グレー(灰色)は、どんな色とも合わせやすく汚れも目立ちにくい、外壁塗装の人気色です。。
反面、色味を間違えると家が古く見えてしまったり、無機質すぎる印象になってしまうリスクもあります。
本記事は、グレーを使って外壁塗装をお考えの方へ、
- グレーで外壁塗装するメリット・デメリット
- グレーで外壁塗装して後悔した体験談とその対策
- 外壁塗装をイメージ通りに仕上げるコツ
などを解説しています。
グレー単色で塗装したおしゃれな外壁
まずはグレー単色で上手に仕上がっている外壁を、色味や質感の異なる5種類ご紹介します。
地味な印象のあるグレーですが、塗料や外壁材の違いでさまざまな表情を出すことが可能です。
メタリックなグレー
光沢のあるグレーの金属系サイディングを使用した、シンプルな外壁です。
製品は金属系外壁材のトップメーカー・アイジー工業のサイディングを使用しています。
板目調のグレー
グレーの2階建ての戸建て。
横張りの木材調のサイティングを使い、グレー単色でありながらやさしい表情のあるデザインになっています。
にじんだ質感のグレー
流行の平屋デザイン。玄関の階段にホワイトとグレーのチェック模様がおしゃれなアクセントになっています。
くすみ・にじみの表情がある外壁材を使い、ポップでかわいい仕上がりです。
赤みがかったグレー
少し赤みがかったライトグレーで塗装した一戸建てです。
色みが入ることで、無機質さや重たさがなくなり、ぐっと爽やかなイメージに仕上がっています。
コンクリート調のグレー
やや変化球なデザインですが、ほとんどホワイトといえるコンクリート調のグレーを使用しています。
窓や装飾のほとんどない箱型の外観と合わさって、非常にモダンな印象に仕上がっています。
グレーと他の色を組み合わせたツートン外壁
グレーを使いつつ、無機質にならずおしゃれに仕上げたい場合は、もう一色別の色と組み合わせて取り入れるのがおすすめです。
ここでは、参考にしたい「グレー×もう一色」のツートン外壁の事例をご紹介します。
グレー×白
濃いめのグレーとホワイトのツートンでまとめています。
2軒の別々の住宅が合体したような、個性的な色合いと造りになっています。
グレー×黒
同系色であるグレーとブラックを合わせると、メリハリのある印象になります。
「グレー1色だと少しつまらない」「でも組み合わせに失敗したくない」という方におすすめの配色です。
濃いグレー×薄いグレー
グレーだけを使用してインパクトのある外壁にしたければ、色の濃淡をつけるとよいでしょう。
濃いグレーと薄いグレーを合わせると、統一感がありながら印象的な見た目に仕上げられます。
グレー×ベージュ
画像出典:タウンライフ家づくり
一見不釣り合いに思えるグレーとベージュも、組み合わせてみると違和感がなくおしゃれになります。
黄みが薄いベージュと、ブラウンに近いグレーを使用すれば、浮いた印象になりづらいです。
グレー×ブラウン
画像出典:株式会社ステーツ
無機質な印象になりやすいグレーも、ブラウンと合わせると一気におしゃれな雰囲気に仕上げやすくなります。
温かみのあるブラウンと組み合わせることで、グレーの重たいイメージを和らげることができます。
グレー×ブルー
1階がグレー、2階がブルーという、オリジナリティあふれる住宅です。
シンプルなグレーと濃いめのブルーがマッチしており、さわやかなイメージになっています。
グレー×ネイビー
ネイビーの中に、青みがかったグレーが際立つ外壁です。
おしゃれでスッキリした印象で、いつ見ても飽きないかっこいいデザインです。
グレー×木目調
中央の玄関ドアの木目調デザインが、グレーのスタイリッシュさを引き立てています。
都会っぽさと木目調のナチュラル感が両立した、いま人気の組み合わせです。
▼外壁塗装の人気色については以下の記事で詳しくご紹介しています。
>> 外壁塗装の人気色ランキング
グレーでの3大失敗パターンと対策
実はグレーは色味が繊細で、イメージ通りに仕上げるのが難しい色です。
そこで外壁塗装後に後悔しないように、グレーで塗装した人の体験談や口コミの大調査を敢行。3つの失敗のパターンを分析し、原因と対策を導き出しました。
色味がイメージと違った
新築時失敗したなあと思っていて。
当時はサンプルも小さくカラーシミュレーションもなかったので思ったより薄い色になってしまって。顔色わるい色だあと。
出典:発言小町「新築や外壁塗装の色で失敗された方いますか?」
見本用の小さなカラーチップを見て決めた時のイメージと、一軒家の外壁塗装が完了したときで色の印象が違ったため、後悔してしまった体験談です。
傾向としては、思ったよりも色が薄かったという口コミのほうが多かったです。
とくにグレーは、明るさの違うバリエーションが多く用意されているので、慎重に選ぶほどイメージどおりに行きづらいのではないでしょうか。
完成後のイメージが違う原因
色見本の冊子と、一戸建ての外壁で色のイメージが変わるのは「面積効果」が原因です。
面積効果とは、同じ色でも外壁などの広い面に塗ると「明るい色はより明るく」「色味の鮮やかな色はより鮮やかに」見える現象のことです。
とくにグレーの場合、元が明るいグレーであるほど、広い面積に塗ったときにより明るく見える(※)という研究結果がでています。
グレーが面積効果にどれぐらい影響されやすいかを、クイズ形式で体験してみましょう。
上の画像の一戸建ては、下の3つのうちどのグレーで外壁塗装したものでしょうか?
それでは正解を発表します。
戸建てイメージの右側に、カラー選択部分を表示させてみましょう。
正解は、選択肢のうち真ん中の色番号「N-80」のグレーでした。
当たりましたか? 意外と迷った方も多いのではないでしょうか?
後悔しないための対策
それでは、グレーの外壁をイメージ通りに塗装するにはどうすればよいのでしょうか?
第一に、明るい(薄い)グレーで外壁塗装しようとする場合はカタログ上で1段階濃い色を選ぶことです。
明るめのグレーは外壁に塗ると色見本よりも明るくなるため、ズレを想定して色を決めるとイメージ通りに仕上がるでしょう。
第二に、メーカーのカラーシミュレーターを活用することです。
カラーシミュレーターとは、自宅に近い形状の住宅でさまざまな色で塗装結果を確認できるウェブサイトの機能のことです。
記事の後半でシミュレーターの紹介や使い方の解説をしています。
第三に、色の目星がついたらA3サイズの色見本を取り寄せて、実際に家の外壁に立てかけてチェックすることです。
これにより、冊子サイズの色見本だけで確認するよりも面積効果によるギャップを減らすことができます。
A3サイズの色見本は契約する予定の塗装業者に頼むと取り寄せてもらえます(有料。500~1,000円程度)。
思ったよりも汚れが目立つ
外壁塗装経験者の中には、こんな後悔もありました。
「汚れが目立ちにくいからグレーで外壁塗装したのに、意外と汚れが目立つ…」グレーでも汚れが目立つ原因
こうなってしまった理由は、マットなグレーを選んだり、黒や白にとても近いグレーを選んだ場合などが考えられます。
外壁塗装の汚れやすさを決めるのは、色だけでなく、汚れの付着しやすさも重要です。
一般にツヤ消しのマットカラーの塗膜は、光沢のある塗膜に比べて表面がザラザラとしており、凹凸に汚れが留まりやすいのです。
また、純粋な黒や白は汚れが目立ちやすい色です。
そのため、グレーの色味が白や黒に近づくほど汚れの目立ちにくさは失われていきます。
後悔しないための対策
グレーの外壁で、汚れの目立ちにくさを叶えるはどうすればよいのでしょうか?
第一に、ツヤありのグレーを選ぶことです。
ツヤありの塗料は、つや消し塗料に比べて表面が滑らかで汚れが落ちやすい特徴があります。
塗料の光沢にも種類があり、この場合は「ツヤあり」「7分ツヤ」「5分ツヤ」までの塗料がよいでしょう。
第二に、中間色のグレーを選ぶことです。
外壁に付着する汚れ(砂ぼこり、雨シミ、排気ガス)の多くは中間のトーンをしています。
これに合わせて外壁も中間の濃さのグレーを選ぶと、汚れは最大限目立たなくなります。
第三に、低汚染性塗料を選ぶことです。
低汚染性塗料とは、付着した汚れの落ちやすさを高めた塗料のことです。
低汚染性塗料には、以下のような製品があります。
塗料名 | メーカー | 特徴 |
---|---|---|
ファインシリコンフレッシュ | 日本ペイント | サイディングから鉄部まで幅広く対応 |
水性クリーンタイトSi | エスケー化研 | 超低汚染性 |
水性弾性セラタイトSi | エスケー化研 | コンクリート・モルタル外壁向き |
アレスアクアシリコンACⅡ | 関西ペイント | 水性塗料かつ低汚染性が高い |
超低汚染リファインシリーズ | アステックペイント | 超低汚染性+セルフクリーニング機能 |
これらの低汚染性塗料のグレーを使えば、外壁の汚れを掃除する頻度を下げる効果もあるので一石二鳥です。
「外壁の汚れの落とし方」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁の汚れの落とし方は4つ!汚れの種類・原因ごとの適切な洗い方」
同じ色の家がどんどん建った
ご近所に3軒家が建ちますが、何故か外壁の色が我が家と同じです。
3軒とも別々の建設会社で建て売り住宅ではないので、外壁の色も自由に選べると思うのですが被ってます。
出典:発言小町「家の外壁の色がかぶるから止めて欲しい」
気に入って決めた色が、後から同じような色の家が増えて思い入れがなくなってしまったという体験談です。
グレーに限らず、ベージュなどを選んだ方にも多い相談でした。
グレーの家が多い理由
理由はシンプルで、グレーが外壁塗装の人気色だからです。
グレーの「汚れの目立ちにくさNo.1」という特徴は魅力的で、各社が行う外壁塗装の人気色調査でもグレーは常に1~3位のどこかにランクインしているほどです。
後悔しないための対策
一番は、被るのは仕方ないと気にしないことです。
ただ、どうしても気になる、被りたくないという方もいらっしゃるでしょう。
もうひとつの方法は、グレーを2色使ってツートンカラーに塗装するのがオススメです。
グレー単色ではなくツートンにすることで、全く同じ色やデザインがかぶることは格段に少なくなります。
グレーの汚れにくさのメリットを享受しながら、単色では出せないオシャレさも加わる解決策です。
グレーで外壁塗装するメリット
戸建てをグレーで外壁塗装すると以下のような効果があります。
汚れが目立ちにくい
グレーで塗装した外壁はもっとも汚れが目立ちにくいと言われています。
外壁につく汚れの種類は、砂やホコリ、雨染み、カビ、鳥の糞などグレー・アッシュ系の色をしています。
グレーはこれらの汚れに近い色なので、付着しても目立たないのです。
上の図では、グレーの外壁だとどの色系統の汚れも比較的目立ちにくいことがわかるでしょう。
反対に、ホワイトやブラックの外壁では、自身の色に近い汚れ以外はかなり目立っています。
モダンな雰囲気を演出できる
グレーの外壁は、流行のシンプル・モダン系のデザインの一戸建てに採り入れやすい色です。
スタイリッシュさ生まれ、大人っぽく洗練された雰囲気になるので、かっこよさを求めるならグレーは最適です。
また、ブラックほど重い見た目にならないので、厳かで硬い印象になりづらい点も魅力となるでしょう。
調和しやすい(悪目立ちしない)
家のカラーやデザインは、ご近所の家や周囲の景観との調和も重要です。
その点グレーの外壁ならば、どんな色と隣り合っても違和感が少ないため、周囲から浮いてしまう心配はほぼ不要です。
グレーで外壁塗装するデメリット
メリットとは反対に、グレーの外壁には以下のような弱点・難点もあります。
古びた家に見えることも
グレーは、色の選び方や質感・ムラの具合によっては、色あせてくすんだ建物のように見えてしまうことがあります。
オリジナリティが出しづらい
グレーは、コンクリートや道路のアスファルトなどと近い色のため、変わりばえがなくありふれた印象の家になってしまいがちです。
地味な印象になりがち
グレーは無彩色かつ中間色なので、華やかな印象は出しづらく、地味に寄ってしまいがちです。
グレーを使いつつ地味な印象をなくすには?
グレーを使いながら家に個性や華やかさを出したい場合は、無彩色ではない少し色味のついたグレーを選ぶとよいでしょう。青みの入ったブルーグレー・クールグレーや、緑の交じったモスグレー、ピンクの入ったローズグレーなどがおすすめです。
おすすめの外壁カラーシミュレーターは?
グレーに限らず、塗装に使いたい色が決まってきたら、カラーシミュレーターを使ってイメージをどんどん確認しましょう。
カラーシミュレーターは塗料メーカーや外装メーカーなどが提供しており、インターネット環境があれば誰でも無料で使うことができます。
初めてカラーシミュレーターを使う方にオススメなのが、塗料メーカーの「エスケー化研」のものです。
エスケー化研「住まいの塗り替えシミュレーション」
カラーシミュレーターは、まずエスケー化研のウェブサイトにある「住まいの塗り替えシミュレーション」を使ってみるとよいでしょう。
このシミュレーターは、以下の理由から多くの方にオススメです。
- 操作が分かりやすい
- 建物のタイプが多く、自宅に似たもので試しやすい
- 色の種類が豊富
- 塗料の色番号が分かる
とくに、2点目の「建物のタイプが多い」ことは意外と重要です。
外壁のイメージは、同じ色でも家の形や、窓の数・大きさなどによって変わってきます。
なので、なるべく自分の家のデザインに近い土台でカラーシミュレーションをすることが失敗しないコツなのです。
自分の家に近いタイプが無かったら?
なお、もししっくりくる家の形状がエスケー化研のサイトに無かった場合は、外装メーカーのケイミューが提供する「ケイミュー外観シミュレーション」を使ってみてください。建材を選ぶ形式のため、外壁塗装の色選び目的には少し使いづらいかわりに、家の形状はエスケー化研よりも多い32通りのパターンがあります。
まとめ
以上、グレーで外壁塗装することのメリット・デメリットや、最大限イメージ通りの外壁に仕上げるコツを解説してきました。
最後に、本記事の要点を振り返ってきましょう。
グレーで外壁塗装をするメリットは?
汚れが目立ちにくいこと、モダンな雰囲気を演出できること、他の色や周辺環境と調和しやすいこと等です。詳しく知りたい方はグレーで外壁塗装するメリットをご覧ください。
グレーで外壁塗装をするデメリットは?
家が古く見える可能性があること、オリジナリティが出しづらいこと、地味な印象になりがちなこと等です。詳しくはグレーで外壁塗装するデメリットをご覧ください。
グレーで塗装して後悔したいためにどうすればいい?
先人の例を分析した結果、「面積効果」を計算に入れること、汚れの付着しづらい塗料を選ぶこと、ツートンカラーも視野に入れること等が有効です。詳しくはグレーで外壁塗装した人はこんな後悔をしている!をご覧下さい。
外壁塗装のカラーシミュレーターのおすすめは?
エスケー化研の「住まいの塗り替えシミュレーション」が、操作が簡単で色数・建物タイプともに豊富でおすすめです。次点で、ケイミューの「外観シミュレーション」も候補になります。詳しくはおすすめの外壁カラーシミュレーターは?をご覧ください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。