「家の屋根をリフォームしたいけど、どんな屋根材がいいんだろう?」「瓦の見た目は好きだけど、地震が心配…」
このようなお悩みをお持ちの方に、近年注目されているのがケイミューの屋根材「ルーガ(ROOGA)」です。
しかし、高性能な屋根材となると気になるのが価格。「ルーガの価格は高いって聞くけど、実際いくらかかるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、「ルーガ」の価格相場やデメリット、瓦との違いなどについて詳しく解説します。
ご自宅の屋根材を選ぶ際の参考となれば幸いです。
ルーガとは?
ルーガ(ROOGA)とは、大手外装建材メーカーのケイミュー株式会社が製造・販売する屋根材です。
セメントに樹脂や繊維を混ぜた「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」という独自の素材を使い、瓦のように重厚感のある見た目と「軽さ」「割れにくさ」を両立しています。
耐用年数は30年以上と高い耐久性があり、色褪せもしにくいです。
なお、ルーガには和風建築に合う格調高いデザインの「雅(みやび)」と、洋風建築に映えるモダンで自然な風合いの「鉄平(てっぺい)」の2種類がラインナップされています。
カラーも豊富なので、家のスタイルに合わせて選ぶことができるのもポイントです。
ルーガの価格
多くの魅力があるルーガですが、その価格は一体いくらくらいなのでしょうか?
本章では、屋根をルーガにした場合の価格を、㎡単価と工事総額、坪単価と3つの切り口から詳しく解説します。
ルーガの㎡単価と総額
ルーガ自体の㎡単価は10,000円前後が相場です。他の屋根材と比較すると高めになります。
また、㎡単価は既存の屋根材によって前後するため注意してください。
以下に、既存の屋根材ごとにルーガへ葺き替える㎡単価と総額の目安をまとめた表をご紹介します。
現在の屋根材 | ㎡単価 | 総額(100㎡の場合) |
---|---|---|
瓦 | 19,000円~ | 190万円~ |
カラーベスト(スレート) | 18,000円~ | 180万円~ |
ガルバリウム鋼板 | 17,000円~ | 170万円~ |
ご自宅が瓦屋根の場合は、相場よりも高くなるケースが多いでしょう。なお、ルーガ一枚当たりの単価は1,000円前後です。
総額だと、一般的な30坪(屋根面積約100㎡)の住宅の場合、総額で170万円~190万円程度が葺き替え費用の目安となります。
既存の屋根材の撤去・処分費によって総額が変動するため、上記の価格はあくまでも目安としてご覧ください。
屋根の張り替え費用について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根の張り替え費用は?内訳の単価や屋根材別の費用比較を紹介!」
ルーガの坪単価
ルーガの坪単価は、材料費だけで見ると1坪あたり22,000円が目安となります。メーカー希望小売価格では22,660円です。
ただし、こちらの価格も業者によって異なる可能性があるため、参考としてご覧ください。
なお、見積もりを確認する際は、単価の表記が材料費のみか工事費込みか、見積もりの際にしっかり確認しておきましょう。
屋根をルーガにするメリット
屋根をルーガにするメリットは、主に以下の5つです。
ルーガのメリット
- ① 強度が高く割れにくい
- ② 軽量で耐震性への影響が少ない
- ③ ラインナップが豊富
- ④ 紫外線が強く色褪せにくい
- ⑤室内に熱が伝わりにくい
それぞれ詳しくご紹介します。
強度が高く割れにくい
ルーガは素材に樹脂が配合されているため、セメント系の屋根材でありながら非常に粘り強い特性を持ちます。
ハンマーで叩いても割れないほどの高い耐衝撃性があるため、外部からの強い力による破損リスクを大幅に軽減できるでしょう。強風による屋根への損害は多いため、台風の多い地域などでも安心して選べる屋根材となります。
軽量で耐震性への影響が少ない
ルーガの重量は、一般的な陶器瓦の半分以下です。屋根が軽いと建物の重心が低くなり地震の際の揺れを小さくできるため、耐震性への影響を抑えることができます。
「瓦の重厚な見た目は好きだけど、地震が心配」という方に最適な屋根材です。
しかし、ガルバリウム鋼板よりは重くなるため、耐震性を重視される方は慎重に選びましょう。
「ガルバリウム鋼板」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ガルバリウム鋼板とは?デメリットやデザイン例を紹介!」
ラインナップが豊富
ルーガには、和瓦の持つ曲線美を再現した「雅(みやび)」と、天然石の質感を表現したモダンな「鉄平(てっぺい)」の2種類があります。
雅 | 鉄平 |
---|---|
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それぞれに多彩なカラーバリエーションが用意されており、純和風建築からモダンな洋風住宅まで、幅広いデザインの家に調和させることが可能です。
そのため「外観にこだわりたい」という方にもおすすめの屋根材となります。
紫外線に強く色褪せしにくい
ルーガの表面には、ケイミュー独自のコーティング技術である「グラッサコート」が施されています。
「グラッサコート」は無機系の塗膜で、紫外線による色褪せや劣化に非常に強いのが特徴です。そのため、長期間にわたって塗り替えなどのメンテナンスをすることなく美しい発色と光沢を維持します。
ただし、全く色褪せないというわけではありませんので、数十年に一度のメンテナンスは必要です。
室内に熱が伝わりにくい
ルーガは素材自体の熱伝導率が低く、金属屋根のように熱くなりすぎることがありません。
また、屋根材の下に設けられた通気層によって熱気をスムーズに逃がせるため、夏の暑い日差しが室内に伝わりにくい構造になっています。
このように、ルーガは素材と施工上の都合から、室内の温度上昇を抑えやすい屋根材です。
屋根をルーガにするデメリット
屋根をルーガにするメリットはたくさんありますが、もちろんデメリットもあります。
ルーガのデメリット
- ① 他の屋根材よりも価格が高い
- ② リフォームだと保証対象外の場合がある
- ③ 施行期間が長くなる
- ④ 施工業者が限られる
それぞれ詳しくご紹介します。
他の屋根材よりも価格が高い
ルーガは、他の屋根材と比べて価格が高くなります。たとえば、ガルバリウム鋼板の㎡単価は8,000円前後、ルーガは10,000円前後と数千円の差です。、屋根の面積が広いほど金額差はかなり広がるでしょう。
そのため「初期費用をできるだけ抑えたい」という方にはおすすめできません。
ただし、耐久性やメンテナンス性に優れるため、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスは高いといえます。
リフォームだと保証対象外の場合がある
ルーガは、「カバー工法」などのリフォームで使う場合はメーカー保証の対象外となる可能性があります。
優れた耐久性をもつルーガで施工後すぐに不具合などが現れるケースは少ないですが、保証を重視される方はこの点に注意してください。
ただし、施工業者による工事保証があれば、工事に対する手直しや点検は受けられます。そのため、メーカー保証にこだわらなければそこまで大きなデメリットにはならないでしょう。
施行期間が長くなる
ルーガは葺き替えでの施工が基本となることに加えて、一枚一枚くぎを打ち屋根に固定していきます。そのため、他の屋根材のようにある程度の面積を一気に張り付けることができません。
天候にも左右されますが、施工期間は2週間~3週間程度見ておくとよいでしょう。
施工業者が限られる
ルーガは、比較的新しい屋根材であり、張り方も他とは違う方法や技術が必要になることから業者選びは慎重になる必要があります。
どの業者でも簡単に扱える屋根材ではないため、業者選びの幅が狭まってしまうのはデメリットといえるでしょう。
施工品質を基準に業者を選ぶのであれば、ケイミューが認定する「ROOGAショップ」の登録業者がどうかを確認してみるのがおすすめです。
「ROOGAショップ」とは、ケイミューが主催する「ROOGA」スクールを受けケイミューに登録した店で、ルーガの施工について一定の知識や技術力がある業者となります。
ルーガと瓦の比較
ルーガはこれまでの瓦(陶器瓦)に代わる新しい屋根材として注目されています。
しかし、「本物の瓦とはどう違うの?」「瓦の雰囲気が好きだけどルーガでもいい?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本章ではルーガと瓦の特徴の比較をご紹介します。以下の表は、両者の特徴を比較したものです
項目 | ルーガ | 陶器瓦 |
---|---|---|
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|
重量 | 軽い(瓦の半分以下) | 重い |
耐衝撃性 | 非常に割れにくい | 衝撃で割れることがある |
初期費用 | 高価 | ルーガより安価 |
メンテナンス | 基本的に塗装不要 | 不要 |
耐震性 | 影響が少ない | 耐震性が悪くなる |
耐震性や耐衝撃性ではルーガの方が優れている一方、陶器瓦は素材自体の耐久性が非常に高く、塗装メンテナンスが不要です。
価格面では陶器瓦の方が安価になる傾向があり、屋根面積が広くなるほどルーガとの金額差は大きくなるでしょう。
耐震補強なども含め総合的に考えると、性能面ではルーガの方が高いといえます。
瓦について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根瓦とは?特徴や種類についてまでを徹底比較」
まとめ
ケイミューの屋根材「ルーガ」は、瓦のような重厚なデザインと、軽さ・強さを両立させた高機能な屋根材です。
㎡単価は10,000円前後が相場と他の屋根材と比較すると高価ですが、耐震性の向上、高い耐久性と耐衝撃性、メンテナンス性の良さなど、価格に見合う多くのメリットがあります。
ルーガは「家の耐震性は気になるけど、瓦のような高級感のある見た目は捨てがたい」という方になどに最適な屋根材といえるでしょう。
価格やメリット、デメリットなどを把握して、ご自宅に最適な屋根を選ぶことが大切です。