外壁タイルってどんな外壁材?メリット・費用・代表製品を徹底解説

  • 【更新日】2021-05-13

タイル張りの外壁は、高級品ですが耐久性に非常に優れています。

ですが、外壁にタイルを使っている家はサイディングやモルタルの家に比べて少ないため、あまり性能や費用が知られていません。

本記事では、お住まいの外壁材をタイルにリフォームしようか検討中の方へ、外壁材としてのタイルの性能や、サイディング・モルタルとの比較について、分かりやすく解説していきます。

Point
  • ・外壁タイルのメリットは、経年劣化がほとんどないこと、メンテナンス頻度が少ないこと。
  • ・外壁タイルのデメリットは、費用が高いこと、目地が劣化すること、重くて耐震性が低いこと
  • ・外壁タイルは初期費用は高いが、耐用年数でみたトータルコストは他の外壁材とほぼ変わらない

私の家だといくら?

外壁タイルってどんな外壁材?

外壁レンガのイメージ

タイルとは?

そもそもタイルとは、土や石を高温で焼き固めたものです。

タイルは、浴室の床などにも使用されることからも分かる通り、タイルは傷や水気、温度変化に非常に強い素材です。

外壁にタイルを使用した場合も、耐用年数が非常に長く、汚れにくく、メンテナンスの手間も少ない外壁になります。

外壁タイルにはどんな種類がある?

タイルの種類には、大きく分けて「磁器質タイル」「せっき質タイル」「陶器質タイル」の3種類があります。
このうち、もっとも外壁に向いているには「磁器質タイル」です。

①磁器質タイル

磁器質タイルは、1300℃近い高温で焼成したタイルです。
非常に硬い素材で、水をほどんと吸収しないので、外壁タイルとしてはもっとも耐久性・耐水性が高い種類になります。

②せっき質タイル

せっき質タイルは、1200℃前後で焼成したタイルで、磁器質と陶器質の中間の硬さ・耐水性をもちます。
磁器質タイルより硬くないぶん加工しやすく、いろいろなデザインがあるのが特徴です。

磁器質タイルの次に外壁材に向いています。

③陶器質タイル

陶器室タイルは、1000℃をこえる程度の温度で焼成されたタイルです。
磁器質タイルやせっき質タイルに比べると吸水性が高く、外壁よりも内装に多く使われます。 焼き物と同じように、焼成前に釉薬(ゆうやく)を塗られたものと、釉薬を塗らず素焼きされたものの2種類があります。

外壁タイルのメリット

外壁材としてのタイルのメリットは、耐久性が高くメンテナンスが少なくて済むことです。
メリットのもととなる性能を個別に解説すると、以下のようになります。

メリット①傷に強い

土と石を1300℃近い高温で焼成したタイルは、非常に硬い外壁材です。
そのため、外壁に砂やごみが風で吹き付けてもほとんど傷がつきません

また、吸水性もほとんどないため、凍害(素材の水分が凍ったり溶けたりを繰り返してできる傷や亀裂)もほとんど起こりません。

メリット②汚れに強い

外壁タイルには、雨水を利用して表面の汚れを落とすセルフクリーニング機能があります。
このため、手間なくきれいな状態を保つことができます。

メリット③紫外線に強い

外壁タイルは無機質でできているため、太陽の紫外線を浴びても劣化を起こしません。

メリット④メンテナンス頻度が少ない

外壁タイルの耐用年数は、ほぼ半永久的と言われています。
そのため、事故や災害で壊れたりしない限りは、タイル自体をメンテナンスする必要はありません。

メリット⑤メンテナンス費用が安い

外壁タイル自体はほとんど経年劣化しないので、メンテナンスは表面の洗浄や目地の補修など、ごく軽微な作業が中心です。
そのため、メンテナンスのたびにかかる費用も他の外壁材に比べて少なく、維持費用が安く済みます。

メリット⑥高級感がある

人によって好みに差はありますが、一般的にタイルの外壁は重厚で高級な印象を与えます。
また、近年はレンガのような外見の外壁タイル以外にも、さまざまなデザインの製品が登場しており、選択肢も広がっています。

外壁タイルのデメリット

デメリット①初期費用が高い

外壁タイルの価格は、サイディングやモルタルの外壁に比べて2~3倍ほど高価です。
あまり長く住む予定のない家に使うのは、費用的に無駄が多い外壁材と言えるでしょう。

デメリット②目地が劣化する

タイル自体は非常に頑丈な素材ですが、タイル同士の隙間を埋めている目地はどうしても劣化します。
そのため、外壁全体がメンテナンスフリーではありません。

デメリット③耐震性が低い

タイルは、他の外壁材に比べて重い素材です。
外壁に重量があると、そのぶん建物の構造体に負担がかかり、万一の地震のときにも壊れやすい家になってしまいます。

ですが、外壁タイルの使用を前提に設計した家ならば、問題はありません。

デメリット④施工に技術が必要

外壁タイルの施工は、サイディングなどに比べて施工する職人の技術を必要とします。
施工不良があると、タイルの高い耐久性も発揮できなくなってしまうので、施工にあたりタイルの扱いに熟練した業者を見つける必要があります。

外壁タイルと他の外壁材の特徴を比較

現在、日本の住宅で主流となっている外壁材は「サイディング」と「モルタル」です。
この章では外壁タイル、サイディング、モルタルをさまざまな角度から比較していきましょう。

外壁タイルとサイディングの違い

外壁タイル サイディング
デザイン レンガ調のタイル外壁
ボーダータイルの外壁
レンガ調のサイディング外壁
サンドカラーのサイディング外壁
耐久年数 約40年 約25年
価格 7,000円~11,000円/㎡ 3,500円~5,000円/㎡
メンテナンス間隔 約10年 約10年
メンテナンス価格 30~50万円 80~120万円

外壁タイルのほうが優れている点

外壁タイルは、なんといっても耐久年数に優れています。
また、塗装が原則不要なため、必要なメンテナンスもコーキング(目地)の補修など軽いもので済み、手間がかかりません。

サイディングのほうが優れている点

サイディングは、価格の安さに優れています。
また、日本ではもっとも普及率が高い外壁材なため、施工できる業者を探しやすく、急な不具合もすぐに直すことができるでしょう。

また、サイディングがデザインの種類が豊富です。
外見だけなら、タイルと区別がつかないものも数多くあります。

外壁タイルとモルタルの違い

外壁タイル モルタル
デザイン レンガ調のタイル外壁
ボーダータイルの外壁
吹付け仕上げのモルタル外壁
意匠性塗材仕上げのモルタル外壁
耐久年数 約40年 約30年
価格 7,000円~11,000円/㎡ 1,500円~4,000円/㎡
メンテナンス間隔 約10年 約10年
メンテナンス価格 30~50万円 80~100万円

外壁タイルのほうが優れている点

外壁タイルは、モルタルに比べて耐久年数が長く、メンテナンスの手間もかからないことがメリットです。

同じ家に30~40年以上住んだ場合、メンテナンス費用の差を考慮すると、タイルのほうがお得になる場合が多いでしょう。

モルタルのほうが優れている点

モルタルは、初期費用が安いことが最大のメリットです。
外壁タイルに比べて、施工時にかかるお金を大幅に少なくすることができます。

また、モルタルの外壁は、つなぎ目がないため、塗り上げ材を使って簡単にイメージチェンジすることができます。
モルタルのイメージチェンジには、「ジョリパット」などの意匠塗材がよく使われます。

「ジョリパット」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ジョリパットのデザインパターンを徹底比較!パターン別の費用や施工前の注意も解説」

外壁タイル・サイディング・モルタルは、それぞれどんな人にオススメ?

  • 外壁タイルは、「耐用年数やメンテナンスの少なさ」を重視する人にオススメ
  • サイディングは、「コストパフォーマンス」を重視する人にオススメ
  • モルタルは、「初期費用の安さ」を重視する人にオススメ

総合すると、外壁タイルは「メンテナンスの手間をなるべく少なくしたい人」「高い初期費用が払える人」に最適です。
最初の外壁工事にはサイディングやモルタルより費用がかかりますが、その後のメンテナンスコストが少ない分、トータルでは得ができます。

一方、サイディングはタイルに比べて価格が手頃で、施工可能な業者も多く、職人の腕前にあまり左右されず、安定した品質を得られるのがメリットです。
サイディングはデザインの種類も豊富なので、気に入ったデザインが見つかれば有力な選択肢となってくるでしょう。

モルタルは、3つの外壁材のなかで初期費用が一番安く済みます。 また意匠性塗材を使って、メンテナンス時に色や質感をガラッと変えることができるのも、他の外壁材にない特徴です。

特徴の比較結果をまとめると以下のようになります。

外壁材名 タイル サイディング モルタル
初期費用 高い 普通 安い
維持費用 安い 普通 普通
手間 少ない 普通 多い
耐久年数 長い やや短い 普通

外壁タイルの定番メーカー・人気製品3選

タイルメーカーには3種類ある

外壁タイルを製造販売するメーカーには、「総合メーカー」「国内タイルメーカー」「輸入タイルメーカー」の3つに分けられます。

「総合メーカー」は、タイル以外にも幅広い建材を扱っている企業で、「リクシル」「名古屋モザイク工業」などが代表的です。

「国内タイルメーカー」は、多くは窯元を発祥にした陶磁器メーカーで、独自性のある商品が特徴です。
代表的な企業には「ダントー」「日東製陶所」「杉浦製陶所」「国代耐火工業」などがあります。

「輸入タイルメーカー」は、ヨーロッパやアジアなどの海外から仕入れたタイルの販売を主業とする企業で、「アドヴァン」などが有名です。

本章では、総合メーカーの「リクシル」、国内タイルメーカーの「ダントー」、輸入タイルメーカーの「アドヴァン」の4社をとりあげます。

LIXIL(リクシル)の特徴と代表製品

リクシルは、国内最大手の建材・住宅設備グループ企業です。
外壁タイルだけでも70種類以上の製品があり、モダン、和風、洋風など使いやすいデザインが豊富に揃っており、価格も手頃なものが多いのが特徴です。

おすすめの外壁タイル「ストーンタイプコレクション」

リクシルの外壁タイル「ストーンタイプコレクション」施工イメージ

画像出典:戸建て向けエクステリアタイルカタログ(LIXIL)

リクシル独自の「はるかべ工法」で施工するタイル製品です。
はるかべ工法とは、セメントではなく専用接着剤でタイルを張る工法で、従来よりも施工期間が短く、費用も安くなるメリットがあります。

リクシルの外壁タイル「ストーンタイプコレクション」バリエーション

ストーンタイプコレクション」には、伝統的に使用されてきたタイルの石種をもとにした、11パターンのデザインがあります。

現在主流となっているタイルには細身のデザインが多いですが、ストーンタイプコレクションは大判タイプとなっており、色の柄がしっかり分かります。
かわりに、リクシルの製品としても、外壁タイル全体としても高級品となります。

リクシル「ストーンタイプコレクション」の規格と価格
石柄 全7種類
色数 全13色
製品価格 11,600円/㎡~
張付け方法 専用接着剤張り「はるかべ工法」
標準目地幅 タテ3mm、ヨコ3mm

ダントーの特徴と代表製品

ダントーは、タイルを主力にした創業135年の国内タイルメーカーです。

創業から一貫して自社工場でのタイル製造を続けており、品質に定評があり、デザインにもオリジナリティがあります。価格も比較的手頃です。

おすすめの外壁タイル「ニールボーダー」

ダイトーの外壁タイル「ニールボーダー」施工イメージ

ダントーの外壁タイルのなかでも、価格が非常に手頃でデザインも使う家を選ばない、親しみやすいタイルです。
なるべく安価に外壁タイルを使用したい場合に特ににおすすめです。

ダイトーの外壁タイル「ニールボーダー」バリエーション

ニールボーダー」のデザインは細身のボーダー型で、白・黒と茶系3種類の全5色から選べます。

ダントー「ニールボーダー」の規格と価格
色数 全5色
製品価格 6,100円/㎡~
張付け方法 接着張り付け
標準目地幅 タテ3mm、ヨコ5mm

アドヴァンの特徴と代表製品

アドヴァンは、タイル施工会社を前身にした、輸入タイルの販売会社です。

自社工場は持たないメーカーですが、東京・大阪・名古屋・福岡・沖縄の5か所にショールームをもち、製品を見に行ける機会も多いメーカーです。

おすすめの外壁タイル「スプリットフェイス スリムⅡ」

アドヴァンの外壁タイル「スプリットフェイス スリムII」施工イメージ

画像出典:アドヴァン デジタルカタログ

天然石を細いボーダーに加工した、外壁用のタイルです。
微妙な色の濃淡がよく分かる仕上がりで、価格こそ標準的ですが見た目に高級感があり、おすすめです。

アドヴァンの外壁タイル「スプリットフェイス スリムII」バリエーション

スプリットフェイス スリムⅡ」のバリエーションは全4色です。

アドヴァン「スプリットフェイス スリムⅡ」の規格と価格
色数 全4色
製品価格 11,500円/㎡~
張付け方法 全面改良圧着
標準目地幅

外壁タイルを使う前の注意点

ここからは外壁タイルを採用する前に知っておきたい注意点についてまとめました。
後悔ない外壁材選びのためにも、よく確認しておくことが大切です。

タイルにも劣化症状は発生する

タイルは耐久性が高い外壁材ですが、まったく劣化症状が出ないというわけではありません。

経年による劣化や、施工不良に劣化は起こりうるので、症状別にどんなメンテナンスが必要になるのか見ていきましょう。

タイルに汚れが付く

タイルには雨と一緒に汚れを洗い流すセルフクリーニング機能があり、外壁材の中でも汚れが付きにくい特徴を持っています。
しかし外壁は常に外にさらされているため、雨では流しきれない汚れが付着することもあります。
コケやカビ、虫の死骸の跡などの汚れが目立ってきたら、タイルの洗浄を行いましょう。

業者に洗浄を行ってもらう場合は、高圧洗浄バイオ洗浄という方法があります。
高圧洗浄とは、水圧を使って汚れを取り除く方法で、単価相場は1㎡あたり200~300円程度です。
もし高圧洗浄でも落としきれない汚れの場合は、バイオ洗浄といって薬品を塗布して洗浄する方法を使用します。バイオ洗浄の単価相場は1㎡あたり250~500円程度で、高圧洗浄より少し高めですが、バイオ洗浄は汚れの予防効果も望めます。

低い場所に気になる汚れがあったら自分で洗浄してもOK!

手の届く範囲に汚れを見つけたら、薄めた中性洗剤を付けてスポンジやブラシなどでタイルを洗浄しましょう。
汚れは付着して日が浅いほど落ちやすいので、半年に1回汚れの点検と洗浄を行えば更にタイルが長持ちします。
しかし高いところは危険なので、ブラシで届く範囲内に注意して行って下さい。

タイルが浮く

タイルが浮いてしまった場合は、エポキシ樹脂をタイルに注入し、浮きを固定する必要があります。
タイルに穴を開けて注入するので、業者の経験や技術力がとても重要になる補修方法です。
費用相場は、1ヶ所につき約500~1,000円です。

タイルの浮きは、落下にも繋がりかねないので見つけたら早めに業者に相談しましょう。

タイルにひび割れ、剥離が起こる

タイルにひび割れ、剥がれ、剥離などが起きてしまった場合は、該当部分のタイルを交換しなければなりません。
費用はタイルの商品によっても変わります。もちろん同じ商品が用意できればいいのですが、生産が終了していれば代わりの商品を使うことになります。

シーリングは定期的に補修が必要である

上記でタイルに起こりうる劣化症状に関して説明してきましたが、実際のメンテナンス工事の内容は、主にシーリングの補修となるでしょう。
タイルの継ぎ目であるシーリングは、寿命から考えて少なくとも10年に1度は必ず補修しなければなりません。

シーリング補修の費用相場

打ち替え:約700円~1,200円/m
増し打ち:約500円〜900円/m
※打ち替えとは・・既存のシーリング材を取り除いてから、新しいシーリング材を充填すること ※増し打ちとは・・既存のシーリング材を残したまま、上から新しいシーリング材を充填すること

外壁タイルの目地やシーリング(コーキング)については詳しくはこちら↓

腕が良い業者を探さなければならない

デメリットの章でも紹介しましたが、タイルが剥がれてしまうのは業者の施工不良であることが多いです。
タイルが剥がれて高いところから落下してしまうと、通行人がケガをする恐れもあります。
そのため、安全のためにも技術力の低い業者に施工を任せるのは何としても避けたいですよね。

そこでポイントなのはタイルの施工事例が充実している業者を選ぶことです。
しかし1つの業者だけ見ても事例が充実しているか判断するのは難しいので、複数業者から見積もりを取って話を聞くことが大切です。
タイルの施工経験はどのくらいあるのか、施工事例の写真を見せてもらえないかはもちろん、工事が適正価格であるか、相談事も気軽に乗ってくれそうかなど多角的な視点で業者を比べて自分に合う業者を探しましょう。

まとめ:外壁タイルは「高級感」と「メンテナンスのラクさ」がウリ

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

外壁タイルのメリットは?

頑丈で経年劣化がほとんどないこと、メンテナンスの頻度が少ないことなどです。詳しく知りたい方は外壁タイルのメリットをご覧ください。

外壁タイルのデメリットは?

初期費用が高いこと、目地や土台の劣化は避けられないこと、重くて耐震性が低いことなどです。詳しくは外壁タイルのデメリットをご覧ください。

外壁タイルの価格はいくら?

1㎡あたり「7,000~11,000円」の価格が標準です。別途、施工方法によっては工賃がかかる場合があります。詳しくは外壁タイルと他の外壁材の特徴を比較をご覧下さい。

外壁タイルのおすすめ製品は?

リクシルの「ストーンタイプコレクション」、ダントーの「ニールボーダー」、アドヴァンの「スプリットフェイス スリムII」などがあります。詳しくは外壁タイルの定番メーカー・人気製品をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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