外壁をガルバリウムに張り替える費用はいくら?カバー工法との比較やメリット、デメリットまでを解説

  • 【更新日】2025-09-10
外壁をガルバリウムに張り替える費用はいくら?カバー工法との比較やメリット、デメリットまでを解説

外壁をガルバリウムにしようと考えてる方のなかには「家の外壁は本当にガルバリウムで良いのかな?」といった不安がある方も少なくないでしょう。

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の合金をメッキした金属素材のことで、耐久性やデザイン性の高さから注目を集めています。

外壁をガルバリウムにする際には、既存の外壁を撤去して新しく張り替える「張り替え工法」と、既存の外壁の上に重ねて張る「カバー工法(重ね張り)」のいずれかで施工します。

本記事では外壁をガルバリウムに張り替える際の費用についてカバー工法との比較から、実際の施工例までを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ガルバリウムについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください

この記事でわかること
  • 外壁をガルバリウムにするメリット:耐用年数に優れている軽量で耐震性に優れている凍害に強い素材であるデザイン性に優れている
  • 外壁をサイディングに張り替える費用相場は約140~270万円
  • 外壁のガルバリウムを長持ちさせるには、定期的な洗浄塗装メンテナンスを行うことが大切

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この記事を監修しました

監修者の写真

株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

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外壁をガルバリウムにするメリット

外壁をガルバリウムにするメリットについて

外壁をガルバリウムに張り替えるメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

外壁をガルバリウムにするメリット

  1. 錆びにくく耐用年数に優れている
  2. 軽量で耐震性に優れている
  3. 凍害に強い素材である
  4. デザイン性が豊富にある

以下で、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

錆びにくく耐用年数に優れている

ガルバリウム鋼板は、耐食性に大きな特徴をもっています。なぜならベースとなる鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金がメッキされているため、従来のトタン板と比較して約3~6倍の耐久性を誇るためです。

アルミニウムが空気と反応して強固な酸化物皮膜を形成し、亜鉛が鋼板よりも先に腐食することで、結果的に鋼板自体の錆びや腐食を防ぎ、長寿命を実現する仕組みになっています。

ガルバリウム鋼板の耐用年数は20~40年と非常に長く、適切な塗装メンテナンスを10~15年を目安に行うことで、美しい外観と性能をより長く保つことが可能です。

軽量で耐震性に優れている

ガルバリウム鋼板は、非常に軽量であることもメリットです。外壁材が軽量であることは、建物全体の重量を軽減し、地震の際に建物にかかる負担を大幅に減らすことにもつながります。

地震の揺れは建物の重さに比例して大きくなるため、軽量なガルバリウム鋼板を採用することで、住宅の耐震性を向上させ、住まいの安全性を高められるのです。

軽量であるため、既存の外壁材を撤去せずに新しいガルバリウム鋼板を重ねる「カバー工法(重ね張り)」であっても、現在の耐震性を大きく損なうことはありません。

凍害に強い素材である

ガルバリウム鋼板は金属であるため、水分の吸収をほとんどしない特徴があります。水分の吸収をほとんどしないため、凍害へのリスクを軽減することにもつながります。

凍害とは外壁材が水分を吸収し、その水分が凍結・融解を繰り返すことで体積変化が起こり、材料の劣化やひび割れを引き起こす現象のことです。

ガルバリウム鋼板は水分を内部にほとんど取り込まないため、凍害による損傷のリスクが低く、冬場の厳しい気候条件でも外壁の健全性を保ちやすくなります。とくに寒冷地においては恩恵を受けやすい素材と言えるでしょう。

デザイン性が豊富にある

ガルバリウム鋼板は、豊富なデザインバリエーションも大きな魅力の一つです。

モダンやスタイリッシュな外観はもちろんのこと、スパン柄や積石柄、伝統的なレンガ調、温かみのある木目調などさまざまな住宅スタイルに合わせられるようになりました。

カラーリングも豊富に用意されており、黒や紺の濃色は住宅に高級感のある印象を与えることから人気を集めています。

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外壁をガルバリウムにするデメリット

外壁をガルバリウムにするデメリットについて

外壁をガルバリウムにすることによるデメリットも押さえておきましょう。主なデメリットは以下の通りです。

外壁をガルバリウムにするデメリット

  1. 傷が付きやすく錆びる原因になる
  2. 断熱や結露対策が必要になる
  3. 沿岸地域は不向き

それぞれのデメリットについて、解説していきます。

傷が付きやすく錆びる原因になる

ガルバリウム鋼板は非常に薄い製品となるため、傷が付きやすい製品になります。たとえば物をぶつけたり、台風などで飛来物が当たったりすると、ほかの外壁材と比較してもへこみや傷がつきやすい素材と言えるでしょう。

傷がついてしまうと、傷ついた箇所からメッキ層が剥がれ、内部の鋼板が露出することで、錆が発生する原因にもなってしまいます。

小さな傷であっても、放置するとそこから錆が広がるリスクもゼロではありません。

断熱や結露対策が必要になる

ガルバリウム鋼板は金属素材であるため、素材自体の断熱性はあまり高くありません。そのため、夏は外からの熱を伝えやすく、冬は室内の熱が逃げやすいというケースも少なくありません。

また、室内外の温度差が大きい環境では、壁の内部や表面に結露が発生しやすいというデメリットもあります。結露はカビの発生や建材の腐食につながるため、対策が不可欠です。

対策には断熱材と一体になったガルバリウム鋼板の製品を選んだり、断熱材を併用して施工することが基本となります。

沿岸地域は不向き

ガルバリウム鋼板は、沿岸地域のように塩害が懸念される環境では性能が低下する可能性があります。潮風に含まれる塩分は、ガルバリウム鋼板のメッキ層に影響を与え、白サビの発生を誘発する恐れがあるためです。

ガルバリウム鋼板を開発しているメーカーの調査によれば、田園地帯などで利用する際の耐用年数が25年以上であるのに対し、塩害地域では耐用年数が約15年となるデータも公表されています。

自宅が海に近い場所にある場合は、ガルバリウム鋼板にすべきか慎重に検討することが大切です。

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外壁をガルバリウムに変える際の張り替え・カバー工法の料金比較

外壁をガルバリウムに変える際の張り替え・カバー工法の料金比較について

外壁をガルバリウム鋼板にリフォームする際、主に「張り替え工法」「カバー工法(重ね張り)」の2つの選択肢があります。

下記の表はそれぞれの工法の特徴や費用相場、メリット、デメリットをまとめたものになるので、ぜひ工事前に自宅に適したものはどちらか参考にしてみてください。

<外壁をガルバリウムに替える際の張り替え・カバー工法の比較>

工法 特徴 費用相場(約30坪) メリット デメリット
張り替え 既存の外壁材を全て撤去し、新しいガルバリウム鋼板に交換する 約140万~270万円 下地の補修ができる
住宅全体の軽量化ができる
費用が高額になる
工期が長くなる
カバー工法(重ね張り) 既存の外壁材の上に新しいガルバリウム鋼板を重ねて張る 約110万~220万円 費用が抑えられる
工期が短くなる
断熱性や遮音性が向上する
下地の補修ができない
住宅の重量が増加する

外壁張り替えとは?

外壁の張り替え工法は、現在使用している外壁材をすべて撤去し、新たなガルバリウム鋼板を設置する施工方法のことです。

費用相場は一般的な一戸建て住宅(約30坪)で、約140万~270万円が目安になります。

外壁張り替えのメリットは、既存の外壁材を取り除くことで、下地や建物の構造体の劣化状況を直接確認し、必要に応じた補修ができる点です。雨漏りや内部の腐食がなど、外壁材だけでなく下地にも深刻な問題がある場合でも対応ができます。

また、既存の外壁を取り外し、軽量なガルバリウム鋼板にすることで、住宅全体の軽量化が図れ、耐震性の向上にもつながります。

一方でカバー工法と比較して、工事費用は高額になる点は注意が必要です。既存の外壁材を撤去するため、工期も長くなる点も事前に押さえておきましょう。

外壁張り替えについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください

外壁カバー工法(重ね張り)とは?

外壁カバー工法とは「重ね張り」とも呼ばれ、現在使用している外壁材の上に、新たなガルバリウム鋼板を重ねて設置する施工方法のことです。

外壁カバー工法の施工を行うことで、既存の外壁材を撤去する手間や費用、廃材処理のコストが発生しないため、張り替え工法に比べて費用を抑え、工期を短縮できるというメリットがあります。

費用相場は一般的な一戸建て住宅(約30坪)で、約110万~220万円が目安です。

加えて、既存の外壁の上に新しい外壁が加わることで、住宅の断熱性や遮音性が向上する効果も期待できます。

一方で既存の下地の状態を直接確認・補修できないため、築年数が古い住宅や、高温多湿な地域で下地の劣化が進んでいると判断される場合には、張り替えが推奨される点は留意しておきましょう。

外壁カバー工法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください

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外壁のガルバリウムを長持ちさせるには?

外壁のガルバリウムを長持ちさせるには?について

ガルバリウム鋼板を外壁に採用した場合、以下の2つを適切に行うことで、長持ちできます。

◆外壁のガルバリウムを長持ちさせる方法◆ 定期的な洗浄
塗装メンテナンスを10~15年目安で行う

それぞれの方法について、簡単に解説していきます。

定期的な洗浄

ガルバリウム鋼板の外壁を長持ちさせるには、定期的な洗浄が欠かせません。

表面に付着した塩分やホコリが原因でサビが発生しやすいため、これらを洗い流すことが重要になるからです。ガルバリウム鋼板は雨で汚れも流れていきやすい素材ですが、雨が直接当たらない箇所は、汚れも蓄積しやすいため、入念に行うと良いでしょう。

水洗いは高圧洗浄機ではなく、ホースで水をかける程度で問題ありません。高圧洗浄機を使ってしまうと、水圧が強すぎることで傷や凹みがつく可能性があるためです。

軽くこすっても落ちない汚れや藻がある場合は、無理に落とそうとすると素材を傷つける恐れがあるため、専門業者に相談するようにしてください。

塗装メンテナンスを10~15年目安で行う

ガルバリウム鋼板は、10~15年を目安に塗装メンテナンスを行うと長く利用できるようになります。

サビに強く耐久性に優れるガルバリウム鋼板であっても、全くメンテナンスが不要というわけではありません。時間の経過とともに劣化は避けられず、サビの発生、チョーキング現象(外壁を指で触ると白い粉が付く現象)、色あせなどが発生してしまいます。

これらの症状が発生した場合は、塗装メンテナンスが必要な時期のサインです。

適切な時期に塗装メンテナンスを行うことで、外壁の保護機能を維持し、住宅全体の美観と耐久性を保つことにつながります。

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【色別】外壁をガルバリウムにした施工例

【色別】外壁をガルバリウムにした施工例について

ガルバリウムにはブラックやグレー、ホワイトなどさまざまカラーが展開されています。

本章では外壁ガルバリウムで施工した事例を「色別」に紹介していますので、ご自宅のイメージにあっているかを確認してみてください。

ガルバリウム鋼板には様々なデザインがあります。

外壁
ブラック系
グレー系
ホワイト系
ブルー系 ガルバリウム_ブルー_外壁

ガルバリウム鋼板を用いたより詳細なデザインの比較は、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。

ブラック系の施工例

=45″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”]画像出典:アイジー工業

ブラックのガルバリウム鋼板を用いて外壁の色を統一させた施工例になります。外壁を黒に統一することで重厚感が全面に出ており、植栽や木材とのコントラストも印象的なイメージになっています。

また、ブラックは最も汚れが目立ちにくい色となるため、多少の汚れや傷でも美観を保ちやイメージになっています。

グレー系の施工例

グレーのガルバリウム鋼板で屋根を葺いた事例になります。グレーは屋根の色として広く採用されており、施工例も数多くあります。

グレー系は濃淡や質感は様々でラインナップも豊富なので、イメージに合わせて様々な選択肢のなかから選ぶことが可能です。

詳細については、ぜひ事例のページをご覧ください

ホワイト系の施工例

画像出典:iezoom

外壁を白いガルバリウム鋼板で統一した施工事例になります。ホワイト系にすることで金属のイメージであるグレーから離れたイメージをつけることが可能です。

白は光を反射するため、金属特有の光沢や冷たい質感が出にくくなる点もメリットとして挙げられます。

そのため、ガルバリウム鋼板特有のデザインが気になる方でも選びやすい色といえるでしょう。

ブルー系の施工例

ガルバリウム_ブルー_外壁

画像出典:有限会社ディーズ

外壁をネイビーブルーのガルバリウム鋼板で統一した施工事例になります。ブルー系はブラウン系の色との相性がよいため、ドアやポストとのコントラストが映え、爽やかでおしゃれな印象にまとまっています

暗めのブルー系色は周囲との調和を図りながら個性を出しやすい色のため、ガルバリウム鋼板でも人気のカラーのひとつです。

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よくある質問

ガルバリウム外壁の張り替えでよくある質問を下記にまとました。

◆よくある質問◆ ガルバリウム外壁の張り替え費用はいくらですか?
ガルバリウム外壁は10年後にどうなりますか?
ガルバリウム外壁は夏は暑くないですか?
ガルバとサイディングどっちがいい?

ガルバリウム外壁の張り替え費用はいくらですか?

ガルバリウム外壁の張り替え費用は、一般的な30坪の住宅で約140万~270万円です。

金額の内訳は、外壁材の材料費から張り替えに伴う既存の外壁材の撤去費、足場の設置費も含んだ金額になります。

既存の外壁材の撤去費用が含まれるため、カバー工法と比較すると費用は高くなります。

ガルバリウム外壁は10年後にどうなりますか?

ガルバリウム外壁の耐用年数は約20~40年とされていますが、10年程で色褪せが目立つケースもあります。

色褪せが目立つケースは、自宅の周辺環境や採用している外壁の色などに左右されます。たとえばブラック系の色褪せが目立ちやすい色です。

こうした色褪せを避けるためには塗装メンテナンスが欠かせません。ガルバリウムは約10~15年に一度の塗装メンテナンスが推奨されているため、10年を目途に検討してみるとよいでしょう

ガルバリウム外壁は夏は暑くないですか?

ガルバリウム外壁は単体で利用すると断熱性が低いというデメリットがあります。

なぜなら金属製の素材であるため熱を伝えやすい性質をもっているからです。ガルバリウムを外壁に採用する際は、断熱材と組み合わせて設置することで対策ができます

現在では断熱材と一体型になったガルバリウム外壁も増えてきているため、検討してみるとよいでしょう。

ガルバとサイディングどっちがいい?

ガルバリウムとサイディングにはそれぞれメリットとデメリットがあります。

ガルバリウムはモダンでシンプルなデザインにしたい人長期的なメンテナンスの手間を抑えたい人などは向いているでしょう。

一方でサイディングはデザイン性を重視したい人耐火性を重視したい人におすすめになります。

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まとめ

ガルバリウム鋼板は耐久性の高さ、軽量性による耐震性、そして豊富なデザイン性から、外壁材として非常に人気のある素材です。

モダンでスタイリッシュなデザインに加え、木目調やレンガ調など多様な柄が開発されているため、幅広い住宅スタイルに対応できる点も魅力といえるでしょう。

一方で薄い素材であるため傷がつきやすく、そこからサビが発生する可能性があります。ガルバリウム鋼板を選んだ後に後悔しないためには、これらのデメリットを理解した上で、定期的な洗浄や10~15年ごとの塗装メンテナンスを行うことが大切です。

ぜひ本記事を参考に、自宅の外壁にガルバリウム鋼板が適しているかを判断してみてください。

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