外壁タイルはおすすめ?ほかの外壁材との比較からメーカー別おすすめ製品も紹介

  • 【更新日】2025-09-08
外壁タイルはおすすめ?ほかの外壁材との比較からメーカー別おすすめ製品も紹介

外壁にタイルを使いたいと考えている人は少なくありません。

外壁タイルを採用することで、他の素材では出せない高級感と、長い耐用年数、メンテナンス頻度の低さなどを享受できます。

また、外壁タイルは商品の種類がとにかく豊富で、色やデザインにこだわれるのも大きな魅力です。

本記事では外壁タイルの概要からどんな人におすすめか、具体的な商品までを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 外壁タイルとは粘土や石を高温で焼き固めて作られる外壁材のこと。
  • 外壁タイルにするメリットは紫外線に強く色褪せが起きない耐久性が高くメンテナンスが不要ほかの外壁材には出せない重厚感や高級感
  • 外壁タイルのおすすめメーカーは、LIXIL(リクシル)セキスイハイム名古屋モザイク工業など。

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この記事を監修しました

監修者の写真

株式会社Speee

小林 成光
所有資格

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

専門分野

外壁工事

職業

外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。

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外壁タイルとは?

外壁タイルとはについて

<外壁タイルの特徴>

外壁材 特徴 施工費用相場 耐用年数 メンテナンス頻度 メンテナンス費用相場
外壁タイル ・高級感のあるデザイン性
・高い耐久性
8,000~13,000円/㎡ 30年以上 約8~10年に一度 約700~1,200円/㎡

外壁タイルとは、粘土や石を高温で焼き固めて作られる外壁材のことです。

サイディングやモルタルなどの外壁材とは異なり、劣化しにくいという特徴があります。雨水や紫外線、熱の影響を受けにくいため、メンテナンスの手間が少ないのが大きなメリットです。

  • 外壁タイルの耐用年数は30年以上となっており、破損などが起こらない限りは半永久的とされています。

近年ではさまざまな色やデザインが豊富になってきています。そのため、モダンなデザインから自然な風合いまで、幅広い住宅スタイルに対応が可能です。

使用されるタイルは、「45二丁」「二丁掛け」などのサイズの違いや、「磁器質」「せっ器質」「陶器質」などの素地の種類の違いがあります。それぞれの特徴については、外壁タイルの種類と選び方の章を参考にしてみてください。

外壁タイルを施工する際の費用相場は8,000~13,000円/㎡が目安になります。また、定期メンテナンスは約8~10年が目安となっており、メンテナンス費用は約700~1,200円/㎡が相場になります。

  • なお、メンテナンスの際にタイルが浮いてしまっている場合は、樹脂をタイルに注入して固定する作業が必要となり、約700~1,200円/箇所 が目安です。

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外壁タイルはこんな人におすすめ!主要外壁材と徹底比較

外壁タイルはこんな人におすすめ!主要外壁材と徹底比較について

自宅を外壁タイルにするか悩んでいる方へ、主要な外壁材材との比較表を作成しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

<外壁タイルと主要外壁材を比較>

外壁材 特徴 単価 耐用年数 デザイン性 デメリット
外壁タイル ・高級感のあるデザイン性
・高い耐久性
8,000~13,000円/㎡ 30年以上 初期費用が高い
窯業系サイディング ・日本で最も利用されている外壁材
・コスト、機能性、デザイン性バランスが良い
7,000~9,000円/㎡ 20~40年 夏場は暑くなりやすい
金属系サイディング ・軽量で耐震性に優れている
・凍害に強い
9,000~13,000円/㎡ 30~40年 凹みやすく、傷つきやすい
モルタル ・つなぎ目のないデザイン性
・高い防火性
1,500~4,000円/㎡ 30年 品質は職人の技術力に左右される

上記の表から外壁タイルをおすすめしたい人は、以下のような人になります。

◆外壁タイルがおすすめの人◆ 高級感のあるデザイン性が好きな人
長期間にわたって外壁の美観を保ちたい人
長期的なメンテナンスコストを抑えたい人

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外壁タイルのメーカーとおすすめ製品

外壁タイルのメーカーとおすすめ製品について

本章では、外壁タイルを選ぶなら知っておきたいメーカーと、注目の製品をピックアップしてご紹介します。

LIXIL(リクシル)

リクシルは、国内最大手の建材・住宅設備グループ企業です。
外壁タイルだけでも70種類以上の製品があり、モダン、和風、洋風など使いやすいデザインが豊富に揃っており、価格も手頃なものが多いのが特徴です。

おすすめの外壁タイル①「火色音」(ひいろね)

リクシルの外壁タイル「火色音」施工イメージ

画像出典:外装壁タイル[はるかべ工法・モルタル張り共用](LIXIL)

リクシルの製品のなかでも、特にリーズナブルな外壁タイルです。
接着剤工法のほか、モルタル外壁に張ることもできるため、他種のタイルよりも施工可能な外壁が多いのも特徴となっています。

アドヴァンの外壁タイル「火色音」バリエーション

火色音」は、釉薬の使用量の差を含め、カラーバリエーションは11色です。

デザインもオーソドックスで、焼き物の彩りと表情をじゅうぶんに味わうことができます。
価格・使いやすさが両立した、幅広い方におすすめしやすいタイル製品です。

リクシル「火色音」の規格と価格
石柄 全1種類
色数 全14色
製品価格 7,500円/㎡~
張付け方法 専用接着剤張り「はるかべ工法」、モルタル施工
標準目地幅 タテ8mm、ヨコ10mm

おすすめの外壁タイル②「ストーンタイプコレクション」

リクシルの外壁タイル「ストーンタイプコレクション」施工イメージ

画像出典:戸建て向けエクステリアタイルカタログ(LIXIL)

リクシル独自の「はるかべ工法」で施工するタイル製品です。
はるかべ工法とは、セメントではなく専用接着剤でタイルを張る工法で、従来よりも施工期間が短く、費用も安くなるメリットがあります。

リクシルの外壁タイル「ストーンタイプコレクション」バリエーション

ストーンタイプコレクション」には、伝統的に使用されてきたタイルの石種をもとにした、11パターンのデザインがあります。

現在主流となっているタイルには細身のデザインが多いですが、ストーンタイプコレクションは大判タイプとなっており、色の柄がしっかり分かります。
かわりに、リクシルの製品としても、外壁タイル全体としても高級品となります。

リクシル「ストーンタイプコレクション」の規格と価格
石柄 全7種類
色数 全13色
製品価格 11,600円/㎡~
張付け方法 専用接着剤張り「はるかべ工法」
標準目地幅 タテ3mm、ヨコ3mm

セキスイハイム

大手ハウスメーカーのセキスイハイムは、自社の新築やリフォーム用に外装材も取り揃えています。
外壁タイルのラインナップは5種類あります。

タイルの製品名 特徴
セキスイハイム「レジデンスタイルN」
レジデンスタイルN
1枚が非常に厚い。重厚感ならナンバーワン
セキスイハイム「レジデンスタイルG」
レジデンスタイルG
組違いの織り目柄。個性的ながらも上品なイメージ
セキスイハイム「ラスティックタイル」
ラスティックタイル
ベーシックなデザイン。1枚ずつ色味が違う
セキスイハイム「Sラティスタイル」
Sラティスタイル
陰影のある方眼デザイン。色によってイメージが変わる
セキスイハイム「スクラッチタイル」
スクラッチタイル
縦方向に引っかき溝の入ったデザイン。色は白のみ

画像出典:セキスイハイム「エコシャンテ」

名古屋モザイク工業

名古屋モザイク工業は、タイルを主力にした大手メーカーです。タイル関連商品の数は、1万点以上にも及びます。

輸入タイルの販売と国産タイルの企画開発の両方を得意としており、全国10箇所(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、仙台、横浜、静岡、広島、沖縄)にショールームももっています。

リクシルが住宅全般を手広く扱っているメーカーなのに対し、名古屋モザイク工業はタイルをもっとも得意とする点が心強いメーカーです。

おすすめの外壁タイル①「SALA」(サラ)

名古屋モザイク工業の製品のなかでも、非常にリーズナブルな国産タイルです。

大きさと色の異なる2種類のタイルをつかい、デザインにも工夫が見られます。

名古屋モザイク工業の外壁タイル「サラ」バリエーション

画像出典:名古屋モザイク工業 総合カタログ

「サラ」のカラーバリエーションは、アースカラーを基調とした全10色です。

名古屋モザイク工業「サラ」の規格と価格
石柄 全1種類
色数 全10色
製品価格 3,700円/㎡~
張付け方法 接着剤張り
標準目地幅 タテ5mm、ヨコ5mm

おすすめの外壁タイル②「CRUGLAZE」(クルグレイズ)

名古屋モザイク工業の外壁タイル「クルグレイズ」施工イメージ

画像出典:名古屋モザイク工業 総合カタログ

磁器質で光沢のある、アーティスティックな外壁タイル材です。
また、アートタイルとしては手が届きやすい価格のも魅力です。

名古屋モザイク工業の外壁タイル「クルグレイズ」バリエーション

「クルグレイズ」のカラーバリエーションは5種類あり、いずれも輝きが映えるアースカラーが基調となっています。

名古屋モザイク工業「クルグレイズ」の規格と価格
石柄 全1種類
色数 全5色
製品価格 11,000円/㎡~
張付け方法 接着剤張工法
標準目地幅 タテ3mm、ヨコ3mm

DANTO(ダントー)

ダントーは、タイルを主力にした創業135年の国内タイルメーカーです。

創業から一貫して自社工場でのタイル製造を続けており、品質に定評があり、デザインにもオリジナリティがあります。価格も比較的手頃です。

おすすめの外壁タイル「ニールボーダー」

ダイトーの外壁タイル「ニールボーダー」施工イメージ

ダントーの外壁タイルのなかでも、価格が非常に手頃でデザインも使う家を選ばない、親しみやすいタイルです。
なるべく安価に外壁タイルを使用したい場合に特ににおすすめです。

ダントーの外壁タイル「ニールボーダー」バリエーション

ニールボーダー」のデザインは細身のボーダー型で、白・黒と茶系3種類の全5色から選べます。

ダントー「ニールボーダー」の規格と価格
色数 全5色
製品価格 6,100円/㎡~
張付け方法 接着剤張り付け
標準目地幅 タテ3mm、ヨコ5mm

日東製陶所

日東製陶所は、国内のシェア率30%を誇る国産タイルメーカーです。
また、内装用よりも外装用を主力としているのも特徴で、色や表面の質感など多くのバリエーションがあります。

おすすめの外壁タイル「エポカX」

日東製陶所の外壁タイル「アポカX」施工イメージ

タイル表面が平らではなく凹凸があり、切り出した岩を割ったまま使ったような高級感があります。

日東製陶所の外壁タイル「エポカX」バリエーション

エポカX」のカラーバリエーションは、モノトーンと茶色系で全6色です。

日東製陶所「エポカX」の規格と価格
色数 全6色
製品価格 3,900円/㎡~
張付け方法 接着剤張り
標準目地幅 タテ5mm、ヨコ5mm

ADVAN(アドヴァン)

アドヴァンは、タイル施工会社を前身にした、輸入タイルの販売会社です。

自社工場は持たないメーカーですが、東京・大阪・名古屋・福岡・沖縄の5か所にショールームをもち、製品を見に行ける機会も多いメーカーです。

おすすめの外壁タイル「スプリットフェイス スリムⅡ」

アドヴァンの外壁タイル「スプリットフェイス スリムII」施工イメージ

画像出典:アドヴァン デジタルカタログ

天然石を細いボーダーに加工した、外壁用のタイルです。
微妙な色の濃淡がよく分かる仕上がりで、価格こそ標準的ですが見た目に高級感があり、おすすめです。

アドヴァンの外壁タイル「スプリットフェイス スリムII」バリエーション

スプリットフェイス スリムⅡ」のバリエーションは全4色です。

アドヴァン「スプリットフェイス スリムⅡ」の規格と価格
色数 全4色
製品価格 11,500円/㎡~
張付け方法 全面改良圧着
標準目地幅

▼住宅の主な外壁材の種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
>> 代表的な外壁材の種類と特徴

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外壁タイルの種類と選び方

外壁タイルの種類と選び方について

そもそもタイルとは、粘土や石などを粉砕し成形して焼き上げたものです。
外壁タイルの種類は豊富で選ぶのに困ってしまいますが、「形状・釉薬・素地」の分類を知っておくと自分に合うものが見つけやすくなります

外壁タイルの「サイズ」の種類

外壁の平らな面に張るタイルを「平物」といい、通常は平物タイルを見て製品を選びます。
代表的な平物タイルはさらに4つに種類が分かれ、それぞれ見た目の高級感や施工費用も変わります

サイズの種類 1枚の大きさ 特徴
45二丁タイル
45二丁
95mm×45mm 安価。約30cm四方のシートでまとめ張りする
小口平タイル
小口平
108mm×60mm 7,000円/㎡~。かつての主流タイル。最近は種類が少ない
二丁掛けタイル
二丁掛け
227mm×60mm 7,000円/㎡~。重厚感がでる。種類も豊富
ブリックタイル
ブリック
多様 9,000円/㎡~。レンガ調や石調など本格的な質感

サイズは、重厚感・高級感を重視するなら「二丁掛け」か「ブリック」、コストの安さを重視するなら「45二丁」の製品を選ぶと良いでしょう。

外壁タイルの「釉薬」からくる種類

釉薬(うわぐすり・ゆうやく)とは、タイルの焼成前にかけられる薬品です。
種類により表面の色・光沢・強度・汚れにくさが変わります。釉薬をかけずに焼かれたタイルもあります。

製品選びの際は、以下の4種類をおさえておけばよいでしょう。

釉薬の種類 特徴
ラスター釉のタイル
ラスター釉
もっとも光沢がある。傷がつきやすい
マット釉のタイル
マット釉
光沢のないつや消しの仕上がり
うす釉のタイル
うす釉
少量の透明釉薬をかけたもの
無釉タイル
無釉
釉薬をかけずに焼いたもの。素朴な風合い。表面が汚れやすい

釉薬の種類は、「汚れやすくてもよいか」「どのくらいタイルの存在感を出したいか」で選ぶとよいでしょう。

  • 「ラスター釉」はもっとも主張が強く個性的。少し傷に弱い
  • 「マット釉」はバランス型。他の部位の素材や景観と無難に合わせやすい
  • 「うす釉」の質感は無釉と同様。最低限の汚れにくさが加わっている
  • 「無釉」は土自体のナチュラルな風合いがある。表面にホコリがたりやすい

外壁タイルの「素地」の種類

タイルの素地(そじ)とは、釉薬がかかっていない基礎の材質のことです。
素地は土を焼成した温度によって3種類あり、タイルの硬さや吸水性が変わります。

タイルの種類 吸水率 特徴
磁器質 1%以下 1250℃以上で焼成。固くて耐水性が高いためもっとも外壁に向くのタイル
せっ器質 5%以下 1200℃前後で焼成。磁器質と陶器質の中間。磁器質より加工しやすい。外壁にもよく使われる
陶器質 22%以下 1000℃以上で焼成。吸水性が高い。外壁よりも内装に向く

外壁タイルには「磁器質」か「せっ器質」のものを選びましょう
陶器質のものは、吸水性が高く凍害を起こしやすいので外壁に使うと早々に劣化してしまいます。

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外壁をタイル張りにする前に知っておきたいこと

外壁をタイル張りにする前に知っておきたいことについて

ここからは外壁タイルを決める前に知っておきたい知識についてまとめました。

タイルのメリットとデメリット

外壁材にタイルを使用する主なメリットは以下の4つです。

  • 傷に強く、汚れが落ちやすい
  • 紫外線に強く、ほぼ色褪せを起こさない
  • 塗装メンテナンスが不要
  • 他では出せない重厚感・高級感がある

反対に、外壁タイルのデメリットは以下のとおりです。

  • 初期費用が高い
  • 目地だけは劣化する
  • 重いため、耐震性が低い
  • 施工に技術が必要

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まとめ

以上、外壁タイルの性能の違いや選び方、メーカーごとのおすすめ製品などについて解説してきました。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

高級感のある外壁タイルの種類は?

本格的な高級感・重厚感があるタイルは「二丁掛け」か「ブリックタイル」と呼ばれる種類です。これはタイルのサイズによる分類です。詳しく知りたい方は外壁タイルの「サイズ」の種類をご覧ください。

家や景観と合わせやすい外壁タイルは?

光沢をおさえた「マット釉」のタイルを選びましょう。タイルの存在感・汚れにくさともにバランス型で、幅広い素材と無難にマッチします。詳しくは外壁タイルの「釉薬」からくる種類をご覧ください。

汚れや水分に強い外壁タイルは?

もっとも固く吸水性の低い「磁器質」のタイルがおすすめです。バランス型の「せっ器質」でもよいでしょう。詳しくは外壁タイルの「素地」の種類をご覧下さい。

おしゃれな外壁タイルは?

メーカーでいえば、輸入タイルの「アドヴァン」か、色や質感のバリエーションが多い「日東製陶所」の製品がおすすめです。詳しくは外壁タイルのメーカーとおすすめ製品をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

▼書籍

  • みんなの建材倶楽部『使える! 内外装材[活用]シート』エクスナレッジ 2011
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2021年度版』一般社団法人経済調査会 2021