サイディング張り替えの費用相場はいくら?ほかの工法との違いや種類別の相場を徹底比較

  • 【更新日】2025-09-09
サイディング張り替えの費用相場はいくら?ほかの工法との違いや種類別の相場を徹底比較

新築から30~40年以上経っていれば、外壁の張り替えのタイミングです。

築年数がたっていなくても目に見えた劣化がある場合は、内部の劣化が進んでいる可能性が高く、対策をしなければ住宅の寿命を縮めることになります

本記事では、サイディング材の張り替えを行う際の費用相場から、張り替え工事のメリット・デメリットまでを解説しています。

サイディング材の張り替えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • サイディング張り替え工事の費用相場:190~290万円
  • サイデイング張り替え工事の費用相場は種類別に変わる:窯業系サイディングの施工単価は7,000~9,000円/㎡、金属系サイディングの施工単価は9,000~13,000円/㎡、タイルの施工単価は8,000~13,000円/㎡、ALCパネルの施工単価は8,000~15,000円/㎡
  • サイデイング張り替えの張り替え時期:築30年以上が目安だが、広範囲の剥がれや反り・浮きがある場合はすぐに対策が必要

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この記事を監修しました

監修者の写真

株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

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サイディング張り替えの費用相場とカバー工法・塗装との違い

サイディング張り替え時の費用相場は190万~290万円になります。

具体的な外壁張り替え工事の工程別の施工単価は以下の表の通りです。

外壁張り替え工事の工程と単価相場
費目 施工単価 金額
足場代 670~1,010円/㎡ 17~26万円
養生シート代 300~490円/㎡ 8~12万円
既存外壁の解体 1,100~1,740円/㎡ 14~22万円
土台:透湿防水シート 280~440円/㎡ 4~6万円
土台:胴縁 1,200~1,800円/m 15~23万円
土台:水切り板金 1,330~2,000円/㎡ 4~7万円
外壁材:窯業系サイディング 7,000~9,000円/㎡ 87~112万円
シーリング 640~970円/m 20~31万円
運搬費・諸経費 工事費の5~10% 8~24万円
消費税 工事費の10% 16~26万円
合計 190~290万円

上記の表の通り、最も安い場合で190万円、最も高い場合で290万円となっていますが、その理由は工事をする時期や、都道府県、業者によって、施工単価が変動するためです。

そのためサイディング張り替えの平均的な費用相場は、240万円程度と想定しておくとよいでしょう。

なお、サイディング張り替え以外にも外壁材の工事方法として「カバー工法」「塗装」が挙げられます。外壁工事としてよく比較される「張り替え」と、「カバー工法」ですが、内容を比較すると以下のような違いがあります。

工事内容 費用相場 工事期間 内部の劣化 施工可能なサイディング
張り替え 190~290万円 15~23日間 発見可 制限なし
カバー工法 100~150万円 14日間 発見不可 金属系サイディング
塗装 50~70万円 7日間 発見不可 制限なし
  • サイディング張り替えと他の工事方法の違いについて、工事期間や費用、メリットなを比較しながら解説します。

サイディング張り替え工事の費用相場は190~290万円

サイディング張り替え工事は、既存のサイディング材をすべて剥がした後、新しいサイディング材を張り付ける工事のことです。

約2~3週間ほどの工事期間を要する、ほかの工事と比較すると長期間に渡る工事になります。

  • 既存のサイディング材を取り外し、下地材の補修まで行えるため、寿命が来ていたり、異常が起こっている外壁をリセットして、同じ家により長く住み続けることが可能です。

また費用もほかの工法よりも高額になりますが、外観のイメージチェンジができたり、より長く住み続けられるようになったりと多くのメリットがあります

▼「サイディングの種類と特徴」について詳しく知りたい方はコチラ

▼「外壁リフォーム」について詳しく知りたい方はコチラ

重ね張り(カバー工法)の費用相場は100~150万円

サイディングの重ね張り(カバー工法)とは、今ある外壁材の上から、新しいサイディングを貼り付ける工事のことです。

工事期間は2週間ほどで、費用相場は100~150万円が目安になります。

既存の外壁材を撤去作業が発生しないため、張り替えと比較して工事費用を安く抑えながら外壁の見栄えを新しくできるのがメリットです。

また工期もサイデイング張り替えと比較すると短いため、リフォームを早く済ませることにもつながります。

そのかわりに外壁材の内側の劣化が発見ができないため、異常があっても放置されてしまうリスクがあります。さらに、その後のメンテナンスについては高額になることにも留意しておきましょう。

▼「重ね張り」について詳しく知りたい方はコチラ

塗装工事の費用相場は50~70万円

サイディングの塗装とは、外壁表面の塗料を塗り替え、防水性を復活させる工事のことです。

工事期間は1週間程度で、費用相場は50~70万円が目安になります。

塗装は修理というよりも定期的なメンテナンスにあたる工事で、サイディングに浮きや大きなヒビなどには対応できないため注意が必要です。

サイデイング張り替えやカバー工法と比較して、費用を大幅に抑えられますが、小規模な工事であることを押さえておきましょう。

▼「サイディング塗装」について詳しく知りたい方はコチラ

▼「サイディングメンテンナンス」について詳しく知りたい方はコチラ

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【種類別】サイディング張り替えの費用相場を比較

サイデイング張り替えの費用相場は「どんな外壁材を利用するか」によっても変わってきます。

一般的な30坪の住宅をもとにした費用と外壁材の特徴も合わせて紹介しますので、どんな外壁材に張り替え工事をするかを考える際の検討材料として活用してください。

各外壁材別の費用相場は以下の表の通りです。

<外壁材別のサイディング張り替え費用の比較比較>

種類 施工単価 工事費用相場(30坪)
窯業系サイディング 7,000~9,000円/㎡ 約240万円
金属系サイディング 9,000~13,000円/㎡ 約270万円
タイル張り替え工事 8,000~13,000円/㎡ 約270万円
ALCパネル張り替え工事 8,000~15,000円/㎡ 約280万円

窯業系サイディング張り替え工事の費用相場

[ 画像出典:旭トステム ]

窯業系サイディングの価格は4,000~5,000円/㎡が相場で、工賃を入れると施工費は7,000~9,000円/㎡になります。

一般的な30坪の住宅での工事費用の相場は、240万円が目安です。

窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングは、セメントを主原料とした外壁材です。
大きな窯を使って製造されるので「窯業系(ようぎょうけい)」と呼ばれています。
日本の住宅の外壁ではもっとも多く使われている素材で、シェアは約7割と言われています。

▼「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>窯業系サイディングとは?メリットとデメリット、費用やデザインを比較!

金属系サイディング張り替え工事の費用相場

[ 画像出典:旭トステム ]

金属系サイディングの価格は6,000~9,000円/㎡が相場で、工賃を入れると施工費は9,000~13,000円/㎡になります。

一般的な30坪の住宅での工事費用の相場は、270万円が目安です。

金属系サイディングとは?

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミなど表面材の下に断熱材を張り合わせた素材です。
シェアは窯業系サイディングの次に高く、日本の住宅の約10%に使われています。

▼「金属系サイディング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>金属サイディングとは?選び方と人気製品、基本情報を紹介!

タイル張り替え工事の費用相場

[ 画像出典:旭トステム ]

タイルの価格は約3,000~5,000円/㎡が相場ですが工賃が高く、施工費は8,000~13,000円/㎡になります。

一般的な30坪の住宅での工事費用の相場は、270万円が目安です。

タイルとは?

タイルは、板状の石や粘土を高温で焼き固めて作った素材です。
他の素材では出せない立体感や風合いがあり、耐久性が高いのが特徴です。

▼「タイル」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁タイルの種類とデザインまとめ。メーカー別おすすめ製品も紹介

ALCパネル張り替え工事の費用相場

ALCパネルの施工費は8,000~15,000円/㎡と幅があります。

一般的な30坪の住宅での工事費用の相場は、280万円が目安です。

ALCパネルとは?

ALCパネルとは、コンクリートの内部に無数の気泡を含ませて軽量化した素材です。
耐火性と断熱性に優れていますが、水分に弱い特徴もあります。

▼「ALCパネル」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>窯業系サイディングとは?メリットとデメリット、費用やデザインを比較!ALCパネルとはどんな外壁材?特徴・デザイン・費用・他の外壁材との違いを解説

サイディング張り替え工事にかかる費用の注意点

サイディングの張り替えは、既存外壁を撤去して新しいものに変える、とても大掛かりで費用のかかる工事です。

張り替え工事ならではの費用の注意点として「既存外壁の解体費用」がかかることには留意をしておきましょう。

既存外壁の解体費用の施工単価は、1,100~1,740円/㎡で、30坪の住宅の場合で14~22万円もかかります。

サイディングの張り替え工事をやる方は、本当に張り替え工事をやるべきかどうかを念入りに検討したうえで、施工計画を立ててください。

サイディング工事をやるべきかどうかの判断材料としては、「サイディングの張り替え工事のメリット・デメリット」「サイディングの張り替えタイミング」でも詳しく解説しております。

自分自身の希望する施工条件、お住いの地域ごとに詳細な費用相場をお聞きになりたい方は、下記の料金診断ツールをご利用ください。

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サイディングの張り替え工事のメリット・デメリット

サイディングの張り替え工事のメリット・デメリットについて

サイディング張り替え工事のメリット・デメリット両面についてご説明します。

サイディング張り替えのメリット

サイディングを張り替えるメリットは大きく2つです。

劣化・異常の根本解決になる

張り替え工事では外壁を一度すべて剥がすため、外壁の内側の劣化を発見・修理できます。

内部をみてトラブルがある場合は直すことができるので、築年数が長いほど張り替え工事が適しています。

次のメンテナンスまでの期間が長くなる

張り替えは新品の壁にするのと同様なので、次のメンテナンス工事が最も先になるのもメリットです。

選択する外壁材にもよりますが、張り替え後10~15年間もメンテナンスをする必要がなくなり、結果的としてコストパフォーマンスが向上します。

「外壁のメンテナンス」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
外壁材ごとにメンテナンスをするべき時期を解説!

サイディング張り替えのデメリット

サイディングを張り替えるデメリットは2つです。

他の工法と比較し、費用が高い

張り替え工事は、外壁工事のなかでも規模が大きく工事の費用はもっとも高額になります。

もし外壁にアスベスト(石綿)入の建材が使われていた場合、特別な処理作業が必要になるため、費用が20万円以上追加でかかります。
※2005年以降に建てた家であれば、アスベストが使われている心配はありません。

工事期間が長い

張り替えは既存の外壁の解体を含む大規模な工事なので、費用と同様に所要日数も長くなります。

所要日数が長くかかることで、工事中の生活が不便になってしまいます。

状況によっては、室外機まで養生をしなければならないケースもあり、夏場に工事を検討している方は施工時期をずらすなど検討をするべきでしょう。

「張り替え工事の工事期間」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
外壁張り替えの基礎知識。費用・時期・他の工事と価格差

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サイディングの張り替えタイミング

サイディングの張り替えタイミングについて

外壁工事をしないといけない状態であるものの、本当に「張り替え」が必要なのか?重ね張りや塗装で済ませることはできないのか?

こうした疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

ここからは、サイディングに張り替えが必要なタイミングについて、外壁材の耐用年数と、生じている劣化症状から解説をします。

サイディングの張り替え時期は「築30年以上」

新築から30~40年以上経っていれば、外壁の張り替えのタイミングです。本来、サイディングの寿命は30~40年が目安です。

30~40年経過している外壁ならば、外見上は問題がなくても内部が劣化がはじまっていることが多く、10年ごとを目安に専門業者の定期的なメンテナンスが必要です。

内部の劣化を放置しておくと、家の骨組みがもろくなってしまい、最終的にかかるメンテナンスコストが高くつく可能性があります。

サイディングの張り替えが必要な症状

ご自宅のサイディング外壁に下記のような症状が現れた場合は、築年数に関わらずプロによるチェック・メンテナンスを受けることをおすすめします。

サイディングの全体張り替えが必要なサインをご紹介します。

広範囲の剥がれ

広範囲が剥がれた外壁サイディング

外壁が全体的に剥がれている場合は、寿命がすでに過ぎたまま住み続けてしまっている可能性があります。
建物の構造体まで腐食してしまう前に、早急に業者の診断を受け、工事を行いましょう。

反り・浮き

サイディングの反り・浮き

サイディングに反り・浮きが起こっている場合は、早急に一部分ないし全体の張り替えが必要です。

サイディングの反りかえりの原因は、浸水による膨張と乾燥による収縮を長期間繰り返すうちに、ゆがみが起こったことです。

放置すると、すき間から外壁内部まで浸水してしまうため、早急に業者の診断を受け、修理を検討しましょう。

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よくある質問

サイデイング張り替えの費用についてよくある質問を下記にまとました。

◆よくある質問◆ サイデイングを一部張り替える費用はいくらですか?
家のサイディング張り替え費用はいくらですか?
一軒家の外壁の張り替え費用はいくらですか?
サイデイングの張り替えは何年ごとにするのでしょうか?

サイデイングを一部張り替える費用はいくらですか?

サイデイングを一部張り替える場合の費用は、約10~20万円程が目安になります。

一部を張り替える場合の費用は一律ではなく、サイディングの種類や張り替えを行う範囲などによって変動します。また、足場が必要になるか否かによっても変わってくるでしょう。

正確な費用を把握するためには、複数の外壁塗装業者に相見積もりを依頼し、比較することが大切です。

比較する際の見積書の確認ポイントなどは、以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

家のサイディング張り替え費用はいくらですか?

ご自宅のサイディング張り替えの費用は、利用しているサイディング材によって変わってきます

以下の表を参考にしてみてください。

<外壁材別のサイディング張り替え費用の比較比較>

種類 施工単価 工事費用相場(30坪)
窯業系サイディング 7,000~9,000円/㎡ 約240万円
金属系サイディング 9,000~13,000円/㎡ 約270万円
タイル張り替え工事 8,000~13,000円/㎡ 約270万円
ALCパネル張り替え工事 8,000~15,000円/㎡ 約280万円

一軒家の外壁の張り替え費用はいくらですか?

一軒家の外壁張り替えを行う場合の費用相場は一般的な30坪の住宅で約160~200万円です。

張り替え費用は利用する外壁材によって変わってきます。また、カバー工法などのほかの工法と比較すると、外壁材を撤去する手間が発生するため、費用は高額になります

外壁の張り替えについては、以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

サイディングの張り替えは何年ごとにするのでしょうか?

サイディングの張り替えを行うタイミングは、新築から30~40年以上が目安になります。

築30年以上経過している場合は外壁に加えて、内部の劣化が進行している可能性も高いためです。なお、年数はあくまでも目安になり、劣化状況によって期間は大きく異なります

剥がれや反りなどの劣化症状が現れた場合は、築年数にかかわらず張り替えを検討するとよいでしょう。具体的には「サイディングの張り替えタイミング」の章をご確認ください。

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記事のおさらい

サイディング張り替えのメリットは?

サイディング張り替えのメリットは、「劣化・異常の根本解決になる」「次のメンテナンスまでの期間が長くなる」の2つです。詳しく知りたい方はサイディング張り替えのメリットをご覧ください。

サイディング張り替えのデメリットは?

サイディング張り替えのデメリットは、「他の工法と比較し、費用が高い」「工事期間が長い」の2つです。詳しくはサイディング張り替えのデメリットをご覧ください。

サイディング張り替えの費用相場はいくら?

使用する外壁材によりますが、240万円がサイディング張り替えにかかる費用相場の目安です。詳しくはサイディング張り替えの費用相場をご覧下さい。

サイディング張り替えのタイミングはいつ?

サイディング張り替えのタイミングは、新築から30~40年の経過が目安です。築年数に関わらず、「剥がれ」「反り・浮き」といった劣化症状が出ている場合も張り替え工事が必要になります。詳しくはサイディング張り替えのタイミングをご覧ください。

以上、本記事があなたのご自宅のサイディング張り替え工事の検討に役立てば大変幸いです。

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