ガルバリウム屋根は暑い?
ガルバリウム屋根は軽量で錆びにくいため、屋根の素材として人気があります。しかし、ガルバリウム屋根に対して「暑い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ガルバリウム屋根について調べると「金属でできている」、「薄くて軽いものである」ということがわかります。この2点は熱を通しやすいイメージがあるので「ガルバリウム屋根は暑い」と思ってしまうのは当然のことでしょう。
結論から言いますが、ガルバリウム屋根はしっかりと対策をすれば暑さを防ぐことができます。
この記事では、「屋根のリフォームを考えているけど暑さが心配」という方に向けて、ガルバリウム屋根を選ぶポイントや暑さ対策について解説していきます。
ガルバリウム屋根は何でできている?
ガルバリウム屋根とは、ガルバリウム鋼板という素材で作られている金属屋根のことです。
ガルバリウム鋼板は、アメリカの企業が開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板で、その特徴は錆びにくさにあります。使用環境にもよりますが、従来のトタン屋根と比べて約3〜6倍耐久性が高いと言われています。
耐久性が魅力的な素材ですが、スレート屋根や同じ金属屋根のトタン屋根よりリフォーム費用が高くなる傾向にあります。工事価格は1㎡あたり約6,000〜9,000円になります。
また、注意点として、ガルバリウムは錆びにくいとは言われていますが錆びないわけではありません。次のような場合は耐久性が充分に発揮できないことがあります。
表面のめっき層が耐久性の要であるため、表面に傷が付きめっきが剥がれてしまった場合、そこに雨や外気などが当たると錆の一種である赤錆の発生原因になります。また、施行時の鉄粉の処理をしっかりしない場合も錆の原因になることがあります。
ガルバリウム屋根を選ぶポイント
ガルバリウム屋根と一口に言っても、葺き方や商品には色々なものがあり、どのように選べば良いのかわからなくなることも多いでしょう。
そんな方のために、どのように選べば良いのか2つのポイントをもとに解説していきます。
葺き方を見る
ガルバリウム屋根の葺き方には大きく分けて縦葺きと横葺きの2通りあり、それぞれ特徴があります。
まずは、縦葺きの特徴ですが、見た目はシンプルな縦縞模様となり、勾配が緩やかな屋根にも施工ができる葺き方となります。
続いて、横葺きの特徴ですが、地面と平行に横縞模様となり、デザイン性が豊富なところで、複雑な屋根形状にも対応できる葺き方となります。
葺き方については、建物の屋根の勾配や形状を確認した上で選ぶことをおすすめします。
SGLかどうか
SGLとはガルバリウム鋼板をベースに、さらなる耐久性向上を実現したものとなります。ガルバリウム鋼板の約3倍超の耐久性があり、現在はガルバリウム鋼板よりもSGLを選ぶことが主流となっています。
どちらの金属を使う予定なのか、施工前にリフォーム会社へ確認しておきましょう。
ガルバリウム屋根が暑いのを防ぐ対策4選
軽さと耐久性でリフォーム用の屋根材として人気のガルバリウム屋根ですが、暑さを防ぐためにどのような対策をしたら良いのでしょうか。具体的な4つの方法を紹介します。
暑さについて心配な方は、ぜひご覧ください。
1:屋根に明るい色を使う
ガルバリウム屋根のオーソドックスな色と言えば黒ですが、黒は太陽光を吸収してしまいます。
明るい色の方が太陽光を反射してくれるため、室内の温度上昇を軽減することができるというシンプルで効果的な方法です。
周辺の建物の雰囲気やデザインの好みなどで色を選べないこともありますが、明るい色を選べるようでしたら、おすすめの対策です。
2:断熱材を一緒につける
ガルバリウム屋根を採用する場合、まず押さえておきたい暑さ対策は断熱材を一緒につけることです。
ガルバリウム鋼板自体は金属なので熱伝導率が高く、暑さを防ぐことができません。横葺きタイプのガルバリウム屋根を採用するのであれば、断熱材一体型のものを選ぶようにしましょう。
縦葺きなど施工条件によっては断熱材をつけられないということがありますが、その場合は、天井断熱などをあわせて検討してみてください。
3:屋根の通気性を確保する
どのような暑さ対策をとったとしても、日中の日差しが降り注ぐ中で屋根の下が暑くならないということはありません。「熱くなった空気は外に逃がす!」というのがこちらの対策の肝となっております。
具体的には、通気層という層を屋根の下に設けることで空気の通り道を作り、熱がこもらないようにする方法です。新たに通気層を作る場合、リフォーム費用は高額になりがちですが、効果的な暑さ対策です。
4:遮熱塗料を塗る
遮熱塗料とは、その名の通り熱を遮ってくれる塗料で、太陽光を反射する効果があります。つまり、屋根材の上から塗るだけで屋根の温度上昇を抑える効果があります。
また、先述した屋根に明るい色を使う方法と併用することで更に効果が上がります。ただし、遮熱機能が追加されている分、一般的な塗料と比べると割高な部分はネックです。
ガルバリウム屋根で注意すること
ガルバリウム屋根は紹介した通り、耐久性が高く、錆びにくい特徴がありますが、まったく錆びないわけではありません。また、ガルバリウム屋根を施工するのに適していない条件もあります。
ガルバリウム屋根を施工するに当たって、どのようなことに注意しなければいけないのか解説していきます。
メンテナンスを定期的に行っているか
ガルバリウム鋼板と言えば、「耐久性が高いからメンテナンスが必要ないのではないか」と考える方がいらっしゃいますが、結論から言うとメンテナンスは必須です。
ガルバリウム鋼板は薄くて軽い素材のため、表面の塗膜も薄く傷が付きやすいです。台風時の飛来物などでできた傷から錆が発生することもあります。
そのため、約10年に1回は屋根を点検することをおすすめします。なお、屋根の点検は危険なので専門業者にお願いするようにしましょう。
色は地域や気候に適しているか
ガルバリウム屋根は、潮風が吹く沿岸地域や高温多湿な地域での施工にはあまり向いていません。潮風に含まれる塩分が原因で白錆が発生する可能性が高いためです。
白錆とはガルバリウム鋼板の表面に白い斑点ができてしまう状態のことで、住宅に大きなダメージはありませんが、美観的にはかなりのマイナスとなります。約3ヶ月に1回水で洗い流すことで、白錆の発生を防ぐことができますが、屋根を水で流すのは大変です。
上記のような地域で、どうしてもガルバリウム鋼板の屋根を採用したい場合は、ブラックなどの白錆が目立つ色は避けるようにしましょう。
ガルバリウム屋根は対策をすれば暑くならない
金属ということで暑いイメージを持たれることが多いガルバリウム屋根ですが、対策をすることで暑さを防ぐことができるでしょう。
ガルバリウム屋根の耐久性と軽さはリフォームを考える上で非常に魅力的です。
暑さが心配で悩んでいる方は、この記事を参考にぜひ検討してみてください。