屋根の塗装が剥がれていると「これは直すべきなのか?」と迷ってしまう人は少なくありません。
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結論から言えば「必要に応じて直すこと」 が大切です。
本記事では屋根の塗装が剥がれている際、補修が必要かの判断基準や放置した場合のリスク、修理費用の目安 までをわかりやすく解説していきます。
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監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
屋根塗装が剥がれたら修理・補修工事は必要
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屋根塗装が剥がれている場合は程度に応じて早めの補修が必要 です。
なぜなら屋根の塗装は見た目はもちろんのこと、屋根材を紫外線や雨水から守る重要な役割を担っているから です。
軽度な剥がれであればすぐに補修しなくても大丈夫な場合や部分補修で済むこともありますが、放置すれば屋根材そのものが傷み、工事が大掛かりになるリスクもあります。
現状の剝がれ具合を確認し、業者と相談して最適な選択をすることが大切です。
屋根塗装の剝がれを放置するとどうなる?
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屋根塗装の剥がれを放置し続けると、屋根全体の劣化が急速に進行 する場合もあります
塗装が剥がれることで、これまで塗装が防いでいた雨水や屋根材に直接あたり、腐食などが進行しやすくなるためです。
放置し続けた場合の主なリスクは、以下の表の通りです。
放置による主なリスク | 内容 |
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雨漏りの発生 | 塗膜のない部分から雨水が侵入し、下地材の腐食につながり、雨漏りとなる |
屋根材の劣化 | 紫外線の影響により、屋根材が割れたり反ったりする可能性が上がってしまい、塗装では対応できないことも |
補修費用の増加 | 小規模な補修で費用が抑えられたにもかかわらず、葺き替えなどの大規模工事となり、費用が増加してしまうことも |
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屋根塗料の剥がれが発覚した際は、早めの点検・相談・補修 が大きなトラブルを抑えることにつながります。
屋根の塗装が剥がれる原因
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屋根塗装の剥がれは、家屋の美観を損ねるだけでなく、建物の保護機能にも影響を及ぼします。
屋根塗装が剥がれてしまう原因としては「施工不良」「屋根材の不具合」「経年劣化」 が挙げられます。
施工不良による剥がれ
施工不良は主に以下のような要因で発生します。
不適切な塗料の選択
下塗り忘れ
施工不良は、塗装の密着性を低下させ、剥がれやひび割れを引き起こすことにつながってしまいます。
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施工不良による剥がれの場合は、経験豊富な専門業者による施工を行ってもらうことが大切 です。
屋根材の不具合とその影響による塗装剥がれ
使用されている屋根材自体に原因があることで、塗装が剝がれてしまう こともあります。一口に屋根材といっても屋根材の性質によって塗膜の密着性や耐久性は左右されます。
たとえば「スレート」 や「カラーベスト」 などのセメント系屋根材は吸水性が高く、表面に水分が残りやすいのが特徴です。
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水分の影響で塗料の密着が悪くなり、施工後に塗膜が浮いたり剥がれたりすることも少なくありません。
劣化の程度は見た目では判断しにくいため、業者による診断を受けることが大切です。
経年劣化による屋根塗装の剥がれ
屋根塗装の剥がれでもっとも多いのが「経年劣化」 です。
経年劣化には「表面の色褪せ」「塗膜の細かいひび割れ」「手で触ると白い粉が付くチョーキング現象」 などが挙げられます。
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こうした症状が見られる場合は塗膜の防水性や耐久性が低下しているサイン です。
耐用年数が過ぎてしまった塗料は密着力が弱まるため、雨や紫外線の影響を受けてより剝がれやすくなる傾向にあります。
塗装を塗替える目安として、前回の塗装から10年前後 が一つのタイミングです。ただし、立地条件や屋根材の種類によっても劣化の進行度合いは異なります。
そのため定期的な点検が早めの対応につながり、結果的に費用も抑えられるでしょう 。
屋根塗装の剥がれのリフォーム方法・費用
屋根塗装の修繕は修繕する範囲と方法によって費用が異なります。
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屋根の状態や損傷の程度に応じて、部分的な塗装や全体の塗装、さらにはカバー工法や葺き替え などに施工が分かれ、費用も変わっていきます。
修繕方法 | 費用相場 |
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一部塗装 | 10~25万円 |
全体塗装 | 40~60万円 |
カバー工法・葺き替え | 80~200万円 |
部分塗装工事の費用
部分的な塗装は、屋根塗装の小さな損傷や剥がれに対処するための方法です。
費用は、損傷の程度や修繕に必要な材料によって異なりますが、10~25万円程度が目安になります。
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部分的な補修にとどまるため、屋根全体を塗り替えるよりもコストを抑えての施工が可能です。
全体塗装工事の費用
全体塗装は、文字通り屋根全体の塗装が劣化したり、広範囲にわたる損傷がある場合に最適な方法です。
全体塗装の費用は、屋根の大きさ、使用する塗料の種類、必要な下地処理の範囲によって大きく異なりますが、40~60万円程度が目安になります。
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屋根全体を一新することになるため、屋根の長期的な保護と美観の向上を図ることにつながります。
また、定期的な再塗装を行うことで、屋根の損傷を未然に防ぎ、長期的なメンテナンスコストを削減することも可能です。
カバー工法・葺き替え工事の費用
カバー工法・葺き替えは、屋根材自体の劣化が進んでいる場合や、塗装でのメンテナンスが不可能な屋根に対して行われる修繕方法です。
それぞれの工法の概要や向いているケース、メリット・デメリットなどは以下の表の通りです。
工法 | 概要 | 向いているケース | メリット | デメリット |
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カバー工法 | 塗既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせる | 下地が健全な状態で、費用を抑えたい | 工期が短く、費用を抑えられる | 屋根材を重ねるので屋根が重くなり、耐震性が低下する恐れがある |
葺き替え | 古い屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を施工する | 下地が痛んでいて、抜本的な改修が必要 | 下地が一新でき、安心感がある | 工期が長く、費用も高額になる |
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野地板や防水シートが劣化したり、腐食したりしている場合はカバー工法は選択できないので注意が必要です。
どちらの工法が良いかは業者と相談のうえで考えていくと良いでしょう。
信頼できる屋根塗装業者の選び方
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屋根塗装を成功させるためには、信頼できる業者の選定が不可欠です。
信頼できる業者を選ぶことで、質の高いサービスを受けることができ、長期的な屋根の保護と美観を保つことにつながるからです。
業者を選ぶ際には「評判と実績」「見積もりとサービス内容」「アフターサービスと保証」を確認するとよいでしょう。
屋根塗装業者の評判と実績
屋根塗装業者を選ぶ際、最も重要なのはその評判と実績といっても過言ではありません。
とくに地域に密着して質の高いサービスを提供してきた業者は、信頼性が高く、安心して任せられるでしょう。
業者の評判は、以下の方法で確認できます。
地域の評価
過去の顧客レビュー
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ヌリカエを利用すると複数の業者の評判や実績を簡単に比較できます。ぜひ、活用してみてください。
見積もりとサービス内容の比較
複数の業者から相見積もりを取り、それぞれのサービス内容と価格を比較します。相見積もりを取得したうえで、以下のポイントを比較しましょう。
塗料名やグレードが明記されているか
不要な工事が含まれていないか
工事金額は、相場よりも高い場合はもちろんのこと、安すぎる場合も注意が必要です。
なぜなら安すぎる金額の場合、工事開始後に追加費用を請求してくるケースもあるからです。
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ほかにも見積書に施工面積が細かく記載されている業者は、正確な調査をしている可能性が高いため、信頼できるでしょう。
アフターサービスと保証の確認
アフターサービスと保証を確認することで、施工後も安心して暮らせるようになります。
保証内容と期間
トラブルが起こった場合の対応
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評判と実績、見積もりとサービス内容、アフターサービスと保証をしっかりと確認し、質の高いサービスを提供してくれる業者を選定してみてください。
まとめ
屋根塗装の剥がれは、施工不良・屋根材の不具合・経年劣化など、さまざまな原因で発生します。
見た目だけでなく防水機能にも影響するため、剥がれ具合に応じた正しい判断と対処が必要です。
放置すると雨漏りや下地の腐食につながり、補修費用が高額になるリスクもあります。
屋根塗装の剝がれがわかった場合は、まずは業者に相談し適切な点検を受け、屋根の状態を正確に把握することがおすすめです。
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ヌリカエでは屋根塗装の剝がれを発見した際に依頼する業者の選定から最終的な修繕までを徹底的にサポートします。ぜひ、覗いてみてください。