「ガルバリウム鋼板ってどんな素材?」「外壁に使うとどんな特徴があるの?」「デザインはどんなものがあるの?」
上記のような疑問をお持ちの方へ、本記事ではガルバリウム鋼板の特徴からおしゃれなデザイン事例までを解説しています。
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本記事を参考にご自宅の外壁をガルバリウム鋼板にしてよいかの判断をしてみてください!
- ガルバリウム鋼板外壁は、ルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の質量比にメッキを施した金属素材
- ガルバリウム鋼板外壁を長持ちさせるためには、定期的な洗浄、外壁塗装、サビの補修を行うことが大切
- ガルバリウム鋼板外壁のデザインパターンは、スパン柄、積石柄、細石積柄、レンガ調、木目調、塗り壁調の6種類
この記事を監修しました

株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
ガルバリウム鋼板外壁の特徴とは
ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカで開発され、1982年には商品化された金属素材です。
金属鋼板にアルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の質量比でメッキを施したもので、「アルミ亜鉛合金めっき鋼板」とも呼ばれます。なお日本のJIS規格では「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」が正式名称です。
一般的な亜鉛100%のメッキ鋼板であるトタンと比較すると、ガルバリウム鋼板は亜鉛の割合が低いものの、アルミニウムの酸化被膜(不動態皮膜)と亜鉛の犠牲防食作用という二重の保護機構により、トタンよりも高い防食性を誇るのが特徴です。
耐用年数が長かったり、耐震性が高かったりとさまざまメリットがあるため、現在では多くの建材メーカーが屋根材や外壁材として採用し、外壁素材の主流のひとつとなっています。なお、ガルバリウム鋼板を利用した外壁リフォームの費用は、一般的な30坪住宅の場合、張り替え工事の場合で250~300万円、カバー工法の場合で220~270万円が相場です。
「張り替え」「カバー工法」についての詳細は以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
ガルバリウム鋼板外壁のメリット
ガルバリウム鋼板を外壁にするメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
ガルバリウム鋼板外壁のメリット
- 耐用年数が長い
- 防水性が高い
- 耐震性が高い
- 錆びにくい
耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板は、その耐久性の高さから耐用年数が長いという大きなメリットがあります。
ほかの外壁材との耐用年数の比較は以下の表の通りです。
<ガルバリウム鋼板とほかの外壁材の耐用年数の比較>
項目 | 耐用年数 |
---|---|
ガルバリウム鋼板 | 約20~40年 メンテナンス周期:約10~15年 |
窯業系サイディング | 約20~40年 メンテナンス周期:約7~10年 |
トタン | 約10~20年 |
ガルバリウム鋼板は約10~15年に一度塗装メンテナンスを行うことで、耐用年数通りの利用ができます。
メンテナンス頻度もほかの外壁材よりも少ないため、メンテナンスコストを含めたトータルのコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
防水性が高い
ガルバリウム鋼板は金属製であるため、水に非常に強く、内部に水が染み込みにくいというメリットがあります。
ガルバリウム鋼板と比較される窯業系サイディングはセメントが主成分となっているため、水分を吸収しやすく、凍害や侵食のリスクがある点とは対照的です。
ガルバリウム鋼板は、吸水しにくく凍害にも強い特性を持っているため、寒冷地での利用も問題ありません。
耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は、非常に軽量であることも特徴です。
外壁材自体の厚みが1mmにも満たないのに対し、重さも窯業系サイディングの約1/3しかありません。
軽量であることで、建物全体の重量を最小限に抑え、地震の揺れによる建物への負担を軽減し、耐震性を高く保つことが可能です。錆びにくい
ガルバリウム鋼板は「金属は錆びやすい」という一般的なイメージとは異なり、錆びに強い特徴を持っています。
ベースとなる鋼板に施されたアルミニウムと亜鉛、シリコンの合金メッキによる特性です。アルミニウムの耐食性に加えて、亜鉛の犠牲防食作用の二重の保護機構になっているため、高い耐久性と耐食性を実現しています。
しかし、完全に錆びないわけではないため、定期的な洗浄によるメンテナンスなどは必要不可欠です。
ガルバリウム鋼板外壁のデメリット
一方でガルバリウム鋼板を外壁に採用することでデメリットもあります。デメリットも確認しておくことで、後悔のない選択になります。
ガルバリウム鋼板外壁のデメリット
- 施工費用が高め
- 衝撃でへこみやすい
- 断熱性、遮音性が低い
施工費用が高め
ガルバリウム鋼板の施工費用は、他の主要な外壁材と比較して高めです。ガルバリウム鋼板と主要な外壁材の施工費用は以下の表の通りです。
<ガルバリウム鋼板と主要な外壁材の施工費用の比較>
項目 | 施工費用 |
---|---|
ガルバリウム鋼板 | 約180~230万円 |
窯業系サイディング | 約110万円 |
ALC | 約180万円 |
タイル | 約100万円 |
施工費用は高めですが、耐用年数が長くメンテナンス頻度が少ないため、長期的な視点で見た場合はほかの外壁材よりも優れたコストパフォーマンスを発揮します。
ただし、施工時点での費用はほかの外壁材よりも高めになることは押さえておきましょう。
窯業系サイディングをはじめとした、ほかの外壁材についての詳細は以下の記事でまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方はこちらから。
>>「窯業系サイディングとは?ガルバリウムとの比較や後悔事例を紹介!」
「ALC」について詳しく知りたい方は、こちらから。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
「ラジカル塗料」について詳しく知りたい方は、こちらから。
>>「外壁タイルの種類とデザインまとめ。メーカー別おすすめ製品も紹介」
衝撃でへこみやすい
ガルバリウム鋼板は、厚さが0.4~0.5mm程度の薄い金属板であるため、衝撃には弱いというデメリットがあります。
たとえば、バケツやボールが当たっただけでも簡単にへこんだり、傷がついてしまうことがあります。そのため、車庫入れのミスやお子様がいる家庭はボール遊びに注意が必要です。
万が一、衝撃によって傷がついてしまうと、そこから錆が一気に広がる可能性もゼロでありません。断熱性、遮音性が低い
ガルバリウム鋼板は薄い金属板であるという性質上、単体では断熱性や遮音性が低いのがデメリットです。
対策をせずにガルバリウム鋼板だけを設置してしまうと、外部の気温が室内に伝わりやすかったり、雨音が響きやすかったりする場合があります。そのため夏は暑く、冬は寒い室内環境になりかねません。
現在は断熱材や遮音材が組み合わせて使われることが増えてきており、断熱一体型のガルバリウム鋼板も普及しています。
また、断熱塗料や遮熱塗料を選ぶことで、さらに断熱性能を向上させることも可能なため、自宅周りの環境を確認して業者と相談することがおすすめです。
ガルバリウム鋼板外壁を長持ちさせるための定期的なメンテナンス方法
ガルバリウム鋼板の外壁を長い間利用するためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。
以下のタイミングで必要なメンテナンスを行いましょう。
- 定期的な洗浄:年に1~2回
- 外壁塗装:10~15年に一度
- サビの補修:発見次第すぐに
定期的な洗浄:年に1~2回
ガルバリウム鋼板外壁に付着したホコリや汚れをそのままにしておくと、サビやカビの原因となってしまいます。
耐久性優れた素材であるため、年に1~2回のペースでメンテナンスを行うとよいでしょう。定期的な洗浄を行うことで、サビやカビの発生を抑え、長持ちさせることにつながります。
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とくに雨が直接当たらない部分は汚れが溜まりやすいため、意識して行うとよいでしょう。
また、ガルバリウム鋼板は薄い素材になるため、高圧洗浄機の水圧が強すぎると外壁に傷や凹みがつき、これがサビの発生源となる恐れがあります。
なかなか汚れが落ちない場合や高所作業が必要なる場合は、無理に自分で落とそうとせず、専門業者に相談しましょう。
外壁塗装:10~15年に一度
ガルバリウム鋼板外壁は10〜15年を目安として定期的な塗装が必要です。あくまでも目安の年数であるため、自宅周りの環境によっても必要な時期は異なります。
具体的にはガルバリウム鋼板外壁に、以下のような劣化症状が現れた場合は、外壁塗装によるメンテナンスを検討してみてください。
<外壁塗装が必要な劣化症状>
症状 | 参考画像 |
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チョーキング | ![]() |
色褪せ | ![]() |
外壁にキズ(ヘアークラック) | ![]() |
サビ | ![]() |
外壁塗装の必要可否についてはご自身で判断はせず、専門業者に確認してもらうことが大切です。
外壁塗装を行うことで、紫外線や雨風からの保護機能を維持でき、美観の回復にもつながります。
サビの補修:発見次第すぐに
ガルバリウム鋼板は錆びにくい素材であることが特徴ですが、必ず錆びないわけではないため、発見した場合は速やかに補修を検討してください。
小さなサビを放置してしまうと、範囲が広がってしまい、雨漏りなどの深刻な被害につながる恐れがあるためです。定期的な洗浄の際に小さな傷やサビがないかもあわせて確認してみてください。
早めのメンテナンスにより、建物を安全な状態に保ちつつ修理費用も抑えられます。
【色別比較】ガルバリウム外壁のカラーバリエーションと印象
外壁のデザインを検討中の方にとっては、柄・模様だけでなく色も気になることでしょう。
本章では、ガルバリウム外壁材のカラーバリエーションを調べ、多くの製品に用意がある・ないの傾向を出しました。
どの製品にもほぼ必ずある「黒・グレー系」
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「黒」「ダークグレー」「グレー」「クリーム色」などの無彩色カラーは、ほとんど全ての製品に用意されていました。
これらの色が希望であれば、どんな模様でも選べるはずで、希望する柄を諦めることもないでしょう。
また、「シルバー」「ホワイト」に当てはまる色も、比較的多くの製品にラインナップがあります。
7割以上の製品にある「ブルー」「グリーン」
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無彩色以外のカラーリングでは、寒色系の「ブルー」「グリーン」がメジャーでした。
現行製品の7割以上に用意されています。
用意している製品は5割以下の「レッド」「オレンジ」
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寒色系に比べて、「レッド」や「オレンジ」などの暖色系のカラーは、ラインナップに揃えている製品は少なめでした。
おおむね5割に満たないぐらいとみてよいでしょう。
とくに「オレンジ」がある製品はめずらしいです。
そのため、ガルバリウム鋼板の外壁に張り替える際、暖色系のカラーを希望する場合は、選べるデザインはかなり絞られてくるでしょう。
ガルバリウム外壁のデザインパターン6種類を徹底比較
ガルバリウム外壁は多様なデザインパターンが大きな魅力です。
金属のシャープさを強調するものから、温かみのある雰囲気まで、住宅に異なる印象を与える6種類の主なデザインがあります。
以下の表は、各デザインパターンの特徴や与える印象などの比較表になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
<ガルバリウム外壁のデザインパターン6種類の比較>
種類 | 特徴 | 与える印象 | メリット |
---|---|---|---|
スパン柄 | 素材の金属感を押し出した、スタイリッシュなデザイン | スタイリッシュ、モダン | カラーバリエーションが豊富 色落ちやサビの保証が付いている製品も多い |
積石柄 | さまざまな色・大きさの石を組み合わせたデザイン | 温かみ、スタイリッシュ | つなぎ目が目立たない 単調にならないデザイン性 |
細石積柄 | 石一枚あたりの模様がより細長くなったデザイン | まとまりがある | 模様が細かく陰影が際立つ 白系や暖色系の色でも間延びしない |
レンガ調 | 欧米の伝統的なレンガを使ったデザイン | 欧風、ソフト | 安価に実現が可能 外見から金属製とは気付きにくい |
木目調 | 木目の風合いを感じられるデザイン | ナチュラル、シック | 本物の木のような仕上がりも可能 色合いによってさまざまな表情が可能 |
塗り壁調 | 職人が仕上げたような匠なデザイン | シンプル、ナチュラル | 自宅の形状、近隣の雰囲気に選ばずマッチする 実際の左官仕上げよりも安価 |
①金属の印象がもっとも強い「スパン柄」
素材の金属感を押し出した、スタイリッシュな家にしたいなら、「スパン柄」のガルバリウム外壁材がおすすめです。
とくに黒やダークグレーを選べば、高級感とモダンさを兼ね備えた、人目を引くデザインに仕上がるでしょう。
スパン柄のガルバリウム外壁材は、カラーバリエーションが多いことや、色落ちやサビの保証がついていることも多く、美観の維持の観点からも魅力的な製品です。
スパン柄のガルバリウム外壁の施工事例
ダークメタリック色のガルバリウム鋼板を外壁に使った例。
玄関ドアやベランダの手すりにポイントで使った木材とよくマッチし、光沢により印象も暗くなりすぎていません。
張り出した2階部分にブラック系のガルバリウム鋼板を使用。
スクエア型の白・黒・濃茶のバランスが、アートのような家を演出しています。
スパン柄のガルバリウム外壁材の例
- アイジー工業「アイジーサイディング シンプルモダンシリーズ SP-ガルスパン」
- ケイミュー「はる一番 シンプルシリーズ16 スマートスパン柄」
- ニチハ「センターサイディング プレミアムシリーズ NS型 ネオスパン プレミアム」
②堅牢な印象を与える「積石柄」
さまざまな色・大きさの石を組み合わせ模様である「積石柄」デザイン。
自然物の温かみと岩石のスタイリッシュさ、どちらの印象も与えることができる人気のデザインです。
積石柄のガルバリウム外壁の施工事例
積石型のガルバリウム外壁材を全面張りした、頑丈な印象の家。
金属系サイディングを使っているのに、つなぎ目が目立ちにくいのも積石柄の特徴です。
こちらも、クリーム色の積石柄サイディングを全面的に使った家。
単色の積石柄を基調に、複数色の積石を玄関、窓の下、角にライン使いし、シンプルながら単調にならないデザインになっています。
積石柄のガルバリウム外壁材の例
- 旭トステム「Danサイディング スチール 深絞り ベルクSF」
- ニチハ「センターサイディング iシリーズ グラニット」
③繊細な陰影が得られる「細石積柄」
積石柄と似ていますが、石一枚分あたりの模様がより細長くなったのが「細石積柄」。
模様が細かくなり陰影が際立つことで、白系や暖色系の色でも間延びせずまとまりの良いイメージを与えられるのがメリットです。
細石積柄のガルバリウム外壁の施工事例
細石積柄の部分と、ゴツゴツした彫石調の部分を共にオレンジ系でまとめて一体感を出した、欧風デザインの一戸建て。
写真には写っていませんが、玄関ドアやカーポートの床なども赤茶系で統一し、非常におしゃれな仕上がりになっています。
濃いグレーと薄いグレー、2種類の細石積柄の金属系サイディングを使用した家。
屋根を含めモノトーンでまとめられているので、おしゃれなツートンレイアウトを使いながら、ご近所のなかでも悪目立ちしない印象になっています。
細石積柄のガルバリウム外壁材の例
- ケイミュー「はる一番 デザインシリーズ16 長石柄Ⅲ」
- ニチハ「センターサイディング iシリーズ ファインボーダー」
- 旭トステム「Danサイディング スチール 深絞り ソリッドボーダーⅡSF」
④伝統的な雰囲気を安価に実現「レンガ調」
欧米の伝統的な住宅といえばレンガを使った住宅。
レンガのお屋敷のデザインを、サイディングを使って安価に実現できるのが「レンガ調」のガルバリウム鋼板。
外見からは金属製の外壁とは気づきにくいため、家のイメージはソフトなままに、ガルバリウム外壁の耐久性が得られるのもメリットです。
レンガ調のガルバリウム外壁の施工事例
壁と柱を同じ色のレンガ調ガルバリウム鋼板で揃えることで、シックで高級感のある玄関を実現。
来客にも、まさか金属製の外壁とはほとんど気づかないに違いありません。
玄関口のワンポイントに、レンガ調のガルバリウム鋼板を使った家。
クリーム色が基調の外壁の印象を、温かみを保ちつつキリッと引き締める効果が感じられます。
レンガ調のガルバリウム外壁材の例
- ケイミュー「はる一番 デザインシリーズ16 煉石柄Ⅲ」
- アイジー工業「アイジーサイディング ナチュラルシリーズ NPT-ヴァリオスブリック」
- ニチハ「センターサイディング t-colorシリーズ FB型 深美彩アートブリック」
⑤ナチュラルさと高級感の「木目調」
木の風合いを感じられる「木目調」のガルバリウム鋼板外壁材です。
黄色に近い薄い色を使えば本物の木を使ったような仕上がりに、黒や濃茶系の色を使えば、屋根やサッシに溶け込むシックな仕上がりになるでしょう。
木目調のガルバリウム外壁の施工事例
外壁の四面全体を木目調のガルバリウム鋼板でデザインした、本物のログハウスのような一戸建て。
印象はやわらかいですが、住宅街のなかでの存在感は大きく、ひときわ注目される一軒になるでしょう。
光沢のあるブラック系の木目調ガルバリウムを使った、スタイリッシュな外壁。
住宅というよりも、デザインオフィスのような存在感を放つ一軒です。
木目調のガルバリウム外壁材の例
- ケイミュー「はる一番 デザインシリーズ16 銘木柄Ⅱ」
- ニチハ「センターサイディング モノカラーシリーズ F型 木目」
- 旭トステム「Danサイディング スチール 深絞り プレシャスウッドⅡSF」
⑥シンプルで使う場所を選ばない「塗り壁調」
職人が仕上げた塗り壁(左官仕上げ)のような外見のガルバリウム外壁が「塗り壁調」の商品です。
自宅の形状や近隣の雰囲気を選ばずマッチする、もっとも使いやすいデザインです。
塗り壁のガルバリウム外壁の施工事例

瓦屋根の家の外壁を、塗り壁調のガルバリウム鋼板にリフォームした例。
瓦と左官仕上げの壁を両方つかうとコストが高くなってしまいますが、塗り壁に見えるサイディングを使うことで、違和感なく費用を抑えることができました。
左官用仕上げの塗りムラを再現した、ナチュラルな風合いの外壁。
家の他箇所のデザインとの相性を選ばないデザインです。
塗り壁のガルバリウム外壁材の例
- ケイミュー「はる一番 アニューシリーズ ブリオウェーブ」
- ニチハ「センターサイディング プレミアムシリーズ F型 塗り壁 プレミアム」
- 旭トステム「Danサイディング スチール スタンダード ティーレⅢ」
その他のデザインパターン
6大デザインに当てはまらなかったデザインパターンもご紹介します。
タイル柄
積石柄との違いは、ひとマスが正方形に近いこと。
奥行きと温かみが感じられます外観の家に仕上がります。
リーフ柄
葉っぱを敷き詰めたようなデザインパターンのガルバリウム鋼板サイディング。
比較的凹凸が大きいため、スパン柄と同様にメタリックさの感じられる外壁にもなります。
無地
表面の凹凸をなるべく廃した、シンプルなデザインです。
施工例にあるように、ガルバリウム鋼板のつなぎ目は外壁上にあらわれるため注意です。
「ガルバリウム鋼板のメーカー」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【一覧有り】ガルバリウム鋼板メーカーと、製品の特徴とは?」
施工費を少しでも安く押さえるコツとは?
30坪・2階建てのお家の場合、ガルバリウム鋼板を用いた外壁の施工には100万円前後かかることもあります。
できるだけ安い費用で施工してもらいたいですよね。
実は、ちょっとしたコツさえ知っていれば、20万円以上オトクに工事できる場合があります!
気に入った外壁のデザインが、20万円も少ない金額で実現できるなら嬉しいですね。
施工費用を安くするためのコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
ガルバリウム鋼板外壁をイメージ通りに仕上げるには?
せっかく苦心してデザインやカラーを選んだのに、仕上がりが思ったものと違ってしまったら意味がありません。
本章では、家のイメージチェンジを成功させるための秘訣をご紹介します。
デザインシミュレーションを使う
選んだ外壁材の色やデザインが、既存の部分(屋根、サッシ、周辺環境)とマッチするかを事前に確かめるには、外装材メーカーなどが公開しているシミュレーションツールを使うのがおすすめです。
シミュレーションツールのなかでも筆者がとくにオススメするのは、ケイミュー社が提供している「ケイミューパース」です。
家の形状パターンが多数用意されていて自宅に近いものが見つけやすく、2色以上の張り分け提案や、外壁と屋根を同時にチェンジできる機能、状態をさまざまな角度からチェックできる機能など、物足りなさをまったく感じさせないほど充実しています。
使い方も直感的で、面倒な会員登録などもナシ。誰でも無料で使用できます。
工事は設計事務所に依頼する
自宅のイメージチェンジに失敗したくないのであれば、工事は「設計事務所」に依頼するのが断然オススメです。
ほとんどの工務店は、施工自体には慣れているのですが、設計やデザインにはあまり熟練していません。
一方、設計事務所は、色の組み合わせや、カタログと実際の家の印象の違い、地域や天気などによる見え方の差などには精通しています。
自宅の修理や一般的なリフォームと同じようにメーカーや工務店に依頼するよりは、設計事務所やデザイナーなどに最初に相談するほうが、デザインのこだわりを追求できるでしょう。
外壁材のサンプルを取り寄せる
外壁材には微妙な凹凸があり、カタログ上でみるのとは印象が違ってくることもあります。
とくに、住人にとって外壁は、遠くから見ることも、反対に近くから見ることも多くある部分です。
そのため、メーカーの提供している、ミニサイズの外壁材のサンプルを活用するのが無難です。
サンプルは工事の依頼先に頼めば、取り寄せてくれます。
よくある質問
ガルバリウム鋼板外壁でよくある質問を下記にまとました。
ガルバリウム外壁の30年後はどうなりますか?
ガルバとサイディングどっちがいい?
外壁ガルバリウム鋼板の価格は?
ガルバリウム鋼板外壁の欠点はですか?
ガルバリウム鋼板外壁の欠点は施工費用が高め、衝撃でへこみやすい、断熱性・遮音性が低いことが挙げられます。
とくに衝撃にはめっぽう弱いのが特徴です。小さなお子様がボール遊びをしていて、外壁にぶつけてしまうだけでへこむこともあるため、心配な方は事前に検討しておくことが大切です。
それぞれのガルバリウム鋼板外壁の欠点については「ガルバリウム鋼板外壁のデメリット」で解説しています。
ガルバリウム外壁の30年後はどうなりますか?
ガルバリウム外壁の30年後は、ほとんどの場合でメンテナンスが必要です。
劣化症状によっては、大規模な工事も必要になるため、業者と相談して対応を検討することになるでしょう。
ガルバリウムのメンテナンスは約10~15年に一度とされており、期間中に適切なメンテナンスを行うことで美観が保たれ、機能性も維持できます。
ガルバとサイディングどっちがいい?
ガルバリウムとサイディングにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
ガルバリウムはモダンでシンプルなデザインにしたい人や長期的なメンテナンスの手間を抑えたい人などは向いているでしょう。
一方でサイディングはデザイン性を重視したい人や耐火性を重視したい人におすすめになります。
外壁ガルバリウム鋼板の価格は?
外壁ガルバリウム鋼板の価格は縦葺きで約5,000~8,000円/㎡、横葺きで約6,500~10,000円/㎡、断熱材一体型で約3,000~4,000円/㎡、波型(角波など)で約1,500~2,000円/㎡になります。
価格に幅がある理由は、商品や外壁材の室によって価格が異なるためです。
それぞれの特徴については、以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
まとめ
ガルバリウム鋼板外壁は、金属鋼板にアルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の質量比でメッキを施した素材のことです。
ほかの外壁材よりも耐用年数が長かったり、耐震性が高いことからさまざま住宅で利用が広がっています。
加えてカラーバリエーションやデザインパターンも豊富に用意されているため、イメージ通りの外観を実現しやすい素材といえるでしょう。
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ぜひ本記事で紹介したデザインパターンなどを参考に、ご自宅の外観イメージにあっているかを確認してみてください!
- 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015