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外壁塗装するといくら?
屋根塗装の見積書に記載されている「縁切り部材:タスペーサー」って一体なんのこと?
ほとんどの方が初めて聞く言葉で、説明がないと想像も付きませんよね。
・タスペーサーってなに?
・タスペーサーってなんのために必要なの?
・見積もりのタスペーサー費用って適正なの?
と疑問を解消するために、タスペーサーとはなにか、目的や必要性、メリットとデメリットのほか、費用相場などについての情報を詳しく紹介していきます。
なお、費用相場については「ヌリカエ」における235件の見積もりデータをもとにご紹介しておりますので、見積もり金額に疑問がある方などもぜひご覧ください。
この記事を監修しました
株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
タスペーサーとは?屋根塗装で「縁切り」が必要な理由

タスペーサーの役割は「雨水の逃げ道」を作ること

タスペーサーの最大の役割は、屋根材の重なり部分に雨水の逃げ道を確保することです。
スレート屋根(コロニアルやカラーベスト)を塗装すると、屋根材同士の重なり目が塗料で塞がってしまいます。すると内側に入り込んだ雨水や湿気が排出されず、腐食の原因となります。タスペーサーは、この重なり部分に物理的な隙間を作り、通気性と排水性を維持するのが役割です。
従来は塗装後にカッターなどで塗膜を切る「手作業の縁切り」が一般的でしたが、現在は屋根材を傷めず、確実に隙間をキープできるタスペーサー工法が主流となっています。

タスペーサーを設置しないとどうなる?
タスペーサーを設置せず、縁切りが不十分な状態になると、「毛細管現象」によって雨漏りが発生するリスクが高まります。
毛細管現象とは、狭い隙間に液体が吸い上げられる現象のことです。屋根材の隙間が中途半端に塗料で埋まると、外から入った雨水が排出されずに逆流し、屋根の防水シート(ルーフィング)や野地板(下地の木材)まで到達してしまいます。
これが繰り返されることで、下地が腐食し天井からの雨漏りなどを引き起こしてしまうのです。
屋根の寿命を延ばし家全体の健康状態を守るためには、タスペーサーによる縁切りは欠かせない工程となります。見積書に「縁切り」や「タスペーサー」の項目がない場合は、必ず業者に確認するようにしましょう。

タスペーサーのメリット・デメリット
続いて、タスペーサーを使用した場合のメリットとデメリットについて確認しましょう。
主なメリットとデメリットを以下にまとめました。
タスペーサーのメリット
- 従来の方法と比較し、工数が抑えられる
- 工数が短いため、費用(人件費)が抑えらえる
- 塗料が再度密着することがなくなり、再度縁切り作業をする必要がない
タスペーサーのデメリット
- 屋根の状態が悪い場合は屋根材が破損する可能性がある
- タスペーサー分の費用がかかる
- 屋根材同士の幅が4㎜以上あると使用できない
タスペーサーを使用する大きなメリットは、従来のカッターによる作業よりも大幅に時間を短縮できることです。 作業時間が短くなれば、その分だけ人件費などの工事費用全体を抑えることができます。
また、タスペーサーで物理的に隙間を確保できるため、時間が経って塗料が再びくっついてしまうリスクもありません。 このように、タスペーサーには施工品質を高める上でも大切な役割があります。
一方、タスペーサーを使うデメリットは本体の材料費と設置費用がかかる点です。 また、すべての屋根に使えるわけではありません。劣化が激しい屋根では挿入時に破損する恐れがあるほか、すでに4mm以上の隙間がある場合は固定できないため注意が必要です。
必要がないのに費用に含まれていないか、そもそも自宅の屋根に設置が可能かどうかなど、契約前に業者に確認しておくことをおすすめします。
タスペーサーの平米あたりの個数
タスペーサーの標準的な設置個数は、1平米あたり約10個が目安です。一般的な戸建て住宅(屋根面積80〜100平米程度)の場合、合計で800〜1,000個ほどのタスペーサーを使用することになります。
また、平米あたりの10個という個数は「ダブル工法」と呼ばれる、屋根材1枚に対して左右2か所にタスペーサーを挿入する工法の場合です。ダブル工法で施工することで、屋根材の両端に均等な隙間ができ、より確実に雨水の排出路を確保できるようになります。
| 工法名 | 設置個数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| ダブル工法 | 10個 / ㎡ | 屋根材の左右両端に設置。現在最も推奨される標準的な工法。 |
| シングル工法 | 5個 / ㎡ | 屋根材の中央や片側に設置。隙間の確保が不十分になるリスクがある。 |
なお、基本的にはダブル工法が推奨されます。見積書を確認する際は、単に「タスペーサー」と書かれているだけでなく、十分な個数が用意されているか、またはダブル工法で予定されているかを確認しておくと安心です。
タスペーサーの費用相場
本章では、タスペーサーの費用相場について、実際の見積もりデータ236件をもとにご紹介します。
タスペーサーの平米単価と全体費用

「ヌリカエ」における見積もりデータ253件では、タスペーサー設置にかかる平米単価は約400円、総額では約33,000円です。
この費用には、部材代(タスペーサー本体)と、それを挿入するための施工労務費が含まれています。タスペーサー自体は小さなプラスチック部材ですが、屋根全体に数百から千個単位で手作業で挿入していくため、数万円はかかるでしょう。
ただし、見積もりで1平米あたり1,000円を超えるような高額な設定になっている場合は、内訳を詳しく確認することをおすすめします。
雨漏り修理など、屋根の修理にかかる全体の費用については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

見積書の記載例とチェックポイント
優良業者の見積書では、タスペーサーの項目が明確に記載されています。チェックすべきポイントは、「一式」表示ではなく「数量(㎡または個数)」と「単価」が分かれているかです。
「一式」に含まれている場合は、タスペーサーを使用するのか、それとも手作業で縁切りを行うのかを確認しておきましょう。また、タスペーサーの種類(後述する01や02など)まで指定されている見積書は、部材の特性まで考慮してプランニングされているため、信頼性が高いと言えます。
業者選びのアドバイス
タスペーサーの費用が相場より極端に安い(例:1万円以下など)場合は、ダブル工法ではなくシングル工法で個数を減らして施工される可能性があります。安さだけで判断せず、適切な個数が使用されるかを確認しておくと安心です。
以下は外壁塗装における見積もりの見方ですが、基本的なポイントは雨漏り修理でも同じです。雨漏り修理を検討されている方はぜひご覧ください。

タスペーサーの種類「01」と「02」の違い
現在流通しているタスペーサーには、主に「タスペーサー01」と「タスペーサー02」の2種類があり、形状や推奨される使用シーンが異なります。
それぞれの見た目の違いは、以下のイメージを参考にしてください。


画像出典:株式会社セイム
01と02の主な違いは、以下の通りになります。

タスペーサー01は後から開発されたモデルで、より軽い力で挿入できるのが特徴です。一方、タスペーサー02は長年使われている定番の型番で、多くの現場で採用されています。
どちらが優れているというわけではなく、現場の職人が使い慣れているものや、使用する塗料に合わせて選ばれるのが一般的です。
まとめ
スレート屋根の塗装において、タスペーサーは「住まいの寿命を守るための必須部材」です。今回のポイントを改めて整理しましょう。
タスペーサーのポイント
- 役割:屋根材に隙間を作る「縁切り」を行い、雨漏りと下地の腐食を防止する。
- 設置個数:1平米あたり約10個(ダブル工法)が標準的な施工基準。
- 費用相場:平米単価300円〜500円程度。総額で数万円の投資が、将来の大きな修繕費を防ぐ。
- 種類:標準的な「02」と、スプリング性能の高い「01」があり、屋根の状態に合わせて使い分ける。
もし、お手元の見積書に「タスペーサー」や「縁切り」の記載がない場合は、まず業者にその理由を確認してみましょう。また、提示された数量や単価が相場から大きく外れていないかチェックすることも大切です。
「自分の屋根に本当にタスペーサーが必要か判断がつかない」「複数の業者の見積もりを比較して、適正な施工をしてくれる人を探したい」という方は、ぜひヌリカエの一括見積もりサービスをご活用ください。専門のアドバイザーが、あなたの住まいに最適なプラン選びをサポートします。

