼しましょう。
自分では落とせないほどのコケが進行している場合は、業者による専門的な掃除が必要不可欠だからです。
自分でなんとかなると思い、強くこすったとしても外壁材を痛めてしまい、悪影響につながってしまいます。
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家庭用に売られているコケ洗浄剤などを活用して落ちる場合には、引き続き自分で落としても構いません。
比較ポイント②:コケが発生している個所
コケが発生している個所が、高所の場合は安全性の面から業者に依頼することが大切です。
たとえ進行度合いが軽くても、足場を組まないと届かない個所の場合は自分でやることは避けてください。
高所かつコケの進行度合いが重度の場合は、迷わずに業者に依頼するようにしてください。-
高所のコケを除去するためには、家庭用高圧洗浄機などが必要です。用意が難しい場合には業者に依頼したほうが手間がかからず便利です。
外壁コケの除去方法を徹底比較【業者vs自分】
外壁コケの除去を自分で行う場合と、業者に依頼した場合を以下の3つの視点から比較します。
比較ポイント | 業者 | 自分 |
---|---|---|
費用 | 約3,000円 | 約3万円 |
効果 | 専門的な対応 | 道具を用意して対応 |
手間 | 依頼のみ | 道具の準備、掃除の時間が必要 |
費用で比較
費用で比較した場合、コストをかけずに済むのは「自分で行った場合」です。
市販されている洗浄剤やスポンジやブラシを用意するのみなので、費用は3,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。
一方で業者に依頼した場合は、3万円程度は見込んでおかなければなりません。足場を組んだり、より広い範囲を掃除する場合にはさらに費用は加算されます。
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ただし業者に依頼することで、きれいな外壁を長く保つ効果もあるため、長期的なコストパフォーマンスは悪くありません。
効果で比較
除去の効果が大きいのは「業者に依頼した場合」になります。
専門的な洗浄によってきれいになるのはもちろんのこと、自分では手の届かない範囲も対応が可能だからです。掃除場所にあわせて適切な洗浄方法を実施してくれるため、外壁材を痛める心配もありません。
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安全で適切な掃除によって、きれいな外観を取り戻せます。
手間で比較
手間がかからないのは「業者に依頼した場合」です。
自分で行う場合は道具の用意から洗浄、片付けまでを行うため、時間もそれなりに確保する必要があります。
一方で業者に依頼した場合、自分で行うことはほどんどありません。コケの除去する範囲や程度によりますが、業者に依頼した場合、おおむね1日程度で洗浄は完了します。
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掃除が完了するのを待つのみなので、自分で行う時間がない人は業者に依頼するとよいでしょう。
外壁コケ取り剤おすすめランキング
自分で外壁コケの除去を行う場合には、除去剤を用意しておくと、よりスムーズな処理が可能になります。
どの除去剤を利用すればよいか迷った場合は、、以下の3つの商品から価格や効果までの時間などから、自分にあっているものを選んでみてください。
順位 | プライマー | メーカー | 容量/価格 | 使用量目安 | 効果までの時間 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | ![]() |
TO-PLAN(東京企画販売) | 400mL:725円 1L:3,298円 |
400mL / 約4~8m²分 | 約1~3日 |
2位 | ![]() |
アルタン | 1L:1,978円 2L:3,598円 |
1L/約5㎡ 2L/約50㎡ |
約数日~数か月 |
3位 | ![]() |
MIYAKI | 1L:2,418円 4L:7,698円 |
L/約5~40㎡ | 約1日~1ヵ月半 |
※ランキングは2025年度実績のデスクリサーチをもとに作成
第1位:キエ~ル コケ・カビ 濃縮5倍タイプ
メーカー | TO-PLAN(東京企画販売) |
---|---|
容量/価格 | 400mL:725円 1L:3,298円 |
使用量目安 | 400mL / 約4~8m²分 |
効果までの時間 | 約1~3日 |
噴霧器・スプレー容器に5倍に薄めてスプレーするだけで外壁のコケを除去できる人気の高い商品です。
スプレーするだけで水洗いは不要のため、手間もかからず除去作業ができます。主成分には塩化ベンザルコニウム液が使われており、医療現場でも殺菌消毒などに使われている安全性の高い成分です。
第2位:ワンステップ・スプレー・クリーナー
メーカー | アルタン |
---|---|
容量/価格 | 1L:1,978円 2L:3,598円 |
使用量目安 | 1L/約5㎡ 2L/約50㎡ |
効果までの時間 | 約数日~数か月 |
ニュージーランドやオーストラリアでは市場占有率が80%を超えている人気商品で、日本でも登場から10年以上支持されている商品です。
気になった個所にスプレーするだけで水洗いは不要。殺菌成分によって枯死したコケは風雨によって除去されるので、手間もかかりません。
第3位:コケシラズ
メーカー | MIYAKI |
---|---|
容量/価格 | 1L:2,418円 4L:7,698円 |
使用量目安 | L/約5~40㎡ |
効果までの時間 | 約1日~1ヵ月半 |
素材を傷めにくい中世タイプの除去剤で、窯業系サイディングからレンガ、タイルまで幅広い外壁材に利用が可能です。
ブラッシングや水洗いも不要なため、簡単に利用できます。
外壁コケが発生する原因と対策
外壁コケが発生する原因については、以下の4つが考えられます。
日当たりや風通しが悪い
川べりなど水辺が近い
林や森などの樹木が近い
外壁剤や断熱材が劣化している
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それぞれの原因について対策も交えながら解説していきます。
日当たりや風通しが悪い
コケは湿度が高くなると発生し、より広がりやすくなります。
そのため日当たりや風通しが悪い箇所にある外壁は、乾燥がしにくく、湿度が高い状況になりやすくコケが繁殖しやすい環境になってしまいます。
日当たりや風通しが悪い場所は、地面の湿気をとるために土壌に軽石を混ぜたり、生垣にして風通しを良くするなどして対策が立てられます。
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しかし、日当たりや風通しが良い場所と比較すると繫殖しやすい環境ではあるため、定期的な点検が必要です。
川べりなど水辺が近い
川べりなどの水辺が近い外壁も湿気が上がりやすく、コケが繁殖しやすい環境になりがちです。
家の付近に川や湖などがある場合は、ほかの場所にある家よりもコケの発生に注意を配る必要があります。
水辺が近い場合も湿気を下げることで、繫殖しやすい環境を避けることが可能です。土壌に軽石を混ぜるなどの対策を行うとよいでしょう。林や森などの樹木が近い
外壁に発生するコケは、コケの発生源である胞子が風に乗って運ばれ、外壁に付着することが原因です。
胞子は林や森の木々から運ばれるため、家の近くに林などがある場合は、胞子が付着する可能性も高まります。
定期的な外壁な点検はもちろんのこと、コケ取り剤などを活用して洗浄することで、付着したコケの胞子を取り除くことが可能です。
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自然豊かな地域にお住まいの方は、とくに注意をしてください。
外壁材や断熱性が劣化している
外壁材が劣化してしまい、内部に設置されている断熱材も劣化が進行してしまうと、十分な除湿が行えない状況になってしまいます。
具体的には断熱材が湿ってしまい、コケが繁殖するための水分が十分な量で提供されてしまいます。
外壁材が劣化してしまっている場合は、外壁塗装を行うなど、抜本的な対策が必要です。
外壁のコケを予防する5つの方法
外壁のコケを予防するには、以下の5つの方法が挙げられます。
外壁のコケを予防する方法
- 外壁回りの風通しをよくする
- 光触媒塗料を使って塗装する
- 防藻・防カビ性の高い塗料を選ぶ
- バイオ洗浄を行う
- 金属系の外壁材に張り替える
【予防①】外壁回りの風通しをよくする
コケの繫殖を抑えるためには、風通しをよくすることが効果的です。
建物の周りの植木や木々を適切に管理したり、建物と建物の間隔を適切に保ったりすることで、湿気を減らすことにつながります。
外壁の前に物を置かないことも大切です。定期的にコケが生えていないかの確認はもちろんのこと、少しでも生えている場合はこまめに除去するようにしましょう。
【予防②】光触媒塗料を使って塗装する
光触媒塗料とは日光が当たると、触媒反応が発生してコケやカビを死滅させる塗料のことです。
さらにコケの除去だけでなく、外壁を保護する役割もあります。
外壁が光に当たりやすい場合は検討してみてください。
光触媒塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
【予防③】防藻・防カビ性の高い塗料を選ぶ
防藻性・防カビ性の高い塗料を塗ることで、外壁のコケを予防できます。
ただし塗料は一度塗った後も、定期的にメンテナンスをすることが大切です。
また塗料の色は、グレーやベージュを使うと、コケの薄緑色が目立ちにくくなります。反対に黒や白といった色は、コケが目立ちやすくなるので注意しましょう。
【予防④】バイオ洗浄を行う
バイオ洗浄液の成分には、目では分かりづらいコケを死滅させる効果があります。
高圧洗浄よりも洗浄力が高いため、コケの繁殖抑制にもつながります。なお、費用が高額になるため費用対効果を確認してから選定しましょう。
【予防⑤】金属系の外壁材に張り替える
金属系の外壁材にすることで、フラットな壁面となり、水はけが良くなることでコケの発生を防げます。
コケは凹凸の多い壁面に生えやすいため、金属系の外壁材とすることで、コケが発生しやすい環境そのものを防ぐことにもつながります。
外壁の張替えのタイミングであれば、金属系の外壁材も検討してみてください。
外壁のコケを放置するとどうなる?
コケの発生は劣化の初期症状になるため、定期的に外壁に異常がないかの確認が大切です。
放置してしまうと、さらにコケが繁殖してしまうことに加え人体や外壁にも悪影響が出てしまう可能性もあります。
将来的な健康被害につながる
コケの放置はアレルギーの原因となる可能性があります。
コケは胞子を飛ばして繁殖し、胞子はを人間が吸い込むと「アレルギー性皮膚炎」を誘発してしまう危険があるためです。
またコケはカビを新たに発生させる原因にもなります。
カビは体内に入ってアレルギーを引き起こし、鼻炎や皮膚炎なども起こしかねません。
外壁の浮き・膨れ・ヒビ割れの原因になる

外壁にコケが付いてしまうのは、塗膜の防水機能が失われつつあるということです。さらに水分を保ったコケが付着したままだと、塗膜の機能性がますます低下します。
放置してしまうと、外壁材の中にまで水の侵入が発生したり、腐敗が進んで外壁材がどんどん脆くなったりして、浮き・膨れ・ヒビ割れなどの劣化が進んでしまいます。
すぐにコケが劣化の原因になるわけではないですが、長い間放置しておくと既に手遅れとなってしまい、多額な補修工事が必要になる場合も少なくありません。。
そのためコケの発生に気付いた際は、すぐ対処できるのが好ましいです。
>> 外壁塗装の耐用年数って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!
まとめ
今回の記事では、外壁のコケを除去・予防する方法、コケが発生する原因について解説しました。
もしコケが発生してしまった場合は、除去する方法をまずは実践してみてください。
コケを除去・予防して、綺麗な外壁を目指しましょう。
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