日本でも多くの住宅で利用され、伝統的な屋根材でもある「瓦」。
耐久性の高さやデザイン性から、今でも人気を博しています。しかし、耐久性の高い瓦も1枚だけ破損してしまうケースも少なくありません。
瓦が割れてしまった場合「交換にどれくらいの費用が必要なのか?」「どこで購入できるのか?」など、悩んでしまう人も多いでしょう。また、ひとくちに瓦といってもいくつかの種類にわかれており、それぞれに費用や耐用年数も異なります。
そこで本記事では種類別や形状別で瓦の価格を比較表でわかりやすく解説し、施工費用の目安についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【種類別】瓦の価格比較表
瓦は「いぶし瓦」「釉薬瓦(陶器瓦)」「素焼き瓦」「セメント瓦(洋瓦)」に分類できます。それぞれの瓦の1枚あたりの価格の目安や施工費用の目安などは、以下の表の通りです。
瓦の種類 | 1枚あたりの価格(目安) | 施工価格(㎡) | 耐用年数 |
---|---|---|---|
いぶし瓦 | 約500~1,000円/枚 | 約8,000~13,000円/㎡ | 30~60年 |
釉薬瓦(陶器瓦) | 約500~1,000円/枚 | 約5,500~16,000円/㎡ | 50~60年 |
素焼き瓦 | 約300~700円/枚 | 約5,000~9,000円/㎡ | 40~50年 |
セメント瓦(洋瓦) | 約200~500円/枚 | 約5,000~10,000円/㎡ | 20~40年 |
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それぞれの瓦は価格はもちろんのこと、特徴も異なるため、選定した瓦によって施工価格やメンテナンスコストも変わることを押さえておきましょう。
いぶし瓦
いぶし瓦とは、焼成後に釜の中でいぶすことからその名が付けられています。
いぶすことにより、黒や銀色となり、日本の瓦と言えばを想像されるのがいぶし瓦です。
データ出典:2025年6月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
妙薬瓦(陶器瓦)の概要と商品
釉薬瓦(陶器瓦)とは、瓦の形に粘土を成形した後、ガラス質の釉薬を散布して焼かれた瓦のことです。
耐用年数は50~60年と非常に長く、耐水性に優れており、色あせにも強いという特徴があります。
データ出典:2025年6月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
素焼き瓦の概要と商品
素焼き瓦とは、粘土をそのまま焼くことで表現される自然な色合いが人気の瓦です。別名、「赤瓦」と呼ばれることもあります。
耐用年数は40~50年と長いですが、釉薬瓦には若干劣ります。
屋根材 | メーカー | 特徴 | 参考価格(㎡) |
---|---|---|---|
![]() エスパニカ |
栄四郎瓦株式会社 |
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18,000円/㎡ |
![]() セラマウント |
三州野安株式会社 |
|
– |
![]() GERMAN瓦 |
GERMAN HOUSE株式会社 |
|
– |
データ出典:2025年6月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
セメント瓦(洋瓦)の概要と商品
セメント瓦とは文字通り、セメントを主原料とした瓦で塗装によって色付けしたり、顔料を混ぜて色付けしているのが特徴です。
耐用年数は20~40年程度で、10~20年を目安に再度塗装をする必要があります。
屋根材 | メーカー | 特徴 | 参考価格(㎡) |
---|---|---|---|
![]() アルペン30 |
株式会社アルペン30 |
|
– |
![]() ヨーロピアン瓦 |
井桁スレート |
|
– |
データ出典:2025年6月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
【形状別】瓦の施工価格比較表
屋根の瓦の形状はひとつではなく、以下の表にわかれています。それぞれの形状と施工価格は以下の表の通りです。
瓦の形状 | 施工価格(㎡) |
---|---|
J形(和瓦・和形瓦) | 約9,000~12,500円/㎡ |
F形(平板瓦) | 約7,000~16,000円/㎡ |
S形(スパニッシュ瓦) | 約5,000~13,000円/㎡ |
切妻屋根と寄棟屋根の違いは、以下の通りです。
寄棟屋根:屋根の四方から中央に沿っており、面と面があわさった形をしている屋根
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形状によって費用も変わってくるため、施工の際には業者と相談することが大切です
J型(和瓦)
J型(和瓦)とは、波打った形状が特徴の瓦のことです。J型の“J”はJapaneseのJのことで、日本式の瓦であることを示しています。
日本の伝統的な瓦がJ型であり、古くから広く利用されています。「日本瓦」「和瓦」「和形瓦」と呼ばれ、外気温が伝わりにくいのが特徴です。
J型(和瓦)の施工価格は約9,000~12,500円/㎡です。
F形(平板瓦)
F形(平板瓦)は、凸凹がないフラットなデザインが特徴の瓦のことです。F形の“F”はFlatを表しており、主に洋風の住宅に利用されています。
F形(平板瓦)の施工価格は約7,000~16,000円/㎡です。
S形(スパニッシュ瓦)
S形(スパニッシュ瓦)は、J型よりも浪打ちが大きいのが特徴の瓦のことです。S形(スパニッシュ瓦)は主に素焼き瓦、セメント瓦となっており、洋風のデザインで重宝されています。
波打ちが大きいことからJ型と同様に通気性や断熱性に優れているのが特徴です。
S形(スパニッシュ瓦)の施工価格は約5,000~13,000円/㎡です。
瓦はどこで購入できる?
瓦が購入できる場所は、以下の3つになりま。
購入場所 | 特長 |
---|---|
ホームセンター | 比較的に安価に手に取りながら比較できる |
インターネット | さまざまな種類の瓦を短時間で比較できる |
建材店 | 専門的なアドバイスを受けながら比較できる |
ホームセンターで購入
一般的な瓦であれば近所のホームセンターで十分に購入が可能です。店舗によっては専門のスタッフも駐在しているため、用途にあわせて相談しながら選定ができるでしょう。
ホームセンターのメリットは実際に手に取りながら比較できる点です。質感や重さ、色味などを肌で感じながら比較できるため、イメージもしやすいでしょう。
一方で取り扱う瓦の種類には限りがあるため、理想の瓦に出会えない可能性があることは注意が必要です。
インターネットで購入
インターネットではさまざまな種類の瓦を短時間で比較ができます。また、購入後は自宅まで配送してもらえるため、外出の手間や瓦を運ぶ手間が省けます。
価格サイトなどでは多くの瓦が出品されていますので、ぜひ覗いてみてください。
一方でインターネットだとホームセンターや建材店のように、実際に触れながら比較することはできません。購入後にイメージとは違ったとなる可能性もあるため、慎重に決めていくことが大切です。
建材店
建材店では、ホームセンターでは取り扱っていない専門性の高い瓦を取り扱っています。より自分の好みにあった瓦に出会える可能性は高まるでしょう。
さらに建材店にはプロフェッショナルのスタッフがおり、瓦の選び方から、施工方法まで専門的なアドバイスの元、一緒に選定ができます。
瓦についての知識がない場合でも、安心して選定ができるでしょう。一方で建材店で取り扱っている瓦はホームセンターよりも値が張る傾向にあるため、予算に留意しながら選定してください。
まとめ
瓦はホームセンターやインターネットなどでも購入が可能です。ぜひ、さまざまな方法で理想の瓦を探してみてください。