基礎のひび割れ補修費用相場を方法別に解説!業者選定のポイントや火災保険の適用可否も紹介

  • 【更新日】2025-09-29
基礎ひび割れ補修費用

住宅の構造において、その中でも建物を支える最も重要な部分が「基礎」です。多くの住宅では、コンクリートによって基礎が固められています

しかし、基礎も他の箇所同様に徐々に劣化していくため、ひび割れなどが発生します。そのため、ひび割れを見つけた方のなかには「このまま放置しても大丈夫?」、「補修費用はいくらかかるのだろう?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、基礎のひび割れ補修にかかる費用や補修方法、補修作業における業者とDIYの比較などについて詳しく解説していきます。

この記事で分かること
  • 基礎のひび割れの補修費用は5,000円/㎡~40,000円/㎡
  • 補修方法は「シール工法」「エポキシ樹脂注入工法」など4種類
  • 基礎のひび割れは、原則業者に依頼する!

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この記事を監修しました

監修者の写真

株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

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【方法別】基礎のひび割れの補修費用

基礎のひび割れ補修費用は、ひび割れの大きさや深さ、そして選択する工法によって大きく変動します。

以下に、代表的な4つの補修工法とその費用相場をまとめました。

工法 写真 費用 概要 メリット デメリット 対象となるひび割れ
シール工法 シール工法 5,000円~10,000円 ひび割れをシーリング材で被覆 ・手軽に実施可能
・価格が安い
重度のひび割れは対応不可 幅0.3mm未満の浅いひび割れ
UVカットシール工法 Uカットシール工法 7,000円~15,000円 ひび割れをU字にカットしシーリング材を充填 ・シール工法より接着力が高い
・防水性や耐久性の向上
・時間と手間がかかる
・作業中の振動や騒音が発生
幅0.3mm前後のひび割れ
エポキシ樹脂注入工法
(ビックス工法)
エポキシ樹脂注入工法 10,000円~30,000円 ひび割れにエポキシ樹脂を注入 ・ひび割れの深部も補修
・コンクリートの一体性も回復
・費用が高額になる傾向
・施工時間が比較的長い
深さ4mm前後のひび割れ
アラミド繊維シート アラミド繊維シート補修 20,000円~40,000円 基礎全体をシートで補強 ・基礎全体の強度を向上
・耐震補強として効果的
施工費用が最も高額 ・幅5mm以上の重度なひび割れ
・耐震補強を兼ねた基礎補修が必要な場合

データ出典:「ヌリカエ」が行った2025年9月のデスクリサーチより

上記の費用はあくまで目安であり、現場の状況や業者によって異なります。正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

以下で、それぞれの工法について詳しく解説します。

シール工法

シール工法

シール工法は、主に幅0.3mm未満のヘアークラックなどの軽微なひび割れに対して行われる、最も簡易的な補修方法です。

ひび割れの上から変成シリコンなどのシーリング材を塗布し、雨水の浸入を防ぎます。作業が比較的簡単なため、費用を安く抑えられるのが特徴です。

費用相場は1mあたり900円~1,200円程度となります。他の補修方法に比べて安価になりますが、基礎の表面を保護するだけなので、基礎自体の強度回復はできません。

シール工法のメリット

シール工法の最大のメリットは、その手軽さと費用対効果の高さです。比較的安価に実施できるため、初期のひび割れにすぐ対応できます。

また、専門的な工具や高度な技術を必要としない場合が多く、施工時間も短時間で済むため、DIYでの補修も検討しやすいでしょう。これにより、ひび割れが深刻化する前に早めに手を打つことが可能となります。

シール工法のデメリット

一方で、シール工法はあくまで表面的な補修に限定されるというデメリットがあります。ひび割れの内部まで強度を回復させる効果は期待できません。

そのため、ひび割れが構造的な問題に起因している場合や、幅0.3mm以上の構造クラック、深さ4mm以上の深刻なひび割れには不向きです。

時間の経過とともに再度ひび割れが発生する可能性もあるため、定期的な経過観察が必要になります。

Uカットシール工法

Uカットシール工法

Uカットシール工法は、幅0.3mm以上の比較的大きなひび割れに用いられる方法です。

まず、ひび割れに沿って電動工具でU字型(またはV字型)の溝を掘り、清掃した後にプライマーを塗布し、その上からシーリング材を充填します。溝を作ることでシーリング材の密着性を高め、耐久性を向上させることができます。

費用相場は1mあたり 2,000円程度です、シール工法よりも高くなりますが、再発防止効果が高いのがメリットです。

Uカットシール工法のメリット

Uカットシール工法は、ひび割れの内部まで充填材がしっかりと密着するため、高い接着力と防水性、耐久性を実現できる点が大きなメリットです。

表面的な補修に比べてひび割れの再発リスクを低減し、基礎の保護機能を長期にわたって維持できます。

特に、モルタル表面のひび割れに対しては、Vカット後にコーキング材を充填し塗装を施すことで、見た目も美しく仕上げることが可能です。

Uカットシール工法のデメリット

この工法は、施工に時間と手間がかかる点がデメリットです。ひび割れをU字にカットする作業や充填材の乾燥時間が必要となるため、比較的工期が長くなります。

また、コンクリートを削る作業を伴うため、多少の振動や騒音が発生する可能性があり、周囲への配慮も必要です。費用もシール工法に比べると高めになる傾向にあります。

エポキシ樹脂注入工法(ビックス工法)

エポキシ樹脂注入工法

エポキシ樹脂注入工法は、建物の強度に影響を及ぼす構造クラックに用いられることが多い補修方法です。ビックス工法とも呼ばれます。

ひび割れに沿って専用の注入器具を設置し、低圧・低速でエポキシ樹脂をひび割れの奥深くまで注入します。硬化したエポキシ樹脂はコンクリートと一体化することで、強度を回復させることが可能です。

費用相場は1mあたり10,000円~30,000円程度と高額になりますが、基礎の耐久性を大きく回復できる補修方法です。

エポキシ樹脂注入工法のメリット

エポキシ樹脂注入工法のメリットは、ひび割れの深部まで確実に補修できることです。

注入された樹脂が基礎の内部で硬化することで、ひび割れを強力に接着し、コンクリート自体の強度と一体性を回復させます。

高い防水性と耐久性も兼ね備えており、ひび割れからの水の浸入を効果的に防ぎ、基礎の長寿命化に貢献します。

エポキシ樹脂注入工法のデメリット

この工法は、他の補修方法と比較して費用が高くなる傾向があります。特殊な材料と高圧注入という専門性の高い技術を要するため、施工には高度な知識と経験を持つ専門業者による作業が必須です。

また、注入作業や樹脂の硬化に時間がかかるため、全体的な施工期間が長くなる可能性があります。DIYでの実施はできないため、必ずプロに依頼するようにしましょう。

アラミド繊維シート補修

アラミド繊維シート補修
画像出典:コンステック

アラミド繊維シート補修は、個別のひび割れを補修するのではなく、基礎の強度そのものが不足している場合や、地震対策として耐震性を向上させたい場合に採用される工法です。

アラミド繊維は、鋼材の約7倍の引張強度を誇る非常に強靭な素材です。このアラミド繊維を編み込んだシートを基礎の表面にエポキシ樹脂で貼り付けることで、基礎全体の強度と靭性を大幅に向上させます。

費用相場は1㎡あたり20,000円~40,000円程度と最も高額ですが、耐震補強としても効果的な方法です。

アラミド繊維シート補修のメリット

アラミド繊維シート補修の最大のメリットは、ひび割れの再発を防ぎつつ、基礎の強度を大幅に向上させられる点です。

シートが基礎の表面を覆うことで、外部からの衝撃や地盤の動きによるひび割れの発生・拡大を抑制します。耐震補強としても高い効果を発揮するため、建物の長期的な安全性と耐久性を向上させることに期待できるでしょう。

アラミド繊維シート補修のデメリット

この工法は、他の補修方法と比較して施工費用が非常に高額になる点がデメリットです。特殊な材料費に加え、高度な技術と手間を要するため、工事期間も長くなる傾向にあります。

専門的な知識と経験を持つ業者に依頼する必要があり、DIYでの実施は不可能です。長期的な視点でのコストパフォーマンスは優れていますが、初期費用が大きな負担となることを覚悟しなければなりません。

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基礎のひび割れを補修するタイミング

建物の基礎は、常に紫外線や雨風にさらされているため、経年によって劣化が進行します。特にコンクリートは、乾燥収縮や地震の揺れなどによってひび割れが発生しやすい部分です。

では、実際にひび割れを見つけた場合、どのタイミングで補修を検討すべきなのでしょうか。

まず、建物の基礎に使われるコンクリートの耐用年数は、一般的に30年~50年ほどと言われています。しかし、これはあくまで目安です。実際の耐用年数は、立地環境や施工品質によって大きく左右されます

基礎のひび割れ補修のタイミングを見分けるポイントは、ひび割れの「幅」と「深さ」です。

以下は、ひび割れの状態と放置する危険度、対処法についてまとめた表になります。

デザイン 写真 状態と危険度 対処法
幅:0.3mm未満
深さ:5mm未満
(ヘアークラック)
ヘアークラック 差し迫った構造上の問題は出ていないケースが多いが、必要に応じて補修が必要 補修の緊急性は低いが点検を依頼すると安心
幅:0.3mm以上
深さ:5mm以上
(構造クラック)
構造クラック 建物の耐久性に影響が出ている可能性があり、放置すると倒壊の原因になる 専門業者による早急な補修が必要

幅0.3mm未満、細いひび割れ(ヘアークラック)であれば、すぐに大きな問題に発展する可能性は低いですが、構造クラックとなっているひび割れを発見した場合は、専門家に点検してもらうことをおすすめします。

【進行度合い別】ひび割れの補修方法を比較

家の基礎にできてしまったひび割れは、なるべく早い段階で補修する必要があります。

しかし、補修した方がいいのか判断に迷うケースもあるでしょう。そこで、以下にひび割れの幅と深さ別に最適な補修方法の目安をまとめました

深さ\幅 0.3mm未満 0.3mm以上
5mm未満 シール工法
DIY補修(応急処置)
エポキシ樹脂注入工法
Uカットシール工法
5mm以上 要専門家診断
(幅が狭くても深い場合は注意が必要)
エポキシ樹脂注入工法
アラミド繊維シート補修

それぞれの補修方法については、費用とともに次章で詳しくご紹介します。

なお、上記のひび割れの状態と補修方法はあくまでも目安としてご覧ください。最終的な補修方法については、専門の業者に点検を依頼して決めるようにしましょう。

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基礎のひび割れ補修を業者とDIYの比較

軽微なヘアークラック程度であれば、DIYでの補修も不可能ではありません。しかし、本当にDIYで大丈夫なのでしょうか。

ここでは、業者に依頼する場合とDIYで行う場合を、メリット・デメリット・費用の観点から比較してみましょう。

ベランダの防水塗装をどちらの方法で行うか決めるときの参考になれば幸いです。

業者 DIY
業者によるシーリング DIYでの基礎ひび割れ修理
メリット ・原因を正確に診断できる
・仕上がりが綺麗で耐久性が高い
・保証が付く
・費用を大幅に節約できる
・道具があればすぐ作業できる
デメリット ・費用が高くなる
・業者選びの手間がかかる
・原因の特定が難しい
・再発するリスクがある
・綺麗に仕上げるのは難しい
費用相場 10,000円~ 数千円~1万円程度

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年5月のデスクリサーチより

続いて、それぞれのメリットとデメリット、費用について詳しく解説します。

前提として、基礎は住宅の安全性に関わる重要な部分のため、原則として業者に補修を依頼するようにしましょう。

業者に依頼するメリット・デメリット、費用

業者によるシーリング

基礎のひび割れを業者に依頼する最大のメリットは、プロの目でひび割れの原因を正確に診断し、最適な工法で確実に補修してもらえる点です。特に、構造上の問題が疑われるひび割れの場合、専門的な知識と技術がなければ適切な対処はできません。

仕上がりの美しさや耐久性の高さはもちろん、業者によっては工事後の保証が付くため、万が一の際にも安心です。

デメリットは、DIYに比べて費用が高くなる点となります。費用は工法やひび割れの状況によって大きく異なりますが、基礎全体を補修する場合は10万円前後の費用かかる可能性があります

DIYで補修するメリット・デメリット、費用

DIYでの基礎ひび割れ修理

DIYで補修する最大のメリットは、費用を安く抑えられることです。ホームセンターなどで販売されている補修キットを使えば、数千円から1万円程度で材料を揃えることができます

しかし、DIYには大きなリスクも伴います。ひび割れの表面を塞ぐことはできても、基礎自体の耐久性を回復させることはできません。また、補修が不十分だと劣化を早めてしまう可能性もあります。

基礎のひび割れ補修は業者への依頼を前提とし、DIYはあくまでも応急処置にとどめておくようにしましょう。

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基礎ひび割れ補修で業者を選ぶ5つのポイント

基礎のひび割れ補修を成功させるには、信頼できる業者選びが不可欠です。

業者を選ぶ際には、以下の5つのポイントを基準に選ぶと失敗のない契約ができるでしょう。

◆基礎のひび割れ補修の業者を選ぶポイント◆
  • 基礎工事や補修工事の実績が豊富か
  • 現地調査や原因の診断に時間を取っているか
  • 複数の補修方法を提案してくれるか
  • 見積書の内容が「一式」にまとめられていないか
  • 保証やアフターサポートの内容が充実しているか

これらのポイントを押さえることで、技術力が高く誠実な対応をしてくれる業者を見極められます。

適切な業者選びが、住宅の寿命を延ばすための重要な第一歩となります。

基礎工事や補修工事の実績が豊富か

業者を選ぶうえで、基礎工事や補修工事の実績が豊富かどうかは、技術力と信頼性を判断するための重要なポイントです。

実績が豊富な業者は、様々な現場を経験しているため、ひび割れの原因や状態に応じた最適な施工方法を熟知しています。ホームページで過去の施工事例を確認し、どのような工事を手掛けてきたかを見てみましょう。

写真付きで具体的な工事内容や費用が掲載されていれば、より信頼性が高いと判断できます。

また、実際にサービスを利用したお客様の声や口コミも、業者の技術力や対応を知るための貴重な情報源です。多くの実績と良い評判がある業者を選ぶことで、安心して工事を任せられます。

現地調査や原因の診断に時間を取っているか

丁寧な現地調査と原因の診断に時間をかけてくれる業者を選びましょう。

基礎のひび割れは、乾燥収縮や地盤沈下、地震など様々な原因で発生し、その原因によって最適な補修方法が異なります。信頼できる業者は、ひび割れの幅や深さを計測し、原因を特定するための診断に時間をかけます

業者によっては、外壁診断士や外装劣化診断士といった資格を持つ専門家が在籍していることもあります。専門的な知識に基づいた診断は、適切な補修工事につながるため、業者選びの安心材料となります。

安易に補修方法を決めつけず、しっかりと調査・診断を行う業者を選ぶことが重要です。

複数の補修方法を提案してくれるか

ひび割れの状態や予算に応じて、複数の補修方法を提案してくれる業者を選ぶようにしましょう。

基礎のひび割れ補修には、軽微なひび割れに適した「シール工法」や、より耐久性の高い「Uカットシール工法」建物の強度回復も期待できる「エポキシ樹脂注入工法」など、様々な種類があります。

一つの工法だけを強く推すのではなく、それぞれの工法のメリット・デメリットを丁寧に説明し、状況に合わせた選択肢を提示してくれる業者は信頼できるでしょう。

複数の選択肢から納得のいく方法を選ぶことで、費用対効果の高い補修が実現します。

見積書の内容が「一式」にまとめられていないか

見積書を確認する際は、「一式」という表記でまとめられていないか、内訳が詳細に記載されているかを必ずチェックしてください。

信頼できる業者は、「ひび割れ補修」や「コーキング打ち替え」といったように、工事項目ごとに単価や数量を明記した、透明性の高い見積書を提示します。足場代や諸経費なども、何にいくらかかるのかが分かるように記載されているはずです。

一方で、「補修工事一式」といった曖昧な表記が多い見積書は、どの作業にどれだけの費用がかかっているのかが不明確です。これでは提示された金額が適正価格なのか判断できません。

疑問点があれば遠慮なく質問し、内訳を丁寧に説明してくれる誠実な業者を選びましょう。

保証やアフターサポートの内容が充実しているか

工事後の保証やアフターサポートが充実しているかも、業者選びの重要なポイントになります。

基礎の補修は建物の安全に関わる重要な工事のため、万が一施工後に問題が発生した場合でも、保証があれば安心です。具体的には、「工事保証」といった保証内容や期間、定期点検の有無などを契約前に確認しましょう。

保証書が発行されるかどうかも確認しておくと、より安心です。手厚い保証やアフターサポートを提供している業者は、それだけ自社の施工品質に自信を持っている証拠ともいえます。

長期的な安心を得るためにも、サポート体制が整った業者を選んでください。

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基礎のひび割れ補修費用を抑えるおすすめの方法

基礎のひび割れ補修は、住宅全体で10万円前後の費用がかかる可能性があります。そのため「少しでも費用を抑えた補修したい」とお考えの方も多いでしょう。

そこで本章では、基礎にできたひび割れの補修費用を安く抑えるため方法をご紹介します。ご紹介する方法は下記の3つです。

レンガ調外壁の種類
  1. 火災保険を使う
  2. 自治体の助成金・補助金制度を使う
  3. 複数業者の見積もりを比較する

火災保険を使う

ひび割れができた原因によっては火災保険を適用できる可能性があります。

「台風による飛来物の衝突」「豪雪による圧力」「隣家の火災による延焼」などが原因で基礎にひび割れが生じた場合、補償の対象となるかもしれません。補償範囲や条件は加入している火災保険によって異なるため、まずはご加入中の保険内容を確認しておきましょう。

ただし、経年劣化によるひび割れは対象外です。ご自身が加入している火災保険の契約内容を確認し、保険会社や代理店に問い合わせてみましょう。

自治体の助成金・補助金制度を使う

お住まいの自治体によっては、住宅リフォームに関する助成金や補助金制度を設けている場合があります。

特に、耐震性の向上を目的としたリフォームは助成制度の対象としている自治体が多いです。そのため、基礎のひび割れを補修であれば、アラミド繊維シート補修などは、補助金の対象となる可能性があるでしょう。

ただし、すべての自治体で助成金・補助金制度があるわけではありません。また、条件や申請方法は自治体によって異なるため、まずは市区町村の役所のホームページや担当窓口での確認をおすすめします。

複数業者の見積もりを比較する

複数業者の見積もりを比較検討する「相見積もり」でも、費用を抑えることができます。

同じ工事内容でも、業者によって見積もり金額は大きく異なるケースが多いです。金額を見比べやすいよう、見積もりをとるときは、同じ補修方法や材料での金額を出してもらうと比較しやすくなります。

ただし、極端に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。手抜き工事や、後から追加費用を請求されるといったトラブルに繋がる可能性もあります。

見積もりを比較するときには、金額はもちろん、施工実績や保証の充実さなども含めて信頼できる業者を選ぶことが重要です。

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よくある質問

基礎のひび割れ補修でよくある質問を下記にまとました。

◆よくある質問◆ クラックの修繕費用はいくらですか?
基礎のヒビの許容範囲は?
火災保険で基礎のひび割れは補償対象ですか?
基礎修復にかかる費用は?

クラックの修繕費用はいくらですか?

クラックの補修費用は、ひび割れの状態や補修方法によって大きく変動します。

ひび割れの幅が0.3㎜未満のヘアークラックの場合、シール工法で5,000円/㎡~10,000円/㎡、UVカットシール工法で7,000円/㎡~15,000円/㎡です。

ひび割れの幅が5㎜未満の構造クラックの場合は、20,000円/㎡~40,000円/㎡のアラミド繊維シートによる補修が必要になるケースもあり、全体で100万円以上かかることもあります。

基礎のヒビの許容範囲は?

基礎のひび割れは、幅0.3mmまでが許容範囲です。

幅が0.3mmを超えると、隙間から雨水が侵入しコンクリートや鉄筋を劣化させる可能性があります。

基礎にひび割れがある場合は、その幅を図り0.3mm以上であれば早急な点検や補修が必要です。

火災保険で基礎のひび割れは補償対象ですか?

基礎のひび割れが火災保険の補償対象になるかは、ひび割れが自然災害によるものであるかで変わります

地震や台風、洪水などが原因でない場合は、火災保険の補償対象外です。これら自然災害が原因で発生したひび割れである場合は、火災保険の補償対象になる可能性があります。

なお、実際に補償が下りるかは保険会社の調査員による判断となりますので、写真や記録などを取り自然災害が原因である証拠を集めておくと良いでしょう。

基礎修復にかかる費用は?

基礎修復にかかる費用は、ひび割れの程度や修復方法によって異なります

簡単な修復方法であれば、5,000円/㎡程度の場合もありますが、大きな亀裂の修復では基礎全体の修復や補強が必要になるため100万円以上かかるケースが多いです。

修復方法はひび割れの程度によって変わるため、正確な費用を確認するためには業者に点検や見積もりを依頼しましょう。

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まとめ

建物の土台である基礎は、住まいの安全性を支える上で最も重要な部分です。基礎にひび割れを見つけると不安になるかと思いますが、慌てずにまずはひび割れの幅を確認しましょう。

幅0.3mm未満、深さ5mm未満のヘアークラックであれば緊急性は低いです。しかし、幅0.3mm以上、深さ5mm以上の構造クラックとなっているひび割れは、放置せずなるべく早いタイミングでの補修が必要となります。

大切なマイホームを長持ちさせるためには、信頼できる専門業者に診断を依頼し、適切な方法で補修することをおすすめします。

本記事でご紹介した費用相場や工法の知識を参考に、まずは専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。