外壁塗装の依頼先として一番に思い浮かぶのは、お世話になっているハウスメーカーという方も多いのではないでしょうか。
一方で「外壁塗装をハウスメーカーに依頼したいけど、施工費用が高くなりそう…」と思われている方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、外壁塗装をハウスメーカーに依頼すると一般的な相場と比べて高いのか、具体的な金額の比較やハウスメーカーに依頼するメリットやデメリットなどについて詳しくまとめました。
外壁塗装をどこに依頼するか悩まれている方の参考になりましたら幸いです。
外壁塗装の相場について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください
外壁塗装をハウスメーカーに依頼すると相場よりも高い?
外壁塗装は、ハウスメーカーに依頼すると相場よりも高くなります。そのため、ハウスメーカーへの依頼を検討されている方は、施工費用の見立てに注意してください。
ハウスメーカーに依頼すると施工費用が高くなるのは、広告費用や下請け業者への中間マージンが費用に含まれているためです。
ハウスメーカーは大々的な広告を行っていることが多く、その宣伝広告費が施工費用に加算されます。売上における広告費の割合は、1%~5%であることが多いです。
中間マージンは、売上に対して通常10%~30%となります。
外壁塗装の一般的な相場とハウスメーカーの比較
外壁塗装をハウスメーカーに依頼する場合、具体的にはどのくらい割高になるのでしょうか。
ここでは、外壁塗装の一般的な相場とハウスメーカーに依頼する場合の費用を比較します。
一般的な相場
外壁塗装の一般的な相場は、30坪の戸建ての場合90万円~110万円となります。
下記は、坪数ごとにおける施工費用の相場です。
坪数 | 費用相場 |
---|---|
20坪 | 80万円~100万円 |
30坪 | 90万円~110万円 |
40坪 | 100万円~120万円 |
50坪 | 110万円~130万円 |
60坪 | 120万円~140万円 |
いずれの場合でも、100万円前後の費用がかかることが分かります。
ハウスメーカーに頼んだ場合の費用
ハウスメーカーで頼んだ頼んだ場合の費用は、一般的な相場にプラスして、広告費と中間マージンが上乗せされることになります。
売り上げに対する宣伝費が2%、中間マージンが20%の場合、各坪数ごとにおけるハウスメーカーの施工費用は下記の通りです。
坪数 | 一般的な費用相場 | 広告費用上乗せ分(5%) | 中間マージン上乗せ分(20%) | ハウスメーカーの費用相場 |
---|---|---|---|---|
20坪 | 80万円~100万円 | 4万円~5万円 | 16万円~20万円 | 100万円~125万円 |
30坪 | 90万円~110万円 | 4万5,000円~5万5,000円 | 18万円~22万円 | 125万円~137万5,000円 |
40坪 | 100万円~120万円 | 5万円~6万円 | 20万円~24万円 | 125万円~150万円 |
50坪 | 110万円~130万円 | 5万5,000円~6万5,000円 | 22万円~26万円 | 137万円~162万5,000円 |
60坪 | 120万円~140万円 | 6万円~7万円 | 24万円~28万円 | 150万円~175万円 |
ハウスメーカーに依頼すると、一般的な相場の1.3倍ほど施工費用が高くなることが分かります。
外壁塗装は数十万円~数百万円という金額が必要です。そのため、広告費用と中間マージンが上乗せされるだけでも50万円近く高くなることもあります。
外壁塗装におけるハウスメーカーと地元業者を比較
外壁塗装の依頼先はハウスメーカーの他にも塗装を専門に請け負う「専門業者」があります。
「ハウスメーカーに見積もりもらったが、専門業者に依頼すると費用やアフターフォローなどはどうなるか知りたい」とお考えの方は多いでしょう。メリットやデメリット、費用はもちろん提案力などにも違いがあるので、最終的には総合的に判断して依頼先を決めることで納得のいく工事になります。
そこで本章では、ハウスメーカーに依頼する場合と専門業者に依頼する場合で「何がどう違うのか」について詳しく解説しています。
まずは、依頼先ごとのメリットから費用までを比較した表をご覧ください。なお、費用は一般的な戸建ての大きさである30坪の住宅を基準に算出しています。
依頼先 | メリット | デメリット | 費用相場 |
---|---|---|---|
![]() ハウスメーカー |
・業者を探す手間がかからない ・メンテナンス計画を一任できる ・アフターフォローの面で安心 |
・専門業者に比べて費用が高い ・プランのカスタマイズ性に劣る |
125万円~137万円 |
![]() 専門業者 |
・専門業者に比べて費用が安い ・希望や条件に合わせてくれやすい ・提案力がある |
・業者を選ぶ手間がかかる ・工期調整がしづらい |
90万円~110万円 |
データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年5月時点のデスクリサーチより
一般的に、ハウスメーカーの方が専門業者に依頼する場合に比べて費用相場は高くなる傾向にあります。一方で、業者を探す必要がない点や充実したアフターフォローに期待できるといったメリットがあります。
続いては、それぞれに依頼する場合のメリットとデメリットについて詳しくご紹介していきますので、依頼先を選ぶ際の参考になれば幸いです。
外壁塗装をハウスメーカーに依頼するのメリット・デメリット
まずは、外壁塗装をハウスメーカーに依頼する場合のメリットとデメリットについて解説していきます。
改めて、ハウスメーカーに依頼するメリットとデメリットは以下の通りです。
依頼先 | メリット | デメリット | 費用相場 |
---|---|---|---|
![]() ハウスメーカー |
・業者を探す手間がかからない ・メンテナンス計画を一任できる ・アフターフォローの面で安心 |
・専門業者に比べて費用が高い ・プランのカスタマイズ性に劣る |
125万円~137万円 |
データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年5月時点のデスクリサーチより
メリットとデメリットについて、専門業者に依頼する場合と比較する形で詳しく解説していきます。
ハウスメーカーに依頼するメリット
ハウスメーカーに依頼するメリットは以下の通りです。
メリット
- ① 業者を探す手間がかからない
- ② メンテナンス計画を一任できる
- ③ アフターフォローの面で安心
元請けであるハウスメーカーは、外壁塗装の依頼を受けると提携してる業者に実際の作業をお願いをしています。そのため、自分で塗装業者を探す必要がありません。信頼でき実績のある業者を探すのは時間がかかるため、特に忙しい方にとっては大きなメリットです。
今後のメンテナンスについても最適なタイミングで点検や補修の提案をしてくれるため、普段から外壁の状態について気にするストレスがないのも魅力となります。大手ハウスメーカーであれば、倒産リスクも少なくアフターフォローを受けられなくなるという心配もあまりないでしょう。
専門業者へ依頼すると、業者を探す手間やメンテナンスを自己管理のもとで行う必要があります。
ハウスメーカーに依頼するデメリット
ハウスメーカーに依頼するデメリットは以下の通りです。
デメリット
- ① 専門業者に比べて費用が高い
- ② プランのカスタマイズ性に劣る
最大のデメリットは、ハウスメーカー比べて費用が高くなる傾向にあるという点です。ハウスメーカーの多くは広告宣伝費や中間マージン分が上乗せされているため、外壁塗装の相場よりも高くなるケースがあります。
また、塗装プランをパッケージ化しているハウスメーカーも多く、使いたい塗料や希望のデザインなどを実現できない可能性もあるので注意してください。
専門業者であれば、塗料やデザインで施工できるケースが多いです。
外壁塗装を専門業者に依頼する場合のメリット・デメリット
専門業者に依頼するメリット
専門業者に依頼するメリットは以下の通りです。
メリット
- ① 専門業者に比べて費用が安い
- ② 希望や条件に合わせてくれやすい
- ③ 提案力がある
外壁塗装を専門業者に依頼する大きなメリットは、ハウスメーカーに依頼する場合に比べて費用を抑えられる可能性があるという点です。自社施工であれば中間マージンも発生しないため「とにかく費用を抑えたい」という方にとっては選びやすい依頼先となります。
また、塗装プランの自由度が高いため、希望や条件に合わせて塗料やデザインなどを実現しやすいです。地域密着の専門業者であれば、そのエリアの環境に合わせたベストな塗料や補修を提案してもらえるでしょう。
ハウスメーカーよりも、費用を抑えられ自由度が高いという特徴があります。
専門業者に依頼するデメリット
専門業者に依頼するデメリットは以下の通りです。
デメリット
- ① 業者を選ぶ手間がかかる
- ② 工期調整がしづらい
専門業者に依頼する場合、まず信頼できる業者を選ぶ手間がかかります。ネットや口コミを頼りに比較検討する必要があり、初めての方にはハードルが高いと感じることもあるでしょう。
また、人気のある業者はスケジュールが埋まっていることが多く、希望するタイミングでの工事が難しいケースもあります。安心して外壁塗装を任せるには、事前のリサーチと余裕をもった工期の日程調整が必要です。
ハウスメーカーへの依頼がおすすめな人
ハウスメーカーへの依頼がおすすめなのは、下記のケースに当てはまる人です。
- 資金に余裕があり信頼性を重視する人
- 可能な限り早く塗り替えたい人
- 家の延長保証を受けたい人
資金に余裕がり信頼性を重視する人
ハウスメーカーに外壁塗装を依頼する場合、一般的な相場よりも高くなります。そのため、ハウスメーカーへの依頼をおすすめできる前提として「資金的な余裕がある方」となります。
また、ハウスメーカーは一定のブランド力や技術力があるため、外壁塗装も安心して任せやすいという点がメリットです。自分で業者を選んで施工してもらうよりも、お世話になったハウスメーカーに依頼する方が仕上がりも安定しやすいという期待もできます。
「相場よりも高くて良いから、仕上がりもよく安心して任せられるところに依頼したい」とお考えの方は、ハウスメーカーへの依頼を検討してみましょう。
可能な限り早く塗り替えたい
ハウスメーカーに依頼することで、法令を順守し一定の技術力をもった塗装業者と契約できます。
業者を探す手間と時間がなくなり、手続きもハウスメーカーが窓口となって進めてくれるため、面倒な調整もなく契約を進められるでしょう。
普段忙しい方でも、ハウスメーカーに依頼すれば最短で外壁を塗り替えることができます。「外壁塗装を考えているけどなかなか考える時間を取れない」という方は、ハウスメーカーへの依頼がおすすめです。
家の延長保証を受けたい
家を購入した際にお世話になったハウスメーカーに外壁塗装を依頼することで、建物の延長保証を受けられる可能性があります。
延長保証をきかせることで、家を末永く守ることができるでしょう。延長期間は30年~60年が一般的です。最大で永年保証をつけているハウスメーカーもあります。
「家にはこれからもずっと住み続ける予定」「家は子供や孫の世代まで残したい」といった方は、ハウスメーカーに外壁塗装を依頼してみるとよいでしょう。
専門業者への依頼がおすすめな人
ハウスメーカーへの依頼がおすすめな人をご紹介しましたが、続いては専門業者への依頼がおすすめな人の特徴を3つご紹介します。
専門業者への依頼がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。
- できるだけ費用を抑えたい人
- 希望の外観やデザインがある人
- 様々なプランを比較して決めたい人
それぞれ詳しく解説します。
できるだけ費用を抑えたい人
外壁塗装の費用をできるだけ抑えたい方には、専門業者への依頼が向いているでしょう。同等の工事内容であれば、ハウスメーカーよりも費用を抑えられるケースが多いためです。
外壁塗装は、外壁面積や使う塗料によって100万円以上かかることもあります。そのため、100坪など比較的大きな家に住んでいる方は専門業者に依頼することで費用を大きく抑えらえるかもしれません。
ただし、費用を抑えすぎるとグレードの低い塗料での塗装や十分な補修ができず、外壁の寿命を縮めてしまいます。外壁の耐久性を保つために必要な費用は削らないように注意が必要です。
希望の外観やデザインがある人
理想とする外観やカラーイメージがある場合は、柔軟に対応してくれる専門業者がおすすめです。豊富な施工実績と専門知識を持つ業者であれば、カラーシミュレーションや素材の提案などを使いながら、理想とする外壁のために具体的なアドバイスをしてくれます。
デザイン性の高い仕上がりを求める場合、大手よりも小回りの利く専門業者の方が、細かな要望にも丁寧に応えてくれる可能性が高いでしょう。
おしゃれな外壁や色などについてお悩みの方は、以下の記事もご覧ください。
様々なプランを比較して決めたい人
いくつかのプランを比較しながら選びたい人にとっても、専門業者への依頼がおすすめです。多くの専門業者は無料見積もりや現地調査を行っており、複数の業者から提案を受けることで、価格・内容・サービスの違いを把握できます。
そのため、単に価格で選ぶのではなく、自分に合った塗装プランを納得して選びやすくなるでしょう。選択肢を広げたい人にとっても、おすすめの依頼先となります。
外壁塗装におけるハウスメーカー以外の依頼先
外壁塗装は、ハウスメーカー以外でもいくつかの依頼先があります。
なお、ここでは先ほどご紹介した専門業者を除いた3つの依頼先ごとに、その特徴について詳しくご紹介します。
- 工務店
- ホームセンター
- 家電量販店
外壁塗装をハウスメーカー以外で検討されている場合の参考となれば幸いです。
工務店
工務店は、地域密着型で様々な建物の建築やリフォームを手掛ける業者です。
ハウスメーカーよりも各地域での施工実績が豊富であるケースが多く、気候や風土にあった提案力が強みとなります。扱う塗料も幅広いため、自由度もハウスメーカーに比べて高いです。
ただし、工務店によっては外壁塗装の施工実績が少ない場合もあります。また、実際の施工は下請け業者に任せている場合、中間マージンが発生しハウスメーカーとさほど変わらない金額となる可能性もあるので注意が必要です。
ホームセンター
ホームセンターでも外壁塗装を含めたリフォームの相談や契約ができます。
普段行く機会が多いホームセンターであれば、気軽に相談や契約がしやすくスムーズです。ポイント付与や低金利ローンを用意しているホームセンターもあります。
ただし、ハウスメーカーと同じく実際の施工は下請け業者が行うため、中間マージンが発生する点に注意してください。また、最初の窓口となる担当者によっては塗装に関する知識に乏しく、提案力に欠ける可能性もあります。
家電量販店
家電量販店でも外壁塗装の案内や契約を行っています。ホームセンターと同じく、ポイント付与や独自のローン、保証制度を利用できる場合があるでしょう。
また、家電量販店は都市部や地方など全国的に展開している企業が多く、地域によっては相談窓口としてもっとも近いというメリットもあります。
ただし、家電量販店も実際の施工は下請け業者です。ハウスメーカー・ホームセンターと同じく、一般的な相場よりも施工費用が高くなる傾向にあるので注意してください。
まとめ
ハウスメーカーに外壁塗装を依頼すると、相場よりも1.2倍~1.3倍ほど高くなるケースが一般的です。
一方で、信頼性に優れること、手間が省けること、延長保証を受けられるなど、ハウスメーカーならではの様々なメリットがあります。
そのため「とにかく信頼できるところに頼みたい」「延長保証を受けたい」とお考えの方にとってはハウスメーカーが最良の選択となるでしょう。
一方で「施工費用は極力節約したい」「細かいデザインや配色パターンを考えている」といった方は塗装専門の業者など、ハウスメーカー以外への依頼をおすすめします。