外壁塗装の費用は確定申告して、税金の還付が受けられるのか気になりますよね。
こちらの記事では、外壁塗装で確定申告できるのか、また還付受けられる条件や必要書類、申請方法について説明していきます。
外壁塗装は確定申告できる?
外壁塗装の費用は、条件次第では確定申告ができ、税金還付を受けることができます。
主に個人住宅の外壁塗装を行った場合、住宅ローン減税や投資型減税の条件に合致していれば確定申告ができます。
注意点としては外壁塗装のみ行った場合は適用不可、対象工事と同時に行う必要がある点はお気をつけください。
外壁塗装に使える減税制度について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
本来確定申告がいらない方が税金の還付を受けるための申告であれば、任意になります。
確定申告ができる期間
外壁塗装の費用を還付請求をする場合は、外壁塗装した翌年1月1日から5年間申告することができます。確定申告期間の2月16日から3月15日とは関係がありません。
還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
参考:国税庁 – No.2030 還付申告
例えば、2022年の1月1日から12月31日の間に外壁塗装をした場合、2023年の1月1月から2027年の12月31日まで申告可能です。
5年を過ぎると時効で還付請求ができなくなります。また還付申告は任意のため、対応せずとも罰則はありません。基本的には給与所得者で住宅ローン減税など、減税制度を使う方が当てはまります。
一方で申告義務のある人が、年間の所得を計算して税務署に納税額を申告する場合、毎年2月16日から3月15日と決まっています。
所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。
参考:国税庁 - No.2024 確定申告を忘れたとき
こちらの場合は期限を過ぎると罰則がありますので、ご注意ください。
主に事業主の方で外壁塗装をした場合に当てはまります。
外壁塗装の確定申告で還付が受けられる条件
住宅ローン減税で外壁塗装の税金還付を受けるには、下記条件を全て満たす必要があります。2022年の税改正で所得の要件が変更になり、3,000万円→2,000万円と厳しくなりましたのでご注意ください。
②居住スペースが半分以上を占める
③工事金額が100万円を超え、半額以上が居住スペースに使われる
④ローンの返済期間が10年以上
⑤申告者の年間所得金額が2,000万円以下
⑥住宅関連の他の控除制度が適用されていない
①申告者の自宅であり、実際に居住している
確定申告をする方が所有し、かつ居住していることが必要です。また、外壁塗装工事をしてから6ヶ月以内に居住していること、控除適用年の12月31日時点も引き続き居住していることも条件になります。
よって、経営しているアパートや別荘、離れて暮らす家族の住宅は対象外です。
②居住スペースが半分以上を占める
住宅の床面積が50平米以上であり、かつ床面積の半分以上を居住用スペースとして使用することが必要です。自営業の方はご自宅の半分以上が居住用スペースになっているかご確認ください。③工事金額が100万円を超え、半額以上が居住スペースに使われる
工事費用が100万円を超えていること、また工事金額の半額以上を居住用スペースのために使用していることも条件です。④ローンの返済期間が10年以上
ローンの返済期間が10年以上に設定されていることが必要です。また、勤務先からローンを借りている場合は、年利0.2%以上であることが必要です。知人や親族からローンを借りている場合は、控除適用が不可になります。
借入先によって適用可否が異なる場合もありますので、金融機関へ問い合わせるとより確実でしょう。
⑤申告者の年間所得金額が3,000万円以下
申告者のみの所得が3,000万円以下であれば問題なく、家族の所得は含みません。また所得は給与のみではなく、利子や配当、不動産による所得も含まれますのでご注意ください。
⑥住宅関連の他の控除制度が適用されていない
対象の外壁塗装を施した住居に居住した年と前後2年の計5年間に、長期譲渡所得の課税特例を受けていないことも条件になります。
10年超所有軽減税率の特例
10年以上所有している不動産に対し、6000万円以下の部分について軽減税率が適用されます。
参考:国税庁 - No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
特定居住用財産の買換え特例
マイホームを買い替えた際に、課税を将来に後ろ倒すことができます。
外壁塗装の確定申告に必要な書類
住宅ローン減税にて外壁塗装の費用を確定申告する場合、1年目は下記の書類を提出します。2年目以降は提出書類も減って年末調整だけで手続きが完了します。
必須 | 必要書類 | 概要 | 入手方法 |
---|---|---|---|
● | マイナンバーカード | 申告時に必要 | お住まいの自治体へ申請、カードがない場合は通知書でも可 |
● | 身分証明書 | 申告時に必要 | – |
● | 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 控除額の計算 | 税務署や国税局のサイトからダウンロード |
● | ローンの年末残額等証明書 | 控除対象になるローン残高の証明 | ローンを借入れた金融機関が毎年10月~11月頃に発送、依頼が必要な場合も |
● | 増改築等工事証明書 | 対象工事であることの証明 | 外壁塗装を含めた工事を依頼した建築事務所や専門機関に発行依頼 |
● | 家屋の登記事項証明書 | 住宅ローン利用で不動産を取得したことの証明 | 家屋の取得時に発行、手元にない場合は法務局へ申請 |
補助金を証明する書類 | 補助金を受けた場合、補助金額の証明 | 補助金を交付した自治体が発行 | |
給与所得の源泉徴収票 | 会社員の場合、給与所得金額の証明 | 所属企業の人事労務部が発行 |
上記書類のうち、「増改築等工事証明書」はスムーズに入手できず、発行に時間がかかる可能性があります。
建築士のいないリフォーム会社では発行できない場合があるため、あらかじめ発行可否を確認をしておきましょう。
もし工事を頼んでいるリフォーム会社で発行できない際は、別の機関や企業に発行依頼します。
・「住宅あんしん検査」
発行料は3~4万とかかりますが、国土交通大臣に指定された法人のため安心です。
一般社団法人 住宅あんしん検査 – 増改築等工事証明書(不動産取得税・登録免許税)
・リフォーム企業
例えば以下の企業ですと、約8,000円で発行をしています。工事していなくても、発行できる場合があります。
増改築証明書の発行7,700円~(税込) 個人の方・リフォーム工事会社の方向け
また、ネットで依頼・入手できる書類については、下記からお手続きいただければと思います。
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
国税庁のサイトから「住宅借入金等特別控除額 計算明細書」と検索し、ダウンロードしてください。
以下は令和3年版の見本となります。
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書【令和3年分】(PDF/630KB)
・家屋の登記事項証明書
法務局のサイトから、オンラインで請求手続きをすることができます。
手数料は500円程度、平日21時まで請求可能です。
外壁塗装の確定申告で節税できる金額
外壁塗装のために借り入れた金額の年末時の残額の0.7%を、10年合計140万円を限度に所得から控除されます。
例えば各種控除後の年間所得800万円の人が外壁塗装を含むリフォーム工事に銀行からお金を借り、初年度の年末時点で1,000万円のリフォームローンが残っていたとしましょう。その年度の住宅借入金等特別控除額は以下の計算式で求められます。
・1,000万円×0.7%=7万円
所得税は以下の計算式で求められます。
・800万円×23%(所得税率)-636,000円(年間所得における控除額)=1,204,000円
住宅借入金等特別控除が適用されると、所得税は次のように計算できます。
・(800万円-7万円)×23%-636,000円=1,187,900円
住宅借入金等特別控除が適用されないときと比べて、1年で16,000円現金が還付されるのです。2年目以降はローン残高も減るため還付金も少しずつ減りますが、手続きが面倒などと思わず、しっかりと手続きをして、合法的に納税額を減らしましょう。
外壁塗装の確定申告のおすすめ方法
外壁塗装の確定申告は税務署の特設会場で申告する方法がおすすめです。
方法 | 税務署の特設コーナーで申告 | オンラインで申告 | 税務署に郵送 | 確定申告を代行してもらう |
---|---|---|---|---|
申告者 | 自分 | 自分 | 自分 | 税理士 |
メリット | サポートスタッフもいて、初めての申告でも安心 | 場所や時間を選ばずに申告できる | 土日でも好きな場所で書類作成ができる | 必要書類を渡すのみでOK |
デメリット | 平日に直接会場に行く必要がある | 準備が煩雑になることも | スタッフに相談できない | 少なくとも2~3万はかかる |
おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
税務署の特設会場で申告する方法は平日会場に出向く手間はかかりますが、サポートスタッフもいるため初めての方でも正確に申告できます。
近年ではe-Tax(国税電子申告・納税システム)で、スマホやパソコンからも申告できます。しかし必要機器の準備や専門家に相談しづらさなど、かえって煩雑で面倒になるかもしれません。
また自分でやる以外には税理士に頼む方法もありますが、外壁塗装の申告のみでも費用は少なくとも2~3万円はかかります。加えて塗装業者など第三者に確定申告を依頼は税務処理に関して違法行為となるため、必要書類や申請方法の相談に留めましょう。
費用面の懸念と複雑さが少ないのは、ご自身で税務署の特設会場で申告する方法です。とある会計事務所の確定申告代行の料金表から、21,000円になります。
給与所得ある方で住宅ローン減税のみ確定申告する場合に限る内訳:基本料金10,000円+給与所得の源泉徴収の処理 1,000円×1枚+住宅ローン減税初年度10,000円
あくまで参考金額ですので、実際の金額はお近くの税理士にご相談ください。
住宅ローン減税で2年目以降の確定申告
住宅ローン減税で2年目以降は、会社の年末調整で引き続き税金の還付を受けることができます。
年末調整時には以下の書類が必要であるものの、特別に取り寄せる対応は不要です。
2年目以降の年末調整で必要な書類
- 借入金の年末残高証明書
- (給与所得者の)住宅借入金等特別控除申告書
また住宅借入金等特別控除申告書は確定申告をした年の10月頃に税務署から郵送で届きます。
外壁塗装費用を確定申告する際に注意すべきポイント
外壁塗装の費用を確定申告する際は、以下の点にお気をつけください。
- 会社員でも確定申告が必要
- 早めに準備を進めておく
- 住宅ローン減税に詳しい業者に塗装を依頼する
会社員でも確定申告が必要
外壁塗装の費用で税金還付を受けるためには、会社員でも確定申告をする必要があります。
住宅ローン減税であれば2年目以降は年末調整で対応できますが、基本的には確定申告が必要になるためご注意ください。
早めに準備を進めておく
確定申告するために必要書類が多いので、早めに準備を進めておきましょう。
発行依頼してから実際に発行できるまでに、時間がかかる書類もあります。前もって業者や金融機関、法務局など関係箇所に入手スケジュールや不明点について確認しておきましょう。
住宅ローン減税に詳しい業者に塗装を依頼する
減税制度に詳しい業者であれば、外壁塗装を確定申告するための書類作成やがスムーズです。また書類を揃えるためのサポートがあるかもしれません。業者には事前に「住宅ローン減税で外壁塗装の費用を確定申告したい」と伝えておくと、減税制度に詳しい業者であったなら丁寧に案内してもらえるでしょう。
記事のおさらい
外壁塗装の確定申告で還付が受けられる条件は?
①申告者の自宅であり、実際に居住している・②居住スペースが半分以上を占める・③工事金額が100万円を超え、半額以上が居住スペースに使われる・④ローンの返済期間が10年以上・⑤申告者の年間所得金額が2,000万円以下・⑥住宅関連の他の控除制度が適用されていないなどがあります。詳しく知りたい方は外壁塗装の確定申告で還付が受けられる条件をご覧ください。
外壁塗装の確定申告に必要な書類は?
マイナンバーカード、身分確認書類、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、ローンの年末残額等証明書、増改築等工事証明書、家屋の登記事項証明書、補助金や贈与を証明する書類(利用した場合)、給与所得の源泉徴収票(会社員の場合)などがあります。詳しくは外壁塗装の確定申告に必要な書類をご覧ください。
外壁塗装の確定申告のおすすめ方法は?
税務署の特設会場で申告する方法がおすすめです。サポートスタッフもいるため初めての方でも安心です。詳しくは外壁塗装の確定申告のおすすめ方法をご覧下さい。
外壁塗装費用を確定申告する際に注意すべきポイントは?
毎年確定申告の期間は決まっていますので、期限内に申告するようにしましょう。詳しくは外壁塗装費用を確定申告する際に注意すべきポイントをご覧下さい。
確定申告をしないのは損!
外壁工事の確定申告は慣れていないと非常に間違いが起こりやすいため、住宅ローン減税に詳しい外壁塗装業者への依頼がおすすめです。
住宅借入金等特別控除が適用される条件や条件を満たしているか説明してくれますし、確定申告に必要な書類もスピーディに揃います。
プロの手を借りて、少しでも簡単に確定申告手続きを進めていきたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。