ルーフィングシートとは?種類ごとにメリット・デメリットを解説

  • 【更新日】2023-06-15
ルーフィングシートの見た目と張り付け作業の風景

屋根の補修を考えた際、「ルーフィングシート」という言葉を聞いたことはありませんか。
この記事では「ルーフィングシートって何?」「どんな種類があるの?」といったことが気になる方のために、ルーフィングシートについて解説しています。
大切な自宅を少しでも長く守るために、快適に住めるように、是非ともチェックしておきましょう。

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ルーフィングシートとは?

屋根の構造と屋根材・ルーフィングの位置関係

ルーフィングシートとは、屋根を構成する部分のひとつで、下地木材(野地板)の上に直接張りつける防水機能をもったシートのことです。
「下葺き材」「アスファルトルーフィング」などのほか、単に「ルーフィング」と呼ばれることもあります。

ルーフィングシートは、瓦・スレート・ガルバリウム鋼板などの屋根材の種類を関わらず、屋根ならば必ず使われている素材です。
屋根材の間から侵入してくる雨水を、下地に染み込まないように守る役割を果たしています。

実は屋根材は、パーツ同士のすき間から雨水がある程度内部に入り込む構造になっています。
内部に入った雨水を、下地の木材に触れさせずに外に排出するため、ルーフィングシートが必要になってきます。

屋根防水のしくみと屋根材・ルーフィングシートの役割

もし屋根にルーフィングシートがなかったら、下地木材にすぐ水が染み込んで、屋根はすぐに雨漏りを起こしてしまうでしょう。

裏を返せば、ルーフィングシートに不良が起きない限りは、屋根材がどれだけ傷んでいても屋根の雨漏りは起きません。
ただし、屋根材の防水性が失われていると、その分ルーフィングシートが酷使されて早く劣化します。

業者依頼でもDIYよりオトクに塗装する方法

業者への工事依頼は、一見DIYよりも高く感じます。
しかし、長期的なコストパフォーマンスを考えると、DIYよりもオトクになることが多いです。

さらに、専門業者に依頼をする際、助成金や火災保険金が使えば、相場よりも20万円以上安く工事できる可能性があります。
塗装工事は、知識さえ身につければ相場よりもずっと安くできるんです。

外壁塗装を安くするための助成金・火災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。

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ルーフィングシート6種類の特徴とメリット・デメリット

スレート屋根
ルーフィングシートは、性能や原材料によって種類が以下の6つに分けられます。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なりますので、種類ごとに詳しく解説していきます。

ルーフィングシートの種類
  1. アスファルトルーフィング
  2. 改質アスファルトルーフィング
  3. 透湿防水ルーフィング
  4. 高分子系ルーフィング
  5. 粘着層付きルーフィング
  6. 不織布ルーフィング

アスファルトルーフィング

アスファルトルーフィングは、厚みのあるダンボールにアスファルトを染み込ませて作られるルーフィングシートです。
関東大震災の復興時に多く利用され、住宅での普及率はルーフィングシートの中でも随一です。
一般家庭で最も使用頻度が高いものは、「アスファルトルーフィング940」という商品になります。

メリット ・止水性が高い
・普及率が高く、非常に安価
デメリット ・耐用年数が8~10年ほどと短く、小まめなメンテナンスが必要
・破れやすく、雨漏りが起きやすい

改質アスファルトルーフィング

リッジウェイ施工例
改質アスファルトルーフィングは、アスファルトルーフィングと同じ原料で作られているものの、より耐久性の高いルーフィングシートです。
アスファルトルーフィングの約2倍の耐用年数があります。
耐用年数は商品によって大きく異なりますが、おおむね20年ほどと言われています。

メリット ・ポリマーや合成ゴムなどを含有しているため、耐久性が高い
・止水性が高い
デメリット ・アスファルトルーフィングよりも高価
・湿気を逃がしづらく、凍結する可能性がある

代表商品として「三星PカラーEX+」があります。

商品名 三星PカラーEX+
メーカー 田島ルーフィング
分類 改質アスファルトルーフィング
市場価格 6,300円~
単価相場 350~500円/㎡
耐用年数 約20年

三星PカラーEX+は、屋根のタイプを問わず使えるほか、価格が安くコストパフォーマンスが特に良いことが特徴になります。

商品名 マスタールーフィング
メーカー 田島ルーフィング
分類 改質アスファルトルーフィング
市場価格 43,200円~
単価相場 2,000~2,500円/㎡
耐用年数 約60年

ルーフィングシートとして最長の耐用年数を誇る「マスタールーフィング」も人気です。
耐久性の高い日本瓦などの屋根材と併用すれば、ライフサイクルでみた場合のリフォーム工事費用・メンテナンス費用を大幅に削減できます。

透湿防水ルーフィング

透湿防水ルーフィングは、湿気を逃がす性能を持ったルーフィングシートです。
湿気を逃しやすくすることで、住宅内部の傷みを進行しにくくする効果があります。

メリット ・防水性と透湿性が高い
・施工がしやすい
・耐用年数が50年以上と非常に長い
デメリット ・高価
・施工に時間がかかる

代表商品としては「タイベック ルーフライナー」があります。

商品名 タイベック ルーフライナー
メーカー デュポン
分類 改質アスファルトルーフィング
市場価格 26,000円~
単価相場 500~700円/㎡
耐用年数 約50年

タイベック ルーフライナーは透湿性に優れ、雨天後の屋根の野地板(下地木材)を素早く乾燥させる効果があります。
張り替えたばかりで、長持ちさせたい野地板に最適なルーフィングシートといわれています。

高分子系ルーフィング

高分子系ルーフィング
高分子系ルーフィングは、主に塩化ビニルを原料とする、アスファルト以外のルーフィングシートの総称です。
アスファルトを使っていないので、軽量であることが特徴です。

メリット ・耐久性が高く、破れにくい
・伸縮性が高く、ひび割れしづらい
・安価
デメリット ・下地の形状によって使用できない場合がある
・紫外線の影響で劣化しやすい
・耐用年数が約15年と短め

高分子系ルーフィングの代表商品としては「遮熱ノアガードⅡ」が挙げられます。

商品名 遮熱ノアガードⅡ
メーカー ケイミュー
分類 高分子系ルーフィング
市場価格 28,820円~
単価相場 720~900円/㎡
耐用年数 約20年

遮熱ノアガードⅡは表層がアルミ反射層になっており、日射を跳ね返す力が高いルーフィングシートです。
2階の部屋の暑さを和らげる効果が期待できます。

粘着層付きルーフィング

粘着層付きルーフィングは、貼付け面が粘着シートになっているタイプのルーフィングシートの総称です。
通常ルーフィングシートは「タッカー」というホッチキスのような道具で下地に貼り付けますが、粘着層付きルーフィングの場合はそのままピッタリと下地に貼り付けられます。

メリット ・密着性と防水性が高い
・雨漏りしにくい
・耐用年数が約30年と長め
デメリット ・高価
・湿気を逃がしにくい

粘着層付きルーフィングシートの代表商品には「タディスセルフ」があります。

商品名 タディスセルフ
メーカー 田島ルーフィング
分類 遅延粘着型 改質アスファルトルーフィング
市場価格 9,800円~
単価相場 600~750円/㎡
耐用年数 約20年

ダディスセルフは、一度貼っても2時間以内なら貼り直しができる「遅延粘着型」のルーフィングシートです。
作業が難しい複雑な形状の屋根に向いています。

不織布ルーフィング

不織布ルーフィング
不織布ルーフィングは、その名の通り原料のベースが不織布のルーフィングシートです。
近年注目を集めていて、施工件数が増えており人気があります。

メリット ・耐久性が高く破れにくい
・柔軟性があり、下地の形に合わせることができる
・耐用年数が約30年と長め
デメリット ・高価

代表商品には「ダディスセルフ・カバー」があります。

商品名 タディスセルフ・カバー
メーカー 田島ルーフィング
分類 粘着型 改質アスファルトルーフィング
市場価格 12,600円~
単価相場 630~800円/㎡
耐用年数 約20年

ダディスセルフ・カバーは粘着型かつ、丈夫な不織布ルーフィングのため、破れに非常に強いです。
ひび割れが多い、既存スレート屋根の部分補修時の使用に特に向いてます。

メーカーが「田島ルーフィング」なら安心

田島ルーフィングは、屋根下葺き材(ルーフィング)の国内最大手メーカーです。ルーフィングシートだけで20種類近くの製品を製造販売しており、実績も豊富。迷ったら、田島ルーフィング社の製品を選んでおけば、後悔はないでしょう。

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ルーフィングシートの施工方法

屋根の葺き替え工事で剥がしたスレート

ルーフィングシートはどのように施工されるのでしょうか。
業者がルーフィングシートを取り付ける際の手順を、簡単にご紹介します。

ルーフィングシートを貼る

軒先(のきさき・屋根の下側)から棟先(むねさき・屋根の上側)に向けて、ルーフィングシートを貼り付けていきます。
シートの間に隙間があると浸水する恐れがあるので、20センチほど重ね張りして補強します。
屋根の棟や谷部は雨が溜まることが多く傷みやすいため、ルーフィングシートを二重から三重にする必要があります。

タッカーで留める

ルーフィングシートを、30センチ間隔でタッカーを使って留めます。
傾斜がある屋根に対して直角にタッカーを打ち込むには技術が必要で、タッカーが浮いたり、打ち込みが強かったりするとルーフィングシートが劣化する可能性があります。
ちなみに正確に打ったタッカーの穴は、太陽の熱で溶けたシートが塞いでくれるので問題ないです。

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ルーフィングシートに関する注意点

ルーフィングシートに関する注意点

最後に、ルーフィングシートに関する注意点を確認しておきましょう。

業者指定のルーフィングシートは必ず耐用年数を確認する

ルーフィングシートは、屋根材に比べると影が薄く、施主もあまり気にしない素材です。
工事価格を安く抑えて契約をとりたい業者としては、顧客があまり気にしていない部分は安いものを使用したいという心理がどうしても働きます。

そのため、安くて低耐久のルーフィングシートが業者に指定されていることもあります。
後悔しないためにも、使用するルーフィングシートはあらかじめ見積書で確認しましょう。

「アスファルトルーフィング940」にご用心

業者の見積書で、使用する下葺き材に「アスファルトルーフィング940」と書かれていたら注意してください。
同製品は耐用年数が10年前後の、大変安価なルーフィングシートです。
もちろん、製品自体が悪いというわけではありません。
その見積書を出した業者は、顧客から要望を受けていないのに意図的に寿命の短いルーフィングシートを使おうとしているため、利便性よりも自社の利益を優先する悪徳業者である可能性があるためです。

ルーフィングシートは屋根材よりも寿命が長いものを選ぶ

ルーフィングシートの交換には必ず屋根材の撤去が伴い、また瓦を除く屋根材は一度剥がすと再利用できなくなります。
また、いくら高耐久の屋根材を選んでも、ルーフィングシートの耐久性が伴っていないのであれば、施工してからすぐに雨漏りが起こって再工事が必要になります。
そのため、「屋根材の寿命が短く、ルーフィングシートの寿命が長い」という組み合わせ方で屋根を修理してもらいましょう。

ルーフィングシートを交換するときは相見積もりで業者を決める

ルーフィングシートを張り替えたいと考えた場合、業者は1社に絞らず、2~3社から相見積もりを取りましょう。
もし1社だけから見積書をもらうと、費用が相場通りなのか、手抜き工事をしようとしていないか見分けがつかず、悪徳業者に騙される危険性があるからです。
2~3社から相見積もりを取れば、屋根修理にどれくらい費用がかかるのか、どんなルーフィングシートを使おうとしているのかが比較できるため、安心して施工を任せられるでしょう。

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まとめ

まとめ
ルーフィングシートが何なのか、種類ごとのメリット・デメリットを中心にご紹介しました。
ルーフィングシートは屋根材を雨から守るための大切な建材です。
屋根のメンテナンスをする際には、是非とも当記事を参考にしていただけますと幸いです。

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