ガルバリウム鋼板の外壁の種類は?デザイン例や人気メーカーランキングも紹介!

「ガルバリウム鋼板ってどんな素材?」「外壁に使うとどんな特徴があるの?」「デザインはどんなものがあるの?」
上記のような疑問をお持ちの方へ、本記事ではガルバリウム鋼板の特徴やおしゃれなデザイン事例などをご紹介しています。
希望条件をチェックするだけでおすすめな外壁材が分かるツールもありますので、外壁材選びの参考となれば幸いです。
この記事を監修しました
株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

そもそもガルバリウム鋼板外壁の特徴とは?
ガルバリウム鋼板は、1972年にアメリカで開発され、1982年に商品化された金属素材です。
金属鋼板にアルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の質量比でメッキを施したもので、「アルミ亜鉛合金めっき鋼板」とも呼ばれます。なお日本のJIS規格では「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」が正式名称です。
一般的な亜鉛100%のメッキ鋼板であるトタンと比較すると、ガルバリウム鋼板は亜鉛の割合が低いものの、アルミニウムの酸化被膜(不動態皮膜)と亜鉛の犠牲防食作用という二重の保護機構により、トタンよりも高い防食性を誇るのが特徴です。
耐用年数が長かったり、耐震性が高かったりとさまざまメリットがあります。そのため、現在では多くの建材メーカーが製造する、外壁素材の主流のひとつとなっています。
なお、ガルバリウム鋼板を利用した外壁リフォームの費用は、一般的な30坪住宅の場合、張り替え工事の場合で250~300万円、カバー工法の場合で220~270万円が相場です。
ガルバリウム鋼板外壁のメリット

ガルバリウム鋼板を外壁にするメリットとしては、主にこの4点が挙げられます。
ガルバリウム鋼板は軽量でありながら耐久性が高いため、窯業系サイディングと並んでよく使われる外壁材です。それぞれのメリットについて詳しくみていきます。
耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板は、その耐久性の高さから耐用年数が長いという大きなメリットがあります。
ほかの外壁材との耐用年数の比較は以下の表の通りです。
<ガルバリウム鋼板とほかの外壁材の耐用年数の比較>
| 項目 | 耐用年数 |
|---|---|
| ガルバリウム鋼板 | 約20~40年 メンテナンス周期:約10~15年 |
| 窯業系サイディング | 約20~40年 メンテナンス周期:約7~10年 |
| トタン | 約10~20年 |
ガルバリウム鋼板は約10~15年に一度塗装メンテナンスを行うことで、耐用年数通りの利用ができます。
メンテナンス頻度もほかの外壁材よりも少ないため、メンテナンスコストを含めたトータルのコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。


防水性が高い
ガルバリウム鋼板は金属製であるため、水に非常に強く、内部に水が染み込みにくいというメリットがあります。
ガルバリウム鋼板と比較される窯業系サイディングはセメントが主成分となっているため、水分を吸収しやすく、凍害や侵食のリスクがある点とは対照的です。
ガルバリウム鋼板は、吸水しにくく凍害にも強い特性を持っているため、寒冷地での利用も問題ありません。
耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は、非常に軽量であることも特徴です。
外壁材自体の厚みが1mmにも満たないのに対し、重さも窯業系サイディングの約1/3しかありません。
軽量であることで、建物全体の重量を最小限に抑え、地震の揺れによる建物への負担を軽減し、耐震性を高く保つことが可能です。
錆びにくい
ガルバリウム鋼板は「金属は錆びやすい」という一般的なイメージとは異なり、錆びに強い特徴を持っています。
ベースとなる鋼板に施されたアルミニウムと亜鉛、シリコンの合金メッキによる特性です。アルミニウムの耐食性に加えて、亜鉛の犠牲防食作用の二重の保護機構になっているため、高い耐久性と耐食性を実現しています。
しかし、完全に錆びないわけではないため、定期的な洗浄によるメンテナンスなどは必要不可欠です。
ガルバリウム鋼板外壁のデメリット

ガルバリウム鋼板の主なデメリットは、この3つになります。他の外壁材と比べて傷が付きやすく目立ちやすい、沿岸地域では錆びる可能性がある点に注意が必要です。
各デメリットについて詳しく解説していきます。
施工費用が高め
ガルバリウム鋼板の施工費用は、他の主要な外壁材と比較して高めです。ガルバリウム鋼板と主要な外壁材の施工費用は以下の表の通りです。
<ガルバリウム鋼板と主要な外壁材の施工費用の比較>
| 項目 | 施工費用 |
|---|---|
| ガルバリウム鋼板 | 約180~230万円 |
| 窯業系サイディング | 約110万円 |
| ALC | 約180万円 |
| タイル | 約100万円 |
施工費用は高めですが、耐用年数が長くメンテナンス頻度が少ないため、長期的な視点で見た場合はほかの外壁材よりも優れたコストパフォーマンスを発揮します。
ただし、施工時点での費用はほかの外壁材よりも高めになることは押さえておきましょう。
窯業系サイディングをはじめとした、ほかの外壁材についての詳細は以下の記事でまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
◆ほかの外壁材についての記事◆
「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方はこちらから。
>>「窯業系サイディングとは?ガルバリウムとの比較や後悔事例を紹介!」
「ALC」について詳しく知りたい方は、こちらから。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
「ラジカル塗料」について詳しく知りたい方は、こちらから。
>>「外壁タイルの種類とデザインまとめ。メーカー別おすすめ製品も紹介」
衝撃でへこみやすい
ガルバリウム鋼板は、厚さが0.4~0.5mm程度の薄い金属板であるため、衝撃には弱いというデメリットがあります。
たとえば、バケツやボールが当たっただけでも簡単にへこんだり、傷がついてしまうことがあります。そのため、車庫入れのミスやお子様がいる家庭はボール遊びに注意が必要です。
万が一、衝撃によって傷がついてしまうと、そこから錆が一気に広がる可能性もゼロでありません。
断熱性、遮音性が低い
ガルバリウム鋼板は薄い金属板であるという性質上、単体では断熱性や遮音性が低いのがデメリットです。
対策をせずにガルバリウム鋼板だけを設置してしまうと、外部の気温が室内に伝わりやすかったり、雨音が響きやすかったりする場合があります。そのため夏は暑く、冬は寒い室内環境になりかねません。
現在は断熱材や遮音材が組み合わせて使われることが増えてきており、断熱一体型のガルバリウム鋼板も普及しています。
また、断熱塗料や遮熱塗料を選ぶことで、さらに断熱性能を向上させることも可能なため、自宅周りの環境を確認して業者と相談することがおすすめです。
【診断】ガルバリウム鋼板にするか迷ったら
以下は、当てはまる部分をチェックいただくことで、ご自宅にとってガルバリウム鋼板があっているかどうか簡単にわかる診断ツールとなっています。
ガルバリウム鋼板を含め、どの外壁材がよいか悩んでいる方はぜひお使いください。
自宅をガルバリウム鋼板外壁にした際のイメージを確認
ガルバリウム外壁は多様なデザインパターンが大きな魅力です。
そこで本章では、主なデザインである「スパン調」「積石調」「細石調」ごとの事例をご紹介します。
<ガルバリウム外壁の主なデザインパターン3種類の比較>
| 種類 | 特徴 | 与える印象 | メリット |
|---|---|---|---|
| スパン柄 | 素材の金属感を押し出した、スタイリッシュなデザイン | スタイリッシュ、モダン | カラーバリエーションが豊富 色落ちやサビの保証が付いている製品も多い |
| 積石柄 | さまざまな色・大きさの石を組み合わせたデザイン | 温かみ、スタイリッシュ | つなぎ目が目立たない 単調にならないデザイン性 |
| 細石積柄 | 石一枚あたりの模様がより細長くなったデザイン | まとまりがある | 模様が細かく陰影が際立つ 白系や暖色系の色でも間延びしない |
①金属の印象がもっとも強い「スパン柄」

素材の金属感を押し出した、スタイリッシュな家にしたいなら、「スパン柄」のガルバリウム外壁材がおすすめです。
とくに黒やダークグレーを選べば、高級感とモダンさを兼ね備えた、人目を引くデザインに仕上がるでしょう。
スパン柄のガルバリウム外壁材は、カラーバリエーションが多いことや、色落ちやサビの保証がついていることも多く、美観の維持の観点からも魅力的な製品です。
スパン柄のガルバリウム外壁の施工事例

ダークメタリック色のガルバリウム鋼板を外壁に使った例。
玄関ドアやベランダの手すりにポイントで使った木材とよくマッチし、光沢により印象も暗くなりすぎていません。

張り出した2階部分にブラック系のガルバリウム鋼板を使用。
スクエア型の白・黒・濃茶のバランスが、アートのような家を演出しています。
スパン柄のガルバリウム外壁材の例
- アイジー工業「アイジーサイディング シンプルモダンシリーズ SP-ガルスパン」
- ケイミュー「はる一番 シンプルシリーズ16 スマートスパン柄」
- ニチハ「センターサイディング プレミアムシリーズ NS型 ネオスパン プレミアム」
②堅牢な印象を与える「積石柄」

さまざまな色・大きさの石を組み合わせ模様である「積石柄」デザイン。
自然物の温かみと岩石のスタイリッシュさ、どちらの印象も与えることができる人気のデザインです。
積石柄のガルバリウム外壁の施工事例

積石型のガルバリウム外壁材を全面張りした、頑丈な印象の家。
金属系サイディングを使っているのに、つなぎ目が目立ちにくいのも積石柄の特徴です。

こちらも、クリーム色の積石柄サイディングを全面的に使った家。
単色の積石柄を基調に、複数色の積石を玄関、窓の下、角にライン使いし、シンプルながら単調にならないデザインになっています。
積石柄のガルバリウム外壁材の例
- 旭トステム「Danサイディング スチール 深絞り ベルクSF」
- ニチハ「センターサイディング iシリーズ グラニット」
③繊細な陰影が得られる「細石積柄」

積石柄と似ていますが、石一枚分あたりの模様がより細長くなったのが「細石積柄」。
模様が細かくなり陰影が際立つことで、白系や暖色系の色でも間延びせずまとまりの良いイメージを与えられるのがメリットです。
細石積柄のガルバリウム外壁の施工事例

細石積柄の部分と、ゴツゴツした彫石調の部分を共にオレンジ系でまとめて一体感を出した、欧風デザインの一戸建て。
写真には写っていませんが、玄関ドアやカーポートの床なども赤茶系で統一し、非常におしゃれな仕上がりになっています。

濃いグレーと薄いグレー、2種類の細石積柄の金属系サイディングを使用した家。
屋根を含めモノトーンでまとめられているので、おしゃれなツートンレイアウトを使いながら、ご近所のなかでも悪目立ちしない印象になっています。
細石積柄のガルバリウム外壁材の例
- ケイミュー「はる一番 デザインシリーズ16 長石柄Ⅲ」
- ニチハ「センターサイディング iシリーズ ファインボーダー」
- 旭トステム「Danサイディング スチール 深絞り ソリッドボーダーⅡSF」
ガルバリウム鋼板外壁で人気のメーカーTOP5
国内のガルバリウム鋼板のメーカーは多くあります。ヌリカエにおける施工データ2,655件から、特に人気なメーカーはアイジー工業となりました。
また、2位のニチハやケイミューなども、ガルバリウム鋼板に強みのある建材メーカーです。なお、5位の日鉄鋼板はガルバリウムをはじめとしたさまざまな金属素材を生み出している大手建材・素材メーカーとなります。
各メーカーごとに1位から詳しく解説していきます。

第1位:アイジー工業

金属サイディング業界のパイオニアとして知られ、国内トップクラスのシェアを誇るメーカーです。
同社の「アイジーサイディング」や屋根材の「アイジールーフ」は、金属板と断熱材を一体化させた構造により、優れた断熱性と遮熱性を実現しています。特に、金属の質感を活かした「SP-ガルスパン」シリーズは、シンプルでスタイリッシュなデザインが評価されており、モダンな外観が人気な製品です。
参考:アイジー工業

第2位:ニチハ

ニチハは、窯業系サイディングの最大手として知られているメーカーです。金属製外壁材「センターサイディング」においても豊富なデザインバリエーションと長期保証に強みがあります。
木目調やレンガ調に加え、他社にはないリーフ柄などの個性的な意匠も取り扱っており、デザインにこだわりたい層に適しているでしょう。断熱材一体型の屋根材「横暖ルーフ」もリフォーム市場で人気が高く、外壁と屋根をトータルでコーディネートできる点も魅力です。
参考:ニチハ

第3位:ケイミュー

施工性の良さと高い防錆技術に定評がある大手外装建材メーカーです。主力商品の「はる一番」シリーズでは、遮熱性フッ素焼付塗装を施した高耐久な製品を展開しており、色あせに強いのが特徴です。
シンプルなストライプ柄からリアルな石積柄までデザインも幅広く、ウェブ上で外観の仕上がりを確認できるシミュレーションツール「ケイミューパース」が充実している点も、施主にとって大きなメリットとなっています。
参考:ケイミュー

第4位:旭トステム

旭トステムは、LIXILグループに属している大手外壁・屋根材メーカーです。技術力を活かし、独自の「深絞り技術」によって金属素材でありながら彫りの深いリアルな質感を表現することを得意としています。
主力シリーズの「Danサイディング」は、本物の木材や石材のような凹凸感を持つため、金属特有の無機質さを抑えたい場合に最適です。また、セルフクリーニング機能付きの塗料を採用するなど高耐候性にも優れており、美観を長く保つための機能が充実しています。
参考:旭トステム

第5位:日鉄鋼板

製品としての建材だけでなく、ガルバリウム鋼板という「素材」そのものの市場で高いシェアを持つ鉄鋼メーカーです。
エスジーエル(SGL)などの高耐久次世代ガルバリウム鋼板の開発・製造元でもあり、素材の特性を知り尽くしたメーカーならではの信頼性の高さが最大の特徴です。デザインの多様性よりも、原板の品質や素材としての堅実な耐久性を重視する建築現場やプロフェッショナルから選ばれています。
参考:日鉄鋼板

まとめ
ガルバリウム鋼板外壁は、金属鋼板にアルミニウム(55%)、亜鉛(43.4%)、シリコン(1.6%)の質量比でメッキを施した素材のことです。
外壁材のなかでも耐用年数が長めで、軽量であることから耐震性が高いといった特徴があります。パフォーマンスの高さから、窯業系サイディングと並んで広く使われている外壁材です。
近年は技術力の向上により、各メーカーから様々なカラーバリエーションやデザインパターンが販売されています。そのため、窯業系サイディングに次いでイメージ通りの外観を実現しやすい素材ともいえるでしょう。
