外壁塗装の全工程を解説!くわしい写真とスケジュールも公開

  • 【更新日】2023-02-27
外壁塗装の工程を写真つき解説

外壁塗装には、「塗料を塗る」以外にも多くの工程があります。
施工開始から完了までは大まかに9段階に分けられ、全工程の終了までは14日間(業者休業日の除く)前後かかります。

【外壁塗装の工程表】
目安日程 工程 作業内容
工事1~7日前 ご近所さんへ挨拶 ご近所さんへ外壁塗装の告知・挨拶をする
1~2日目 足場の組み立て 家の周囲に鉄パイプ製の足場を設置
3日目 高圧洗浄 高圧洗浄機で外壁表面の汚れを念入りに落とす
4日目 養生 塗料をつけたくない部分をビニールシート等で覆う
5~6日目 下地調整 外壁の穴やヒビを埋める、研磨する等の作業
7~8日目 下塗り 外壁面と次に塗る塗料の密着をよくする液材を塗布
9~10日目 中塗り ローラー、ハケ等で色付きの塗料を塗る(1回目)
11~12日目 上塗り ローラー、ハケ等で色付きの塗料を塗る(2回目
13日目 チェック・引き渡し 仕上がりや不備の有無を家の住人とともに確認
14日目 足場の解体 歩行部分や固定用の部材を外し、足場を鉄パイプに戻し撤収

本記事では、それぞれの工程を詳しく解説していきます。

Point
  • 外壁塗装は足場の組み立て、高圧洗浄、養生、下地調整、下塗り、中塗り・上塗り、引き渡し、足場解体という9工程
  • 工事期間は約2週間かかる

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装の工程一覧

ご近所さんへ挨拶

工程概要:ご近所さんへ外壁塗装の告知・挨拶をする

工事が始まる前にご近所さんへ挨拶をします。

外壁塗装は工事中の騒音や、塗料の悪臭・飛散の恐れがある工事です。

工事前は、トラブルを予防するため、必ず工事の告知と挨拶を行ってください。

足場の組み立て

工程概要:家の周囲に鉄パイプ製の足場を設置

工事の前に、高所作業用の足場を組みます。

足場は、塗装作業中の安全確保・職人さんの体勢を安定させるために必要な工程です。

足場を組み立てる際には、家の周囲の物の移動や植栽の撤去などが必要となることがあります。

「足場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

高圧洗浄

工程概要:高圧洗浄機で外壁表面の汚れを念入りに落とす

塗料を塗る前に、高圧洗浄機で長年で定着した汚れを落とす工程です。

高圧洗浄は、汚れの上から塗装してしまうと、塗膜の耐久性が下がり、仕上がりの美しさも落ちるため必要な作業となっています。

洗浄そのものは半日から1日かけて行いますが、洗浄後に最低でも24時間、下地の条件や気候条件によっては48時間の乾燥時間が必要です。

そのため、業者がもともと休みであるの定休日の前日などに行うのが合理的です。

「高圧洗浄の費用や効果」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

養生

工程概要:塗料をつけたくない部分をビニールシート等で覆う

養生とは、マスキングテープやビニールカバーで、窓サッシや床との境い目、エアコン室外機、雨樋・植木などの塗料が付着すると困る部分を覆う工程です。

周囲の汚れを防げるだけでなく、塗装範囲の端をきれいな直線に仕上げるためにも必要な作業です。

期間としては半日程度で終わる作業ですが、大きな家では丸1日以上かかることもあります。

「外壁塗装の養生」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

下地調整

工程概要:表面の穴やヒビを埋める、研磨する等の作業

外壁表面に荒れや損傷がみられる場合、表面の研磨や穴の補修をする「下地調整」という工程をこの段階で行うことになります。

建物の劣化が著しい場合は数日にわたって作業をする場合もあります。

下地調整については、記事後半でも詳細に解説しています。

下塗り

工程概要:外壁面と次に塗る塗料の密着をよくする液材を塗布

色がついた塗料を塗る前に、「シーラー」「フィラー」と呼ばれる下塗り材を、塗装範囲全体に塗る工程です。

下塗り材は本来は1工程の塗布で済みますが、劣化の具合によっては下塗り材の吸い込みが激しいため、2工程以上の作業が必要になることもあります。

下塗り・中塗り・上塗りの工程の間には乾燥時間が必須です。

そのため、1日に塗装が2工程以上すすむことはまずありません

「1日で中塗りと上塗りを済ませた」という業者は、工程を省略して手抜き工事をしている疑いがあるため注意してください。

なお、金属系外壁材の場合は「プライマー」というさび止め成分入りの下塗り材が使われます。

「下塗り」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

中塗り

工程概要:ローラー、ハケ等で色付きの塗料を塗る(1回目)

中塗りは、下塗りの後・上塗りより前の2層目の作業です。

職人は、塗料の調合や塗布量・乾燥時間など、塗料メーカーの標準仕様書に記載されている通りに塗装をおこないます。

塗装は通常「三回塗り」 外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程行うのが基本中の基本です。このことを指して、見積もりなどでは「三回塗り」と表記されます。

三回塗りについては、記事後半でも詳細に解説しています。

上塗り

工程概要:ローラー、ハケ等で色付きの塗料を塗る(2回目

最後に上塗り工程を行います。

上塗りはもっとも外側となる層なので、下塗り・中塗りとは違い、実際に仕上げたい色で塗装します。

養生をはがすのは上塗りの直後 養生は、上塗りが乾かないうちに手早く剥がします。乾燥がはじまってから養生を剥がそうとすると、テープと一緒に塗膜が取れ、きれいな塗装が台無しになるおそれがあります。

「上塗り工程」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

チェック・引き渡し

概要:仕上がりや不備の有無を家の住人とともに確認

上塗りの乾燥後、施主と一緒に足場にのぼり、塗装の仕上がりをチェックして回ります。

施主は必要に応じて質問を行い、問題がなければ現状で引き渡しとなります。

足場の解体

工程概要:歩行部分や固定用の部材を外し、足場を鉄パイプに戻し撤収

引き渡しのためのチェックが済んだら、足場を解体し作業終了となります。

以上で外壁塗装の工程は終了です。

「足場の解体」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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外壁塗装工程でよくある質問

外壁塗装の工程のなかでも、特によくある質問が「下地調整の必要性」と、下・中・上塗りの「三回塗りの意味」です。

これらの工程の必要性や意味は、外壁塗装の専門知識が求められるため、理解することが難しいかもしれません。

ここからは、「下地調整の必要性」と「三回塗りの意味」について、簡単に、そしてわかりやすく解説をします。

施工不良の原因になるため下地調整は必須

外壁塗装の工程表や見積もりに、「下地調整」「下地補修」「下地処理」といった記載がある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

下地調整は塗装の仕上げを左右する重要な工事工程です。

下地調整が不十分な状態で塗装をすると下記のような施工不良が発生します。
施工不良一覧
  • ひび割れの発生
  • 塗装の剥がれ
  • サビの発生

このような施工不良を防ぐため、明らかな汚れ、傷等がある外壁に対しては、下地調整がかならず必要です。

また、下地調整を疎かにすると、場合によっては雨漏りの原因にもなり、のちに高額な修理費用が発生する恐れもあります。

下地調整の工事内容は、外壁材の種類や劣化状況について異なります。

下記は、外壁材の種類別の下地調整の内容です。

外壁材の種類 下地調整の内容
窯業系サイディング コーキングの打ち替え・増し打ち
金属系サイディング ケレン作業(サビ落とし・ヤスリがけによる研磨)
モルタル ひび割れのコーキング・欠けや穴への樹脂やパテ充填
共通 サッシ周囲のコーキングの打ち替え・増し打ち・パテ充填

お手元に工程表や見積もり書がある方は、下地調整の作業内容を確認してみましょう。

下地調整に手抜き工事があった場合、外壁塗装が長持ちせず、メーカーの期待耐用年数より早く寿命が到来しかねません。

各下地調整の内容については詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

▼「コーキング」について詳しく知りたい方はこちら
>>外壁コーキングの種類と補修方法、シーリングとの違いを解説!

▼「ケレン」について詳しく知りたい方はこちら
>>ケレンとは?塗装に欠かせない理由や費用相場について解説

▼「パテ充填などモルタルの下地補修」について詳しく知りたい方はこちら
>>モルタル外壁の補修方法とは?劣化症状やメンテナンス周期も解説

▼「下地調整全般」について詳しく知りたい方はこちら
>>塗装の下地処理とは?方法と費用を解説! | 外壁塗装の基礎知識

三回塗りは外壁塗装の基本

外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程行うのが基本中の基本です。

このことを指して、見積もりなどでは「三回塗り」と表記されることがあります。

それぞれの工程の意味を下記にまとめました。

下塗りの意味
  • 下地と中・上塗り塗料との密着性を高める
  • 下地と中・上塗り塗料の吸い込みすぎを防ぐ
  • 下地の色を隠す
  • さび止めをする
中・上塗りの意味
  • 二回塗りすることで、塗膜の厚みを作り耐久性を高める
  • 色のついた塗料を使って希望する色味を出す

繰り返しになりますが、三回塗りは外壁塗装の基本です。

それぞれの工程には意味があり、どの工程も欠かせないことを抑えておきましょう。

見積もり書や工程表に「三回塗り」といった記載があったとしても、注意や警戒をする必要はありません。

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優良業者を見極めるポイント

優良業者を見極めるポイントは、下記です。

外壁塗装工事では、業者や職人さんの技術の質により、仕上がりの質が大きく異なります。

高額な費用を支払う工事になりますので、慎重に業者を選んでください。

最後に、優良業者を見極めるポイントを紹介します。

適切な見積もり書を作成している

適切な見積もり書を作成してくれる業者を選びましょう。

ここまで紹介した通り、外壁塗装には多くの工程があります。

優良業者は、作業の内訳を詳細に見積もり書へ記載します。

逆に、工事工程が省略されていたり、数量や単価を「一式」と記載しているような、内訳が不明瞭な見積もりを作成する業者も中にはいます。

見積もり書には、どの工程で・どんな塗料を・どれくらい使用するか、材料名・数量・単価が明記されているかどうか確認しましょう。

▼「外壁塗装の見積もり」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装の見積もり実例を公開!あぶない見積もりの特徴も解説

工事中の写真を撮って報告している

工事中の写真を撮って報告してくれる業者を選びましょう。

外壁塗装の工事工程の解説で紹介しましたが、外壁塗装には、下塗りや下地補修など、手抜きが見分けにくい工程があります。

また、工事中は自宅を留守にするシーンが出てくることもあるでしょう。

工事中の写真を撮ってもらえれば、その日にどんな作業をやったか、工程通りにきちんと進められているか、工事内容をチェックすることができます。

すべての業者が手抜き工事をするわけではありませんが、このように写真を撮って、丁寧に作業報告をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

作業内容を写真に撮って記録・報告してもらえるかどうか業者に尋ねることをおすすめします。

▼工事中の写真を撮って報告してくれる業者の例を知りたい方は、下記のサイトをご覧ください。
>>塗装工程も写真で記録!工事後は 完工報告書 をお渡ししております。

保証内容・アフターフォローが整っている

保証内容が整っている業者を選ぶようにしましょう。

工事完了後、隅々まで仕上がりチェックを行ったつもりでも、しばらく経った頃に不具合が起きたり、寿命より早く劣化症状が発生することもあります。

そのようなケースに備えて、保証内容が整った業者に工事をしてもらえると安心です。

お客さんのことを第一に考える業者の中には、定期的な診断、不安なことがないか充実したアフターフォローを行ってくれる業者もいます。

外壁塗装の保証・アフターフォローが整っている業者を選ぶようにしましょう。

ただし、保証にはさまざまな種類があるので、注意をしてください。

▼「外壁塗装の保証」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装に保証はある?保証期間やトラブル事例、注意点も解説

また、ヌリカエでも、「ヌリカエ保証」という瑕疵保証を設けています。

「令和4年度住宅ストック維持・向上促進事業」の「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」に採択された国土交通省お墨付きのサービスです。

ご興味のある方は、下記ページをご覧ください。
ヌリカエ保証 外壁&屋根サポート

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【外壁塗装の工事中でよくあるトラブル】

外壁塗装の工事中でよくあるトラブルは下記の通りです。

よくあるトラブル
  • 最終日と初日は騒音が発生する
  • 悪天候で塗装できない日があり、工期が延びる
  • 塗装中は洗濯物が干せなかったり、窓が開けられない日がある

ここからは、これらのトラブルとその対策方法について解説します。

最終日と初日は騒音が発生する

工程の中でいう「仮設工事」と「足場解体」は足場を組み立てたり解体する作業があるため、騒音が発生します。

この騒音が原因で、ご近所さんとトラブルへ発展するケースが少なくありません。

こうした外壁塗装での近隣トラブルを防ぐポイントとして、やはり事前に外壁塗装の工事をする旨を伝えることが最も有効です。

工事前に近隣の方に挨拶へ行く場合、この旨を近隣の方へ説明しておくと、トラブル対策になります。

騒音以外にも、施工期間中は業者の出入りもあるため、ご近所の方に多少なりとも迷惑が掛かってしまいます。

近隣の方に理解してもらうためにも、ご近所の方にしっかりと着工前に挨拶回りをしておきましょう。

工程表のコピーと粗品(タオル等)などを一緒に持っていくとより配慮が感じられ、好印象です。

悪天候で塗装できない日があり、工期が延びる

外壁塗装は天候に左右される工事であるため、どうして雨天の中では工事をすることができません。

雨が降った場合は工期が延びてしまうので、工事が予定通り進んでいるか確認するためにも、業者から工程表を都度提出してもらうようにしましょう。

施主と円滑にやりとりをするため、最近では、LINEから進捗状況を報告する業者も増えているようです。

工事期間中は業者とマメに連絡を取るようにしましょう。

塗装中は洗濯物が干せなかったり、窓が開けられない日もある

塗装中は洗濯物が干せなかったり、窓が開けられない日もあります。

洗濯物が外に干せないなど、多少私生活に影響がでてしまうかもしれません。

また、塗料を塗る段階になると、塗料の匂いが気になる場面も考えられます。
近年の塗料は匂いが緩和されていますが、敏感な方は気になることがあります。

洗濯に対しては、なるべく洗濯物が出ないように工夫をしたり、コインランドリーを利用するのも手です。
臭いに対しては、自宅のなかでもマスクを着用したり、またどうしても臭いが気になる方は工事期間中は外出頻度を上げるのも一つです。

このような日常生活への支障を踏まえて、工事が始まる前に適切な準備をしておきましょう。

記事のおさらい

外壁塗装の工事期間は全部で何日?

全工程の終了までは14日間詳しく知りたい方は【外壁塗装の工程表】をご覧ください。

外壁塗装の工事中でよくあるトラブルは?

「最終日と初日は騒音が発生する」「悪天候で塗装できない日があり、工期が延びる」「塗装中は洗濯物が干せなかったり、窓が開れられない日もある」の3つです。

詳しくは【外壁塗装の工事中でよくあるトラブル】をご覧ください。

ご近所さんへの挨拶で持っていった方がいいものは?

「粗品として、タオルなど500円程度の日用品」「工程表のコピー」の2つです。

告知をする際は、お渡しした工程表のコピーをもとに、工事の開始・完了予定日、工事をする時間帯、どのような迷惑がかかる恐れがあるかを伝えるようにしましょう。

詳しくはご近所さんへ挨拶をご覧下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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