モルタル外壁塗装はできる?仕上げの種類の比較から費用までを徹底解説

  • 【更新日】2025-08-12
モルタル外壁の塗装方法

本記事では、モルタルの家の外壁塗装を検討している方に向けて以下を解説しています。

  • 塗装が必要な状態かの判断
  • モルタル外壁の塗装の流れ
  • モルタル外壁に合う塗料
  • モルタル外壁のDIY
Point
  • モルタル外壁では弾性塗料を選ぶべき
  • プロに依頼する場合、相見積もりが重要

尚、こちらの記事での価格は執筆時点での情報になります。

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この記事を監修しました

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株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

詳しくはこちら

モルタル外壁塗装の仕上げの種類を比較

モルタル外壁用の表面の仕上げ方には、大きく分けて4種類あります。

それぞれの種類と特徴については、以下の表を確認してみてください。

仕上げの種類 特徴

リシン仕上げ
  • 砂のようなザラザラした表面
  • 塗膜が薄く、耐久性・防水性はやや低め

スタッコ仕上げ
  • リシンに似ているが、より厚み・重厚感がある
  • 凸凹部にやや汚れが溜まりやすい

吹付けタイル仕上げ
  • ツルツルした光沢のある表面
  • 別名「ボンタイル」とも呼ばれる
左官仕上げの壁面(ジョリパット)(
左官仕上げ
  • コテを使い手作業で仕上げた表面
  • デザインはさまざま
  • 「ジョリパット」という塗材がよく使われる

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リシン仕上げ

リシン仕上げとは、粒状に砕いた石に樹脂やセメントに加え、着色剤を混ぜたものを吹き付ける仕上げ方法になります。

落ち着いた仕上げとなり、和洋どんな住宅にも馴染みやすいのが特徴です。

1970年代以降から多く利用されていますが、表面に汚れが付きやすい、塗膜が薄く、耐久性・防水性はやや低めというデメリットから近年ではあまり利用されていません。

◆リシン仕上げの塗装手順◆ ①下地処理
②シーラー処理
③リシン塗装を2回吹き

スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げとは、スタッコという材料を塗って模様を付ける仕上げ方法になります。

スタッコはセメントや石、灰、砂などが混ぜて作られた建築材料のことで、塗ることで耐久性や防水性を向上させるのが特徴です。

リシン仕上げに似ていますが、より厚みや重厚感がある仕上がりなのが違いです。

◆スタッコ仕上げの塗装手順◆ ①下地処理
②シーラー処理
③スタッコ塗装を2回吹き

スタッコ仕上げについては、以下の記事もあわせて確認してみてください。

吹き付けタイル仕上げ

吹き付けタイル仕上げとは、樹脂やけい砂、寒水石などの材料をタイルガンという塗装機を用いて吹き付ける手法のことです。

ツルツルとした光沢のある表面になるのが特徴で、なだらかな凹凸が表現されます。

耐久性が高く、ひび割れに強い仕上げとなっており、別名「ボンタイル仕上げ」とも呼ばれています。

◆吹き付けタイル仕上げの塗装手順◆ ①下地処理
②シーラー処理
③玉吹き
④仕上げ塗装(2回塗り)

左官仕上げ

左官仕上げの壁面(ジョリパット)(

左官仕上げとは、コテを用いて壁や床に模様や表面に磨きを付けて仕上げる手法のことです。

デザインはさまざまで、きれいに仕上がるかどうかは職人の技術によって変わるのが特徴です。オリジナリティあふれる外観はもちろんのこと、耐久性や断熱性にも優れています。

昨今では「ジョリパット」と呼ばれる材料が広く用いられています。

◆左官仕上げの塗装手順◆ ①下地処理
②シーラーまたは微弾性フィラー塗布
③塗装

「ジョリパット」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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モルタル外壁に塗装が必要なサインと対処法

モルタル外壁に塗装が必要なサインと対処法については、以下の表の通りです。

特長 対処法
チョーキング 外壁を手で触ると白い粉が付着する 塗装の塗り替え
ヘアークラック 幅0.3mm以下、深さ4mm以下のひび割れ 下塗材をひび割れ箇所に塗り、すき間を塞ぐ
塗装の浮き・剥がれ 経年劣化による塗装の浮きや剥がれ 該当箇所を取り除き、洗浄後、補修する
構造クラック 幅0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れ 弾性のある塗料などを塗り込む

チョーキング

チョーキング

症状と原因

モルタルの外壁の表面に白い粉があらわれることをチョーキングと言います。
チョーキングが起こるのは、塗膜の防水の効果が切れているためです。

緊急性

ただちに雨漏りするわけではありませんが、「そろそろ塗装の時期に近づいてきた」というサインになります。

ヘアークラック

ヘアークラック

症状と原因

幅0.3mm以下の髪の毛程度の細さのひび割れを「ヘアークラック」と言います。
クラックは、大小に関わらない地震や、近くを大型車が通った際の振動の積み重ねで起こることがあります。

緊急性

そのままでは幅が広がり、雨水の侵入口となる可能性があるため、外壁塗装やコーキングでなるべく早めに補修を行うのが理想的です。

「ひび割れのコーキング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

塗装の浮き・剥がれ

外壁の塗膜の剥がれ

症状と原因

塗膜の密着が弱まり、剥がれて素地が露出してしまっている状態です。

浮きや剥がれは、経年劣化で生じる場合と、業者の施工不良で生じる場合があります。
施工不良の場合は、下地の乾燥不足などの原因が濃厚です。

緊急性

下地のモルタルが水を含んで傷んでしまうため、早急に業者に塗り替えを依頼しましょう。

構造クラック

症状と原因

幅0.3mm以上、深さ5mm以上のひび割れを「構造クラック」と言います。
構造クラックの原因は、大きな地震や外部衝撃、外壁下地の深刻な劣化などが考えられます。

緊急性

放置すると基礎の強度が低下してしまうため、ただちに修理しなければなりません。
外壁塗装のみで対処できることは考えづらく、外壁材や下地の張り替え、場合によっては躯体の修理などが必要になります。


「塗装の耐用年数」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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モルタル外壁に合う塗料は?

まず外壁塗装に使われる塗料の概要を説明した後、モルタル外壁に合う「弾性塗料」や具体的な製品について解説します。

外壁塗装に使われる塗料の種類を比較

外壁塗装の塗料には、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」など様々なグレード・種類が存在しています。高価になるほどグレードが高くなり、機能性や耐用年数に優れます。

コストパフォーマンスの優れる、シリコン塗料やラジカル制御形塗料が人気です。

【外壁塗装に用いる塗料6種類一覧】

塗料の種類 耐用年数 実勢価格 特徴
アクリル塗料 5~7年 1,500円/㎡
  • 価格がもっとも安い
  • 屋外での耐久性に欠け、利用ケースが少ない
ウレタン塗料 7~10年 1,950円/㎡
  • 10年以内に退去が決まっているケースに最適
  • コスパにおいてはシリコン塗料に劣る
シリコン塗料 10~15年 2,300円/㎡
  • 開発が盛んで商品ラインナップが豊富
  • 中には耐用年数が短い商品もあり、選定に注意が必要
ラジカル制御形塗料 12年~16年 2,400円/㎡
  • もっともコストパフォーマンスが高い塗料
  • 技術が複雑で利用実績数も多くはない
フッ素塗料 15年~20年 4,300円/㎡
  • 長期で最もトータルコストを抑えることができる
  • 艶あり塗料しか選択できない
無機塗料 25年~30年 5,300円/㎡
  • 非常に耐用年数長い
  • 他メンテナンス箇所の周期を考慮すると、割高になることも

「外壁塗装の塗料」についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

ひび割れしにくい「弾性塗料」がオススメ

モルタル外壁のひび割れがしやすいという特徴をふまえると、「弾性塗料」を塗装に使うと良いでしょう。

外壁塗装に使われる塗料の種類でもご紹介した「シリコン」や「フッ素」といった塗料に薬剤(硬化剤)を入れることで、塗膜が伸び縮みしヒビを起こしにくくなった塗料です。

弾性塗料の各工法とメリット・デメリットを比較

モルタル外壁塗装には、前章で解説したようにひび割れしにくい「弾性塗料」がおすすめです。

弾性塗料を使った施工方法には、「単層弾性塗料」「複層弾性塗料」「微弾性塗材」 の3種類があります。それぞれに弾力性の強さや費用、耐久性が異なり、「複層弾性塗料」「単層弾性塗料」「微弾性塗材」の順に弾力が強いです。

  • 戸建ては「単層弾性塗料」にて施工するケースが一般的 です!

各工法のメリット・デメリットは以下の表の通りです。

種類 費用 メリット デメリット
複層弾性塗料
1,600~2,000円/㎡
  • 塗膜が厚く、弾力性が高い
  • 単層や微弾性より、耐用年数が長い
  • 工程が多いので、工期が長い
  • 手間暇がかかり、費用が高くなる
単層弾性塗料
1,100~1,500円 /㎡
  • 費用は抑えられる
  • 工程少なく、工期も短くて済む
  • 耐用年数が短く、何度も塗り直しが必要
  • 長期では費用対効果は良くない
微弾性塗材
1,200~2,400円 /㎡
  • 単層ほど頻繁な塗り直し不要
  • 上塗り次第では長持ちする
  • 複層や単層ほどの弾力はなし

複層弾性塗料

複層弾性塗料イメージ

複層弾性塗料とは、中塗りに高弾性塗料を2回、その後に別の種類の塗料を上塗りに2回施す工法のことです。塗膜が厚くなるため、優れた弾力性と長い耐用年数を実現できます。

塗膜が厚くなり、耐久性が高まる一方でコストは高くなります。1平方メートルあたりの費用は1,600円から2,000円です。加えて、工程が多いため工期も長くかかることがほとんどです。

上塗り塗料のグレードを自由に選べるため、美観や機能性を高めることも可能です。費用対効果は高い工法といえるでしょう。

単層弾性塗料

単層弾性塗料イメージ

単層弾性塗料とは、高弾性の塗料を上塗りで2回塗ることで弾力をつける施工方法のことです。下塗りを含めて合計3工程で完了します。

単層弾性塗料は費用を抑えつつ短期間での施工を希望する方に適しており、1平方メートルあたり1,100円から1,500円程度です。

ただし複層弾性塗料よりも耐久性は劣ってしまうため、長期的な視点で見ると塗り直し頻度が高くなる可能性も考慮しておくことも大切です。

微弾性塗料

微弾性塗料イメージ

微弾性塗料とは、下塗りに微弾性フィラーと呼ばれる弾力性のある下塗り材を使用し、その上に上塗りを2回施す塗装方法のことです。

軽微なひび割れに対応しつつ、比較的費用を抑えたい場合に有効になります。小さなひび割れをカバーしながら、上塗り塗料のグレードを選べるのがメリットです。

1平方メートルあたりの費用は1,200円から2,400円程で、単層弾性塗料ほど頻繁な塗り直しは不要になります。なお、下塗りが微弾性であるため、耐久性が他の工法より低いため、建物の劣化状況や求める性能に応じて検討することが必要です。

モルタルに合う弾性塗料の例

ひび割れ追従性をもつ弾性塗料かつ、コストパフォーマンスにも優れる外壁用塗料には以下のようなものがあります。

汚れがつきにくいモルタル外壁にしたければ、弾性機能に加えて「低汚染性」「超低汚染性」の機能がある製品を選ぶとよいでしょう。

エスケー弾性プレミアムシリコン(エスケー化研)

プレミアムシリコンの塗料缶

出典:エスケー化研 – エスケープレミアムシリコン

エスケー弾性プレミアムシリコンは、その名の通り、弾性系の成分によってひび割れに強いです。また耐候性や耐久性も高く、なめらかで肉持ち感のある光沢の仕上がりになります。「約2,600円/㎡~」が相場です。

参考)エスケー化研公式サイト – エスケー弾性プレミアムシリコン

超低汚染リファイン 弾性1000MS-IR(アステックペイント)

超低汚染リファイン

出典:アステックペイント – 超低汚染リファイン

超低汚染リファイン 弾性1000MS-IRは、業界でも高水準の「低汚染性」により、長期で美観を維持します。また遮熱性に優れているので、室内の温度上昇を防いでより快適な暮らしに近づきます。「約2,200円/㎡~」が相場です。

参考)アステックペイント公式サイト – 超低汚染リファイン 弾性1000MS-IR

DANシリコンセラ(日本ペイント)

楽天市場 – DANシリコンセラR

DANシリコンセラは単層弾性塗料です。壁内部に溜まりやすい「湿気」を逃がしやすくする性能(透湿性)があり、塗膜の浮きや膨れを防止してメンテナンス回数を抑えられ、経済的な効果もあります。「3,000円〜4,000円」が相場です。

参考)日本ペイント公式サイト- DANシリコンセラ

セラミクリーン(エスケー化研)

セラミクリーンは高耐久・低汚染型の単層弾性塗料です。塗材耐久性に優れており、汚染しにくい塗膜を作ります。上塗りが不要のため、塗装工程が多少短くなるのも特長となっています。「2,200円~3,000円」が相場です。

参考)エスケー化研公式サイト- セラミクリーン

シリコンテックス(関西ペイント)

シリコンテックスは水性アクリルシリコン系の単層弾性塗料です。同グレードの塗料と比べても安価であり、コストパフォーマンス重視の方におすすめ塗料となっています。「2,800円」前後が相場です。

参考)関西ペイント公式サイト – シリコンテックス

「モルタル外壁では日本ペイント『パーフェクトトップ』、エスケー化研『プレミアムシリコン』、アステック『超低汚染リファインシリーズ』をおすすめすることが多いです。
お客様が塗り替えをするコンセプトをお聞きしてそれにマッチするような塗料を提案するようにしています」

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モルタル外壁の塗装方法と道具

【モルタル塗装方法の種類】

方法 作業
ローラー塗装 ローラーブラシで塗り広げる
吹付け塗装 スプレーガンで吹き付ける
刷毛塗り 刷毛を使って塗る
左官仕上げ コテで塗り上げる

モルタル外壁を塗装する方法は、「ローラー塗装」「吹き付け塗装」「刷毛塗り」「左官仕上げ」の4種類あります。

各塗装方法と道具について紹介していきます。

ローラー塗装

ローラー塗装は、スプレーに比べて扱いやすく、塗膜にしっかり厚みをつけやすいのがメリットです。

一方、スプレーによる吹付け塗膜に比べて作業に時間がかかり、面積あたりの塗料も多く消費します。

砂骨ローラー

ペイント王 – 砂骨ローラーのお話

モルタル外壁を塗装する際は、「砂骨ローラー」という目が粗いスポンジがついたローラーを使用します。
スポンジ部分が網のようで一度に多くの塗料を含むことができるため、凹凸のあるモルタル面の塗装に向いています。

吹付け塗装

スプレーガンを使って外壁に塗料を吹き付けていく方法を「吹付け塗装」と言います。
意匠性の高い仕上げにできるため、モルタル外壁ではよく使われる塗装方法です。

吹付け塗装はローラー塗装にくらべて作業効率が高く作業が早く終わることと、薄く均一な塗膜を得やすいことがメリットです。
デメリットは、扱いに習熟や技術が必要なことと、スプレーの動作時の騒音が気になる場合があることです。

スプレーガン

画像出典:モノタロウ – 建築塗装用スプレーガン(リシンガン・モルタル兼用)

モルタル外壁をスプレーガンで塗装する際は、仕上げたいデザイン専用のスプレーガンを使います。
モルタル外壁の塗装デザイン4種でもご紹介した「リシン」「スタッコ」「吹き付けタイル」などのデザインがあります。

刷毛塗り

刷毛は、ローラーやスプレーで作業しづらい狭い場所や奥まった部分、境界部分などを塗装するのに向いています。
刷毛単独ではなく、ローラーやスプレーと組み合わせて使います

モルタル刷毛

画像出典:こてモン – 馬毛黒毛1/2丁刷毛3行

モルタル外壁の塗装では、「刷毛引き」という仕上げ方法に刷毛を用いることがあります。
「刷毛引き」とはモルタルの表面が硬化する前に筋目をつける仕上げで、塗料をたくさん含みやすいモルタル刷毛が向いています。

左官仕上げ


画像出典:アクトツール – 【工具】左官・大工道具「こて」のマスターガイド

コテを使って外壁を塗り上げていく方法を「左官仕上げ」と言います。

左官仕上げのメリットは立体感・デザイン性のある仕上がりにできることです。
デメリットは一度に多くの面積を塗装できないため施工に時間がかかること、またローラーやスプレーに比べてコテを上手く扱う技術が必要になります。

左官ごて

画像出典:こてモン – 本焼モルタル仕上げ鏝(本職用)210m/m

モルタル外壁の塗装では、「左官仕上げ」にはコテを用いて仕上げます。モルタルに使うコテは先の尖ったものが一般的です。
他の道具では出せない、波のようなデザインに仕上げることができます。

外壁塗装の道具についてもっと知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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モルタル外壁の塗装の費用相場

ここでは、モルタル外壁の上に塗装を施す際の費用相場を紹介します。

業者に塗装を依頼する費用相場

モルタル外壁の塗装を業者に依頼する費用相場は、30坪の戸建て住宅で70万~120万円です。

モルタル外壁を塗り替える費用相場は、仮設足場代や附帯塗装が含まれます。塗る面積や塗料の種類によっても変動します。

以下の表は、モルタル外壁を塗装する際の作業項目と費用をまとめたものです(30坪の一戸建てを想定)。

内容 単価/単位 金額
足場仮設代(200㎡) 700/㎡ 140,000円
全体養生(200㎡) 200/㎡ 40,000円
高圧洗浄(130㎡) 150/㎡ 19,500円
外壁補修 30,000/式 30,000円
外壁塗装(130㎡) 2500/㎡ 325,000円
附帯塗装(軒天・雨樋など) 150,000/式 150,000円
現場管理費 5% 35,000円
合計 739,500円

「外壁塗装の費用相場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

DIYで塗装を行う費用概算

モルタル外壁をDIYで部分的に塗装する際の費用概算は、速乾セメントで補修が必要な場合は3万円~、補修が必要ない場合は2.5万円~です。

後に「モルタルの外壁塗装はDIYできる?」でも解説しますが、DIYによる塗装は、軽微なひび割れや剥がれといった、部分的な補修であれば可能です。

家全体の外壁を塗装する、劣化症状が深刻な場合は業者に依頼することをおすすめします。

以下の表は、DIYで塗装を行う際に必要な道具の価格をまとめたものです。

道具 参考価格 道具 参考価格
塗料 13,000円~ 速乾セメント 500円~
ローラー 1,000円~ バケツ 150円~
ハケ 1,000円~ コテ 400円~
つなぎ棒 1,000円~ スコップ 200円~
脚立 7,000円~ 手袋・軍手 300円~
マスキングテープ 400円~ 水道水

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モルタルの外壁塗装はDIYできる?

モルタルの外壁塗装はDIYできます。しかし色あせが気になる場合や、軽微な劣化の場合のみにしておくことがおすすめです。

深刻な劣化症状であった場合はDIYした後に、業者にも見てもらうなど二度手間になる可能性があります。

DIYはヘアークラックなど軽微な劣化のみにしておく

外壁の劣化症状の例

モルタルの外壁塗装をDIYする際には軽微な劣化の場合にしておきましょう。

具体的には上記の画像のようなヘアークラックという髪の毛程度の細さのヒビ割れ、また同程度の剥がれなども問題ありません。

DIYにおすすめ塗料

DIYに使う塗料塗料は必ず「①モルタル用」から選びます。

初心者でも扱いやすい「②水性塗料」がおすすめです。また樹脂は「③シリコン」がコストパフォーマンスがよいです。

塗料缶の表面に①~③、また何㎡塗装できるか記載があります。ちなみに一般的な30坪住宅の場合、塗装面積は目安として120㎡ほどです。

おすすめ塗料製品をご紹介します。

弾性ブロック外かべ用S 16kg ピュアホワイト(ニッペホームプロダクツ)

ニッペホームプロダクツ 弾性ブロック・外カベ用塗料

出典:アスクル – ニッペホームプロダクツ 弾性ブロック・外カベ用S 16kg ピュアホワイト 4976124240164(直送品)

モルタル外壁に適した弾性塗料で、ヒビ割れに強く弾力性のある塗膜を作ります。網目状のローラーを使って仕上げるタイプです。参考価格として、「700~1,000円/㎡」ほどです。下塗り材は「微弾性フィラー」を使用します。

参考)ニッペホームプロダクツ – 弾性ブロック外かべ用S 16kg ピュアホワイト

水性シリコンアクリル外かべ用(アサヒペン)

 

出典:Amazon – アサヒペン – 水性シリコンアクリル外かべ用

厚塗りしてもタレにくく、扱いやすい製品です。耐久性が優れているうえに、カビ・藻(モ)・コケの発生も防ぎます。参考価格として、凸凹面に塗る際は「500~700円/㎡」、平らな面に塗る場合は「170~220円/㎡」です。「アサヒペン強浸透性水性シーラー」を下塗り材にします。

参考)アサヒペン公式サイト- 水性シリコンアクリル外かべ用

水性アクリルシリコン外かべ用(アトムハウスペイント)

出典:楽天 – アトムハウスペイント 水性アクリルシリコン外かべ用 14L オフホワイト

汚れが付きにくく、また付いた汚れが落としやすい塗料です。紫外線劣化防止剤が入っており、色つやが長持ちします。参考価格として「300~400円/㎡」ほどです。下塗り材は「水性下塗剤」を使います。

参考)アトムハウスペイント – 水性アクリルシリコン外かべ用

参考:DIY用塗料の代表的メーカー

  • アサヒペン
  • ニッペホームプロダクツ
  • アトムハウスペイント
  • サンデーペイント 等

DIYに必要な道具

モルタル外壁をDIYで塗装するのに必要な道具について、一覧にまとめました。

道具 用途 必要度
塗料

出典:アスクル – ニッペホームプロダクツ 弾性ブロック・外カベ用S
外壁塗装に使用する塗料 必須
ローラー

外壁リフォーム

外壁に塗装する 必須
ハケ

ローラーで作業しづらい箇所を塗装する 必須
つなぎ棒

参考:モノタロウ – ローラー継棒
手の届かない箇所のローラーで塗装する際に使う 任意
脚立

出典:モノタロウ – はしご兼用脚立 PRS-WA
手の届かない箇所の塗装に使う 任意
手袋や軍手

出典:モノタロウ – 綿特日本一軍手 600g キナリ 10ゲージ
作業する際に手を汚さないようにする 任意
マスキングテープ

出典:モノタロウ – テープ付養生シート マスカー
塗料で汚したくない箇所を覆う 任意
古新聞 塗料で汚したくない箇所や地面に敷いておく 任意
汚れてもいい服 塗装するときに使う 任意
★速乾セメント

出典:モノタロウ – 超速乾セメント
塗装前に外壁の剥がれている箇所の補修 任意
★バケツ

出典:モノタロウ – 超速乾セメント
速乾セメントを入れておく容器 任意
★コテ

出典:モノタロウ – 中塗鏝
速乾セメントを外壁に塗る 任意
★水道水 速乾セメントを作るための材料 任意
★スコップ

出典:モノタロウ – スコップ 樹脂製
速乾セメントと水を混ぜる 任意

※★:速乾セメントに必要な道具

DIYでモルタルの外壁塗装をする方法

モルタルの外壁塗装をDIYで実施する際は、「①汚れを落とす→②ひび割れなど補修する→③塗装しない箇所を養生する→④塗料を外壁に塗る」という順で実施してください。

またこちらの方法は、日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」という記事を参考にしています。

①汚れを落とす

塗装をする前に、ホコリや汚れを落としておきます。

外壁全体をかための手ぼうきなどでホコリや風化した表面を落とします。

引用:日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」

②ひび割れなど補修する

モルタルが剥がれている箇所がある場合は、速乾セメントで上から塗っておきましょう。

外壁のはがれている部分などは、速乾セメントなどで補修しておきます。ヘアークラック(毛すじほどのヒビ)は塗料で埋まります。

引用:日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」

③塗装しない箇所を養生する

建物の外側で塗料をつけたくない箇所には、しっかりとテープや古新聞を使って養生するようにしてください。

窓ワクなど、塗料がついて困るところはマスキングテープや古新聞でおおっておきます。また、壁の下の地面にも古新聞を敷いておきましよう。

引用:日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」

④塗料を外壁に塗る

汚れ落としや養生など下準備が完了したら、実際に外壁に塗料を塗っていきます。

ローラーで塗りにくい箇所、狭い場所や奥まった部分、境界部分はハケで塗っておきます。その後で面積の広い部分はローラーで塗ると効率が良いです。

隅の部分などは先にスジカイバケで塗っておき、全体をローラーで塗ります。
骨剤入りの塗料の場合は、図のようにローラーを押さえつけて、ゆっくりと、一方向にローラーを転がすと塗料が飛び散りません。

引用:日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」

また高いところを塗る際は以下にも気をつけてください。

ローラーにつなぎ棒をつけて塗ります。ただし、骨剤入りと弾性塗料の場合、長柄のローラーでは押さえがきかないので、脚立などを使い、足場を工夫して塗ってください。

引用:日本DIY・ホームセンター協会の「モルタル外壁の塗りかえ」

 

また上記の手順とは異なりますが、以下のYouTube動画もモルタルの外壁塗装をDIYする方法がわかりやすいです。

動画でDIYイメージを膨らませたい方は、ぜひご覧いただければと思います。

ニッペホームプロダクツ – 【DIY】モルタル、サイディング、コンクリートなどの外壁の塗り方【水性シリコン外カベ用】

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まとめ

モルタル外壁に塗装が必要なサインは?

チョーキング、ヘアークラック、塗装の浮き・剥がれ、構造クラックがなどあります。詳しく知りたい方はモルタル外壁に塗装が必要なサインをご覧ください。

モルタル外壁に合う塗料は?

モルタル外壁には「弾性塗料」という、塗膜が伸び縮みしてヒビを起こしにくい性能のものがオススメです。モルタル外壁にはひび割れがおきやすいという特徴があるためです。詳しくはモルタル外壁に合う塗料は?をご覧下さい。

モルタルの外壁塗装はDIYできる?

モルタル外壁はDIYできますが、色あせやヘアークラック(髪の毛程度の細さのヒビ)など軽微な劣化の場合のみにしておきましょう。詳しくはモルタルの外壁塗装はDIYできる?をご覧下さい。

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▼書籍

  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2022年度版』一般社団法人経済調査会 2021