30坪の外壁塗装の費用相場は?内訳ごとの単価や見積もり事例を紹介!

あなたのお家
外壁塗装するといくら?
30坪前後の戸建ての場合、外壁の塗装費用は80万円~110万円が相場です。ただし、塗装する面積や使用する塗料などによって大きく変動します。
そこで本章では、ヌリカエで実際に外壁塗装工事を行った方3,248件のデータより、30坪の戸建てにおける外壁塗装の相場をご紹介しています。
また、費用の変動要因や外壁塗装の費用おける塗料・足場代・人件費ごとの費用相場や単価などについても詳しくご紹介していますので、ご自宅の外壁塗装の費用の確認などの参考になれば幸いです。
この記事を監修しました
株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
30坪住宅の外壁塗装の費用相場は80万円~110万円
延床面積30坪前後の家の場合、外壁の塗装費用は80万円~110万円が相場で、主に塗装する面積・使用する塗料・同時に行う工事の内容によって費用が変動します。

※本サービス「ヌリカエ」の2017年4月~2023年2月における成約データから算出(外壁塗装のみ:3,248件)
30坪の住宅の工事費用の中でもっとも多かったのは、100万円~110万円台でした。
外壁と同時に屋根も塗装する場合の費用相場
外壁と同時に屋根も塗装する場合も、80万円~110万円が相場です。

※本サービス「ヌリカエ」の2017年4月~2023年5月における成約データから算出(屋根塗装+外壁塗装:5,810件)
「ヌリカエ」利用ユーザーの統計では【外壁塗装のみ】と【外壁塗装と屋根塗装】の費用が同じくらいに見えますが、実際は屋根も同時に塗装する場合は、10万円~20万円ほどの追加費用が発生します。
30坪の外壁塗装における費用変動の大きさランキング
30坪程度の戸建て住宅における外壁塗装の費用相場は、一般的に80万円から110万円です。
ただし、この金額はあくまで目安であり、実際には様々な要因によって大きく変動します。
そこで、本章では外壁塗装の費用を変動させる主要な要因を、その影響の大きさに基づいてランキング形式でまとめました。まずは、以下のランキングをご覧ください。
費用変動の大きさランキング
1位:建物の階数
2位:施工会社
3位:塗料の種類
4位:外壁の状態
5位:建物の形
1位から詳しく解説していきますので、ご自宅の見積もりが適正かどうかを判断する際の参考になりましたら幸いです。
1位:建物の階数
外壁塗装の費用は、建物の階数によって大きく変わります。同じ30坪の住宅であっても、1階建てと2階建てでは塗装面積が異なるためです。
これまでお伝えしてきた費用相場は、2階建ての住宅を例にしたものになります。
しかし、ご自宅が3階建て以上の場合、その分だけ外壁の面積が広くなるため塗装にかかる費用も高くなります。階数が増えることで足場の設置費用や高所作業の手間が増加し、それが全体費用に上乗せされるでしょう。
建物の階数は塗装面積に直結するため、費用変動への影響が最も大きい要素と言えるでしょう。
「足場の相場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
2位:施工会社
外壁塗装の費用は、依頼する施工会社によっても大きく異なります。雇っている職人の熟練度、材料の仕入れ方などが違うため、たとえ複数の業者に見積もりを依頼しても、金額が完全に一致することはないからです。
特に注意したいのは、中間マージンの有無になります。ハウスメーカーや大手工務店などに依頼した場合、実際の作業は外部に委託することがよくあります。この際、元請けと下請けの間で仲介料(中間マージン)が発生し、その分が費用に上乗せされているケースが多いです。
一方で、自社で職人を抱え、足場の設置・解体作業までを自社施工できる地元密着型の塗装業者であれば、中間マージンは発生しません。そのため、同じ工事内容でも費用を抑えられる可能性があります。
適正価格で工事を行うためには、複数の業者から見積もりを取り、その内容を比較検討することが非常に重要です。
施工業者による費用変動について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
3位:塗料の種類
外壁塗装の費用を左右する大きな要因の一つが、使用する塗料の種類です。塗料には耐久性や機能性の違いによってグレードが分かれており、一般的にグレードが高くなるほど費用も高くなります。
特に、耐用年数の長いフッ素塗料や無機塗料を使用すると、費用相場よりも高額になる可能性が高いです。例えば、「ヌリカエ」の成約データによると、30坪住宅の場合の費用相場は、シリコン塗料で83.3万円、ラジカル制御型塗料で84.5万円、フッ素塗料で107.3万円、無機塗料で119.3万円となります。
ただし、グレードの高い塗料は初期費用が高くても耐用年数が長いため、長期のメンテナンスコストではお得になる可能性が高いです。
費用についてはもちろん、ご自身の状況やニーズに合わせて塗料を選ぶことが外壁塗装で失敗しないために大切になります。
塗料ごとの特徴や費用について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
4位:外壁の状態
外壁の劣化状況も、外壁塗装の費用に大きく影響します。大きな欠けやひび割れがある場合、その補修費用が高額になり最終的な金額が相場を大きく上回る可能性が高いです。
築年数が長くなるほど建物へのダメージが蓄積され、補修が必要な範囲が広がる傾向があります。
また、塗装では修復できないほどの劣化がある場合は、外壁自体を新しくする必要があるでしょう。この場合は、外壁の重ね張り(カバー工法)か張り替えが推奨されます。
「外壁の重ね張り(カバー工法)」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
「外壁張り替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ALCパネルとは?サイディングとの違いや特徴・価格について解説!」
5位:建物の形
建物の形状も外壁塗装の費用に影響します。シンプルな長方形の建物と比較して、凹凸が多い複雑な形状の建物や窓数が少ない建物などは塗装面積が変わるため、費用が高くなる可能性があるでしょう。
また、複雑な形状の外壁は塗装作業の手間を増やし、足場の設置もより複雑になります。そのため、工期が長くなる可能性があります。塗料の飛散を防ぐための養生作業もより丁寧に行う必要があり、これも費用増加の一因です。
30坪住宅における塗料ごとの費用相場・単価
外壁塗装の費用が変わる要因として大きいのが塗料代です。種類やグレードにより、塗料自体の価格が大きく異なります。
以下は、外壁塗装に使われる主な塗料の価格と耐用年数をまとめた図です。

塗料によって、その価格は1㎡あたり1,400円〜6,000円まで幅があり、総額では30坪の住宅で18万円〜71万円前後で変動します。
塗料ごとの単価と30坪の場合の総額を、以下にまとめました。
| 種類 | 単価(㎡)*3回塗りの合計 | 30坪の場合の塗料代 |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 1,400円~1,600円 | 18万円~21万円 |
| ウレタン塗料 | 1,700円~2,200円 | 22万円~28万円 |
| シリコン塗料 | 2,300円~3,000円 | 30万円~39万円 |
| ラジカル制御型塗料 | 2,500円~3,000円 | 32万円~39万円 |
| フッ素塗料 | 3,800円~4,800円 | 49万円~62万円 |
| 無機塗料 | 4,500円~5,500円 | 58万円~71万円 |
費用は2025年6月に「ヌリカエ」が実施したデスクリサーチをもとに記載
安い塗料は初期費用を抑えられますが、再塗装までのサイクルが早まり、長期的なメンテナンスコストが高くつくこともあるので注意してください、。
適正な塗料代が見積もられているかは「どの塗料を何㎡に使用するか」「塗り回数は何回か」などが明記されているかを確認するとよいでしょう。
塗料の種類と相場などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の塗料12種類の特徴・価格は?水性・油性、1液・2液の違いや選び方も紹介!」
アクリル塗料
アクリル塗料は、他の塗料と比較しても最も価格が安い塗料です。耐久性に劣るため、外壁塗装で使われることはほぼありません。
アクリル塗料の単価は1,400円~1,600円/㎡、30坪の場合は総額18万円~21万円が目安となります。
「アクリル塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「アクリル塗料の特徴とは?他塗料と比較したメリットデメリット」
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、シリコン塗料に次ぐ耐用年数をもつ塗料です。現在はより性能と価格のバランスがよいシリコン塗料やラジカル制御型塗料の方が主流になっています。
ウレタン塗料の単価は1,700円~2,200円/㎡、30坪の場合は総額22万円~28万円が目安となります。
「ウレタン系塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ウレタン塗装とは?メリット・デメリットや施工費用、製品の種類について解説!」
シリコン塗料
シリコン塗料は、屋根塗装や外壁塗装でよく使われる人気の塗料です。耐用年数は8年~10年と、耐久性と価格のバランスが良いためコストパフォーマンスに優れています。
シリコン塗料の単価は2,300円~3,000円/㎡、30坪の場合は総額30万円~39万円が目安となります。
「シリコン塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「シリコン塗料とは?鉄板の人気商品と水性・油性、スプレー・木材用の商品ランキングを紹介!」
ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料は、紫外線による劣化を抑制する成分が含まれた比較的新しい塗料です。耐用年数は10年~15年となります。
ラジカル制御型塗料の単価は2,500円~3,000円/㎡、30坪の場合は総額32万円~39万円が目安です。シリコン塗料よりも耐久性がある分、単価は高めです。
また、塗料成分の特徴によって濃色だと本来の効果が発揮されにくい点に注意してください。
「ラジカル制御型塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ラジカル塗料って何?シリコン塗料との比較やおすすめ商品ランキングを紹介!」
フッ素塗料
フッ素塗料は、シリコン塗料やラジカル塗料よりもグレードの高い塗料です。耐用年数は15年~20年と長く、紫外線や雨などによる劣化やコケやカビが付きにくいのが特徴です。
単価は3,800円~4,800円/㎡、30坪の場合は総額49万円~62万円が目安となります。
「フッ素塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「フッ素塗料の特徴は? メリット、デメリットやおすすめの商品ランキングを紹介!」
無機塗料
無機塗料は、耐用年数が25年前後とトップクラスに耐久性のある塗料です。無機物を主成分としているため、紫外線や雨水による劣化反応が起こりにくい、燃えにくいという性質があります。
無機塗料の単価は4,500円~5,500円/㎡、30坪の場合は総額58万円~71万円が目安となります。
1回あたりの塗装費用は高くなりますが、塗り替え頻度は少なくなるため長期的なメンテナンスコストで考えると経済的です。
「無機塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「無機塗料って何?メリット、デメリットからフッ素塗料の違いやおすすめの商品までを徹底比較」
30坪住宅における足場代・人件費ごとの相場・単価
外壁塗装にかかる費用は、足場代や高圧洗浄費、塗料代や人件費などいくつかあり、それぞれで相場があります。
そのため、30坪の自宅における外壁塗装の費用が適切に見積もられているかどうかは、内訳ごとの費用相場を確認すると判断しやすいです。
そこで本章では、外壁塗装にかかる費用の主な内訳と単価、30坪住宅の場合の総額についてご紹介していきます。
以下は、内訳とその費用についてまとめた表です。
| 工事工程 | 単価 | 30坪の場合の費用 |
|---|---|---|
| 足場代 | 700円~1,100円/㎡ | 16万円~23万円 |
| 養生シート | 150円~250円/㎡ | 2万円~3万円 |
| 高圧洗浄 | 100円~200円/㎡ | 6,500円~13,000円 |
| 下地補修 | 300円〜2,500円/㎡(外壁の状態により大きく変動) | 19,500円~162,500円 |
| 諸経費 | 40,000円~80,000円/1式 | 40,000円~80,000円 |
各内訳の概要とその費用について詳しく解説していきます。
足場代
外壁・屋根塗装における足場代は1㎡あたり700円〜1,100円で、30坪の住宅では16万円〜23万円が相場です。足場は職人の安全確保や作業効率を上げるために必要であるため、見積もりから外すことはできません。
家全体を囲う足場を設置する必要があるため、外壁と家が広いほど費用も高くなります。足場代は「足場架面積」と単価をかけて出されますが、この足場架面積が業者ごとに異なるケースもあるので注意が必要です。
足場代は内訳のなかでも大きな割合を占めるものなので、見積もりを確認する際は他社と比べて極端に高すぎないか確認しておくことをおすすめします。
足場代の相場と計算方法などについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「足場の値段の適正価格は?見積もりの比較ポイントも紹介!」
養生費用
養生シートは、塗装中に塗料や汚れが窓や玄関、植木などへ飛び散らないように覆うために使用されるものです。費用の相場は1㎡あたり150円〜250円ほどで、30坪の住宅なら総額で2万円〜3万円が相場です。
養生費用は単価が200円前後と、他の内訳と比較するとそこまで費用がかかるものではありません。しかし、養生に漏れがあると車や植木などが汚れてしまったり、近隣トラブルに発展する可能性があります。
そのため、見積もり書に「養生費」と明記されているか、またどの程度養生してもらえるかなども一緒に聞いておくと安心です。
高圧洗浄
高圧洗浄は塗装前に外壁の表面を綺麗にする工程です。外壁全体の汚れをを短時間で落とせるため、ほとんどの場合で行われます。、そのあめ、見積もりから外すことは現実的ではありません。
費用は1㎡あたり100円〜200円で、30坪の住宅なら総額で6,500円~13,000円が目安となります。また、バイオ洗浄という薬品を使用した高圧洗浄もあり、こちらは1㎡あたり250円~350円が相場です。
高圧洗浄が高額な場合は、バイオ洗浄での見積もりになっている、外壁面積が実際より大きく計算されている、といったケースが考えられます。
下地補修
外壁のひび割れや欠損、サイディングの浮きなどを補修する工程が「下地補修」です。1㎡あたり300円〜2,500円と劣化の程度によって費用が大きく変動し、30坪住宅では総額が19,500円〜16万円程度まで幅があります。
費用の変動が大きい分、見積もり金額に差が出やすいポイントの一つです。「本当は補修する必要がないにも関わらず補修対象になっていた」、また、「問題はないが予防として補修を進められた」というケースもあります。
下地補修の費用に疑問がある場合は、まず見積もり書に「ひび割れ補修」「コーキング打ち替え」など具体的な項目で記載されているか確認し、劣化診断の内容や補修範囲の説明を受けるようにしましょう。
外壁塗装の下地補修について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装の下地処理は何をする?箇所ごとの工程を紹介」
諸経費
諸経費は、工事中に発生する種々の費用をまとめたものになります。具体的には、現場管理費、廃材処分費、道具の搬入出にかかる費用などです。業者によっては、これらの項目ごとに記載しているケースもあります。
諸経費の相場は一式で4万円〜8万円程度です。金額の内訳が不明確なことも多いため、見積書に「一式」とだけ記載されている場合は、何が含まれているのかを事前に確認することをおすすめします。
また、極端に高額な場合は他項目の人件費や利益を諸経費に含めているケースもあるため、他社の見積もりとの比較もした上で適正価格か判断するとよいでしょう。
30坪住宅の外壁塗装の見積もり事例を塗料別に比較!
30坪住宅の外壁塗装の費用相場は、使う塗料によって大きく違います。そのため、相場を確認するためにはどの塗料で塗装するかを基準に見る必要があるでしょう。
外壁塗装に使われる塗料は「シリコン塗料」「ラジカル制御型塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」[/text]の4つです。どれも特徴やグレードに大きな違いがあり、一般的には右に行くほどグレードが高くなります。
30坪住宅の場合、4種類の塗料それぞれの外壁塗装の相場は以下の通りです。
| 塗料 | 相場 |
|---|---|
| シリコン塗料 | 833,000円 |
| ラジカル制御型塗料 | 845,000円 |
| フッ素塗料 | 1,073,000円 |
| 無機塗料 | 1,193,000円 |
以上から、使う塗料によって同じ30坪の家でも費用相場が大きく異なることが分かるでしょう。
そこで本章では、4種類の塗料ごとに外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。
なお、ご紹介する見積もり事例は一例となりますので、あくまでも参考としてご覧ください。
シリコン塗料
外壁塗装にシリコン塗料を使った見積もり事例は、以下の通りになります。
| 工事内容・費用項目 | 単価 | 施工範囲 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 足場代 | 800円/㎡ | 250㎡ | 200,000円 |
| 養生 | 200円/㎡ | 250㎡ | 50,000円 |
| 高圧洗浄 | 200円/㎡ | 120㎡ | 24,000円 |
| コーキング補修 | 900円/m | 180 | 162,000 |
| 下塗り | 800円/㎡ | 120㎡ | 96,000 |
| 上塗り(シリコン塗料) | 2,300/㎡ | 120㎡ | 276,000 |
| 諸経費(廃棄物処理費など) | 25,000円/一律 | 一律 | 25,000 |
| 合計 | 833,000円 | ||
シリコン塗料は、外壁塗装に使う塗料としてはシェアの高いものとなります。塗料のグレードとしては中間です。
各メーカーから様々な商品がラインアップされているため、希望にあったものを選びやすくなっています。施工単価は2,300/㎡となり、耐用年数は10年~15年です。
フッ素塗料や無機塗料よりは耐用年数に劣るため、長期的なメンテナンスコストを考えるとやや割高になる可能性があるでしょう。
シリコン塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ラジカル制御型塗料
続いて、ラジカル制御型塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。
| 工事内容・費用項目 | 単価 | 施工範囲 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 足場代 | 800円/㎡ | 250㎡ | 200,000円 |
| 養生 | 200円/㎡ | 250㎡ | 50,000円 |
| 高圧洗浄 | 200円/㎡ | 120㎡ | 24,000円 |
| コーキング補修 | 900円/m | 180 | 162,000 |
| 下塗り | 800円/㎡ | 120㎡ | 96,000 |
| 上塗り(ラジカル制御型塗料) | 2,400/㎡ | 120㎡ | 288,000 |
| 諸経費(廃棄物処理費など) | 25,000円/一律 | 一律 | 25,000 |
| 合計 | 845,000円 | ||
ラジカル制御型塗料は、正しくは「ラジカル制御型シリコン塗料」といいます。ベースはシリコン塗料ですが、ラジカル制御という特殊な性質をもつため純粋なシリコン塗料とは特別されることが多いです。
壁の原因となる「ラジカル」という物質の発生を抑えるのがラジカル制御型塗料であり、そのためシリコン塗料よりも外壁が劣化しにくくなります。
費用は2,400円/㎡とシリコン塗料よりも高くなるでしょう。耐用年数も最大15年とシリコン塗料よりも長くなります。
ラジカル制御型塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

フッ素塗料
続いて、フッ素塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。
| 工事内容・費用項目 | 単価 | 施工範囲 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 足場代 | 800円/㎡ | 250㎡ | 200,000円 |
| 養生 | 200円/㎡ | 250㎡ | 50,000円 |
| 高圧洗浄 | 200円/㎡ | 120㎡ | 24,000円 |
| コーキング補修 | 900円/m | 180 | 162,000 |
| 下塗り | 800円/㎡ | 120㎡ | 96,000 |
| 上塗り(フッ素塗料) | 4,300/㎡ | 120㎡ | 516,000 |
| 諸経費(廃棄物処理費など) | 25,000円/一律 | 一律 | 25,000 |
| 合計 | 1,073,000円 | ||
フッ素塗料は、塗料のなかでは耐用年数が長めになる高グレード塗料です。蛍石を原料としたフッ素の力で、紫外線や雨水に強く劣化しにくい特性をもっています。
費用は4,300/㎡が目安になるため、外壁塗装の相場はシリコン塗料やラジカル制御型塗料を使った場合に比べて20万円ほど高くなります。
耐用年数は最大20年ほどになるため、長期的なメンテナンスコストという観点ではコストパフォーマンスに優れた塗料といえるでしょう。
フッ素塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

無機塗料
最後に、無機塗料を使った外壁塗装の見積もり事例をご紹介します。
| 工事内容・費用項目 | 単価 | 施工範囲 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 足場代 | 800円/㎡ | 250㎡ | 200,000円 |
| 養生 | 200円/㎡ | 250㎡ | 50,000円 |
| 高圧洗浄 | 200円/㎡ | 120㎡ | 24,000円 |
| コーキング補修 | 900円/m | 180 | 162,000 |
| 下塗り | 800円/㎡ | 120㎡ | 96,000 |
| 上塗り(シリコン塗料) | 5,300/㎡ | 120㎡ | 636,000 |
| 諸経費(廃棄物処理費など) | 25,000円/一律 | 一律 | 25,000 |
| 合計 | 1,193,000円 | ||
無機塗料は外壁塗装に使われる塗料のなかで最も高いグレードになります。有機物をほとんど含まないため劣化しにくく、寿命の長い塗料です。
費用は5,300円/㎡と高価で、トータルの施工費ではシリコン塗料の1.5倍近い金額になってしまうケースもあります。
耐用年数は25年~30年となるため「高くてもいいからとにかく外壁を長持ちさせたい」とお考えの方におすすめです。
無機塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

30坪住宅の外壁塗装の計算方法
ここからは、外壁塗装にかかる費用を「自分で計算したい」という方のために、ご自身でできる外壁塗装費用の求め方をご紹介します。
外壁塗装の合計費用は次のように求められます。
外壁面積×工事代の単価(塗料代・足場代等)+その他諸経費
したがって、外壁面積と工事代の単価が分かれば、外壁塗装の費用相場は自分で計算ができるのです。
ここからは、外壁面積の計算方法と工事代の単価を紹介します。
外壁面積の算出方法
外壁面積の求め方は次の通りです。
外壁面積=延べ床面積(㎡)×1.1~1.3(係数)
※例:延床面積が100㎡、係数が1.2の場合、100㎡×1.2=120㎡が外壁面積となります。
延床面積とは
(坪数から平米数を求める場合は「坪数×3.3=平米数」と算出してください(例:40坪の場合、40坪×3.3=132㎡)
係数とは
窓やベランダなど、塗装しない箇所の大きさに応じて係数を変化させて計算しましょう。
(※係数の参考値:通常の40坪の家:1.1~1.3 ベランダなど追加面積がある場合:1.4~1.6 非塗装箇所も含めた外壁面積:1.7~1.8)
通常の30坪の家の場合
= 30坪 × 3.3 × 1.3(係数)
= 99(㎡) × 1.3(係数)
= 128.7(㎡)
そもそも「30坪の家」とは?
- 1坪 = 約3.3㎡(畳2枚分)
- 1㎡ = 0.3坪(縦1.8m×横1.8m)
となりますので、延床面積30坪を㎡換算すると約100㎡ほどになります。
30坪外壁塗装の適正な費用を知るためのポイント
30坪住宅の外壁塗装の適正な費用を知るためのポイントは下記の3つです。
適正な費用を知るためには、コンタクトを取る業者の見極めが非常に重要になります。外壁塗装の工事費用は、依頼する業者によって大きく変動します。
ここからは、外壁塗装の業者に関する解説を交えながら、適正な費用を知るためのポイントを3つ紹介します。
複数の業者から相見積もりを取る
まず抑えていただきたいのが、複数の業者から相見積もりを取ることです。
外壁塗装の見積もりは、業者によって変わることが一般的です。複数の業者から相見積もりを取ることによって、自宅を工事した場合の費用相場をつかめることができます。
1社の見積もりだけでは、料金を見比べてみたり、費用を比較検討することができません。複数の業者とやり取りするのは負担も大きいですが、適正費用を知りたい方は必ず相見積もりを取るようにしてください。
過度に安売りする業者に注意する
過度に安売りする業者についても注意しましょう。
塗料の仕入れ価格が、業者によって大きく変わるということ、職人の人件費やそのほかの材料費も多少の差はあれど、極端な価格差はありません。
過度に安売りする業者がいるとすれば、その安さには必ず理由があります。考えられるのが、性能の低い塗料を使用したり、塗料を薄めるといった手法です。
企業努力によって安さを実現している業者も中には存在しますが、相場よりも明らかに安売りする業者には注意しましょう。
外壁塗装の費用は安ければ安いほどよいというものではありません。
ハウスメーカーではなく地元の塗装業者に依頼する
依頼先については、ハウスメーカーではなく「地元の塗装業者」にしましょう。
一般的に、ハウスメーカーに依頼すると、地元の塗装業者に依頼するのに比べ、同じ工事でも費用が高くなってしまいます。
工事が高くなる理由は、ハウスメーカーの取り分である「中間マージン」の存在です。
ハウスメーカーの見積もりでは本記事の例の1.5倍近く費用がかかることも珍しくありません。
新築時に立てたハウスメーカーからの営業がきっかけで工事を検討し始めた方は、ぜひ地元の塗装業者にコンタクトを取ってみてください。
記事のおさらい
30坪の自宅の外壁塗装の費用相場はいくら?
30坪の外壁塗装の費用相場は、90万円~120万円です。詳しく知りたい方は30坪外壁塗装の費用相場は80万円~120万円をご覧ください。
30坪外壁塗装の費用は安くする方法は?
外壁塗装の費用を安くする方法は、「早期に相見積もりを取得する」「補助金・助成金を活用する」です。詳しくは30坪外壁塗装の費用を安くする方法をご覧ください。
30坪住宅の外壁塗装は自分で計算できる?
外壁面積と工事代の単価が分かれば、外壁塗装の費用相場は自分で計算ができます。外壁塗装の合計費用は、「外壁面積×工事代の単価(塗料代・足場代等)+その他諸経費」で求められます。詳しくは30坪住宅の外壁塗装の計算方法をご覧下さい。
最後に
業者の説明や提示金額に少しでも不安を感じたり、リフォーム工事の金額をなるべく抑えたいとお考えでしたら、「相見積もり」をとるのがオススメです。
複数の業者の提示単価・塗装面積を比べたり、営業担当者に触れて信頼性などを見ることができるので、金額的にも品質的にも納得のいく工事にたどりつくには、相見積もりはもはや欠かせない準備と言えます。
もし、声をかける業者をどこにすれば良いか分からない場合はヌリカエをご利用下さい。業者紹介前には、専門知識のある相談員があなたのご要望を丁寧にヒアリングしますので、不要な連絡がいくご心配もありません。お役立ていただけますと幸いです。
参考記事・ウェブサイト
建築工事研究会『積算資料ポケット版 住宅建築編 2019年度版』2019 経済調査会▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏
