外壁塗装を検討されている方は、塗料の “艶” をどのようにするかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
実は、塗料における艶は見た目だけでなく外壁を汚れにくくするといった様々なメリットがあります。また、艶といっても「艶あり」から「7分艶」「3分艶」などいくつかの種類があるため、意外と悩みどころなポイントです。
そこで本記事では、艶の種類ごとのイメージ比較とそれぞれの特徴から、艶ありあと艶消しのメリット・デメリットなどについて詳しく解説しています。
外壁塗装の色選びについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
外壁塗装における艶の種類ごとのイメージ
「艶のある塗料と艶の無い塗料で実際見た目はどのくらい変わるのか」と疑問に思っている方も多いのではと思います。
そこで、艶の強度ごとに実際に外壁塗ったイメージをご用意しました。以下は「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶消し」ごとの比較画像です。
このように、艶の強度によって見た目もかなり変わります。また、艶は今回ご紹介した5種類が基本です。
多くの塗料メーカーでは、「艶あり」「7分艶」「5分艶」「3分艶」「艶消し」のいずれかまたは選べるようなラインナップとなっています。そのため、塗料を選ぶ際の基準となるでしょう。
なお、「艶あり」は一般に光沢度が70%以上のものです。「7分艶」で55%~65%、「5分艶」30%~40%のため、これらと比べるとかなり光沢が目立って見ます。
光沢が出るほど表面が滑らかになるため汚れがつきにくく、耐候性に優れていますが、「落ち着いた雰囲気にしたい」といった希望がある場合は「3分艶」か「艶消し」を選ぶ方が良いでしょう。「3分艶」の光沢度は10%~20%、「艶消し」の光沢度は5%以下でマットな仕上がりになります。ただし、艶のない塗料はある塗料に比べて、汚れが付きやすいという特徴があるため、注意してください。
艶の種類については、次章で詳しくご紹介します。
外壁の艶あり・艶消しは、何が違う?
外壁の艶あり・艶消しとは、外壁を塗り直す際に使う塗料の違いを指します。
光をきれいに反射するものが「艶あり」。光の反射が少なくマットな仕上がりなのが「艶消し」です。
例えば、周りの住宅と比べて「あの家、塗りたてだな」と分かりやすいのが艶あり塗料です。
詳しく違いを見ていきましょう。
艶あり・艶消しの明確な違いはない
外壁の塗料は「光の反射が多い塗料と少ない塗料の2つだけ」という訳ではありません。
先述の通り、艶には以下のように段階があります。
- 艶消し
- 3分艶
- 5分艶
- 7分艶
- 艶あり
以上のように、艶だけでも5種類あります。ですが、「艶あり」「艶消し」の基準は明確に決まっていません。
例えば、「3分艶」は艶ありというにはマットな仕上がりですが、艶消しと呼ぶには光を反射します。
つまり「艶あり」「艶消し」というのは表現に近い言葉だと理解した方が良いかもしれません。そのため、自分の好みはどんな艶加減なのか、という認識があると選びやすいです。
塗装業界でのおおよその基準はある
塗装業界ではグロス値(光沢率)を基準に、艶あり・艶消しを呼び分けています。
グロス値が70%以上であれば艶あり、5%以下は艶消しです。あくまで目安なので、メーカーによって光り具合に差があるものも多いです。
グロス値とは?
グロス値とは、跳ね返ってきた光を%で表した数値です。これは、当てた光を100%とし、その跳ね返ってきた光を測定します。
測定した数値が70%以上なら艶あり、5%以下は艶消しという判断です。
やり方としては、平面に60度の角度から光を当てて、反対側に跳ね返ってきた光を測定します。グロス値が艶を判断する具体的な数字になるので、押さえておきましょう。
同じ塗料でも艶あり・艶消しがある
同じ塗料でも、艶あり・艶消しがあります。これは、艶ありの塗料に調整剤を混ぜることで艶消しにしているからです。
艶ありに調整剤を混ぜることで、外壁の表面に小さな凹凸ができ、光を反射しにくくします。そのため艶がなくなる仕組みです。
ただし、調整剤を入れた後では塗料の強度が落ちてしまうため、あまりオススメできる方法ではありません。
どうしても艶消しにしたい場合だけ、調整剤を艶あり塗料に混ぜましょう。できれば、艶消し塗料を用意できると良いですね。
艶あり・艶消しのメリットとデメリット
外壁塗料の艶あり・艶消しによってメリット・デメリットがあります。どのようなメリット・デメリットがあるのか、以下の表をご覧ください。
艶 | メリット | デメリット |
---|---|---|
艶あり | 汚れがつきにくい | 数年で艶が消える |
外観の印象が良くなる | ピカピカしすぎ | |
耐候性がある | ||
艶消し | 控え目なおしゃれ感 | 汚れやすい |
艶の変化が少ない | 耐候性が低い |
上記の表を見ると、艶あり・艶消しごとにメリット・デメリットの違いがありますね。
特に対照的なのは、以下のような点でしょう。
- 艶ありは汚れにくいが、艶消しは汚れやすい。
- 艶ありは耐候性が高いが、艶消しは耐候性が低い。
- 艶ありは数年で艶が消えるが、艶消しはツヤの変化がそもそも少ない。
- 艶ありはピカピカし過ぎることもあるが、艶消しは控え目な良さがある。
艶あり・艶消しは、それぞれメリットもあれば、デメリットもあります。これらを参考に、艶あり・艶消しを選んでみましょう。
外壁の艶を相談するポイントは?
どんな外壁の艶にしようか悩んでいる人は、業者に相談してみましょう。
その時に相談すべきポイントを解説します。
艶の好みを伝える
もし、すでに艶の好みが決まっている場合は業者に伝えましょう。これは、塗料によっては艶ありが無かったり、艶なしが作れない物もあるからです。
また、「ピカピカしすぎるのは避けたい」といった要望を伝えると、艶の選択肢が狭まるため、選びやすくなります。
外壁塗装の艶は、こんな艶にしたい!という要望をもっていたら必ず業者に伝えましょう。
相談時にサンプルを見せてもらう
相談時に艶や色のサンプルを見せてもらいましょう。サンプルを見ることで、外壁のイメージが掴みやすくなります。
そして、できれば大きなサンプルだと完成イメージと近いですよ。業者にサンプルをお願いして、外壁のイメージを掴みましょう。
サンプルは屋外でも確認
渡されたサンプルは、必ず屋外でも確認しましょう。なぜなら、艶は光の加減によって見え方に差が生じてしまうからです。
部屋の中で見たときと、太陽の当たるところで確認してみると、イメージしていたものと全く違う場合がありますよ。
もし雨天や曇りの日があれば、その時も確認することをおすすめします。しっかりとサンプルを確認して、あとで後悔することだけは避けましょう。
外壁の艶は、個人の好みが一番!
ここまで、外壁の艶あり・艶消しについて解説してきました。
外壁の艶は、艶ありと艶消しによってメリット・デメリットが違います。例えば、艶ありは耐候性が高いですが、艶消しは耐候性が低いです。総合的に考えれば、艶ありを選ぶべきでしょう。
しかし、最終的には自分の好みで外壁の艶を決めることをオススメします。
確かに、艶によってメリット・デメリットは分かれますが、外壁の艶を決める最終的な要素は、結局あなた自身がどうしたいか?という点が重要だからです。
なので、外壁の艶は、あなた自身が良いと思ったものを選びましょう。


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