隣人の話し声や子どもの足音、工事の音など、騒音問題はアパートやマンション、一軒家に住む我々にとって非常に大きなストレスになります。最近では、コロナ禍で在宅ワークも増え、騒音問題が増加している傾向にあるということも判明しています。本記事では、よくある騒音の発生原因、騒音の目安、騒音が発生したら確認するべき点、相談先などを解説します。
コロナ禍で騒音トラブル件数が増加

コロナ禍において、リモートワークや在宅勤務が続き、家にいる機会が多くなりました。それに伴い、騒音トラブルが増加しています。警視庁によると、2020年4月の緊急事態宣言下で、都内には騒音に関する通報が1万7287件寄せられ、前年の同時期より38%増加したという数値も出ており、1か月当たりの騒音に関する通報は、過去5年間で最も多くなっています。
参考:“巣ごもり騒音”の苦情 都内で多発 外出自粛続き 新型コロナ(NHKニュース)どうしても気になってしまう、生活音

生活音とは、生活を送る上で発生してしまう音のことです。代表例として挙げられるのは洗濯機や足音、扉の開閉音、テレビなどです。子どもの夜泣きや声、バイクや車などの駐車・発進の際の音もあげられます。
アパートやマンションなどの集合住宅では、上の階からのドン、ドンといった足音、または子どもの走る足音が気になる方がいます。
また深夜に洗濯機を回す音が気になる方も多いようです。特に古い洗濯機は、静音性が低く、大きな音が出やすくなっています。
テレビの音量が大きい場合や楽器の音も騒音の原因 となっています。隣人が壁掛けなど、壁の近くにテレビを配置している、もしくはスピーカーが壁寄りの位置にある場合、音源が自身の部屋の壁に近い場合はかなりうるさく感じるでしょう。その他、物件の構造により異なりますが、窓や網戸、扉の開閉音、掃除機の音、目覚まし時計の音などが気になる方も多くいます。
音の種類と大きさ、騒音の目安

住宅で問題となる騒音には、固体音と空気音に分けられます。
固体音・・・床や壁、配管など、衝撃が与えられたときに直接伝わってくる音です。例えば、床を歩く音、椅子を引く音、ドアを閉める音、スピーカーから床に伝わる重低音、ピアノやドラムなど、打楽器の音などが該当します。
空気音・・・外部の音が外壁や窓などから、空気中に伝わってくる音です。例えば、話し声、ペットの鳴き声、工場の機械音、室外からの騒音などが該当します。
またそれぞれの音の大きさはデシベルで数値化されています。以下は生活で発生する音の種類と音の大きさをまとめたものです。人間は大体60~70デシベル以上からその音をうるさいと感じるようになります。
音の種類 | 音の大きさ(デシベル) |
---|---|
人の話し声(通常) | 50デシベル~61デシベル |
人の話し声(大声) | 88デシベル~99デシベル |
子供の駆け足 | 50デシベル~66デシベル |
テレビ | 57デシベル~72デシベル |
洗濯機 | 64デシベル~72デシベル |
目覚まし時計 | 64デシベル~75デシベル |
ピアノ | 80デシベル~90デシベル |
犬の鳴き声 | 90デシベル~100デシベル |
なお、工場および事業場では、騒音規制法の規定が適用されます。
騒音の基準は「生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(環境基準)」とされています。騒音の環境基準によると、住宅地では、昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下とされています。
工事現場には電子掲示板で今何デシベルなのか表示しているところもあります。あまりにも工事音がうるさいと感じる場合は表示内容を確認しておくと良いでしょう。
騒音問題を解決する前に準備しておくこと

騒音問題は直接その発生主に伝えることで、思わぬトラブルが発生します。このようなトラブルを未然に防ぎ、円滑に解決できるよう、まずは騒音がどこから発生しているのかを確認する必要があります。
以下では騒音問題を解決する前に確認しておくべき点をご紹介します。
騒音の発生源を確認する
隣の部屋からの騒音と思っていたら、実は上の階からの騒音である場合もあります。音の方向は勘違いする場合も多く、見当違いの人に注意したことでトラブルへ発展するケースがあります。
そのため、まずは騒音の発生源がどこからなのかをしっかり確認する必要があります。
騒音の発生源を特定した後は、今度はどのような音なのかを確認します。音が聞こえる時間帯はいつなのか、1日の頻度はどのくらいであるのか確認します。
第三者が注意を行った場合、発生主がどの音が原因していたのかに気づけるよう、これらの項目に沿って具体的に把握しておきましょう。
騒音の証拠を残す
上記でいつ、どのような音がするのかが把握できたら、その騒音を記録 することが大切です。後でトラブルになった際の証拠として使用できます。また騒音はカメラなどで録音・録画します。ICレコーダーで記録した音声のみであれば、どこからの騒音であるのか特定できないからです。
より確かな騒音を記録するためには、映像と音声のどちらも記録しておくことが重要です。
騒音問題の解決・相談先

証拠を掴めたからといって、直接言いに行くと、却ってトラブルが悪化するケースもあります。そのため、当事者同士での解決は行わないようにしましょう。
トラブルが深刻化する前にまずは管理会社や大家さんに相談し、専門機関に相談することも大切です。
管理会社や大家さんに相談する
賃貸物件の場合は、管理会社や大家さんに相談します。相談後はほとんどの管理会社や大家さんは書面で注意喚起を貼りだす、もしくはポスティングなどの対応をしてくれます。
その上で騒音問題が解決しない場合は、管理会社や大家さんが直接注意する流れが一般的です。
一軒家の場合は自治会や役所に相談
一軒家をお持ちで、ご近所からの騒音に悩まされている場合は自治会や町内会長に相談し、第三者として注意してもらう方法があります。
すぐに解決には至りませんが、役所に相談するのも手です。あまりにもひどい騒音の場合は直接現場に来て対応してくれる場合もあります。
裁判外紛争解決手続(ADR)を活用する
上述した注意を促しても解決に至らない場合、もしくは当事者が改善しようという意思が見られない場合は、裁判外紛争解決手続(ADR)を活用するのもひとつの方法です。
裁判によらず公正中立な第三者が間に入り、合意を目的に、民事上のトラブルの解決を図る手続きです。非公開の元、各分野における専門家が担当し、手続き自体もスムーズに進めてくれます。
弁護士に相談する
工場や工事現場など、あまりにもうるさい騒音問題 の場合、弁護士に相談することも可能です。精神的苦痛を受けた場合、もしくは騒音が原因で体調不良に陥った場合など、相手方に損害賠償請求として訴訟を提起することができます。警察に連絡
騒音が酷く、身の危険を感じる場合などは警察に連絡しましょう。原則、民事不介入とはなっていますが、あまりにもひどい場合は現場に駆けつけて注意してもらえるケースもあります。匿名での通報も可能のため、名前を伏せて通報することもできます。
防音対策はグッズを活用するのもおすすめ

あなたが「うるさいな」と感じているのと同様に、隣人やご近所の方もあなたの生活音を不快に思っている可能性もあります。そこで以下では未然に防げる防音対策グッズ、対策方法をご紹介します。
騒音を未然に防ぐ、防音グッズ
防音マット・防音カーペット・・・3mm以上の厚みがあり、敷くだけで簡単に防音対策ができます。特に賃貸物件では、原状回復の際に傷をつけることなく退去が可能です。カーペットは、遮音性能を示す「遮音等級」があります。遮音等級は、L値またはL等級で示され、L値が小さいほど遮音性能が高くなります。
防音シート・・・遮音シートとも呼ばれ、 3mm未満の厚みで壁や天井にも使用することができます。軽くて扱いやすいフェルトパネルタイプ、シールタイプ、突っ張り棒で固定するタイプなどがあります。
防音カーテン・・・音を遮るため生地の裏に特殊樹脂コーティングが施されたものです。断熱・防寒・防音などの機能を搭載したモデルやオーダーカーテンまで幅広い種類があります。
吸音パネル・・・グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームなどの素材を使用したものが多く、最近では、フェルトで作られたタイプもあります。ピンで取り付けられる製品は、賃貸物件でも利用しやすく便利です。
一軒家の防音対策は外壁塗装もおすすめ
一軒家の場合は第三者の仲介が入りづらいため、防音対策を未然に施しておく必要があります。一軒家での防音対策は外壁塗装がおすすめです。
外壁塗装は見た目や傷んだ箇所のメンテナンスとしてイメージされがちですが、塗料によって防音加工を施してくれる可能性があります。特に防音効果を高めてくれる塗料の中でもおすすめが「ガイナ」です。
音を反射、もしくは振動を吸収してかなりの防音効果が見込めます。経年劣化による外壁の剥がれなどが気になる方、外壁塗装を検討している方は是非ご検討ください。
防音対策は外壁塗装もおすすめ
騒音問題を解決するには、まず、騒音発生源や音が聞こえる時間帯や頻度を確認する必要があります。トラブルが発生するため、大家さんや管理会社、自治会や町内会長さんなどに依頼し、ご自身で注意することは避けましょう。
またご自身の家、もしくは部屋の防音対策にも気を払っておく必要があります。防音グッズの活用や、一軒家であれば外壁塗装などを検討してください。
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