外壁コーキングの補修費用は?業者に打ち替えてもらう場合いくらかかる?

  • 【更新日】2024-12-20
外壁コーキングの補修費用は?業者に打ち替えてもらう場合いくらかかる?
コーキングとは、外壁材の隙間に充填するものです。

外壁においてコーキングは、緩衝、防水といった建物全体を保護するために重要な役割を果たしています。

しかし…
「コーキングの劣化症状には何がある?」
「コーキングの寿命は?」
「コーキングにかかる費用相場はいくら?」

といった疑問が浮かんできますよね?

この疑問を解決するために…
「コーキングの主な劣化症状」
「コーキングの費用相場」
「コーキング工事の内容」

などを中心に、わかりやすく解説します!

最後まで読めば、コーキングについてしっかり理解できます。ぜひ、ご覧ください。

Point
  • コーキングとは、外壁材の隙間に充填するもの。
  • コーキングは10年で交換時期を迎える。
  • コーキングは外壁材を衝撃から守り、水の侵入を防ぐ。

ざっくりいくらかかるの?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。
小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

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そもそもコーキングとは?

外壁などに行われるコーキングは、見た目はゴムのような素材で、外壁材同士にできる隙間を埋めるために充填材を入れることを言います。

充填材のことをコーキング材と呼び、充填された部分のこともコーキングと呼びます。シーリングという言葉がありますが、これはコーキングと同じ意味です。

では、なぜ外壁にコーキングをわざわざ施す必要があるのでしょうか。コーキングの目的を以下で見ていきましょう。

外壁コーキングの必要性

①水の侵入を防ぐため

外壁をコーキングする目的は、隙間を埋めることで水が中に入るのを防ぐことです。
サイディングやタイルなどの外壁材でコーキングは主に使用されていますが、このような外壁材は複数のボードやパネルなどを貼り付けて仕上げるため、どうしてもその貼り付けた外壁材同士に隙間ができてしまいます。
もし外壁をコーキングしなければ、わずかな隙間からでも雨水が入るのを許してしまうのです。

②外壁の負担を軽減するため

外壁コーキングのもう1つの目的は、外壁材にかかる負担や衝撃を吸収することです。
外壁材は、地震の揺れや気温の変化による外壁材の伸縮などさまざまな影響を受けますが、コーキングのように柔らかい素材が緩衝材のような役割を果たしているのです。
そのためコーキングがあるおかげで、外壁材のひび割れや損傷を防いでいます。

増し打ち工法と打ち替え工法の違い

コーキングのメンテナンスを行う場合、「増し打ち工法」と「打ち換え工法」の2つの工法があります。それぞれ特徴が違うため、確認してみましょう。

増し打ち工法

既存の古いコーキング材を継ぎ目に残したまま、上から新しいコーキングを補填する工法です。手っ取り早く行えるため費用も安く抑えられますが、コーキングに劣化症状がある場合、増し打ち工法は意味がありません。

打ち換え工法

古いコーキングを完全に撤去して新しいコーキングを充填し直します。増し打ち工法にない撤去・清掃・プライマーの塗布という手間がかかるため、費用は高額です。しかし、増し打ちより防水性が高まるため、できれば打ち換え工法の方が良いでしょう。

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外壁コーキングの費用相場

外壁コーキングする場合の費用相場をご紹介します。下記は、一般的な30坪の住宅でコーキングにかかる費用相場です。

詳細 増し打ち工法 打ち換え工法
単価(m) 500〜700円/m 700〜900円/m
工事費用 10万〜14万円 14万〜24万円

コーキング工事はメートル単価で算出されることが多く、つなぎ目の長さの単位に応じて費用が決まります。

ここからは、打ち替え工法と増し打ち工法の費用相場とコーキング剤別の費用相場、自分でコーキングの費用相場を算出する方法を解説します。

増し打ち工法の費用相場

詳細 増し打ち工法
単価(m) 500〜700円/m
工事費用 10万〜14万円
足場代 15万円前後
総工費 25万〜33万円
コーキングの増し打ち工法の費用相場は、10~14万円です。

今回は、継ぎ目の長さが計200mの一般的な住宅を例にシュミレーションを行っていきます。

単価は500~900円/mで、継ぎ目の長さが200m。これらの項目を計算すると、

増し打ち工法のシミュレーション

500~700円/m(単価)×200m(継ぎ目の長さ)
=10万円~14万円(工事費用)

となります。

なお、コーキングだけを依頼する場合は足場設置費用分の15万円前後がプラスされるので、総工費は25万円~33万円となります。

打ち替え工法の費用相場

詳細 打ち換え工法
単価(m) 700〜900円/m
工事費用 14万〜24万円
足場代 15万円前後
総工費 29万〜39万円
コーキングの打ち替え工法の費用相場は、14~24万円です。

こちらも同様に、継ぎ目の長さが計200mの一般的な住宅を例にシュミレーションを行っていきます。

単価は700~900円/mで、継ぎ目の長さが200m。これらの項目を計算すると、

打ち替え工法のシミュレーション

700~900円/m(単価)×200m(継ぎ目の長さ)
=14万円~24万円(工事費用)

となります。

なお、コーキングだけを依頼する場合は、架設足場設置費用の15万円も上乗せされるため、総工費は25万円~33万円となります。

また打ち替え工法の場合、既存コーキング材の撤去費用として約1~3万円を別途で請求される可能性があります。

コーキング材ごとの費用相場

外壁コーキング補修の費用相場は、充填する素材によっても異なります

外壁に使われるコーキング材にはポリウレタン系・変成シリコン系の2つがあります。
具体的な費用相場は以下の通りです。

コーキング材 増し打ち工法 打ち換え工法
ポリウレタン系 500〜800円/m 800〜1,000円/m
変成シリコン系 600〜900円/m 900〜1,200円/m

新築のサイデイングボードの家のほとんどが変成シリコンが使われており、シーリング材選びに迷った場合は、変成シリコンを使用するのが無難です。
ただし変成シリコンは上から塗装することができないので、上から塗装してデザインにこだわりたいのであればポリウレタン系を選ぶことをお勧めします。

今回は継ぎ目の長さが計200mの一般的な住宅で打ち替えをする場合を例にシュミレーションを行っていきます。

ポリウレタン系のシミュレーション 800~1,000円/m(単価)×200m(継ぎ目の長さ)
=16万円~20万円(工事費用)
変成シリコン系のシミュレーション 900~1,200円/m(単価)×200m(継ぎ目の長さ)
=18万円~24万円(工事費用)
なお、コーキングだけを依頼する場合は、架設足場設置費用の15万円も上乗せされます。

▼「コーキング素材」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ

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コーキング補修が必要な劣化症状・寿命

コーキングは、気候、天候などの気象条件や、建物の立地など外部要因によって劣化が進行します。

劣化が進むと、最終的にはつなぎ目に大きな亀裂が発生します。

外壁の安全性を保つため、下記のような症状が発生している場合は補修・メンテナンスを行いましょう。

ひび割れ

外壁のコーキングは、紫外線を浴び続けることで、ひび割れを起こしてしまいます。 コーキングに含まれている可塑剤(かそざい)と呼ばれる成分は、紫外線によって気化します。

この現象によりコーキング自体の伸縮性が喪失し、ひび割れの原因となります。
可塑剤が表面に浮き出てくると、コーキングが柔らかさを失い、その結果、硬くなってひび割れを起こしてしまうのです。

剥がれ

外壁のコーキングの欠落や剥離は、ひび割れがより進行することによって生じます。 また外壁にコーキングをする際、プライマーと呼ばれる塗料が十分塗布されていないとしっかりと接着されずにコーキングが剥がれてしまうというケースもあります。

肉やせ

肉やせは、外壁材の間に重鎮するコーキングの量が少なすぎることが原因で発生する症状です。

コーキング材に寿命が来たこと、または前述した可塑剤が表面に浮き出ることによって、肉やせが発生するケースもあります。

寿命

コーキングに、ひび割れ・隙間・はがれが生じていれば交換時期を迎えているサインです。

建物周辺の気候や立地条件によって異なりますが、10年がおおよその寿命です。

しかし、コーキングの上に塗装された継ぎ目や、高所の継ぎ目は目視で状態を確認できないかもしれません。現時点でコーキング工事を行うべきかどうか判断に迷う場合は、外壁の無料診断を行っている業者を探してみましょう。

「外壁診断士」「外壁アドバイザー」などの有資格者が在籍している業者の多くが工事前の診断を無料で行っています。

外壁のコーキング補修工事を安くする方法はある?

外壁のコーキング工事は、工事する部分は一部でも比較的高額になりやすい工事内容です。

そこで、できるだけお得にコーキング補修工事を済ませるための方法を3つ紹介します。

外壁や屋根の塗装工事と一緒にやる

外壁や屋根の塗装工事を一緒に行う場合は、コーキングの補修のみの工事を行うよりもお得に工事をすることができます。

塗装工事にも、コーキングの補修工事にも足場代が別途かかります。

足場代は、それだけで20~30万円以上かかるため高額になりがちです。そこで、外壁や屋根の塗装をするタイミングで一緒にコーキングの補修工事をすることで、足場代が1回分で済むので節約につながります。

外壁塗装の足場費用の相場は?高くなるケースや無料になるのかを紹介!

軽微な補修ならDIYで

コーキングが劣化し始めの段階で症状も軽微な場合は、自分でDIYして修繕するのも一つの手です。

業者に頼む場合と違って材料費だけで済むので、費用を抑えることができます。

ただし自分で気が付かず劣化を放置し続けると、より大規模な劣化につながってしまいます。

メンテナンスは定期的に、プロに行ってもらうことをお勧めします。

助成金や相見積もりで工事金額自体を安くする

助成金などの制度や相見積もりなどの工夫で、工事金額を安くすることができます。

この場合、コーキング費用だけでなく他の付随する工事費用全体を安くすることができ、得をする金額も大きくなります。

ぜひ工事を検討する際は使える助成金がないか調べたり、複数の業者から相見積もりをとって価格交渉をしましょう。

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外壁のコーキング工事で注意したい3つのポイント

コーキング工事だけでも、費用は10万円以上も必要になります。高額な費用を無駄にしないためにも、3つのポイントを確認しましょう。

施工不良

コーキングが間違った仕方で施工されている場合、耐用年数よりも早く劣化が始まります。

例えば…

  • 「プライマー」と呼ばれる下塗り材の塗布が不十分な状態でコーキングを充填すれば、外壁材の間に剥離が生じる。
  • 「ハットジョイナー」と呼ばれるコーキングの下地になる部材の施工が不適切。
  • コーキングに十分な厚みがない。
  • コーキングの選択を間違える。

このような場合、コーキング材が欠落する恐れがあります。

適切に施工できる技術とノウハウを持つ優良業者を選ぶことにより、このような問題を回避できます。

コーキング工事のタイミング

コーキング工事は、劣化に気づいてから工事を始めると余計な費用がかかってしまいます。

もちろん、コーキング工事のみでも業者は対応してくれますが、以下のようなデメリットが発生します。

  • コーキング工事のみでも、架設足場を設置する必要があるため余計な費用がかかる。
  • 施工したコーキングは紫外線を直に受け、塗装と同時に行うよりも劣化が早い。
  • 塗装されていない継ぎ目はデザインを損なう。

上記のようなデメリットがあるため、余裕がある場合は塗装と同時に行いましょう。

塗装を同時に行うことで、費用を節約し、コーキングを長持ちできますよ。

信頼できる業者を選ぶ

コーキング工事を行う場合は、信頼できる業者に依頼しましょう。業者を選ぶときは、以下のような選択肢があります。

ハウスメーカー・リフォーム専門店

あなたが住んでいる住宅を設計・施工したハウスメーカーや、住宅に関する工事全般を請け負うリフォーム専門店であれば、コーキングのみの工事も相談に乗ってくれるでしょう。ただし、もし依頼した場合は中間マージンによって費用が高くなってしまう点も覚えておきましょう。

シール工事・防水工事専門店

コーキング工事は防水工事にあたるため、高い技術力を期待できるのはシール工事・防水工事専門店です。専門的な技術とノウハウを有しているため高い品質を期待できますが、高額になる傾向があります。また業者の数もリフォーム専門店や塗装工事専門店に比べて少なく、見つけにくいでしょう。

屋根・外壁塗装業者

外壁塗装リフォームは屋根塗装やコーキング工事、防水工事などと合わせて施工するケースが多くです。そのため、塗装会社の多くは防水工事やコーキング工事も総合的に請け負っています。

「コーキングの専門家」が在籍しているかどうか

実は外壁のコーキング工事は「防水施工技能士」という国家資格が存在します。

この資格は1級と2級があり、1級防水施工技能士の資格試験には7年以上の実務経験が求められるため、有資格者には高度な施工品質を期待できます。そして、外壁塗装リフォーム専門店の中には、防水施工技能士が在籍している会社が多く存在します。

コーキング工事は有資格者でなくても施工できますが、信頼できる業者を探すためにも、防水施工技能士を探してみてはいかがでしょうか?

▼「業者の選び方」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ

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外壁塗装工事の費用を安く抑える方法

工事にかかる金額は、できれば安く抑えておきたいところですよね。ここでは外壁塗装にかかる費用を安くできる方法を3つ紹介します。

誰でもできる簡単なテクニックなので、ぜひ試してみてください。

安くできる金額 方法
10~20万円 自治体の助成金を利用する
15万円 塗料のグレードを下げる
3~10万円 相見積もりをとる

自治体の助成金を利用する

全国の約3分の1の自治体で、外壁塗装やリフォームの補助金を用意しており、支給者は最大で約20万円の助成を受けることができます。
助成金には様々な対象基準が設けられていることがほとんどです。

まずは居住中の自治体で助成金が用意されているか、ご自身に受給資格があるか一度確認をしてみましょう。

「外壁塗装の助成金」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装で補助金・助成金は受け取れる?市区町村別の情報まとめ」

塗料のグレードを下げる

もし提示されている見積金額が、グレードの高い塗料の使用を前提としている場合は、塗料を変更することで費用を抑えることができます。

フッ素系からシリコン系の塗料へワンランク下げることで抑えられる費用は、平均的な戸建ての外壁塗装で約15万円ほどです。

逆に、シリコン系塗料がすでに指定されている場合、さらにランクを落としても、あまり費用の節約にならならいのに対し、塗膜の耐用年数はグッと下がってしまうので、あまりオススメできません

「塗料のグレードと施工価格」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗料知識を全公開!種類・特徴・価格・耐用年数・選び方」

相見積もりをとる

複数の業者に対して同じ施工条件から見積を受領する相見積もによって、約3~10万円の費用削減が期待できます。

相見積もりをとることで、業者同士で価格競争が生じ、結果として提示金額を減少することができます。
相見積もりで削減できる額は、工事の5%~10%ほどと言われているので、これを平均的な戸建ての塗装費用に当てはめると「3~10万円」の節約となります。

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まずは優良業者に診断を依頼してみましょう!

コーキング工事に失敗すると、水漏れやひび割れ、さらに外壁のデザイン性が損なわれます。

コーキングの劣化症状を見つけたら、早めに業者へ依頼しましょう。

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