養生とは、コーキング材が余計な部分につかないように養生テープとも呼ばれる『マスキングテープ』で覆うことをいいます。
たしかに、外壁の塗り替えや防水工事の現場をみると、窓枠サッシやサイディングの目地のまわりに黄色や青色の紙テープが貼ってありますよね。
DIYでコーキングを施工するなら、やはりプロ業者と同じようにマスキングテープを貼って養生するべきですが、そこでみなさんが疑問に感じるのは「マスキングテープっていつ剥がすの?」ということでしょう。
コーキング材を充填したらすぐに剥がしても良いのでしょうか?それとも、コーキング材がしっかり乾燥してから剥がすべきなのでしょうか?
そこで本記事では、マスキングテープをはがす綺麗に剥がすタイミングや、コーキング作業でおすすめのマスキングテープランキングや比較ポイントなどについてもご紹介してます。
コーキングの仕上がりはマスキングテープを剥がすタイミングが重要!
「マスキングテープなんていつ剥がしても同じじゃないの?」
こう考えている方がいれば、それは大きな間違いだということを知っておいてください。コーキングの仕上がりの美しさはマスキングテープを剥がすタイミング次第です。
マスキングテープを剥がすタイミングを間違うと、コーキングがはみ出してガタガタとした仕上がりになってしまったり、マスキングテープが剥がれずに残ってしまったり、最悪の場合はせっかく充填したコーキング材がマスキングテープと一緒に剥がれてしまったりもします。
しかも、マスキングテープを剥がすタイミングは常に一定ではありません。使用したコーキング材の種類、季節、気温、天候、施工した時間などによって変化します。
業者依頼でもDIYよりオトクに塗装する方法
素人がDIYでマスキングテープを剥がすタイミングは、とても難しいです。かといって、業者に高い費用を払って施工してもらうのは気が引けますよね。
実は、助成金・火災保険が適用されれば、業者での施工費はグッと安くできます!とても魅力的な制度・サービスですので、是非とも利用を検討したいところです。
外壁塗装を安くするための助成金・火災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
マスキングテープはできるだけ早く剥がす!
マスキングテープを剥がすタイミングは「できるだけ早く」を心がけるのがコツです。
この「できるだけ早く」というのがポイントで、ただ「すぐ剥がす」のが正しいわけではありません。外壁補修のプロ業者がどんなタイミングで剥がしているのかに目を向けると、その理屈が理解できるでしょう。
コーキング材の違いを理解しておく
住宅の外壁に使用されるコーキング材は、おもに2種類です。
・ウレタン系
・変成シリコン系
コーキング材の種類としてはほか素材のものもありますが、外壁に使用できるのはこの2種類です。
ウレタン系は表面が塗装との密着性に優れているというメリットがありますが、硬化速度が遅く紫外線に弱いため露出できないという欠点があります。
変成シリコン系は硬化が早く耐候性に優れていて、さらに塗料の上塗りもできますが、わずかにウレタン系よりもお値段が高いという問題もあります。
外壁の目地のように塗装を前提としていない箇所であれば紫外線に強い変成シリコン系のほうが圧倒的に好まれますが、モルタル壁のヒビ補修のように上塗りが必要な箇所にはウレタン系のほうが適しています。ただし、目地も含めて外壁全体を塗装するのであれば、ウレタン系を使用することも間違いではありません。
コーキング材の硬化速度は、変成シリコン系で表面硬化まで1時間〜1時間30分、ウレタン系では表面硬化まで4時間程度といわれています。この表面硬化までの時間はおおむねの目安で、気温が高い夏では乾燥が早く、寒い冬は遅くなります。梅雨や天気が悪い日は、湿気が多いため硬化時間が遅くなるでしょう。
さらに、日光が当たって温度が上がりやすい日中は乾燥が早く、日陰が多くなる夕方では遅くなります。
施工する季節、天候、時間帯によって硬化時間には差があることを理解しておくことが大切です。
早すぎると糸を引き、遅すぎると剥がれにくくなる
使用するコーキング材によって硬化時間に差があることを理解したうえでマスキングテープを剥がすタイミングをはかります。
もし表面効果が始まっていないくらい早くマスキングテープを剥がしてしまうと、ペースト状で充填されたコーキング材はマスキングテープに引っ張られて糸を引いてしまいます。糸状に引っ張られたコーキング材が外壁に付着してしまうと、除去するのは一苦労です。
かといって、表面硬化が進みすぎてからマスキングテープを剥がそうとすると、マスキングテープとコーキング材が密着しすぎてしまい、剥がれにくくなってしまいます。マスキングテープが破れて残ったり、硬化した部分ごと引っ張ってしまってコーキング材自体が剥がれてしまうこともあるので、表面硬化が進みすぎてしまうと仕上がりが汚くなってしまうのです。
マスキングテープは、表面硬化がほどよく進んだタイミングでできるだけ早く剥がすのがベストです。
早すぎると跡が残り、遅すぎると仕上がりが汚くなる
マスキングテープを剥がすタイミングが早すぎると、コーキング材が糸を引いて充填した箇所の周りも汚してしまいます。たとえキレイに拭き取ったつもりでも、外壁にはわずかな段差が生じているため、塗装すると拭き取りの跡が浮き出てしまうでしょう。
日光の当たり具合によっては、外壁に影が落ちているような色合いになってしまうこともあるので、仕上がりが悪くなります。
反対にマスキングテープを剥がすタイミングが遅すぎると、コーキング材の端にマスキングテープの切れ端が残ってしまいます。
仕上げが丁寧ではない塗装業者に任せると、その上から塗料を塗ってごまかそうとしますが、切れ端が残っていたりコーキング材が剥げているせいで、塗装面にいびつな色調差が生じてツヤ感がなくなってしまい、仕上がりの見た目がとても汚くなります。
DIYで直すのは意外と大変…業者に修復してもらえる?
結局マスキングテープはいつ剝がしたらいいのか、専門知識がないから分かりづらいですよね。何となく剝がすタイミングは把握できたけど、いざ剥がすとなると「失敗するかもしれない」と悩むでしょう。
しかし、もしマスキングテープ剥がしに失敗してしまっても、専門業者に相談すれば修復してくれます。やり直しが効くと思えば、テープを剥がすタイミングを間違えたとしても少しは安心できますよね。一括見積もりサービスのヌリカエなら、全国2,500社以上の加盟店の中から、リーズナブルな優良業者に絞ってご紹介することができます。
ご利用は完全無料なので、もしマスキングテープを剥がした後の仕上がりに納得がいかなければ相談してみませんか?
マスキングテープを剥がすタイミングは「1面が仕上がる都度」がベスト
早すぎても遅すぎてもダメなマスキングテープを剥がすタイミング。
では、どんなタイミングで剥がせば良いのかというと、外壁補修のプロ業者は「1面が仕上がる都度」を目安にしています。
たとえば、1階の北面・東面・南面・西面の順で施工していく場合、まずはぐるっと1周、すべての面の養生とプライマー塗布を終わらせておきます。
次に、北面のすべての目地にコーキング材を充填してヘラで均したら、最初にコーキング材を充填して均したら箇所に戻りマスキングテープを剥がします。
同じように、東面のすべての目地にコーキング材を充填して均してマスキングテープを剥がす、南面のコーキングを終わらせて剥がす、という手順で「1面が仕上がる都度」でマスキングテープを剥がしていきます。
1面のコーキング材充填とヘラでの均しを終えると概ね1時間近くの時間が経っているはずなので、ほどよくコーキング材の表面が硬化し、マスキングテープを引っ張って剥がすとキレイに切れてくれます。1面あたりが狭かったり、コーキング材の硬化速度が遅い場合は、2面や3面、作業が早い職人なら全面が仕上がってから剥がすこともあります。
もし、DIYでコーキングを施工するのであれば、プロ業者のように手際よく充填・均しを繰り返すことはできないので、1本の目地が仕上がった都度で剥がしても良いでしょう。マスキングテープを剥がす前に、目立たない箇所を選んで充填済みのコーキング材を軽く指で触れてみてください。
ベチャッとコーキング材が指に付着するようならマスキングテープを剥がすのは早すぎで、グニっとゴムのような弾力があれば遅すぎます。「柔らかいが手にはつかない」くらいの感触であれば、一気にマスキングテープを剥がしてしまいましょう。
コーキング作業におすすめマスキングテープ
マスキングテープには実に様々な商品があります。そのため、コーキング作業に適したものはどれか悩んでしまうこともあるでしょう。コーキング作業におけるマスキングテープに求められるのは、耐水性や適度な粘着力、テープ幅のバリエーションなどです。
そこで本章では、コーキング作業におすすめのマスキングテープ3商品をランキングでご紹介します。
特徴や参考価格、テープ幅のバリエーションなどについてもご紹介していますので、商品選びの参考にしていただければ幸いです。
なお、ランキングは大手ECサイトにおける売れ筋商品のデータをもとに作成したものになります。
順位 | 屋根材 | メーカー | 特徴 | 参考価格 | テープ幅 | 適用下地 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | ![]() マスキングテープ シーリング用 |
モノタロウ |
|
472円~ | 15mm 18mm 21mm 24mm |
内外装などの躯体部分など |
2位 | ![]() ニマスキングテープ(コンクリート・タイル・パネル用) |
ニトムズ(日東コメディカル) |
|
153円~ | 18mm 21mm 50mm |
コンクリート壁や各種パネル・サイディングボード目地材など |
3位 | ![]() シーリング用マスキングテープ No.3303-HG |
カモ井加工紙 |
|
681円~ | 12mm 15mm 18mm 21mm 24mm 30mm |
内外装などの躯体部分など |
データ出典:2025年5月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
ご紹介したマスキングテープ工具について、それぞれ詳しく解説します。
1位:モノタロウ「マスキングテープ シーリング用」
あらゆる建設資材や工具などを扱う通販サイト「モノタロウ」から販売されているマスキングテープです。
低温や湿潤面でも変わらない接着力で、コーナーの折り返しや落とし目地でも切れにくいのが特長です。
アクリル系の粘着剤を採用しているため、耐候性・耐水性にも優れ、長時間の作業でも糊残りが少なく、仕上がりが綺麗に保てます。
2位:ニトムズ「マスキングテープ(コンクリート・タイル・パネル用)」
特殊基材を使用しており、直線だけでなく曲線にも柔軟に対応し、凹凸のある面にもよくなじみます。
手で簡単に切れるほか、巻き戻しも軽いため、作業性が高いのが魅力です。コンクリート壁やサイディングボード、タイルやサッシなど幅広いマスキング作業に使うことができます。
3位:カモ井加工紙「シーリング用マスキングテープ No.3303-HG」
業務用のハイグレードなシーリング用マスキングテープです。粘着用品で歴史と実績のある「カモ井加工紙株式会社」が販売しています。
従来品よりも低温環境やプライマー使用時でも紙切れしにくい点が魅力です。紙が薄く柔軟性があるため、コーナーの折り返しや目地部分でも浮きにくく、しっかりとマスキングできます。
マスキングテープを選ぶときの比較ポイント
マスキングテープには実に様々な種類がありますが、コーキングする場所や使用用途などによってベストな商品は異なります。
ベストなマスキングテープを選ぶためには、下記の3つのポイントを比較すると失敗しないでしょう。
- 耐水性のあるものを選ぶ
- 幅は15mm~20mmがベスト
- 貼り直せるタイプが便利
それぞれの比較ポイントについて詳しく解説します。
耐水性のあるものを選ぶ
マスキングテープは、屋内外問わず塗れる可能性がある場所で使うことが多いため、耐水性のある商品を選ぶとよいでしょう。
耐水性のあるテープは湿った面にも粘着力を保ち、作業中に浮いたり剥がれたりしにくいため、安定した仕上がりに期待できます。
特に、お風呂場や外壁のコーキング作業では、糊残りを防ぐためにも、耐水性の高い製品を選ぶことが大切です。
幅は15mm~20mmがベスト
一般的な住宅のシーリングや塗装作業には、15mm~20mmの幅が使いやすく、養生しやすいサイズです。
細すぎるとコーキングがはみ出す可能性が高く、太すぎると細かい部分のマスキングに不向きです。15~20mmは手になじみやすく、あらゆる箇所のコーキングに対応できるため使い勝手がよくなります。
貼り直せるタイプが便利
作業中にテープの位置を微調整したい場面では、貼り直せるタイプのマスキングテープが便利です。
張り直せるタイプは一度貼った後でも紙が破れにくく、粘着力が持続するため、何度か位置を変えても確実に養生できます。
また、初心者のDIYや不慣れな部位の施工では、失敗をリカバリーしやすくなるので、作業のストレス軽減にもつながるでしょう。
まとめ
しっかりと外壁補修の経験を積まないと、マスキングテープを剥がすベストなタイミングをはかるのは至難の技です。
DIYでコーキングにチャレンジしたい方は、まずは硬化速度が早く施工性が高い変成シリコン系を使って「目地1本が仕上がる都度」を目安にマスキングテープを剥がせば失敗を避けることができるでしょう。
コーキングの仕上がりの美しさを左右するのは「マスキングテープを剥がすタイミング」です。プロ業者が実践しているポイントを参考に、DIYでも美しい仕上がりを実現しましょう。