30坪の外壁塗装の費用相場は?塗料別の費用や計算方法、見積もり例も紹介

  • 【更新日】2025-09-29
30坪の外壁塗装の相場は?

30坪前後の戸建ての場合、外壁の塗装費用は80万円~110万円が相場です。ただし、塗装する面積や使用する塗料などによって大きく変動します。

そこで本章では、ヌリカエで実際に外壁塗装工事を行った方3,248件のデータより、30坪の戸建てにおける外壁塗装の相場をご紹介しています。

また、30坪住宅における塗料ごとの見積もり事例や外壁塗装の費用おける費用内訳、その計算方法から費用が変わる要因などについても詳しくご紹介していますので、ご自宅の外壁塗装の費用の確認などの参考になれば幸いです。

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株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

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30坪住宅の外壁塗装の費用相場は80万円~110万円

延床面積30坪前後の家の場合、外壁の塗装費用は80万円~110万円が相場で、主に塗装する面積使用する塗料同時に行う工事の内容によって費用が変動します。

 


※本サービス「ヌリカエ」の2017年4月~2023年2月における成約データから算出(外壁塗装のみ:3,248件)

30坪の住宅の工事費用の中でもっとも多かったのは、100万円~110万円台でした。

外壁と同時に屋根も塗装する場合の費用相場

外壁と同時に屋根も塗装する場合も、80万円~110万円が相場です。

※本サービス「ヌリカエ」の2017年4月~2023年5月における成約データから算出(屋根塗装+外壁塗装:5,810件)

「ヌリカエ」利用ユーザーの統計では【外壁塗装のみ】と【外壁塗装と屋根塗装】の費用が同じくらいに見えますが、実際は屋根も同時に塗装する場合は、10万円~20万円ほどの追加費用が発生します。

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30坪住宅における塗料別の相場と見積もり例

30坪住宅の外壁塗装の費用相場は、使う塗料によって大きく違います。そのため、相場を確認するためにはどの塗料で確認することが大切です必要があるでしょう。

外壁塗装に使われる塗料は「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「ラジカル制御型塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」「断熱塗料」「遮熱塗料」の8つです。どれも特徴やグレードに大きな違いがあり、一般的には右に行くほどグレードが高くなります。

30坪住宅の場合、8種類の塗料それぞれの外壁塗装の相場は以下の通りです。

種類 単価(㎡) 30坪の場合の塗料代
アクリル塗料 1,400円~1,600円 18万円~21万円
ウレタン塗料 1,700円~2,200円 22万円~28万円
シリコン塗料 2,300円~3,000円 30万円~39万円
ラジカル制御型塗料 2,500円~3,000円 32万円~39万円
フッ素塗料 3,800円~4,800円 49万円~62万円
無機塗料 4,500円~5,500円 58万円~71万円
断熱・遮熱塗料 2,500円~3,500円 30万円前後

データ出典:外壁塗装の塗料12種類の特徴・価格は?水性・油性、1液・2液の違いや選び方も紹介!

以上から、使う塗料によって同じ30坪の家でも費用相場が大きく異なることが分かるでしょう。

そこで本章では、8種類の塗料ごとに外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。

なお、ご紹介する見積もり事例は一例となりますので、あくまでも参考としてご覧ください

アクリル塗料の見積もり例

まずは、外壁塗装に使われる塗料のなかでも最もグレードの低いアクリル塗料に見積もり例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(シリコン塗料) 1,500/㎡ 120㎡ 180,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 737,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

アクリル塗料を使うことで費用は大きく抑えることができますが、耐用年数は5年前後しかありません

10年以上の長期にわたってお住まいになることを考えるのであれば、シリコン塗料以上のグレードを使うことをおすすめします。

アクリル塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ウレタン塗料の見積もり例

続いて、ウレタン塗料を使った見積もり例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(ウレタン塗料) 1,950/㎡ 120㎡ 234,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円/ 一律 25,000
合計 791,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

ウレタン塗料の耐用年数は10年程度とアクリル塗料より長めですが、それでも外壁用塗料としては短くなります。

一昔前は外壁塗装でもよく使われていましたが、現在はほとんど使われていません多くのケースでシリコン塗料以上のグレードが採用されます。

シリコン塗料の見積もり例

外壁塗装にシリコン塗料を使った見積もり事例は、以下の通りになります。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(シリコン塗料) 2,300/㎡ 120㎡ 276,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 833,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

シリコン塗料は、外壁塗装に使う塗料としてはシェアの高いものとなります。塗料のグレードとしては中間です。

各メーカーから様々な商品がラインアップされているため、希望にあったものを選びやすくなっています。施工単価は2,300/㎡となり、耐用年数は10年~15年です。

フッ素塗料や無機塗料よりは耐用年数に劣るため、長期的なメンテナンスコストを考えるとやや割高になる可能性があるでしょう。

シリコン塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ラジカル制御型塗料の見積もり例

続いて、ラジカル制御型塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(ラジカル制御型塗料) 2,400/㎡ 120㎡ 28,8000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 845,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

ラジカル制御型塗料は、正しくは「ラジカル制御型シリコン塗料」といいます。ベースはシリコン塗料ですが、ラジカル制御という特殊な性質をもつため純粋なシリコン塗料とは特別されることが多いです。

壁の原因となる「ラジカル」という物質の発生を抑えるのがラジカル制御型塗料であり、そのためシリコン塗料よりも外壁が劣化しにくくなります。

費用は2,400円/㎡とシリコン塗料よりも高くなるでしょう。耐用年数も最大15年とシリコン塗料よりも長くなります。

ラジカル制御型塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

フッ素塗料の見積もり例

続いて、フッ素塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(フッ素塗料) 4,300/㎡ 120㎡ 516,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 1,073,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

フッ素塗料は、塗料のなかでは耐用年数が長めになる高グレード塗料です。蛍石を原料としたフッ素の力で、紫外線や雨水に強く劣化しにくい特性をもっています。

費用は4,300/㎡が目安になるため、外壁塗装の相場はシリコン塗料やラジカル制御型塗料を使った場合に比べて20万円ほど高くなります

耐用年数は最大20年ほどになるため、長期的なメンテナンスコストという観点ではコストパフォーマンスに優れた塗料といえるでしょう。

フッ素塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

無機塗料

続いて、無機塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(シリコン塗料) 5,300/㎡ 120㎡ 636,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 1,193,000

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

無機塗料は外壁塗装に使われる塗料のなかで最も高いグレードになります。有機物をほとんど含まないため劣化しにくく、寿命の長い塗料です。

費用は5,300円/㎡と高価で、トータルの施工費ではシリコン塗料の1.5倍近い金額になってしまうケースもあります。

耐用年数は25年~30年となるため「高くてもいいからとにかく外壁を長持ちさせたい」とお考えの方におすすめです。

無機塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

断熱塗料・遮熱塗料の見積もり例

最後に、断熱塗料または遮熱塗料を使った場合の見積もり例をご紹介します。

工事内容・費用項目 単価 施工範囲 金額
足場代 800円/㎡ 250㎡ 200,000円
養生 200円/㎡ 250㎡ 50,000円
高圧洗浄 200円/㎡ 120㎡ 24,000円
コーキング補修 900円/m 180 162,000
下塗り 800円/㎡ 120㎡ 96,000
上塗り(シリコン塗料) 2,300/㎡ 120㎡ 276,000
諸経費(廃棄物処理費など) 25,000円 一律 25,000
合計 833,000円

データ出典:費用は「ヌリカエ」が行った2025年9月時点のデスクリサーチより

断熱塗料は、熱を逃がさない特殊な性能をもつ塗料です。遮熱塗料は、太陽光を反射し外壁材の温度の上昇を防ぐ機能をもつ塗料です

どちらも通常の塗料よりも価格が高いため、外壁塗装の相場よりも高い見積もり金額になる傾向にあります。

また、断熱塗料と遮熱塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料などをベースにつくられるため、耐用年数はその樹脂により異なる点に注意してください。

たとえば、シリコン樹脂の遮熱塗料よりも、フッ素樹脂の遮熱塗料の方が耐用年数や金額が高くなります。

断熱塗料・遮熱塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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30坪住宅の外壁塗装の費用内訳

外壁塗装にかかる費用は、足場代や高圧洗浄費、塗料代や人件費などいくつかあり、それぞれで相場があります。

そのため、30坪の自宅における外壁塗装の費用が適切に見積もられているかどうかは、内訳ごとの費用相場を確認すると判断しやすいです。

そこで本章では、外壁塗装にかかる費用の主な内訳と単価、30坪住宅の場合の総額についてご紹介していきます。

以下は、内訳とその費用についてまとめた表です。

工事工程 単価 30坪の場合の費用
足場代 700円~1,100円/㎡ 16万円~23万円
養生シート 150円~250円/㎡ 2万円~3万円
高圧洗浄 100円~200円/㎡ 6,500円~13,000円
下地補修 300円〜2,500円/㎡(外壁の状態により大きく変動) 19,500円~162,500円
塗料 1,400円~6,000円/㎡(種類により大きく変動) 18万円~71万円
諸経費 40,000円~80,000円/1式 40,000円~80,000円

費用は2025年9月に「ヌリカエ」が実施したデスクリサーチをもとに記載

各内訳の概要とその費用について詳しく解説していきます。

足場代

外壁・屋根塗装における足場代は1㎡あたり700円〜1,100円で、30坪の住宅では16万円〜23万円が相場です。足場は職人の安全確保や作業効率を上げるために必要であるため、見積もりから外すことはできません

家全体を囲う足場を設置する必要があるため、外壁と家が広いほど費用も高くなります。足場代は「足場架面積」と単価をかけて出されますが、この足場架面積が業者ごとに異なるケースもあるので注意が必要です。

足場代は内訳のなかでも大きな割合を占めるものなので、見積もりを確認する際は他社と比べて極端に高すぎないか確認しておくことをおすすめします。

足場代の相場と計算方法などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「足場の値段の適正価格は?見積もりの比較ポイントも紹介!」

養生費用

養生シートは、塗装中に塗料や汚れが窓や玄関、植木などへ飛び散らないように覆うために使用されるものです。費用の相場は1㎡あたり150円〜250円ほどで、30坪の住宅なら総額で2万円〜3万円が相場です。

養生費用は単価が200円前後と、他の内訳と比較するとそこまで費用がかかるものではありません。しかし、養生に漏れがあると車や植木などが汚れてしまったり、近隣トラブルに発展する可能性があります。

そのため、見積もり書に「養生費」と明記されているか、またどの程度養生してもらえるかなども一緒に聞いておくと安心です。

高圧洗浄

高圧洗浄は塗装前に外壁の表面を綺麗にする工程です。外壁全体の汚れを短時間で落とせるため、ほとんどのケースで行われます。そのめ、見積もりから外すことは現実的ではありません

費用は1㎡あたり100円〜200円で、30坪の住宅なら総額で6,500円~13,000円が目安となります。また、バイオ洗浄という薬品を使用した高圧洗浄もあり、こちらは1㎡あたり250円~350円が相場です。

高圧洗浄が高額な場合は、バイオ洗浄での見積もりになっている外壁面積が実際より大きく計算されている、といったケースが考えられます。

下地補修

外壁のひび割れや欠損、サイディングの浮きなどを補修する工程が「下地補修」です。1㎡あたり300円〜2,500円と劣化の程度によって費用が大きく変動し、30坪住宅では総額が19,500円〜16万円程度まで幅があります。

費用の変動が大きい分、見積もり金額に差が出やすいポイントの一つです。「本当は補修する必要がないにも関わらず補修対象になっていた」、また、「問題はないが予防として補修を進められた」というケースもあります。

下地補修の費用に疑問がある場合は、まず見積もり書に「ひび割れ補修」「コーキング打ち替え」など具体的な項目で記載されているか確認し、劣化診断の内容や補修範囲の説明を受けるようにしましょう。

外壁塗装の下地補修について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装の下地処理は何をする?箇所ごとの工程を紹介」

塗料

外壁塗装の費用が変わる要因として大きいのが塗料代です。種類やグレードにより、塗料自体の価格が大きく異なります。

そのため、1㎡あたり1,400円〜6,000円まで幅があり、総額では30坪の住宅で18万円〜71万円前後で変動します。塗料ごとの費用は以下の通りです。

種類 単価(㎡)*3回塗りの合計 30坪の場合の塗料代
アクリル塗料 1,400円~1,600円 18万円~21万円
ウレタン塗料 1,700円~2,200円 22万円~28万円
シリコン塗料 2,300円~3,000円 30万円~39万円
ラジカル制御型塗料 2,500円~3,000円 32万円~39万円
フッ素 3,800円~4,800円 49万円~62万円
無機塗料 4,500円~5,500円 58万円~71万円

費用は2025年9月に「ヌリカエ」が実施したデスクリサーチをもとに記載

安い塗料は初期費用を抑えられますが、再塗装までのサイクルが早まり、長期的なメンテナンスコストが高くつくこともあるので注意してください、。

適正な塗料代が見積もられているかは「どの塗料を何㎡に使用するか」「塗り回数は何回か」などが明記されているかを確認するとよいでしょう。

塗料の種類と相場などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の塗料12種類の特徴・価格は?水性・油性、1液・2液の違いや選び方も紹介!」

諸経費

諸経費は、工事中に発生する種々の費用をまとめたものになります。具体的には、現場管理費、廃材処分費、道具の搬入出にかかる費用などです。業者によっては、これらの項目ごとに記載しているケースもあります。

諸経費の相場は一式で4万円〜8万円程度です。金額の内訳が不明確なことも多いため、見積書に「一式」とだけ記載されている場合は、何が含まれているのかを事前に確認することをおすすめします。

また、極端に高額な場合は他項目の人件費や利益を諸経費に含めているケースもあるため、他社の見積もりとの比較もした上で適正価格か判断するとよいでしょう。

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30坪住宅の外壁塗装の計算方法

普段からリフォームにふれる機会のない方にとって、見積もり金額が本当に妥当な価格なのか判断することは難しいでしょう。

計算根拠などは業者によってまちまちであることから「ごまかされて高くついているのでは?」と不安に思われる方も多いです。

そこで本章では、誰でも簡単にできる外壁塗装の重要な数値の計算方法をご紹介します。

外壁面積の計算方法

外壁面積は、塗料代や足場代など、あらゆる費用の計算のもととなる重要な数値です。

一般的に、外壁の面積は以下の計算式で求めることができます。

◆外壁面積の計算方法◆

延べ床面積×1.1~1.4

たとえば、1階と2階の床面積がそれぞれ60㎡だった場合、延床面積は60㎡となります。つまり、60㎡×1.1で66㎡が外壁面積の目安です。

1.1~1.4の数値は、係数と呼ばれるものです。係数は、延べ床面積が広くなるほど(家が大きくなるほど)小さい値をかけた方が実際の値に近づきます

30坪の2階建て住宅であれば、1.1や1.2をかけるのが良いでしょう。

塗料代の計算方法

外壁塗装の費用において大きな割合を占めるのが塗料代です。

塗料代の計算は、塗料本体の価格ではなく、塗料の設計価格または施工価格に外壁面積をかけあわせたものになります。

人気の高いシリコン塗料である、エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」を例に塗料代を計算してみましょう。

「エスケープレミアムシリコン」のメーカーページには、設計価格が2,540円/㎡、と記載があります。

30坪住宅で外壁面積を60㎡としたときの塗料代は、2,540円/m2×60㎡=167,640円が一つの目安です。業者に依頼するときは、ここからさらに人件費などが加算されるケースがあります。

使う塗料が決まっている場合は、メーカーの商品ページで「設計価格」または「施工価格」を調べてみましょう。

内訳の計算方法

塗料代のほか、足場代や廃材処理費などもまとまった費用となります。

特に足場代は、30坪住宅の場合は10万円以上かかるケースが多く計算方法も業者によってまちまちのため、しっかりと確認しておきたい項目です。

足場代は、足場架面積×単価で計算できます。

足場架面積は、(家の外周+4m)×軒高です。軒高とは、地面から最上階の軒の高さとなります。また、足場の単価は700円/㎡前後です。

たとえば、30坪住宅の足場架面積が200㎡、足場単価を700円/㎡とすると、足場代の目安は14万円となります。

足場代のほかにも、高圧洗浄費や廃棄物処理など多くの項目がありますが、そのほとんどは各作業の単価がある程度決まっています

高圧洗浄費の単価の目安は200円/㎡、廃棄物処理は一工事あたり3万円前後です。

内訳ごとの金額を確認したい場合は、内訳ごとの単価を確認してみましょう。以下の記事では、外壁塗装にかかる費用全般について詳しく解説しています。

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外壁塗装の費用が変動する4つの要因

30坪住宅の外壁塗装費用は80万円~110万円が相場ですが、この金額はあくまで目安です。実際には様々な要因によって費用は大きく変動します。

主な費用の変動要因は、以下の4つです。

◆外壁塗装の費用変動要因◆ 塗料のグレード
階数
外壁の状態
施工会社

それぞれの要因について詳しく解説していきます。

塗料のグレード

外壁塗装の費用を左右する大きな要因の一つが、使用する塗料のグレードです。塗料には耐久性や機能性によってグレードが分かれており、一般的にグレードが高くなるほど費用も高くなります。

たとえば、耐用年数の長いフッ素塗料や無機塗料を使用すると、費用相場よりも高額になる可能性が高いです。

30坪住宅の場合、シリコン塗料での費用相場が30万円~39万円であるのに対し、フッ素塗料では49万円~62万円、無機塗料では58万円~71万円となります。

ただし、グレードの高い塗料は初期費用こそ高いものの、耐用年数が長いため長期的なメンテナンスコストで考えると結果的にお得になる可能性があります。

費用だけでなく、ご自身のニーズに合わせて塗料を選ぶことが大切です。

階数

外壁塗装の費用に最も大きな影響を与えるのが、建物の階数です。同じ延床面積30坪の住宅であっても、1階建てと2階建て、3階建てでは塗装面積が大きく異なるため、費用も変わってきます。

たとえば、これまでお伝えしてきた費用相場は2階建てを想定したものですが、ご自宅が3階建て以上の場合、外壁の面積が広くなるため塗装費用は高くなります。階数が増えることで足場の設置費用や高所作業の手間も増加し、それが全体の費用に上乗せされるでしょう。

建物の階数は塗装面積に直結するため、費用変動への影響が最も大きい要素と言えます。

外壁の状態

外壁の劣化状況も、塗装費用に大きく影響します。なぜなら、塗装作業の前に補修が必要になるからです。

大きなひび割れや欠けがある場合、その補修費用が高額になり、最終的な塗装費用が相場を大きく上回る可能性があります。特に築年数が長くなるほど建物へのダメージが蓄積され、補修が必要な範囲が広がる傾向にあります。

また、劣化があまりにも激しく塗装では修復できない場合は、外壁自体を新しくする必要が出てくるでしょう。その際は外壁の重ね張り(カバー工法)や張り替えが必要になり、費用はさらに高額になります。

「重ね張り」と「張り替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁カバー工法とは?メリット・デメリットや失敗・後悔事例を紹介!」

>>「外壁の張り替えをカバー工法、塗装と徹底比較!ベストな施工タイミングはいつ?」

施工会社

外壁塗装の費用は、依頼する施工会社によっても大きく異なります。これは、会社ごとに雇っている職人の熟練度や材料の仕入れ方などが違うためです。

特に注意したいのが、中間マージンの有無になります。ハウスメーカーや大手工務店に依頼した場合、実際の作業は下請け業者に委託されることが多く、その際に発生する仲介料(中間マージン)が費用に上乗せされるケースが少なくありません。

一方で、自社で職人を抱え、すべての作業を自社で行える地元密着型の塗装業者であれば、中間マージンは発生しないため、同じ工事内容でも費用を抑えられる可能性があります。

適正価格で工事を行うためには、複数の業者から見積もりを取り、その内容を比較検討することが重要です。

外壁塗装業者の選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装業者の選び方!確認ポイントから悪質業者を見分けるポイントまでを解説」

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※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

まとめ

30坪住宅の外壁塗装にかかる費用は、80万円~110万円が相場です。

費用を大きく左右するのが塗料のグレードで、安価な塗料は初期費用を抑えられる一方、フッ素や無機といった高耐久な塗料は長期的な修繕コストの削減に繋がります。

また、外壁の劣化状況や建物の階数、中間マージンの有無など、施工会社によっても価格は変動します。

ご自宅の状況と将来設計に合った適切な工事を行うため、必ず複数の業者から見積もりを取り、内訳を詳細に比較検討することが、後悔しないための重要なポイントです。