家を長持ちさせるために重要な外壁塗装。
なかには、費用を抑えるために外壁の一部だけを塗装しようと思っている人もいるのではないでしょうか?
しかし結論から言えば、一部だけの外壁塗装はトータルコストで考えると非常に割高となるため、おすすめできません。
本記事では一部分だけの外壁を塗装することはなぜおすすめできないのか、逆に一部だけでも塗装を行っても良い場合などについて解説します。
一部だけの外壁塗装がおすすめできない理由5つ
結論から言うと、一部分だけの外壁塗装はおすすめできません。
一部分ごとに塗装を行うと何度も足場を組むことによって全面塗装よりも費用が高額になったり、どうしても仕上がりに色ムラが生じるなどの大きなデメリットがあるためです。
というのも外壁は紫外線などの要因により劣化し、10年前後で必ず塗装が必要なります。
現在の外壁で気になる部分は一部分だけかもかもしれませんが、ゆくゆくはどのみち全面の塗装が必要になるため、トータルコストを考えると全面塗装がおすすめとなるのです。
一部分だけの外壁塗装は好ましくないとご納得いただけるように、本章では一部分だけの外壁塗装がおすすめできない5つの理由を詳しく解説していきます。
何度も足場代がかかる
一部だけの塗装を選択すると、短期間で再塗装が必要になることが多く、その度に足場を組む必要があります。
特に、足場の設置と撤去には専門の技術と時間が必要であり、これが繰り返されることで、予想外の追加費用が発生することもあります。
仕上がりの色にムラが出てしまう
新しく塗装された部分と既存の塗装部分との間で、色や艶に差が出ることがあります。
時間の経過とともに塗料は変色するため、部分塗装では避けられない問題です。これにより、建物全体の見た目が不自然になるリスクがあります。
また、色のムラは建物の印象を大きく損なう可能性があり、特に日当たりの良い面とそうでない面では、色の変化が顕著に現れることがあります。
家全体の劣化が防げない
外壁塗装は、壁を雨水や紫外線から守るためにも重要です。
一部だけ塗装すると、塗装されていない部分の劣化を防ぐことができず、結果的に建物全体の寿命を縮めることにつながります。
特に、外壁の塗装は建物を保護するためのバリアのような役割を果たしており、このバリアが部分的にしかない場合、残りの部分は劣化が進行しやすくなります。
これにより、将来的に大規模な修繕が必要になる可能性が高まります。
次回以降のメンテナンス計画が立てにくい
部分的に塗装を行うと、次にどの部分をいつ塗装するかの計画が立てにくくなります。
全面塗装の場合は、一定の周期で塗り替えることが一般的ですが、部分塗装ではそのリズムが崩れ、メンテナンス計画を立てるのが難しくなります。
また、部分塗装を行った場合、塗装されていない部分の劣化状況を正確に把握することが難しくなり、結果として建物全体のメンテナンスが適切に行われないリスクがあります。
これは、建物の寿命を短くするだけでなく、安全性にも影響を及ぼす可能性があります。
総合的なコストが高くなる
一見、部分塗装はコストを抑える方法のように思えますが、長期的に見ると総合的なコストは高くなる傾向があります。
これは、部分塗装が引き起こす上記の問題点により、結果的に全面塗装を行った場合よりも多くの費用がかかるからです。
また、部分塗装を繰り返すことで、建物全体の劣化が進行し、最終的には大規模な修繕や全面塗装が必要になることが多いです。
これらの修繕や塗り替えには高額な費用がかかり、結果的に部分塗装を選択したことでコストが増加することになります。
【例外】一部だけの外壁塗装で良い場合
一般的には全面塗装が推奨されますが、一部の状況下では一部だけの塗装が適切な選択となることもあります。
具体的には以下のような場合が挙げられます。
・一部だけの劣化が著しい場合
・増改築した家の場合
・未塗装の部分の場合
・特定の外壁材を使用している場合
業者の施工不良が疑われる場合
業者の施工不良が疑われる場合は、施工会社もしくはハウスメーカーなどの過失であるため、費用を掛けずに再塗装してくれる場合があります。
例えば基本的に外壁塗装は10年前後の耐用年数がありますが、塗装から3~4年といった明らかに早い段階で外壁の劣化が見られる場合などは問い合わせてみると良いでしょう。
張っていた一部分のサイディングに問題があったなど、原因は様々ですが稀にこのような事態は起こるため念頭に置いておきましょう。
一部だけの劣化が著しい場合
業者の施工不良ではなかった上で、外壁の一部分に大きなひび割れや雨漏りなどの著しい劣化が生じている場合などは、一部分であっても外壁塗装をした方が良い場合があります。
ひび割れなどを放置していれば雨水が侵入して内部腐食が起こる可能性があり、塗装よりも補修にかかる費用がはるかに高額になる恐れがあるためです。
そのため一部分だけでも外壁に著しい劣化を確認した場合は、まず業者に点検を依頼しましょう。
同時にほかに劣化が見受けられる箇所はないか確認したうえで、部分塗装にするか全面塗装にするか考えられるとベストと言えます。
増改築した家の場合
家を増改築した場合、新しく加わった部分と既存の部分で塗装のタイミングが異なることがあります。
新しい部分がまだ新しく、塗装の必要がない場合は、古い部分のみを塗装することが理にかなっています。次回の全面塗装時には、全体のタイミングを合わせることが望ましいです。
未塗装の部分の場合
給湯器の交換やエアコンの室外機の設置などで、塗装が行われていない部分が露出することがあります。
これらの部分は、他の塗装された部分との防水性能の差を埋めるために、部分塗装を行うことが適切です。特に、これらの部分は目立たない場所にあることが多く、色のムラが目立ちにくいという利点もあります。
特定の外壁材を使用している場合
一部の外壁材は、特に耐久性が高いため、全面塗装の必要がない場合があります。
例えば、セラミックタイルや特定の金属製のサイディングなどは、長期間にわたって色褪せや劣化が少ないため、部分的なメンテナンスや塗装で十分な場合があります。
これらの材料を使用している建物では、特定の部分が劣化した場合に限り、部分塗装を行うことが適切です。
DIYで一部だけ外壁塗装を行うのもおすすめできない
「今は気になるのは一部分だけだし、自分でDIYして塗装すれば良いのでは?」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、DIYであっても一部分だけの外壁塗装はおすすめできません。
というのも、いずれ全面の塗装が剥がれ業者に全面の塗装を依頼するときに、DIYで家庭用塗料を我流で塗られている部分があると直すのに非常に手間がかかってしまうのです。
塗装業者が施工に入っても一部の色ムラが残ってしまう場合があるほか、悪質な業者であればDIYで補修した部分を上から塗って誤魔化してしまうケースもあります。
したがって、今後の外壁のメンテナンスを考えるとDIYで一部分の外壁塗装を行うことはデメリットが大きいため、おすすめはできないのです。
一部の補修であっても業者の見解を求めたうえで、プロによる正しい塗装もしくはプロの指導を受けた厳格な塗装方法でDIYを行うようにしましょう。
予算がない場合はどうしたらいい?
本記事では、外壁を一部分だけ塗装することの注意点について解説してきました。
なかには、手持ちの予算の都合上、どうしても全面塗装が難しい人もいるのではないでしょうか。
諦めて部分塗装を実施する前に、以下の手段をご検討ください。
外壁塗装の費用が安くなる、予算をなんとか工面できる可能性があります。
- 市区町村の助成金を利用する
- リフォームローンを活用する
- 地元密着の業者に依頼する
- 使う塗料のグレードを落とす
- 相見積もりを行う
外壁塗装を安くする方法は以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
予算が無いときに魅力的に感じる外壁の部分塗装ですが、注意点も多数存在しています。一部だけ外壁塗装を行うケースは稀だと思って良いでしょう。
また、予算が工面できない場合であっても外壁塗装を行う手段は存在します。
可能な限り全面塗装を行い、トータルコストを抑えられるとよいでしょう。
本記事が外壁の部分塗装を検討している方のお役に立てれば幸いです。


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