屋根のリフォームや新築の住宅を検討されている方であれば、「コロニアル」という単語を聞いたことがある方も多いでしょう。
「コロニアル」とは、建材メーカーであるケイミュー株式会社が販売しているスレート屋根と呼ばれる屋根材のことです。コロニアルは非常に人気のある商品となっており、コロニアルクァッドやコロニアルグラッサなどといくつかのシリーズが展開されています。
そのためそれぞれにどのような違いがあるのか判断できない人も少なくありません。
本記事ではコロニアルクァッドの概要から、良い評判、コロニアルグラッサとの比較に至るまでを解説していきます。
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ぜひ、最後までお読みいただき、コロニアルクァッドが自身にあっているかを判断してみてください。
そもそもコロニアルクァッドとは?

コロニアルクァッドとは、ケイミュー株式会社が販売しているセメントを主成分としたスレート屋根材です。
シリーズの中でもスタンダードなデザインとなっており、新築、リフォーム問わずさまざまな場面で利用されています。
表面をアクリルコートで施しており、紫外線による色褪せを防ぎ、耐久性を高める作りなのが特徴です。コロニアルクァッドの耐用年数は「約30年」とされていますが、発売から20年以上を経過していない商品であるため、現在では10年に1度のメンテナンスが推奨されています。
価格については「18,920円/坪」となっており、ほかの屋根材と比較しても安価なのが特徴です。
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コストと機能性のバランスが良いため、高い人気を誇っている商品になります。
コロニアルクァッドの良い評判
コロニアルクァッドの人気が高い理由として、以下の4つが良い評判として挙げられます。
コロニアルクァッドの良い評判
- 安価に施工できる
- 軽量で耐震性が高い
- デザイン性が豊富
- 施工がしやすい
安価に施工できる
コロニアルクァッドは、ほかの屋根材と比較しても安価なのが特徴です。
各屋根材の具体的な価格については、以下の表の通りです。
屋根材 | 単価(1㎡あたり) |
---|---|
コロニアルクァッド | 5,500~6,000円程度 |
コロニアルグラッサ | 6,500円程度 |
トタン屋根 | 4,500~6,000円程度 |
ガルバリウム | 6,000~12,000円以上 |
瓦 | 8,000~12,000円以上 |
上記のように多くの屋根材よりも安価になっています。
表の中ではトタン屋根が最も安い屋根材になりますが、機能性はコロニアルクァッドに劣ってしまうため、コストパフォーマンスを考えるとコロニアルクァッドの方が優れているといっても過言ではありません。
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「コストを抑えて機能性の高い屋根材にしたい」というニーズに応えられる商品です。
軽量で耐震性が高い
耐震性は屋根の重量に比例するため、重量が重ければ重いほど揺れも大きくなります。そのため軽ければ軽いほど、揺れを抑えることにつながります。
コロニアルクァッドは非常に軽量なため、建物への負担をかけない素材です。軽量で負担がかからないため、耐震性は必然的に高くなります。
1坪当たりの重さを比較すると、コロニアルクァッドは約68Kg、陶器平板瓦が約140Kgと大きな差があります。
耐震性に安心できる点もコロニアルクァッドの良い評判のひとつです。
デザイン性が豊富
コロニアルクァッドのカラーバリエーションは12色と非常に豊富なことも特徴です。
たとえばケイミューが発売している屋根瓦シリーズのひとつ「雅」で展開してる色は6色、金属屋根である「スマートメタル」は3色で展開しています。
幅広いカラーバリエーションから選択できるため、ご自身の希望の色を見つけやすく、外観をカスタマイズできます。
施工がしやすい
コロニアルクァッドは施工がしやすい商品であることに加え、人気も高い商品であることから、施工に対応できる業者が数多くいます。
施工がしやすいため、工期も短く済むというメリットもあるのも魅力的な点です。屋根材によっては施工できる業者が少ないものもあり、そういった屋根材を選択してしまうと、対応できる業者を探す手間や施工完了までに時間がかかってしまうなどの恐れがあります。
コロニアルクァッドであれば、施工完了まで時間や手間がかかることはほとんどありません。
コロニアルクァッドの悪い評判
コロニアルクァッドにも悪い評判は存在します。具体的には、以下の3つが挙げられます。
コロニアルクァッドの悪い評判
- ひび割れが発生しやすい
- 藻やコケが発生しやすい
- 定期的なメンテナンスが必要不可欠
ひび割れが発生しやすい
コロニアルクァッドの主成分であるセメントは、水分を吸収しやすい性質があります。
セメントの水分吸収を抑えるために「アクリルコート」が施されていますが、経年劣化が進むとコーティングはどうしても剥がれてしまいます。
そして剥がれた箇所から水分の吸収が進み、ひび割れなどが発生してしまうのです。
こうしたひび割れを事前に抑えるためには、シーリングなどの補修が必要です。
藻やコケが発生しやすい
コロニアルクァッドを長年利用していくと、屋根の表面がざらつき、細かい凹凸が出てきてしまいます。
この凹凸部分に藻やコケが発生してしまうのです。とくに日光が当たりにくい北側の部分だと藻やコケはより発生しやすくなります。
藻やコケが発生してしまうと建物の美観も損なえてしまうため、定期的に塗装を行うことが求められます。定期的なメンテナンスが必要不可欠
コロニアルクァッドの耐用年数は約30年ですが、塗膜の劣化症状を抑えるために、10年に1度は定期的なメンテナンスが推奨されています。
具体的なメンテナンスは塗装や部分補修になります。反対にメンテナンスを行わないと、耐用年数より前に大規模な工事が必要になってしまうケースも出てきてしまうでしょう。
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「コロニアルクァッドは塗装が不要です。」と伝えてくる業者も残念ながら存在しますが、こうした業者は悪質業者であるため、工事の依頼などをしないようにしてください。
コロニアルクァッドとコロニアルグラッサを比較
コロニアルクァッドとよく比較される商品がコロニアルグラッサになります。結論から言えば、コロニアルグラッサはコロニアルクァッドの上位商品になります。
それぞれの商品の価格や機能性については、以下の比較表を確認してみてください。
項目 | コロニアルクァッド | コロニアルグラッサ |
---|---|---|
価格 | 5,500~6,000円程度 | 6,500円程度 |
耐用年数 | 約30年 | 約30年 |
表面コーティング | アクリルコーティング | グラッサコート |
色の変色に対する保証期間 | 2年 | 10年 |
カラー展開 | 12色 | 16色 |
メンテナンス | 10年に1度 | 基本的に不要 |
コロニアルグラッサの特長は、表面コーティングにグラッサコートを利用している点です。
グラッサコートとは最長の耐用年数を誇る無機系の塗膜のことで、紫外線に強く、屋根材が色褪せしにくいのが特徴です。耐用年数は約30年とされており、メンテナンスが基本的に不要であるとされています。
メンテナンスの手間を減らし、より長い期間で屋根の美観を保ちたいのであればコロニアルグラッサも十分な選択肢になります。
より良い機能性を備えて、メンテナンスの手間を減らしたい:コロニアルグラッサ
コロニアルクァッドとガルバリウム鋼板を比較
ガルバリウム鋼板とはアルミニウム、亜鉛、シリコンの合金でメッキされた鋼板のことで、高い耐久性や耐食性を兼ね備えているのが特徴です。
このガルバリウム鋼板を活用した屋根を「ガルバリウム屋根」と呼ばれ、コロニアルクァッドとよく比較されます。
それぞれの機能性などの比較は、以下の比較表を確認してみてください。
項目 | コロニアルクァッド | ガルバリウム鋼板 |
---|---|---|
価格 | 5,500~6,000円程度 | 6,000~12,000円以上 |
耐用年数 | 約30年 | 約30~40年 |
重量 | 軽量(ガルバリウム鋼板より重い) | 軽量 |
カラー展開 | 12色 | 少ない |
メンテナンス | 10年に1度 | 10~15年に1度 |
ガルバリウム鋼板はスタイリッシュでモダンなデザインが多く展開されてることに加え機能性も優れているため、人気を集めている屋根材になります。
また、加工がしやすく複雑な屋根の形状にも対応できるのがメリットです。
一方で価格はコロニアルクァッドよりも高価であるため、予算で自身が求めるものを確認しながら決めていくと良いでしょう。
耐久性や耐震性を重視し、複雑な屋根の形状に対応したい:ガルバリウム鋼板
コロニアルクァッドのメンテナンス方法と費用
コロニアルクァッドは時期に応じて各メンテナンスを行うことが大切です。
それぞれのメンテナンス方法と費用については、以下の表の通りです。
メンテナンス方法 | 検討時期 | 費用目安 |
---|---|---|
屋根塗装 | 10年に1度 | 約40~70万円 |
屋根カバー工法 | 25~30年に1度 | 約150~250万円 |
屋根葺き替え | 25~30年に1度 | 約170~270万円 |
屋根塗装
コロニアルクァッドを利用する場合、10年に1度は屋根塗装のメンテナンスを行うことが大切です。
屋根塗装を実施することで、撥水効果や防藻効果を回復させられます。また適切な塗装を行うことで、美観の美しさも回復できます。
費用目安は約40~70万円程ですが、塗装面積や劣化症状によって変わってくるため、きちんと見積もりを取ることが大切です。
屋根塗装の手順
- 高圧洗浄 or バイオ洗浄
- 下地調整
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
屋根カバー工法
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を設置する工法のことです。
屋根材のみが傷んでおり、内部まで劣化症状が進行していない場合などに最適な工法です。検討時期は25~30年に1度になります。
屋根葺き替えと比較して、既存の屋根材を取り除く作業がないことや工期が短く済むことから、費用を抑えて施工ができます。費用の目安は約150~250万円程ですが、状況によっては対応できない場合もあるため、業者にきちんと確認してもらうことが大切です。
屋根カバー工法の手順
- 棟板金や役物金具の撤去
- 防水シート(ルーフィング)設置
- 新しい屋根材の設置
屋根葺き替え
既存の屋根材が大きく損傷してしまったり、内部まで劣化症状が進行している場合は「屋根葺き替え」を行います。
屋根葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に交換する工法のことです。検討時期は25~30年に1度になります。
内部の防水シートや野地板も含めて新しいものに対応するため、施工後は新築同様に安心した暮らしにつながります。
費用の目安は約170~270万円程を見込んでおくとよいでしょう。
屋根葺き替えの手順
- 既存の屋根材を撤去
- 野地板を交換
- 防水シート(ルーフィング)設置
- 新しい屋根材の設置
まとめ
コロニアルクァッドはケイミュー株式会社が販売しているスレート材になります。
安価で軽量なため、多くの業者が対応できることに加え、圧倒的な知名度やカラーバリエーションの豊富さから人気の絶えない商品です。コロニアルクァッドと比較される屋根材として、コロニアルグラッサやガルバリウム鋼板があります。予算や自身に求めているものを確認し、合っていると感じているものを選択することが大切です。
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屋根材は頻繫に取り換えるものではないため、ぜひ評判や機能性を確認し、後悔しない選択をしてみてください。。