断熱塗料の効果とは?遮熱塗料との違いも徹底比較

  • 【更新日】2025-04-28
断熱塗料おすすめ5選 - 暑さ寒さへの効果は? -

「断熱塗料で塗装をしたいけど、どの塗料を選ぶのが正解なの?」

断熱塗料とは、太陽熱の熱伝導を抑えて家の中の温度上昇を防ぐ機能(断熱効果)を持った塗料のことを指します。

高い機能性・耐久性が魅力の人気塗料で、似たような効果を持つ遮熱塗料よりも性能と価格が高めになっています。

本記事では断熱塗料の概要から、遮熱塗料との比較、商品を選ぶ際の比較ポイントまでを徹底解説 しています。

断熱塗料を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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断熱塗料とは

断熱塗料とはについて

断熱塗料とは「熱伝導を抑える効果」 のある塗料のことです。

熱伝導を抑えることで、室内の温度上昇を防ぎ、夏は涼しく冬は暖かい環境を作ることが可能 になります。

具体的には外壁や屋根に断熱塗料を塗ることで、太陽の光を反射させ、熱を効率よく放熱させる効果をもっています。

  • 断熱塗料によって室内と室外の熱移動を抑制させるので、冷暖房の効果を最大限発揮させる ことが可能です。

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断熱塗料と遮熱塗料の3つの比較

断熱塗料と遮熱塗料の3つの比較について

断熱塗料と同じく暑さを軽減する効果をもつ塗料に、遮熱塗料があります。

断熱塗料と遮熱塗料の違いについて、以下の3つの点を比較していきます。

◆断熱塗料と遮熱塗料の3つの比較◆ 効果
耐用年数
費用相場
塗料の種類 断熱塗料 遮熱塗料
性能 熱伝導を抑え、室内の温度変化を軽減するため、暑さ対策だけでなく寒さ対策にもなる 熱を反射するので、暑さを軽減する効果はあるが、冬場は室温を保温しにくく、冷えやすい
耐用年数 15~20年 10~15年
費用相場 外壁 3,000円~4,000円/㎡
屋根 3,500円~4,500円/㎡
外壁 2,000円~3,000円/㎡
屋根 2,500円~3,500円/㎡

効果を比較

断熱塗料と遮熱塗料の大きな違いが「熱の扱い方」です。

断熱塗料は「熱を反射させ、熱の吸収を防ぎ、室内外の熱伝導を抑える効果」があります。

つまり断熱塗料は室外からの熱の侵入を防ぐとともに、室内の熱を室外へ放出も防ぐことが可能です。

  • そのため冬場は室内の温かい空気が室外へ放出されず、保温することにつながります

一方で遮熱塗料は「熱を反射させる効果のみ」で、熱の吸収を防ぐことに特化しています。そのため室内の熱を保つ効果はありません。

遮熱塗料については、以下の記事に詳細を記載していますので、あわせて参考にしてみてください。

耐用年数を比較

利用するグレードによって異なりますが、断熱塗料は遮熱塗料よりも耐用年数が長くなります

◆断熱塗料と遮熱塗料の耐用年数を比較◆ 断熱塗料:15~20年
遮熱塗料:10~15年

費用相場を比較

断熱塗料と遮熱塗料の費用相場は、断熱塗料の方が高くなります。

しかし、耐用年数が長いため、塗り替えの頻度を抑えられることで、コストパフォーマンスに優れています

◆断熱塗料と遮熱塗料の費用相場を比較◆ 断熱塗料(外壁):3,000円~4,000円/㎡
断熱塗料(屋根):3,500円~4,500円/㎡
遮熱塗料(外壁):2,000円~3,000円/㎡
遮熱塗料(屋根):2,500円~3,500円/㎡

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断熱塗料の比較ポイント

断熱塗料の比較ポイントについて

自宅には断熱塗料が合っていそうだと感じたら、実際に塗っていく断熱塗料を選んでいきます。

断熱塗料はさまざま商品がリリースされているので、以下の4つのポイントを確認して、自分にあったものを選ぶとよいでしょう。

◆断熱塗料の比較ポイント◆ 実績
機能性
費用
耐用年数

比較ポイント①:実績

断熱塗料を選定する際には「実績」をまず確認しましょう。

断熱塗料には導入実績が多いものはもちろんのこと、第三者機関による性能試験に合格しているものなどもあります。

第三者機関による性能試験に合格している商品は、自社試験のみに合格している商品よりも信頼度は高いといえます。

断熱塗料は比較的高価であるため、中でも安い商品を選びがちですが、きちんとした実績をもっているかを確認して選定するとよいでしょう。

比較ポイント②:機能性

断熱塗料は製品によって「機能性」は大きく異なります。

基本として断熱性能は備えていますが、防露(結露防止)機能に優れている断熱塗料、防音性に優れた強みをもつ断熱塗料などさまざまです。

断熱性能に付随してどのような機能を選ぶとよいかは、自宅周りの環境を確認するとよいでしょう。たとえば結露の発生する可能性の高い豪雪地帯に住んでいるのであれば、防露機能に優れた断熱塗料であれば効果を最大限発揮できておすすめです。

  • 断熱に加えて求める機能を把握したうえで、商品を比較することで、満足度の高い断熱塗料を選ぶことにつながります。

比較ポイント③:費用

断熱塗料を選ぶ際は自身の予算の中で、最高の塗料を選ぶことが大切です。

機能によって価格差が生まれるのはもちろんのこと、塗装する面積や業者によっても価格は変わってきます。

断熱塗料で施工する際は、まずは見積もりを複数社から取得し、費用を比較するとよいでしょう。見積もりをもらう際は、事前に予算額を伝えておくとスムーズに進みます。
  • 「ヌリカエ」では条件を入力するだけで簡単に施工費用の目安が把握できますので、ぜひ一度覗いてみてください。

比較ポイント④:耐用年数

耐用年数が長い断熱塗料であれば、塗り替えの回数が少なくなり、長期的にみるとコストパフォーマンスに優れています

安価な商品は初期投資は抑えられますが、耐用年数が短く、長期的にみると多くの費用を支払ってしまう可能性があります。

なお、断熱塗料の耐用年数は素材によって変わってきますので、以下の表で素材ごとの耐用年数を確認してみてください。

<素材ごとの耐用年数の目安>

素材 耐用年数
アクリル塗料 5~10年
ウレタン塗料 5~10年
シリコン塗料 10~15年
フッ素塗料 10~15年
  • 断熱塗料の技術は日々進化しているため、現時点で高機能の断熱塗料を選び、塗り替えの回数を減らすのが長期的にみるとおすすめです。

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断熱塗料のおすすめ商品ランキング

断熱塗料といってもいろいろな種類があります。またそれぞれの塗料の特徴もあります。

似ている部分も多いですが、違いの部分を見て求めている塗料に合うものを見つけましょう。

ここでは、たくさんある断熱塗料の中から「実績」「費用」「耐久性」「仕上がり」「DIY」の5つの観点でおすすめの断熱塗料をご紹介します。

ただ、自分のみで決めることはおすすめしません。塗料のHPを見ても違いが少なく、どれを選んでいいのか疑問が残るでしょうし、ご自身の家の外壁に適しているか分からないからです。

必ず信頼できる塗装会社に相談をして、使う塗料を決めましょう。

1位:ガイナ(実績抜群)

logo_gaina_pc

引用:『「ガイナ」公式HP』より

「多少値段が張っても実績が確かな断熱塗料を選びたい!」

そういったご希望をお持ちの方には、断熱塗料で圧倒的なシェアを誇る日進産業の「ガイナ(GAINA)」がおすすめです。

ガイナは戸建て住宅の外壁だけでなく、工場、船舶の甲板、はては屋外プールの床面と、幅広い箇所に広く用いられている塗料です。
内装用塗料としても有名で、ニオイ対策・騒音対策・結露対策などの効果が得られると言われています。

ガイナの最も大きな特徴は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)がロケットに用いる断熱技術を応用して開発されている点です。

JAXAと企業の共同開発で生み出された一般消費者向けの商品には『JAXA COSMODE』というブランドがつけられるのですが、ガイナはこのJAXA COSMODEの第一号商品です。

確かな実績を持っている分価格は高いですが、そのデメリットを許容できるのであれば第一候補となる断熱塗料です。

塗料名 ガイナ(GAINA)
販売元 株式会社日進産業
メーカー公式ページ https://www.gaina.co.jp/business/products/exterior/
耐用年数 15年
塗料価格 14kg缶 56,000円
1kgあたり4,000円
メリット ・実績は断熱塗料の中でもNo.1
・JAXAとの共同開発商品としてブランド認定されている
デメリット ・価格が高い
・仕上がりのバリエーションが少ない

2位:断熱コートEX(とにかく安く)

断熱コートEXロゴ

引用:『「断熱コートEX」公式パンフレット』より

「断熱塗料で塗装したいけど、あまり費用はかけたくない……」
そんな方には、東日本塗料の「断熱コートEX」がおすすめです。

断熱コートEXは高い防汚性能をもっており、トップコートが不要となっています。
トップコートを塗布する工程がない分、塗装にかかる費用を節約することが可能です。

また、艶あり仕上げを選ぶことができるので、外壁・屋根に艶を求める方にもおすすめです。

塗料名 断熱コートEX
販売元 東日本塗料株式会社
メーカー公式ページ https://www.hnt-net.co.jp/product_pdf.html
耐用年数 8~12年
塗料価格 10kg缶 15,400円
1kgあたり1,540円
メリット ・価格が安い
・仕上がりのバリエーションが多い
デメリット ・耐用年数がやや短い

3位:キルコ(耐久性重視)

キルコ-ロゴ

引用:『キルコシリーズ公式HP』より

「断熱性も大事だけど、耐久性も重視したい!」
そんな方には、シンマテリアルワン「キルコ(キルコート)」がおすすめです。

キルコには一般的な塗料以上に伸縮性に優れており、その伸縮性はコーキング材と同等と言われています。
伸縮性の高い塗料を用いることで外壁のクラック(ひび割れ)が起こりにくくなるので、外壁の耐久性を重視するなら、キルコはおすすめです。

また、キルコはトップコートを上塗りする工程を含むため、工程が一般的な断熱塗料よりも多いです。
工程が多いので費用はやや高くなりますが、その分汚れにくさという点ではガイナにも勝るという声もあります。

塗料名 キルコ(キルコート)
販売元 株式会社シンマテリアルワン
メーカー公式ページ http://www.shinmate1.com/kirucoat/
耐用年数 15年~
塗料価格 キルコート主剤 12kg缶 46,000円
1kgあたり約3,800円
メリット ・伸縮性にすぐれ、ひび割れをおこしにくい
・外壁が汚れにくい
デメリット ・価格が高い

4位:シャダンネオ(外壁デザイン重視)

シャダンネオ_ロゴ

引用:『「シャダンネオ」公式HP』より

「断熱性は欲しいけど、外壁の仕上がりにも妥協したくない」
そんな方には、プレマテックス「シャダンネオ」をおすすめします。

シャダンネオは、ガイナやキルコ同様、戸建て住宅の外壁塗装によく用いられる塗料です。

シャダンネオの断熱塗料としての最大の特徴は、「他のメーカーの塗料と組み合わせて使用ができる」という点です。
シャダンネオを中塗り材として利用し、その上から別の塗料を塗ることができます。

一般的な断熱塗料は白・淡色が中心で、艶などの選択肢も多くありません。
しかし、シャダンネオを中塗り材として利用することで、断熱性能を保ちながら、デザインを自由に選ぶことが可能になります。

塗料名 シャダンネオ
販売元 プレマテックス株式会社
メーカー公式ページ https://prematex.co.jp/products/view/shadanneo
耐用年数 10年~12年 ※上塗り材がシリコン塗料の場合
塗料価格 11.2kg缶 38,000円
1kgあたり約3,390円
メリット ・他の塗料と組み合わせて使用できるので、外壁のデザインを自由に選べる
デメリット ・中塗り剤として利用した場合、工程が増えるのでやや費用がかかる

5位:ヒートカットパウダー(DIY向け)

ヒートカットパウダーロゴ
引用:『「ヒートカットパウダー」公式HP』より

「自分で断熱塗料を塗装したい」

そういったご希望の方には、東亜クリエイトシステムの「ヒートカットパウダー」がおすすめです。

ヒートカットパウダーはそのまま塗装するものではなく、市販の塗料に混ぜて使用する断熱効果を付与するパウダーです。

塗料だけでなく接着剤などにも混ぜることができ、手軽かつ低コストで断熱効果をつけられるのが魅力となっています。

塗料名 ヒートカットパウダー
販売元 有限会社東亜システムクリエイト
メーカー公式ページ https://www.toa-corp.co.jp/products/insulation-thermal-barrier-paint/heatcut_powder/
耐用年数 10年~12年 ※上塗り材がシリコン塗料の場合
塗料価格 24L 89,100円
1Lあたり約3,712円
メリット ・他の塗料や接着剤と混ぜて使用できるので、使える材料の幅が広い
デメリット ・耐用年数が混ぜ合わせた塗料に左右される

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断熱塗料にするメリット・デメリット

断熱塗料のメリット・デメリットについて

ここまでで、断熱塗料の概要をご紹介しました。

続いてこの章では、断熱塗料による塗装で得られる具体的なメリット・デメリットを確認していきましょう。

断熱塗料のメリット

断熱塗料のメリットとしては、以下の6つが挙げられます。

断熱塗料のメリット
  • ①一年中快適な気温を保つ事ができる
  • ②光熱費を削減できる
  • ③耐久性が高い
  • ④一般的な断熱材よりも火災に強い
  • ⑤結露を抑えてカビを発生しにくくする
  • ⑥遮音効果がある

以下で、それぞれ詳しく解説します。

メリット①一年中快適な室温を保つ事ができる

先述の通り、断熱塗料の熱伝導を抑える機能は、暑さと寒さの両方に効果があります。

そのため、断熱塗料を外壁や屋根に使用することで一年中快適な室温を保ちやすくすることができます。

メリット②光熱費を削減できる

断熱塗料を使うと室温が外の気温の影響を受けにくくなるので、エアコンやヒーターなどの電化製品に使う電力が減り、光熱費の削減に繋がります。

メリット③耐久性が高い

断熱塗料の多くは一般的な塗料よりも耐久性に優れており、耐用年数が長いです。

外壁塗装で最も多く用いられるシリコン塗料の耐用年数は10年~15年と言われていますが、断熱塗料の耐用年数は15年以上と公表されています。

耐用年数が長いと、その分だけ次回の塗装までの期間が長くなるので、一回の塗装工事のコストパフォーマンスがよくなります。

メリット④一般的な断熱材よりも火災に強い

一般的な断熱材は燃えやすく、また燃えた際に有毒ガスを発生させるリスクがありますが、断熱塗料にはそういった危険がありません。

これは、塗料による断熱ならではの特徴です。

メリット⑤結露を抑えてカビを発生しにくくする

結露は、水蒸気を含んだ暖かい空気が、冷たい壁に触れることで発生します。

結露を放置するとカビやダニが繁殖してしまうため、家の劣化を早める原因となります。

断熱塗料を使えば、壁の表面温度を下がらないようにすることができるため、結露防止にもなります。

メリット⑥遮音効果がある

すべての商品ではありませんが、断熱塗料には遮音効果を持つものが多いです。

断熱塗料の原料となるセラミックは効率よく音を反射するという特徴があり、これによって音の振動を軽減するため、住宅の内部に外の音が聞こえづらくなります。

雨音はもちろん、外の車・電車の音などに悩まれている方におすすめの機能です。

断熱塗料のデメリット

一方、断熱塗料には以下の2つのようなデメリットがあります。

断熱塗料のデメリット
  • ①塗装にかかる費用が高い
  • ②効果を実感しにくい家がある

以下で、一つずつ見ていきましょう。

デメリット①塗装にかかる費用が高い

断熱塗料の最大の欠点として、「費用が高い」ということが挙げられます。

一般的なシリコン塗料の平米単価が2,300円~3,000円程度なのに対し、断熱塗料は3,000円~4,500円ほどが相場です。

また、延床30坪の家の外壁と屋根を塗装する場合、シリコン塗料だと100万~120万円ほどですが、断熱塗料の場合130万~200万円ほどかかります。

デメリット②効果を実感しにくい家がある

断熱塗料は非常に高機能な塗料ですが、そのメカニズム上、効果を実感しやすい家と効果を感じにくい家があります。

既に断熱材を使用している家や、そもそも熱の吸収をしにくい白い屋根・壁の家などは、断熱塗料の効果を感じられない可能性があります。

この塗料、私の家で使うといくら?

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まとめ

まとめについて

断熱塗料は高性能で評価も高い塗料になります。

断熱塗料がよいと思った際には、本記事の比較ポイントから合っていそうな商品を探してみてください

なお、実際に断熱塗料で塗装をする際は、塗装会社に相談してから決めることをおすすめします。

なぜその断熱塗料なのか、予算でどこまできるのか、工期はどれくらいかかるのかなどを納得しながら進められます。

  • ヌリカエでは、優良な塗装会社のご紹介や相場価格のご案内が可能です。ぜひ、断熱塗料をご利用の際はあわせて利用してみてください

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