玄関ドアは毎日人が出入りする部分でもあるため、家の第一印象を左右するといっても過言ではありません。
そのため「玄関ドアの汚れが目立ってみっともない」「綺麗に塗り直したい」というお悩みやお考えをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、玄関ドアの塗り替えで気になる費用相場や業者とDIYで行う場合の費用などについて詳しく解説しています。
玄関ドアの種類と違い
一口に玄関ドアといっても、実はいくつかの種類があります。主な種類は「木製ドア」「金属製ドア」「アルミ製ドア」の3つです。
以下に、それぞれのドアの種類の違いをまとめました。
木製ドア | 金属製ドア | アルミ製ドア | |
---|---|---|---|
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|
特徴 | ・自然な風合いを楽しめる ・腐食するリスクが高い |
・防火性に優れている ・塗替費用は比較的安め |
・軽量で価格も安め ・塗料がノリにくい |
データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年5月のデスクリサーチより
玄関ドアの塗装費用は、このドアの種類ごとに異なります。そのため、まずはご自宅のドアがどの種類なのかを確認しておきましょう。
【種類別】玄関ドア塗装の費用相場
玄関ドアの塗装費用相場は、3万円~15万円程度となります。かなりの幅があるのは、先述したドアの種類や劣化状態、塗料などにより費用が異なるためです。
特に大きな変動要因はドアの種類となります。そこで、以下にドア種類別の費用相場をまとめました。
種類 | 費用相場 |
---|---|
木製ドア | 5万円~20万円 |
金属製ドア | 3万円~10万円 |
アルミ製ドア | 5万円~20万円 |
費用は「ヌリカエ」が行った2025年6月におけるデスクリサーチをもとに掲載
種類別の費用では、金属製ドアの相場それ以外と比べてやや低くなる傾向にあります。
続いては、3種類ごとの費用について詳しくご紹介します。
木製ドアの塗装費用
木製玄関ドアの塗装費用は、5万円~20万円程度が相場となります。木材は金属・アルミ製に比べて腐食しやすいため、劣化状態によって必要な下地処理にかかる費用などが大きく膨らむ可能性があるでしょう。
表面の色褪せ程度であれば塗装費用は抑えられますが、木材自体にシミやカビが発生していたりすると、それらを完全に除去するためのケレン作業や薬品洗浄といった専門的な工程が必要になり、費用は高くなります。
また、木材の場合は浸透性の木材保護塗料を使うことで耐久性を高められますが、通常の塗料よりも割高になる可能性が高いです。
金属製ドアの塗装費用
スチール(鋼板)などの一般的な金属製玄関ドアの塗装費用は、3万円~10万円程度が相場です。金属製は木製に比べて塗装しやすいため、木製ドアよりも塗装費用は低くなる傾向にあります。
ただし、さびが広範囲にわたっている場合やさびによる腐食が進んでいる場合は、ケレン作業で徹底的な除去が必要になるため費用が高くなるでしょう。
また、金属製はさびの発生を防ぐため「さび止め塗料」を下塗りする必要があります。さび止め材配合の塗料によって塗装費用が跳ね上がることはありませんが、それでも通常の塗料に比べると塗料代が高くなる可能性はあります。
アルミ製ドアの塗装費用
アルミ製玄関ドアの塗装費用は5万円~20万円程度と、木製ドアと同じくらいになります。
アルミは木製や通常の金属に比べて塗料がつきにくいため、刷毛塗りではなく吹き付け塗装が主流です。アルミ製ドアの塗装は技術が必要なことから、頼める業者が限られてしまうこともあります。
玄関ドア塗装の費用を業者とDIYで比較
玄関ドア塗装の費用は、業者に頼む場合とDIYで行う場合でかなり変わります。
「費用が高くつくなら自分で塗装したい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで本章では、玄関ドア塗装の費用について、業者に依頼する場合とDIYで行う場合ごとに詳しくご紹介します。
玄関ドア塗装を業者に依頼する費用
専門業者に玄関ドアの塗装を依頼する場合の費用は、一般的に3万円~20万円が目安です。この費用には材料費や下地処理費、人件費や交通費などが含まれています。
玄関ドアの劣化状態や材質、使う塗料などにより費用は異なりますので、上記の相場はあくまでも目安としてご覧ください。また、業者によっても見積もりの費用が異なります。より納得のいく費用で依頼するためには、相見積もりを取るのがおすすめです。
玄関ドア塗装をDIYする費用
玄関ドアの塗装をDIYで行う場合、費用は主に材料と道具の購入費のみとなります。そのため、1万円程度に抑えることが可能です。
DIYで必要な塗料や道具は、いずれもホームセンターなどで揃えることができます。塗料も1缶数千円~で買えるため、業者に依頼する場合に比べて大幅に節約できるでしょう。
ただし、DIYによる色ムラなどの修正を業者に依頼する場合、通常の塗装よりも高くなるケースが多いので注意してください。
玄関ドア塗装は業者とDIYどちらがよい?
業者 | DIY | |
---|---|---|
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メリット | ・美しく耐久性の高い仕上がりにできる ・アフターフォローや品質保証を受けられる |
・費用を大幅に節約できる ・道具があればすぐできる |
デメリット | ・DIYに比べて費用が高額になる ・信頼できる業者を探す手間がかかる |
・失敗するリスクが高い ・準備や作業に労力がかかる |
費用 | 5万円〜 | 1万円前後~ |
データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年5月のデスクリサーチより
玄関ドア塗装を業者に依頼するメリット・デメリット
改めて、玄関ドア塗装を業者に依頼するメリット・デメリットは以下になります。
【玄関ドア塗装を業者に依頼するメリット】
- ① 美しく耐久性の高い仕上がりにできる
- ②アフターフォローや品質保証を受けられる
【玄関ドア塗装を業者に依頼するデメリット】
- ① DIYに比べて費用が高額になる
- ② 信頼できる業者を探す手間がかかる
玄関ドア塗装を専門業者に依頼するメリットは、仕上がりの美しさと耐久性の高さです。業者に依頼することで、ドアの材質や劣化状況を的確に診断し、最適な下地処理と塗料を選定してくれます。
専門技術によってムラのない滑らかな塗膜となり、玄関を新品のように塗り替えることができるでしょう。DIYのように道具を揃える必要もありません。
また、多くの業者ではアフターフォローや保証を付けられます。そのため、万が一トラブルや気に入らない点があっても安心です。
しかし、DIYに比べると費用は5万円前後高くなります。また、信頼できる業者を探す手間や工事の日程調整も必要です。
仕上がりを重視するのであれば、業者に依頼することをおすすめします。
玄関ドア塗装をDIYするメリット・デメリット
続いて、玄関ドア塗装をDIYするメリットとデメリットは以下の通りです。
【玄関ドア塗装をDIYするメリット】
- ① 費用を大幅に節約できる
- ②道具があればすぐできる
【玄関ドア塗装をDIYするデメリット】
- ① 失敗するリスクが高い
- ②準備や作業に労力がかかる
玄関ドア塗装をDIYで行う大きなメリットは、業者に依頼する場合に比べて費用を大きく安く抑えられる点です。相場で比較すると、4万円以上はお得になる可能性が高いでしょう。
また、塗料や刷毛など必要な道具があればすぐにでも塗り替えることができます。
一方で、綺麗に塗装するには技術が必要になるため、失敗のリスクが高いです。特に、下地処理が不十分だと塗料がすぐに剥がれてしまいます。また、刷毛やローラーの扱いに慣れていないと色ムラや液だれが起こりやすく、プロのような均一で美しい仕上がりを得るのは難しいでしょう。
必要な道具一式を揃える手間や、作業にかかる時間と労力も必要になります。「仕上がりのクオリティよりも、とにかく費用を抑えたい」という方は、DIYでの塗装を検討してみてもよいかもしれません。
玄関ドアを塗装する流れ
玄関ドアを塗装するときの流れは、主に以下の5ステップとなります。
- 養生
- 下地処理
- 中塗り
- 上塗り
- 乾燥
玄関ドアの塗装をDIYで行う場合は、手順をしっかりと把握することが綺麗に塗装するコツです。
各ステップごとに、作業内容やコツを詳しく解説します。
養生
玄関ドア塗装に限らず、塗装作業を行う前には、塗らない部分に塗料が付かないようにカバーする必要があります。
玄関ドアであれば、ドアノブや鍵穴、インターホンやポストなどを、マスキングテープやビニールシートで覆いましょう。塗料が周囲の壁や床に飛び散らないように、ドアの周りもしっかりと保護します。
養生のとき、わずかでも隙間があるとはみ出しや汚れが残ってしまいますので、時間をかけて丁寧に養生しましょう。
下地処理
下地処理は、玄関ドア塗装の仕上がりを左右する工程です。高圧洗浄できる場合もありますが、多くの場合は推奨ないため、手洗いをおすすめします。洗浄時は、ドアの材質やその洗浄方法を確認しておきましょう。
まず、ドア表面に付着したホコリや油分を落とします。続いて、サンドペーパーや専用工具を使って古い塗膜やサビを削り落とす「ケレン」という作業を行います。ケレンが不十分だと塗料が下地にしっかりと密着せず、さびの発生や塗膜の剥がれ・膨れの原因となるためしっかりと行いましょう。
木製ドアの場合はさびは発生しにくいですが、表面の汚れや塗膜を落とす作業は必要になります。なお、下地処理の際は剥離剤を使うと、汚れや塗膜を綺麗に落せるのでおすすめです。
中塗り
中塗りは、しっかりとした塗膜をつくるための土台作りとなる重要な工程です。塗料を2回に分けて塗ることで塗膜に十分な厚みを持たせ、塗料の防水性や耐久性を最大限に引き出すことができます。
中塗りをせず塗装を1回だけにしてしまうと、色ムラが出やすくなる、紫外線や雨風による劣化が早まるといった原因になる可能性が高まります。
ただし、塗料のなかには1回塗りだけで仕上がる商品もあるので、早く簡単に作業したい方はこのような商品をおすすめします。
また、中塗りが終わったら指定の時間だけ乾燥させ、十分に乾いたら上塗りをしていきましょう。塗膜が十分に乾燥しないうちに次の塗料を塗り重ねてしまうと、塗膜の縮みやシワ、ひび割れ、密着不良といった施工不良を引き起こしてしまいます。
上塗り
上塗りは、中塗りと同じ塗料を使用し、2回目の仕上げ塗装として丁寧に塗り重ねていきます。
刷毛の跡や塗りムラが残らないよう、均一な厚みで滑らかに仕上げることが大切です。中塗り、上塗りと2回に分けて塗装することで、塗り残しを防ぎ、より強靭で滑らかな塗膜をつくることができます。乾燥
上塗りまで終わったら、中塗り後と同じように終えたら、数時間ほど乾燥させます。
なお、乾燥時間は、気温や湿度、風通しといった天候条件に大きく左右され、一般的に気温の低い冬場は夏場よりも長い時間が必要です。塗装直後は指で触れたり、物を立てかけたりせず、塗膜が完全に硬化するまでじっくり待つことがポイントです。
特に梅雨時期などは天候が安定しない可能性が高いため、あらかじめ天気予報を確認しておくとよいでしょう。
まとめ
玄関ドアは、家の出入り口にあり特に目立つ部分です。そのため、綺麗に塗り替えることで家の第一印象を良くすることができます。
玄関ドアの塗装費用はドアの材質や劣化状況によって大きく異なりますが、一般的に3万円~20万円が相場です。
DIYで行えば費用を1万円程度に抑えられますが、仕上がりと耐久性を重視するのであれば業者への依頼が確実となります。
玄関ドアの汚れや劣化が気になっている方は、本記事でご紹介した塗装費用を参考に納得のいく方法で塗装するようにしましょう。