ご自宅の外壁を、レンガ調にしようとお考えの方は多いのではないでしょうか。レンガ調の外壁は、ヨーロッパやアンティーク調を表現するだけでなく、温かみのある印象を作ることができる人気な外壁です。
しかし、レンガ調といっても様々な種類があります。「どの種類でどのように施工してもらえば納得のいくおしゃれな外壁となるのかな」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、レンガ調外壁にある3種類の特徴やその印象、実際の製品10選やその施工事例、レンガ調の外壁をもつ家の写真集などについて詳しくご紹介します。
外壁をおしゃれにするポイントについても詳しく解説していますので、おしゃれなご自宅や建物を実現させるための参考となれば幸いです。
「まずは外壁材の基礎知識についてを知りたい」という方は下記記事がオススメとなります。
レンガ調外壁の種類
レンガ調外壁には、下記の種類があります。
- レンガ調サイディング
- レンガ調タイル
- スライスレンガ
ここでは、各種類における特徴や印象について確認していきましょう。
レンガ調サイディング
レンガ調サイディングとは、外壁を仕上げる板材にレンガ調の模様を施したものです。レンガ調外壁のなかでは、最も費用を抑えることができます。
また「壁の一部や短期間での施工をしたい」という場合にも最適な方法です。板材を張るだけのため、工期が短くなります。
ただし、あくまでも “レンガ調の模様” となるので「レンガの質にこだわりたい」という方にとっては向いていません。レンガの質を重視したい方は、レンガ調タイルやスライスレンガをおすすめします。
再塗装の際も、レンガの模様を残したい場合はクリアー塗装しか選択できない点にも注意してください。
与える印象
レンガ調サイディングは、遠くから見る場合には他のレンガ調外壁と見分けがつきません。印象としても、本物のレンガ同様に温かさやアンティークな雰囲気を感じられるでしょう。近年では、サイディングの技術も向上し、レンガの凹凸を施したものもあります。
しかし、レンガはあくまでもプリントであるため、人によっては近くで見ると「安っぽい」「重厚感がない」といった印象になってしまうでしょう。マイホームの場合、外壁は近くで見ることも多いため「もっと質感の高いものにすればよかった」といった後悔につながる可能性もあります。
レンガ調タイル
レンガ調タイルは、セメントと砂を混ぜて作られたタイルを外壁につける方法です。形状や薄さなど加工がしやすく丈夫という特徴があります。
厚みのあるタイルを一つずつ貼り付けていくため、見た目は本物のレンガとほとんど変わりません。近くで見ても、本物のレンガかどうか見分けることは難しいでしょう。
また、レンガ調タイルはメーカーによって様々な種類が展開されています。サイディングと同じく豊富な模様や形から選べるため、イメージ通りの外壁に仕上げやすいです。
与える印象
レンガ調タイルが与える印象は、本物のレンガとほとんど変わりないものとなるでしょう。厚みのあるタイルを貼り付けるため、レンガの印象はそのままに、色や形など自分好みにカスタマイズできます。
メーカーによっては、本物のレンガと同じ製法で作られたタイルもあり「レンガの質感にもこだわりたい」という方におすすめです。「本物のレンガと全く同じ質感がよい」という方は、次項でご紹介する、スライスレンガの検討をおすすめします。
スライスレンガ
スライスレンガは、本物のレンガを薄く切ったものを貼り付けていく方法です。実際に使われていたレンガ以外にも、本物と同じように作られたレンガのスライスもあります。今回ご紹介するもののなかでは、最も本物のレンガに近いものです。
本物のレンガで必要な積み上げる工数を削減できるため、レンガ調タイルと同じく質感とコストのバランスが取れた方法となります。施工方法も簡単なため、自分で施工する人も多いです。
与える印象
スライスレンガは、本物のレンガと同様に「重厚感」や「アンティークさ」「温かみ」といった印象を与えることができます。そのため「本物のレンガと同じ外観や印象にしたい」といった希望を実現できるでしょう。
また、国内外で実際に使われていたレンガの使用も可能なため、より自然な風化や劣化を表現したい方にもおすすめです。
レンガ調サイディング・タイルの人気製品10選
レンガ調のサイディングやタイルは、各メーカーから様々な製品がラインナップされており、イメージに合わせて選ぶことが可能です。
ここでは、実際にある10の製品を、質感や施工事例が分かるようにご紹介します。
ニチハ「ロワブリック調」
【ラインナップ】
ニチハの「ロワブリック調」は、柔らかい色合いが特徴のレンガサイディングです。
ブラウン系で彩度の強くない色が3種類ラインナップされています。
【施工事例】
ニチハ「ビローネブリック調」
【ラインナップ】
ニチハの「ビローネブリック調」は、立体的な継ぎ目や表情の異なる色合いがおしゃれなレンガサイディングです。
ブラウン系からブラック系で落ち着いた色味の4種類がラインナップされています。
【施工事例】
ニチハ「シェードブリック調」
【ラインナップ】
ニチハの「シェードブリック調」は、明るめの色合いを採用し洗練された印象が特徴的なレンガサイディングです。
ブラウン系とホワイト系の2種類がラインナップされています。
【施工事例】
ニチハ「ソフィアルブリック」
【ラインナップ】
ニチハの「ソフィアルブリック」は、レンガ本来の温もりや落ち着きが丁寧に再現されているレンガサイディングです。
ブラウン系、ホワイト系、ベージュ系の3種類がラインナップされています。
【施工事例】
ニチハ「コロリータイル調」
【ラインナップ】
ニチハの「コロリースタイル調」は、通常のレンガよりも細長い形でスッキリとした印象のあるレンガサイディングです。
ホワイト系からダークブラウン系の4種類がラインナップされています。
【施工事例】
キャン’エンタープライゼズ「スタンダード」
【ラインナップ】
キャン’エンタープライゼズの「スタンダード」は、レンガ本来の質感や印象を追求したレンガタイルです。
レッド系やブラウン系、ホワイトなど多彩な表情をもつ6種類がラインナップされています。
【施工事例】
キャン’エンタープライゼズの「イングランド」
【ラインナップ】
キャン’エンタープライゼズの「イングランド」は、イギリスのアンティークレンガを再現したレンガタイルです。
ブラウン系、ベージュ系とタイルごとに色あいが異なる3種類がラインナップされています。
【施工事例】
キャン’エンタープライゼズ「KURO BRI」
【ラインナップ】
キャン’エンタープライゼズの「KURO BRI」は、ブラック系レンガの風合いや印象を再現したレンガタイルです。
ブラックを基調とした色で、各タイルや継ぎ目の色が異なるものが4種類ラインナップされています。
【施工事例】
アイコットリョーワ「響(ひびき)」
【ラインナップ】
アイコットリョーワび「響(ひびき)」は、金属釉による光沢が特徴的なレンガタイルです。
ブラウンを基調として、光沢や質感が異なる3種類がラインナップされています。
【施工事例】
アイコットリョーワ「クラシック・ネクスト」
【ラインナップ】
アイコットリョーワの「クラシック・ネクスト」は、カジュアルな雰囲気ながら味わい深さがあるレンガタイルです。
ホワイト系からブラック系まで5種類がラインナップされています。
【施工事例】
【種類別】レンガ調外壁の施工イメージ
ここでは、レンガ調外壁における3種類ごとの施工イメージをご紹介します。
ご自身の自宅や建物において、レンガ調外壁を採用する際の参考となれば幸いです。
レンガ調サイディング
レンガ調サイディングを施した家の施工イメージです。
プリントされているレンガ模様ではありますが、本物のレンガのような色見や材質感の再現が分かるかと思います。
レンガ調タイル
レンガ調タイルを施した家の施工イメージです。
レンガ調タイルでは、レンガに似せたタイルを貼り付けています。そのため、本物のレンガとほとんど見分けがつきません。
スライスレンガ
スライスレンガを施した家の施工イメージです。
本物のレンガを使用したスライスレンガは、レンガ調外壁のなかで最も本物に近い印象や雰囲気を出せるものです。
【色別】レンガ外壁をもつ家の写真集
レンガ調の外壁を考えるにあたり「どの色を採用するか」は、家の印象や雰囲気を左右する大きなポイントとなります。
どのような色にするかを決めるときは、実際の施工事例を見てみるのが一番です。
ここでは、レンガ調外壁におけるブラウン系・ホワイト系・ブラック系の3色ごとに、実際の施工事例を写真付きでご紹介します。
ブラウン系レンガの家
【施工事例①】
ブラウン系のなかでも、代表的な色味を採用したレンガの家です。ブロックごとに異なる色のレンガを使っているため立体感があります。
外壁の一部分にダークブラウンのレンガをアクセントとして取り入れている点も特徴です。
【施工事例②】
赤いレンガで統一させた、上品かつぬくもりを感じられるレンガの家です。門や塀も外壁と同じレンガを使用することで、統一感が増しています。
屋根の内側の部分が白くなっていることで、レンガの赤がより引き立っています。
【施工事例③】
オレンジ系の色味があるレンガ外壁の家です。ブロックごとの表情は違うものの、1枚目の家とは違い全体的に同じようなデザインのレンガを使用しています。
そのため、建物全体に統一感があります。
【施工事例④】
通常のブラウン系レンガよりも暗い色見のブロックを使用した家です。レンガの持つ落ち着きや重厚感といった雰囲気を最大限に引き出しています。
濃度の違うブロックも使用し、落ち着きがありながらも豊かな表情の印象を受けるデザインです。
【施工事例⑤】
こちらは、よく見るブラウン系レンガよりも明るいベージュ系のブロックを使用した家です。レンガのもつ重厚感を出しながらも、明るく開放感のある印象を受けます。
また、こちらの家もレンガは2色使っており、ずっと見ていても飽きないデザインに仕上がっています。
ホワイト系レンガの家
【施工事例①】
ベーシックなホワイト系のレンガを使用した家です。ホワイト系のレンガは、重厚感や温かみといった印象を持つ一方で、ブラウン系レンガよりも軽くスッキリした印象も出せます。
こちらの施工事例では、玄関や駐車スペースなどもホワイト系で統一されていることが特徴です。
【施工事例②】
こちらは、ブロックごとに色見の違うものを用いたホワイト系レンガの家です。様々な濃度のホワイト系レンガを使用しているため、単色のみに比べておしゃれな印象をもつ方もいらっしゃるかもしれません。
また、屋根が黒いためホワイト系レンガがさらに映えています。
【施工事例③】
こちらは、ホワイト系のなかでもベーシックに近い色見のレンガを使用した家です。濃淡も様々あるため、純粋なホワイト系レンガよりも温かみといった印象が増しています。
また、ブラウン系に寄せることで汚れが目立ちにくくなるといったことも特徴です。
【施工事例④】
こちらも、ホワイト系を主体としながらも濃淡のあるレンガを使用した家です。白は他の色に比べて光を多く反射するため、ホワイト系のレンガを採用することで建物を大きく見せることができます。
窓枠やデッキは温かみを感じさせるブラウン系となっており、レンガと合わせて親しみやすい雰囲気のある家となっています。
【施工事例⑤】
純粋なホワイトに近い色のレンガを使用した家です。シンプルながら存在感のある印象となっています。
塀や窓枠も白くなっているため、建物全体に統一感や洗練さが感じられます。
ブラック系レンガの家
【施工事例①】
外壁をブラック系のレンガで統一した家です。黒いレンガは、落ち着いた印象や高級感を出せることが特徴となります。
雨樋やバルコニーも黒で統一することで、存在感のある印象を受けます。
【施工事例②】
こちらは、濃淡の異なるブラック系レンガを使用した家です。黒で統一せずに表情を持たせることで、落ち着いた印象ながらおしゃれなデザインになっています。
エントランス部分は白い塀となっているため、外壁が印象がさらに引き立っているといえるでしょう。
【施工事例③】
濃淡の異なるブラック系レンガを建物の1階部分に使用した家です。色を使い分けることで飽きないデザインとなっています。
2階部分は白い外壁となっているため、お互いの色が引き立っています。
【施工事例④】
こちらの施工事例は、色や表面が異なるブラック系レンガの外壁をもつ家です。ブロックの表面に凹凸があることから重厚感が増している印象を受けます。
家の中央部分では、レンガのはみ出しをデザインの一部として活用している点も特徴です。
【施工事例⑤】
ブラック系レンガを主体としながら、2階部分には漆喰を用いた家です。レンガ部分は黒の濃淡の差がはっきりと分かるため、重厚感や高級感がありながらもおしゃれさを感じさせるデザインとなっています。
また、2階部分はシンプルな白い外壁にすることで、建物全体の印象が重くなりすぎす軽やかな雰囲気となっています、
おしゃれなレンガ調の外壁にするポイント
ご自宅や建物をレンガ調外壁にしたいと考えている方のなかには「どのようにすればよりおしゃれな外観になるか」悩まれている方も多いかと思います。
外壁の見た目を考える際には、下記4つのポイントを意識すると失敗のないイメージ通りの仕上がりになる確率が上がります。
- 理想とする家のイメージを決めておく
- 周囲との調和を意識する
- 各色が与えるイメージを理解しておく
- 色は4色以内にまとめる
各ポイントごとに詳しく解説します。
理想とする家のイメージを決めておく
外壁をレンガ調にするにあたり、まずはご自宅の全体的なイメージや印象を決めておくことがポイントです。
イメージが固まれば、それに合うレンガの色や形を決めることができます。具体的なイメージが思い浮かばない場合は、ネットや雑誌などを参考にして、惹かれるレンガ調の建物をモデルにすると良いでしょう。実際のイメージがあれば、業者側も希望に沿う材料や色を提案してくれる可能性が高まります。
ネット上でイメージを探すときには、””レンガ調の家” のほか、””brick style house” と検索するのがおすすめです。実際にあるレンガ調の家を確認できます。
また、レンガ調の外壁をはじめ、外壁塗装では一度施工を始めると質や色の変更が困難です。急な変更はトラブルに発展する可能性があるので、不安な点は施工前に必ず業者に相談しておきましょう。
周囲との調和を意識する
どのようなレンガ調外壁が良いかを考えるときには、自宅のみではなく周囲の建物や雰囲気も併せて考えることもおすすめです。
近隣にある建物の色味やその地域文化との統一感を考えることで、どのようなレンガ調外壁を使えばよいかを絞りやすくなります。また、景観に合わせることで自宅が悪目立ちすることもないでしょう。
ただし、地域によっては景観法に基づき外壁含めた建物の色を制限している自治体もあります。レンガ調を基調とする場合は問題ないことが多いですが、使用する色や材質によっては業者との相談が必要になることに注意が必要です。
参考:国土交通省 景観法
各色が与える印象を理解しておく
最もオーソドックスなレンガの色は茶色ですが、ほかにもグレーや赤みの強いものなど様々なバリエーションがあります。
色によって与える印象は大きく変わりますので、どんな色がどのような印象やイメージを持つかを理解しておきましょう。下記に、代表的なレンガ色ごとの印象やイメージをご紹介します。
【ブラウン系】
ブラウン系のレンガは、レンガのもつ温かみやヴィンテージをもっとも表しやすい色といえます。東京駅や横浜赤レンガ倉庫をはじめ、国内の代表的な歴史ある建築物の多くはブラン系レンガです。
【ホワイト系】
ホワイト系のレンガは、レンガの持つ温かみやヴィンテージ感を残しつつ、洗練された印象を与えやすい色です。光を反射するため、建物を大きく見せる効果があります。
【ブラック系】
黒レンガは、レンガの持つ重厚感を最も表しやすい色といえます。茶色や赤色のレンガがもつ温かいイメージとは違った雰囲気が魅力です。
また、黒は他の色を引き立てる効果があります。2色以上を使った外壁を考えている方は、黒レンガも検討してみると良いでしょう。
色は4色以内にまとめる
レンガ調を含め、外壁をおしゃれにするためには使う色を最大でも4色以内にしましょう。色を使いすぎると、印象がまとまらず統一感のない外観になってしまいます。
色やその配色を決めるときは、玄関部や屋根、庭など外壁以外の箇所も含めて考えることがポイントです。家全体を俯瞰しながら見ることで、全体的なバランスを考えて色を決められます。
また、原色に近い派手な色はワンポイントとして使用しましょう。派手な色を2つ以上使うと、統一感が失われ周囲からも浮いた印象となってしまいます。そのため、派手な色は雨樋やサッシなど面積の少ない部分に取り入れることがおすすめです。
レンガ調の外壁の選び方!プロの意見が重要
レンガ調の外壁について見てきましたが、発注する際に最も注意しなければいけない点は「住まいにマッチしたレンガ調の外壁になるかどうか」という点です。
外壁を変更することは、マイホーム、自動車購入の次に高い買い物と言っても良いでしょう。そのため、外観として問題ないか、住んでいる地域の雰囲気に合っているのか、という点については慎重な考慮が必要です。
また、インターネットやカタログの情報から入念に選択したものであっても、あくまでも一般的な住宅に対する提案でしかありません。そのため、住まいの外壁としてはどうなのかは別のものとして考えるようにしましょう。失敗を避けるためには、「百聞は一見に如かず」です。まずは業者に相談をして、現物を確認したうえで、しっかりとイメージができた段階で発注するようにしましょう。
事前の打ち合わせで疑問点や心配な点をすべて解消することが理想的です。業者への相談で、住まいにマッチするレンガ調の外壁も提案してもらうことも可能ですので、プロの意見を聞いてから決めることも失敗を回避する重要なポイントです。
まとめ
レンガ調外壁における種類や、その印象、おしゃれにするポイントなどについてご紹介してきました。
レンガ調外壁は、レンガのもつ印象をそのまま手軽に再現できる魅力的な外壁です。種類も豊富にあるため、自分のイメージに合ったものを選ぶことができます。
理想とするレンガのスタイルや配色イメージを固めたうえで、後悔のない外壁にしましょう。