ベランダ防水工事の費用は?値切り交渉のコツやデメリット、業者の選び方を解説!

  • 【更新日】2025-06-24
ベランダ防水工事費用

ベランダは常に雨風にさらされ、水や汚れが溜まりやすくなっています。そのため、次第に防水性が失われ放置しておくと雨漏りなどの原因になるため注意が必要です。

そこで「ベランダの防水工事をしたいけど一体いくらかかるのか分からない…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ベランダ防水工事の費用相場や値引き交渉について、信頼できる業者の選び方などについて詳しく解説しています。

ざっくりいくらかかるの?

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【方法別】ベランダ防水工事の相場の違い

ベランダ防水工事の費用は、一般的に1万円~2万円㎡が相場となります。

通常の戸建ての大きさである30坪住宅でベランダ面積を15㎡とすると、工事費用の総額は15万円~30万円となるでしょう。

しかし、ベランダ防水工事にはいくつかの種類があり、各工事方法で㎡あたりの単価が大きく違います。そのため、正確な費用相場を確認するためには工事方法ごとの単価を把握しておきましょう。

以下は、各工事方法ごとに費用相場と特徴をまとめた表です。

FRP防水 ウレタン防水 シート防水
FRP防水 ウレタン防水 シート防水
特徴 繊維強化プラスチックを用いた、軽量で耐久性の高い防水塗装 ウレタン樹脂を含んだ、複雑な形状の場所も塗りやすい防水塗装 塩化ビニルなどでできたシートを張る防水方法
相場 7,800円~11,050円/㎡ 6,500円~9,800円/㎡ 7,800円~9,800円/㎡

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年6月のデスクリサーチより

玄関ドアの塗装費用は、このドアの種類ごとに異なります。そのため、まずはご自宅のドアがどの種類なのかを確認しておきましょう。

また、各工事方法ごとに2つの方法があるため、全部で6種類の方法があることになります。

それぞれの工事方法ごとに費用を詳しく解説します。

FRP防水の相場

FRP防水

FRP防水は、ベランダで最も広く採用されている防水工事です。強度の高いガラス繊維強化プラスチック(FRP)で防水層を作るため、軽量でありながら非常に頑丈で、耐摩耗性にも優れています

費用相場は7,800円~11,050円/㎡です。そして、FRP防水はさらに以下の方法に分かれています。

工法 費用相場
FRP防水密着工法 7,800円~9,100円
FRP防水通気緩衝工法 9,750円~11,050円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年6月のデスクリサーチより

通気緩衝工法は、主に雨漏りしている場合に行われる工法です。下地に含まれる水分を逃がすために、通気緩衝シートや脱気筒を取り付けます。この作業が発生する分、施工費用は密着工法よりも高くなるでしょう。

FPR防水は、硬化するのが速い、耐久性に優れているとったメリットがあります。グレードの高い防水塗装であるため、他の防水工事よりも費用は高くなる可能性が高いです。

FRP防水について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「FRP防水とは? メリット・デメリット、費用や自分でできるかについて解説」

ウレタン防水の相場

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて防水層をつくる工法です。先ほどご紹介したFRP防水よりも安価な傾向にあります。

費用相場は、6,500円~9,800円/㎡です。そして、ウレタン防水はさらに以下の方法に分かれています。

工法 費用相場
ウレタン防水密着工法 6,500円~7,800円
ウレタン防水通気緩衝工法 7,800円~9,750円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年6月のデスクリサーチより

ウレタン防水にも、FRP防水と同じく密着工法と通気緩衝工法があります。通気緩衝工法の方が作業工程が多くなる分、費用が高くなる点も同じです。

塗料を塗るようにして防水層をつくるため、排水口(ドレン)周りや室外機の架台など、複雑な形のベランダにも施工できます。ただし、仕上げに塗るトップコートのグレードによって価格が変わる点に注意が必要です。高耐久なトップグレードを選ぶと、FPR防水に近い費用になるでしょう。

ウレタン防水について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ウレタン防水のメリット・デメリットは? 他の防水工事と特徴・費用を比較」

シート防水の相場

シート防水

シート防水は、塩化ビニルやゴム製のシートを接着剤で下地に貼り付ける工法です。工場や学校など、比較的面積の広い屋上やベランダで用いられます。

費用相場は、6,500円~9,800円/㎡と、FRP防水と同等です。シート防水も主に以下の方法に分かれています。

工法 費用相場
塩ビシート防水接着工法 7,800円~9,100円
塩ビシート防水機械固定工法 8,450円~9,750円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年6月のデスクリサーチより

接着工法は、防水シートを接着剤で貼りつける方法で、機械固定方法は固定具で防水シートを貼り付ける方法になります。接着工法の方が施工が簡単な分費用は抑えられるでしょう。

なお、シート防水は広範囲を一気に防水できることがメリットのため、面積の狭いベランダに採用されることはあまりありません

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ベランダ防水工事の費用は値切りできる?

ベランダ防水工事は、状況によるものの10万円以上の費用がかかるケースが多いです。そのため「もう少し安くできないかな?」とお考えの方は多いのではないでしょうか。

そこで、値切り交渉を考えている方も多いでしょう。

結論から言うと、ベランダ防水工事の費用は値切ることができます。しかし、無理な値引き要求は手抜き工事や材料のグレードダウンにつながり、雨漏りのリスクを高めるため注意が必要です。

そのため、値引き交渉をする場合は双方が納得のいく金額にすることが大切です。

続いて、工事費用を値切るコツについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ベランダの防水工事費用を値切るコツ

ベランダの防水工事の費用を値切ることは、以下の3つです。

◆ベランダ防水工事費用を値切るコツ◆ 相見積もりを取って交渉する
閑散期に契約する
現金払いにする

なお、本章でご紹介するコツは、やみくもに「安くして」とお願いするような方法ではありません。

あくまでも、根拠のある価格交渉で双方が気持ちの良い取引になるような金額の落とし所を提示する方法になります。

相見積もりを取って交渉する

相見積もり

費用交渉を行う上で最も基本的でおすすめな方法が「相見積もり」です。複数の業者(できれば3社以上)から同じ条件で見積もりを取ることで、適正な相場が見えてきます。

その上で、最も信頼できそうだと感じた業者に対し「他社さんでは、〇〇という内容で××円という見積もりなのですが、もう少し価格のご相談は可能でしょうか」といった形で交渉するとよいでしょう。

また、交渉する際は工事内容や材料を比較しながら相談するのがポイントです。工事内容と材料を変えないことで、品質を落とさずに価格を調整できる可能性が高くなります。

閑散期に契約する

夏場

多くの工事業には、仕事が集中する「繁忙期」と、比較的依頼が少なくなる「閑散期」が存在します。

一般的に、気候が安定している春(4~5月)と秋(9~11月)が繁忙期にあたり、職人のスケジュールも埋まりがちです。一方で、真夏(8月)や真冬(1~2月)は、お盆や年末年始の影響もあり工事の依頼が減る傾向にあります。

ベランダの防水工事を急がないのであれば、こうした閑散期を狙って契約すると、価格交渉がしやすくなるでしょう。閑散期は、業者側もスケジュールを埋めたいと考えているため、「この時期に契約するのであれば」と、通常よりお得な価格提示をしてくれる可能性があります。

見積もり相談の際に、時期による価格の違いがあるか尋ねてみるのも良いでしょう。

現金払いにする

現金払い

防水工事の費用を現金で払うことでも、値引きを受け入れてもらいやすくなる可能性があります。

近年のキャッシュレス化に伴い、クレジットカード払いに対応するリフォーム会社も増えています。しかし、業者はカード会社に対して決済手数料を支っているため、現金の方が喜ばれるケースもあるしょう。

そのため、現金祓いにすることで浮いた決済手数料分を工事費用から値引きしてもらえる可能性があります。全ての業者が対応してくれるわけではありませんが、交渉の材料の一つとして相談してみるとよいでしょう。

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ベランダ防水工事を値切るデメリット

ベランダ防水工事の費用を値切ることで、提示された金額よりも安くしてもらえる可能性はあります。

しかし、先述したように費用が安くなることによるデメリットもあるので注意が必要です。

ベランダ防水工事費用を値切ることによる主なデメリットは下記の3つになります。

ベランダ防水工事を値切るデメリット

  • ① 手抜き工事の原因になる可能性がある
  • ②品質の低い材料になる可能性がある
  • ③施工が粗末になる可能性がある

それぞれ詳しくご紹介します。

手抜き工事の原因になる可能性がある

値引き交渉によって、手抜き工事になる可能性はゼロではありません。値引きした分を補填するため、本来必要な工程が省略される可能性があります。

防水層を規定の回数より少なく塗る、下地処理に必要な工程一部省略するなどが行われた場合、わずか数年後には塗膜の剥がれやひび割れてしまい、雨漏りにつながる恐れがあるでしょう。

再塗装までの期間が短くなると、長期的に考えた場合は値引されても逆に損してしまう可能性があります。

品質の低い材料になる可能性がある

手抜き工事同じく、値引いた分だけ使用する建材がグレードダウンされることもあります。

同じ防水塗料でも、耐久性の高い製品から安価で性能の低い製品まで様々あるため、よりグレードの低い安価な材料を使われる可能性も考えられるでしょう。その際、当初使う予定だったものとは別のグレードのものに黙って切り替えられることも考えられます

塗料によっては数年も耐用年数に差があるため、特に耐久性を重視する場合は過度な値引き交渉はおすすめしません。

施工が粗末になる可能性がある

値引きによって利益が減ると、現場で作業する職人のモチベーションが低下する可能性も考えられます。その結果、本来の仕上がりとならないケースもあるでしょう。

施工は人による作業のため、しつこい値引きや過度な金額の要求は施工に影響を及ぼすこともあるのです。

双方が気持ちの良い契約となるよう適正な価格で契約することが、高品質な施工に繋がります。

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ベランダ防水工事の費用を抑えるおすすめの方法

ベランダの防水工事費用を安く抑える方法は、値引き以外でもいくつかあります。

ベランダ防水工事の費用を抑えるおすすめの方法
  1. 塗料のグレードを下げる
  2. 外壁塗装など他の工事と同時に行う
  3. 助成金・補助金を利用する
  4. 火災保険の適用を検討する

これらのメリットは、業者との摩擦を避けつつ費用を大きく下げられる可能性があることです。

各方法について詳しくご紹介していきます。

塗料のグレードを下げる

グレードダウン

防水工事の費用は、使う塗料によって大きく変わります。例えば、ウレタン防水やFRP防水の仕上げに塗る「トップコート」には、アクリル、シリコン、フッ素といったグレードがあり、右に行くほど耐久性が高く高価なものです。

そのため、もし見積もりがグレードの高い塗料になっている場合、一つ下のグレードの塗料に変更するだけでも大きな節約になるでしょう。

ただし、一般的に塗料のグレードを下げると耐用年数は短くなるため、次のメンテナンス時期が早まるデメリットもあります。

長期的なメンテナンスコストも含めた上で、どちらが費用対効果が高いか業者と相談しながら判断しましょう。

外壁塗装など他の工事と同時に行う

外壁塗装はDIYできる?業者に依頼すべきケースとは?

外壁塗装など別の外装工事も検討されている場合、ベランダ防水工事と同時に行うと費用を節約できる可能性が高いです。

一度にかかる費用は高くなりますが、資材の搬入や事務手続きなどを1回にまとめられるため、2回に分けて行うよりもトータル費用は安くできるケースがあります。

数年以内に他のリフォームも検討しているのであれば、まとめて依頼することも検討してみましょう。

外壁塗装の相場について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の相場はいくら?20坪・30坪・40坪など坪数別の費用相場をシミュレーター付で解説!」

助成金・補助金を利用する

助成金

自治体によっては、住宅リフォームに関する助成金や補助金の制度を設けている場合があります。補助が受けられれば、数万円~十数万円の節約になるケースもあります。

特に、遮熱性能の高いトップコートを使用してベランダ防水工事を行う「遮熱リフォーム」は、ヒートアイランド現象の抑制に繋がるため、環境配慮を目的とするリフォームとして助成制度のある自治体が多いです。

助成金の有無や条件、申請時期は自治体によって変わります。また、そもそも助成金・補助金制度がない自治体もありますので、まずはお住まいの自治体でどのような助成金制度があるのか確認してみましょう。

火災保険の適用を検討する

火災保険

ベランダの劣化原因が、経年劣化ではなく「自然災害」によるものであれば、火災保険を使って工事費用をまかなえる可能性があります。

「台風による飛来物で防水層が破損した」「大雪の重みでひび割れが入った」といったケースであれば、火災保険の適用条件となる可能性が高いです。火災保険の保証対象は一律ではないため、まずはご自身が加入している火災保険の契約内容を確認することをおすすめします。

火災保険を使う際は、保険会社に連絡するとともに業者にもその旨を伝えておきましょう。

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信頼できるベランダ防水工事業者の選び方

ベランダ防水工事は、ベランダの劣化や雨漏りを防ぐ大切なリフォームです。そのため、信頼でき安心して任せられる業者との契約することが大切になります。

そこで本章では、良い業者を選ぶための方法として、以下の3つをご紹介します。

ベランダ防水工事の費用を抑えるおすすめの方法
  1. 見積もり書の項目が詳細か確認する
  2. 資格の有無を確認する
  3. 補償内容を確認する

それぞれ詳しくみていきましょう。

見積もり書の項目が詳細か確認する

信頼できる業者かどうかを判断する重要なポイントが、見積書の内容です。「ベランダ防水工事 一式 〇〇円」といった大雑把な書き方をする業者は注意が必要となります。

優良な業者の見積書は、「下地処理(ケレン・清掃)」、「プライマー塗布」、「ウレタン防水(主剤)2層塗り」、「トップコート2回塗り」のように、工程ごとに単価と数量が細かく記載されています。

詳細な見積もりは、業者がどのような工事をどのような根拠で行うかを明確に示すものです。そのため、ごまかしがなく適正価格で提示されれているかの判断ポイントとなります。

資格の有無を確認する

ベランダ防水工事を行うのに必須の資格はありませんが、職人の技術力を客観的に判断する方法として「資格の有無」を確認してみるとよいでしょう。

「1級防水施工技能士」や「2級防水施工技能士」といった国家資格は、一定レベル以上の知識と実務経験を持つ証明となります。資格や許可を持つ業者は、施工品質が高く、専門知識も豊富である可能性が高いです。

資格は会社のウェブサイトや名刺に記載されているケースが多いため、気になった業者がいれば有資格者が在籍しているかを確認してみましょう。

補償内容を確認する

多くの業者では、施工保証やアフターフォローを用意している会社が多くあります。保証制度やアフターフォローの手厚さは、自社の施工品質の現れともいえます。

防水工事は施工後数年経ってから問題が発覚するケースも少なくありません。そのため、どのような不具合に対して何年間保証してくれるのかを、契約前に確認しておくことをおすすめします。

保証内容が明記された保証書を発行する業者であれば、トラブルも避けられるため安心です。

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まとめ

ベランダ防水工事の費用は、工法やベランダの状態、使う塗料などより変動しますが、1万円~2万円/㎡が相場となります。

見積もりが高いと感じた場合でも値引き交渉はできますが、過度な要求は工事品質の低下を招くリスクがあるため注意が必要です。本記事でご紹介した交渉のコツなどを参考に、双方が納得のいく金額で契約できるようにしましょう。

また、工事費用を抑えるためには「足場が必要な他の工事と同時に行う」「助成金を利用する」「火災保険の適用を検討する」といった方法もおすすめです。

業者選びでは、詳細な見積書であるか、しっかりとした保証を付けてくれるかなどをもとに信頼できる業者を選ぶことが大切です。