セラミック塗料とは、セラミックが入ることで、一般的な塗料より耐候性やデザイン性に優れた塗料のことです。
しかしその反面、セラミック塗料は悪徳業者が高額で販売するためのツールとして使われてしまうこともしばしばあるので、注意が必要な塗料でもあります。
そこで本記事では、セラミック塗料の基礎知識から、代表的な商品、悪徳業者に騙されない方法などを解説していきます。尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。
- セラミック塗料とは「セラミックが配合された塗料」のこと
- セラミック塗料は「セラミック100%の塗料がある」「セラミックが入るだけで耐用年数が上がる」「セラミックが配合されていると得られる効果は同じ」と誤解を受けやすい
- セラミック塗料の特徴は「遮熱・断熱効果がある」「石材調のデザインが多い」「低汚染機能がある」の3つである
この記事を監修しました
株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
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セラミック塗料とは何か

セラミック塗料とは、セラミックを配合した塗料のことです。セラミックとは、陶磁器やセトモノなどの「焼き物」のことを指します。広くとらえると、土や石などを焼き固めたもののことになります。
そのため厳密にいえばセラミック塗料という塗料は存在しません。なぜなら「塗料」とは樹脂のことを指しており、セラミックは樹脂ではないからです。
塗料は基本的にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、無機塗料の5つに分類されます。このそれぞれの樹脂にセラミックが配合された塗料を「セラミック塗料」と呼ぶのです
耐用年数なども主成分の各樹脂によって決まるため、セラミックが配合されているからといって耐用年数が必ず長いとは限らないのです。
セラミック塗料の特徴

セラミック塗料にはいくつかの種類に分かれており、各種類によって特徴も変わってきます。
それぞれの特徴を知ることで、自宅に適したセラミック塗料を選択できます。各特徴は以下の4点です。
- 石材調のデザインになる
- 防カビ・耐火性・耐候性を発揮する
- 低汚染性がある
- 断熱・遮熱効果がある
石材調のデザインになる
セラミック塗料の大きな特徴の一つに「石材調」と呼ばれるデザイン性の高さがあります。
一般的な塗料では表現が難しい、重厚感のある立体的な仕上がりを実現できるのはセラミック塗料ならではです。

このデザインとなる理由は、塗料の中に含まれるセラミックの粒(骨材)が、吹き付けなどの特殊な塗装方法によって層を作ることで、天然の石のようなざらざらとした自然なテクスチャを生み出すためです。
この粒子が光を多方向に拡散するため、見る角度や光の当たり方によって表情が変わり、単調になりがちな外壁に深みと高級感を与えます。
単色でシンプルな外壁から、本物の石やタイルを張ったような高級感あふれる外観へとイメージを一新したい場合には、セラミック塗料は向いているといえるでしょう。
防カビ・耐火性・耐候性を発揮する
セラミック塗料には、防カビ・耐火性・耐候性にも特徴があります。
塗料に含まれるセラミック成分は、一般的に無機質で水分を吸収しにくいため、カビや藻の栄養源になりにくい環境を作るためです。さらに、多くのセラミック塗料には、カビや藻の発生を抑える防カビ剤や抗菌剤が配合されているため、湿気が多く日当たりの悪い場所でも、外壁をきれいに保つことが可能です。
加えてセラミックは熱に強く燃えにくい無機物のため、耐火性にも優れています。そのため、セラミックを含有する塗料は、通常の樹脂塗料に比べて燃焼しにくく、外壁が火災の延焼を食い止めることが可能です。
太陽光や雨風などの自然環境に対してもセラミック塗料は高い耐候性を示せます。セラミック粒子自体が非常に硬く、紫外線や雨風による劣化に強いためです。
外壁を長期間保護し、塗膜がひび割れたり剥がれたりするのを防ぐことが可能です。
低汚染性がある
セラミック塗料は「外壁に汚れが付きにくい、あるいは付いた汚れが落ちやすいという性質」を持つ低汚染性も特徴です。
セラミック塗料は塗膜の表面が非常に緻密で親水性(水になじみやすい性質)が高いため、汚れと塗膜の間に入り込んだ雨水が汚れを浮かし、一緒に洗い流してくれるセルフクリーニング効果が働きます。
さらに、塗料に含まれるセラミックの微粒子が静電気の発生を抑制できます。静電気は空気中のホコリや排気ガスを引き寄せる原因になりますが、セラミック粒子がこれを抑えることで、そもそも外壁に汚れが付着しにくくするのです。
排気ガスが多い都市部や、砂埃が舞いやすい地域では、セラミック塗料を選択することで外壁の美しさを長く保つことにつながります。断熱・遮熱効果がある
セラミック塗料の中には、外壁の断熱性や遮熱性に優れたものも存在します。
塗料に配合されているセラミックビーズと呼ばれる特殊な微粒子によって断熱・遮熱の効果を高めているためです。さらに中空(中に空洞がある)構造が、魔法瓶の原理のように熱の伝わりを抑制するのも特徴です。セラミック塗料は単に建物を保護するだけでなく、断熱や遮熱効果によって自宅の省エネ性能を高める機能を持っています。
ただし、この効果の有無は製品によって異なるため、塗料を選ぶ際には「断熱・遮熱機能」があるかを確認する必要があります。
セラミック塗料にまつわる「3つの誤解」

セラミックは、歯の治療でも使われているようにとても硬度が高い素材です。
焼き物の陶磁器をイメージしてもらうと分かりやすいと思いますが、博物館に飾られている食器や人形のように数百年、数千年長持ちするものもあります。
この印象から、劣化しにくい耐久性のある塗料なのではないか、と考える方も多いでしょう。
もちろん、機能性に優れた塗料であることに間違いありませんが、勘違いが起こりうるポイントがいくつかあります。
セラミック塗料の3つの誤解
- セラミック100%の塗料はない
- セラミックが入ることで耐用年数が上がるわけではない
- セラミック塗料の中でも得られる効果は異なる
誤解1:セラミック100%の塗料はない
セラミック塗料は、正確に言うとセラミック配合塗料と呼びます。
まず、塗装をするには樹脂が必要です。なぜなら、塗料というのは、この樹脂によって外壁に付着し、塗膜を作るので、樹脂がなければ塗料として機能しないからです。
セラミックはその上から入れる添加物であって、塗料のベースになることはないので、セラミックのみで出来ている塗料は存在しません。
セラミック塗料を勧められた際、気を付けなければならないのは、セラミックがほんのわずかでも入っていれば「セラミック塗料」と呼ぶことが出来てしまうということです。
そのため、セラミックの効果はほとんどないにも関わらず、高い金額で販売している業者が多いのも現状で、実はかなり慎重にならなくてはいけない塗料でもあります。
セラミック塗料を提案されて、検討する場合、「その塗料はどのような塗料なのか」色々な目線から正しい知識を得ることが大切です。
セラミックが多いと振動に弱いという一面もあるため、一概に「セラミックの配合量が少ない=悪」というわけではありません。
しかし、誤魔化さずセラミックの配合量をきちんと明示している会社は「品質と価格が見合っているのか」という疑問に対し、誠実であると言えるでしょう。
誤解2:セラミックが入ることで耐用年数が上がるわけではない
塗料の耐用年数は樹脂に依存します。 なぜなら、上記で触れたように、塗膜の主成分は樹脂だからです。樹脂の中でグレード順によく挙げられるのは、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素で、現在の日本でよく使われている塗料はシリコンです。
例えばシリコンが樹脂のセラミック塗料であれば、耐用年数はシリコン樹脂に基づく10~15年となります。
もし「セラミックが入っているから耐用年数が長いですよ!」と言う業者がいたら注意しましょう。
誤解3:セラミック塗料の中でも得られる効果は異なる
セラミック塗料だからといって、全て同じ効果が得られるわけではありません。
断熱・遮熱効果が得られるものや、低汚染性を発揮するものなど、塗料によって特徴があります。
そのためセラミック塗料にしようと考えても、一概に効果は同じではないため、自宅の周辺環境やどの部分を重視するのかを考えて選択するのが大切です。
セラミック塗料のメリット

セラミック塗料を使う事によるメリットには、以下の2つが挙げられます。
セラミック塗料は耐候性がある
セラミック塗料の持つ高い耐候性(耐久性)は、外壁塗装のメンテナンスサイクルを延長し、長期的コストを抑えることにもつながります。
セラミック塗料はほかの塗料と比較しても耐久年数が長いことが多く、塗り替えなどのメンテナンス頻度を減らすことが可能だからです。
外壁塗装は一度に高額な費用がかかるため、塗り替え回数が減るだけでも、長期的に見れば数十万円単位の支出を削減できる可能性があります。
セラミック塗料はデザイン性が高くなる
前章で解説したようにセラミック塗料には、塗料に含まれるセラミックの粒子(骨材)が、本物の石材や土壁のような立体的なテクスチャ(意匠性)を生み出すデザイン性があります。
フラットな塗装では表現できない、重厚感と深みのある仕上がりとなり、建物のイメージを一新したい場合などに向いているでしょう。 外壁のデザインにこだわりたい方や、他にはない個性を表現したい方に高いデザイン性のあるセラミック塗料を選ぶことはおすすめです。セラミック塗料のデメリット

上記で触れたように、セラミック塗料はその中でも得られる効果には、ばらつきがあります。
しかし、ここでは一般的なセラミック塗料に共通する特徴をお伝えしていきます。
セラミックの形状によっては汚れが付きやすい
セラミックの形状によっては、表面が凸凹しているので汚れや排気ガスなどを付着させてしまいます。
セルフクリーニング効果があるセラミック塗料もありますが、セラミックの量や仕様によって得られる効果の度合が違うので、全てのセラミック塗料にセルフクリーニング効果があるわけではありません。
セラミック塗料の塗装は技術力が問われる
セラミック塗料はスプレーガンで吹き付けて塗装することが多くあり、職人の技術や経験によって、色ムラになってしまう恐れがあります。
また、関係のないところまで塗料が飛び散ってしまうこと危険性もあり、きちんと養生が念入りにされているか、なども職人によって差が出てきてしまいます。
セラミック塗料は費用が高い
【グレード別一般的な塗料の費用相場】
| アクリル塗料 | 1,000~1,500円/㎡ |
|---|---|
| ウレタン塗料 | 1,500~2,200円/㎡ |
| シリコン塗料 | 2,500~3,500円/㎡ |
| フッ素塗料 | 3,500~4,500円/㎡ |
| セラミック塗料 | 3,500~14,000円/㎡ |
上記は一般的な塗料のグレードの費用感です。
セラミック塗料は、フッ素と同価格帯もしくはそれ以上になってしまうので、初期費用としては高いと感じる方が多いでしょう。
セラミックが含まれている塗料の特徴を比較

セラミック塗料とは、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料にセラミックが配合されている塗料のことです。
それぞれの塗料の耐用年数などを把握しておくことで、メンテナンスの目安などを掴めます。それぞれの塗料の比較は以下の通りです。
<セラミックが含まれている塗料の比較>
| 塗料の種類 | 価格相場(㎡あたり) | 耐用年数 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 1,000~1,500円/㎡ | 5~7年 | 費用が安い、カラーバリエーションが豊富、使いやすい | 耐久性が低い、塗り替えサイクルが短い |
| ウレタン塗料 | 1,500~2,200円/㎡ | 8~10年 | 比較的安価、密着性や弾性に優れている | 職人の技術に依存、乾燥時間が長い |
| シリコン塗料 | 2,500~3,500円/㎡ | 10~15年 | 汚れが付きにくい、コスパが良い | 汚れが付きやすい、ひび割れしやすい |
| フッ素塗料 | 3,500~4,500円/㎡ | 15~20年 | 長期的な費用は安い、艶がある | 価格が高い、ひび割れしやすい |
| 無機塗料 | 5,000~5,500円/㎡ | 20~25年 | 耐候性が高い、低汚染性と防汚性に優れている | 価格が高い、再塗装が難しい |
-
比較した各塗料の特徴について、解説していきます。
アクリル塗料
アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料です。
屋根塗装に使われる塗料の中で最も安いため、費用を抑えたい場合に魅力的な選択肢といえるでしょう。
メリットとして、塗料の扱いやすさや速乾性、高い透湿性・通気性も備えています。一方で、他の塗料と比較すると耐久性が劣る点がデメリットです。そのため、屋根塗装で使われることはほとんどありません。
外壁塗装では、耐久性の高いシリコン塗料やフッ素塗料が一般的に多く使われます。しかし、軒天や内装など、特定の場所ではコストパフォーマンスや透湿性・通気性の高さを生かしてアクリル塗料が選ばれるケースもあります。
アクリル塗料の詳細については、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、樹脂の主原料がウレタンである塗料のことです。
屋根塗装における耐用年数は8~10年程度が目安で、1㎡あたりの費用相場は約2,000円、約100㎡の住宅であれば総額で17万円から22万円程度が相場となります。
ウレタン塗料は、塗膜の柔軟性や密着性の高さにメリットをもち、適度な柔らかさも持つため、ひび割れしにくいという特性も持ち合わせています。一方で、耐用年数は短い点はデメリットです。
ウレタン塗料の詳細については、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
シリコン塗料
シリコン塗料は、塗膜が硬化しても適度な柔軟性を保つため、ひび割れを起こしにくいのが特徴です。加えて、強い紫外線に対する耐性も備えているため、強い日差しにさらされる屋根の塗装劣化を抑えられます。
シリコン塗料が選ばれる大きな要因です。1㎡あたりの費用相場は約2,300円、約100㎡の住宅で総額23万円から30万円程度が目安となり、コスパの良さも選ばれる理由のひとつです。
また、カラーバリエーションが40色以上と非常に豊富であるため、自身の好みに合わせて色を選定しやすい点も魅力です。一方で汚れが付きやすい点などはデメリットとして挙げられます。
シリコン塗料の詳細については、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
フッ素塗料
フッ素塗料は、蛍石から取れるフッ素が主成分の塗料のことで、耐用年数は15~20年と非常に長いのが特徴です。
1㎡あたりの費用相場は約3,500~4,500円/㎡、約100㎡の住宅で総額38万円から48万円程度が目安となります。初期費用は高額ですが、メンテナンスの手間が減るため、長く高耐久性を重視したい方には特におすすめできる塗料です。
フッ素塗料は、艶を出しやすいことが特徴で、屋根の美観を向上させます。一方で価格は高い傾向にあり、艶アリの塗料の身になるので、人によっては選びにくい塗料でもあります。
フッ素塗料の詳細については、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
無機塗料
無機塗料は、陶磁器やガラス、金属のように炭素を含まない「無機物」を主成分の一部とする塗料のことです。塗料の中で「最強の無機塗料」と称されるほどの非常に高い耐久性にあります。
屋根塗装における耐用年数は20~25年と、他の塗料と比較しても最も長いため、塗り替えの頻度を大幅に減らせ、長期的なメンテナンスコストの削減につながります。
無機塗料の単価は1㎡あたり約5,300円、約100㎡の住宅で総額45万円から55万円が相場です。高額ですが、優れた耐久性や機能性を考慮すると、費用対効果が高いと判断する人も少なくありません。
また、塗膜が適度な柔軟性を持つことで、ひび割れなどの劣化症状も抑えることが可能です。長期的な視点から、住まいの保護と美観維持を重視したい方におすすめの塗料といえます。
無機塗料の詳細については、以下の記事にまとめていますのであわせて参考にしてみてください。
セラミック塗料の代表的な会社と製品

セラミック塗料の機能としては、大きく3つの特徴があります。
セラミック塗料の特徴
- 遮熱・断熱効果がある
- 石材調になる
- 低汚染機能がある
セラミック塗料は、「セラミック(=いわゆる陶磁器)」を細かく砕いたものを含ませた塗料のことでしたよね。セラミックを含ませることによって得られる効果別に、どんな製品があるのか解説をしていきます。
遮熱・断熱機能における代表的なセラミック塗料
遮熱・断熱機能における代表的なセラミック塗料について解説をします。具体的な塗料メーカーと塗料製品をお伝えします。
遮熱・断熱①:日進産業「ガイナ」

<引用:株式会社日進産業 公式HP>
| メリット | ・断熱、遮熱、保温機能に優れている ・防音機能がある ・結露の発生を防いでくれる |
|---|---|
| デメリット | ・一般的な塗料に比べ、初期費用が高い ・汚れやすい ・濃い色に対応できない |
| 実勢価格 | 約5,600円/㎡ |
「セラミック塗料といえば、ガイナ!」と考える人も多く、業者にも人気な塗料でもあります。
遮熱・断熱・保温性にかなり優れているので、冷暖房代の節約にも繋がることから、環境にも優しい塗料と言えるでしょう。
しかし、デザインのカラーバリエーションは、白を混ぜて作っていくため、濃い色には対応出来ず、どうしても淡い色味になってしまいます。
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遮熱・断熱②:日本中央研究所「アドグリーンコート」

| メリット | ・放熱機能に優れている ・滑らかな質感で、汚れがつきにくい ・安全性が高く、低刺激で環境にも優しい |
|---|---|
| デメリット | ・一般的な塗料に比べ、初期費用と共にトータルコストも高い ・取り扱い業者が少ない |
| 実勢価格 | 約3,650円/㎡ |
有害物質の含有が少ないセラミック塗料です。
高水準の遮熱機能を持った塗料ですが、その遮熱性でも反射しきれなかった熱を放熱させる機能があります。
また、シンナー臭や、目や喉への刺激が少なく、光化学スモッグの原因物質も少ないので、人体・環境にとって優しい塗料になります。
しかし、耐用年数は10~15年となっていて、初期費用の高さからすると短く、トータルコストのお得さを求めるのは難しいでしょう。
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石材調デザインにおける代表的なセラミック塗料
石材調デザインにおける代表的なセラミック塗料について解説をします。具体的な塗料メーカーと塗料製品をお伝えします。
石材調①:アペティ―「アトモス」
アペティ―は、高級塗料を開発しているメーカーです。3種類のセラミック系塗料をメインに販売しており、訪問販売で使われることも多くなっています。一つ一つ紹介していきます。

<引用:株式会社アペティ― 公式HP>
| メリット | ・デザイン性が高く、高級感のある外壁になる ・ひび割れを防ぐ効果がある ・ホタテの貝殻が配合されている |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある |
| 実勢価格 | 約9,000~14,000円/㎡ |
高い耐久性や断熱性を持った、石材調の綺麗な仕上がりになるセラミック塗料です。
アトモスには、更にホタテの貝殻粉末が添加されています。
また、セラミック塗料は塗膜が固いため、ひび割れがしやすい特徴がありますが、アトモスは独自開発の弾性力があるので、外壁と塗膜が追従しやすく、ひび割れを防げるようになっています。
しかし、費用面は一般的な塗料や同じセラミック塗料の中でもかなり費用が高く、お得な塗料と言うには難しいでしょう。
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石材調②:アペティ―「ラピス」

<引用:株式会社アペティ― 公式HP>
| メリット | ・デザイン性が高く、高級感のある外壁になる ・ひび割れを防ぐ効果がある |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある |
| 実勢価格 | 約7,300~12,000円/㎡ |
ラピスは、アトモスから耐久性、断熱性、弾性力などの機能はそのままに、ホタテの貝殻粉末を抜いた塗料です。
訪問販売の営業トークで、30年持つと言われることもあるようですが、現在の塗料で耐久年数30年という塗料は存在しないので、注意しましょう。詳しくはこちら↓
石材調③:アペティ―「ヘリオス」

<引用:株式会社アペティ― 公式HP>
| メリット | ・デザイン性が高く、高級感のある外壁になる ・ひび割れを防ぐ効果がある |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある ・アトモス、ラピスに比べ、カラーバリエーションが少ない |
| 実勢価格 | 約5,300円~9,300円/㎡ |
ラピスからカラーバリエーションを減らしたセラミック塗料がヘリオスです。
そのため、ラピス同様、アトモスと耐久性、断熱性、弾性力は変わりません。
しかし、アトモス、ラピスはカラーバリエーションが20色ですが、ヘリオスは10色と半分の選択肢になります。
石材調④:新生ホームサービス株式会社「フォーシーズン」
新生ホームサービスは、リフォーム業全般を取り扱う会社です。アペティ―と同様、新生ホームサービスもセラミック塗料を3種類販売しています。

<引用:新生ホームサービス株式会社 公式HP>
| メリット | ・石材調の高級感のある外壁になる ・セラミック塗材で耐候性が高い |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある |
| 実勢価格 | 約7,000~12,000円/㎡ |
耐候性に優れた珪藻土入りのセラミック塗料です。フォーシーズンは、紫外線による劣化を防ぐ、耐候性に優れています。
また、天然石を細かくしてまぶしたようなデザインなので、外壁に大理石のような印象をもたらします。
しかし、やはりアペティ―社の商品同様、セラミック塗料の中でも費用が高いのは否めません。また、塗膜が固いのでひび割れしやすいという一面があり、日本では一般的なサイディングの外壁にも合いません。
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石材調⑤:新生ホームサービス株式会社「サングラッセ」

<引用:新生ホームサービス株式会社 公式HP>
| メリット | ・石材調の高級感のある外壁になる ・セラミック塗材で耐候性が高い |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある |
| 実勢価格 | 約6,000~11,000円/㎡ |
フォーシーズンから珪藻土を抜いたセラミック塗料です。
フォーシーズンとの、価格の違いは珪藻土が配合されているか否かになります。
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石材調⑥:新生ホームサービス株式会社「グラファイン」

<引用:新生ホームサービス株式会社 公式HP>
| メリット | ・石材調の高級感のある外壁になる ・セラミック塗材で耐候性が高い |
|---|---|
| デメリット | ・セラミック塗料の中でも費用が高い ・仕上がりに差が出ることがある ・フォーシーズン、サングラッセと比べてカラーバリエーションが少ない |
| 実勢価格 | 約5,000~10,000円/㎡ |
サングラッセからカラーバリエーションを減らしたセラミック塗料です。
そのため、珪藻土の有無とカラーバリエーション以外はフォーシーズンとも変わりありません。
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低汚染機能における代表的なセラミック塗料
低汚染機能における代表的なセラミック塗料について解説をします。具体的な塗料メーカーと塗料製品をお伝えします。
低汚染①:日本ペイント「ファイン4Fセラミック」

<引用:日本ペイント株式会社 公式HP>
| メリット | ・汚れに強い ・光沢を長く美しく保つ ・耐久年数が長い |
|---|---|
| デメリット | ・一般的な塗料に比べ、初期費用が高い ・シンナー臭がある ・マットなデザインには出来ない |
| 実勢価格 | 約3,600~4,660円/㎡ |
また、表面のツヤを長時間保ち、紫外線や気温の変化などの外的環境の影響を受けにくい塗料なので、耐久性だけでなく、外壁の美観を長期間保つという面でも、優秀な塗料です。
しかし、少しシンナー臭があるので、苦手な人にとってデメリットだ感じるでしょう。また、ツヤツヤとした光沢のある質感になるため、マットな仕上がりが好みな方にとっては合わない塗料です。
詳しくはこちら↓
セラミック塗料を選ぶ前に知っておきたい注意点

セラミック塗料を選ぶ前に、知っておきたい注意点を4つお伝えします。
- 職人によって仕上がりに差が出やすいのを理解しておく
- 耐久年数は塗料のグレードで判別しよう
- 訪問販売が良く使う手法を理解しておく
- 不安に思ったら無理に今すぐやるべきではない
職人によって仕上がりに差が出やすいのを理解しておく
セラミック塗料は、デメリットの部分でも触れましたが、施工が難しいため職人の技術や経験によって仕上がりが左右されます。
また、訪問販売だと、営業マンと実際に施工する職人が違います。
そのため、いくら営業マンが良心的でも、そのまま工事の仕上がりも良くなるかと言われると、別問題のことが多いです。
未然に「手抜き工事」を防ぐには?
「外壁塗装がきちんと行われているか」は素人目には、一見分かりにくいものです。
例えば、本来なら3回塗りしなくてはいけない塗料を、業者が手抜きをして2回塗りしかしなかったとしても、見た目にはほとんど分からないからです。
そこで、手抜き工事を防ぐ方法をご紹介します。
・工事が何回塗りなのか、何色で塗るのか、どこを塗るのかを細かく把握する
・工程ごとに写真を撮ってもらう
・塗料の使用量をチェックするために使用前と使用後の写真を撮ってもらう
これさえしていれば絶対大丈夫というわけではありませんが、消費者の不安な気持ちを理解していない業者にとっては、面倒で負担が増える作業になるでしょう。
そのため、こういったことに誠実でない業者は優良な業者とは言えません。
耐久年数は塗料のグレードで判別しよう
もし業者にセラミック塗料だから耐久年数が上がっていますと言われたら要注意です。
先ほど解説したように、耐久年数はセラミックが配合されることで上がることはありません。
そのように営業トークを展開する業者は、売れさえすれば良いという考えだけでなく、塗料の基本的な知識も持ち合わせていないと考えられます。
訪問販売が良く使う手法を理解しておく
訪問販売の営業マンは売上がそのまま自分の報酬に直結することが多いです。そのため、巧みな話術を使って、時には強引な手法を使うこともあります。
ここでは、そのような手法に騙されないよう、訪問業者のよく使うとされている手法について、ご紹介していきます。
契約を急かす
訪問販売業者で多いのは、
「いま契約しないとこの値段のキャンペーンでは実施できません!」
「早く塗装しないと深刻な状況です!」
などと言って、即決を促すように消費者を焦らせる方法です。
少しでも時間を置いてしまうと、その塗料や会社について調べる時間を与えてしまったり、冷静になってしまうと契約に繋がらない恐れがあり、これを営業マンは避けています。
大幅な値引きをする
「最初に提示している価格から大幅に値引きが出来ますよ」という営業マンには注意が必要です。
例えば、最初は300万と言われた塗装に、「いま契約してもらえたら、あなただけ特別に150万でやらせていただきます!」と言われるとなんだかお得に感じてしまいませんか。
これは、先に高額な料金を提案しておいてから、本当の料金の提示をすることで、特別感やお得感を味わせる心理テクニックを使った手法でもあります。
塗料のデメリットに触れない
何においても万能な塗料は存在しません。どのような塗料でもデメリットはあります。
しかし、それを説明せず、あたかもメリットしかないような塗料のように、話していれば疑い深く見る必要があるでしょう。
不安に思ったら無理に今すぐやるべきではない
業者と話していて、疑問に思ったことや不安なことはすぐ聞いた方が良いです。
そこで、もし曖昧な答え方をされたり、少しでも不信感があれば急いですぐに契約する必要はないでしょう。
なぜなら、外壁は人生においても大きな買い物の一つであり、大切な家に関わることなので、全面的に信頼が出来る業者に頼んだ方が確実に失敗を防ぐことが出来るからです。
もし契約をやめたいときは?
8日以内であればクーリングオフの利用が出来ます。 その場でなんとなく契約をしてしまったけれど、もう少し調べたい、やっぱり家の外壁には合わなそうということであれば、迷わずクーリングオフを利用しましょう。外壁塗装は、少しでも不安があった状態でやるべきものではありません。
詳しくはこちら↓
塗料選びは第三者の意見を聞くのがおすすめ
セラミックは価格が高いので、慎重に選ぶことが大切です。
業者1社のみの話を鵜呑みにしてしまうと、その塗装が適正価格なのか、本当に自宅の外壁と合う塗料なのかというのが判断がつきません。
そこで、外壁塗装において、おすすめなのは「相見積もり」です。
これは、複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を知る、自分に合った業者を選ぶことが出来る方法です。
「でもそれでは営業電話がすごいことになるんじゃ?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ヌリカエでは詳細にヒアリングした上で、ご提案させていただく業者のみにお客様の情報をお渡しするので、ご紹介業者以外から電話が来ることはありません。
また、お断りも代行して行うことが出来ますので、ご安心してご利用下さい。
よくある質問
セラミック塗料でよくある質問を下記にまとました。
セラミック塗装の耐用年数は?
セラミック外壁の塗り替えは?
セラミック塗料のデメリットは?
セラミック塗料とは何ですか?
セラミック塗料とは、セラミックを配合した塗料の総称のことです。セラミックとは、陶磁器や天然石などの微粒子を混ぜ込んだものになります。
つまりアクリル塗料やウレタン塗料などにセラミックが含まれたものが、セラミック塗料ということです。
セラミックを配合することで、断熱性や遮熱性に優れていたり、高い耐久性や汚れにくくなる効果があります。
外壁塗装の塗料については、以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
セラミック塗装の耐用年数は?
セラミック塗装の耐用年数は、主成分である樹脂によって変わってきます。
セラミックが配合される塗料には、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料、」「無機塗料」があり、それぞれの耐用年数に準じます。
各塗料の耐用年数は、以下の表を参考にしてみてください。
<セラミックが含まれている塗料の耐用年数>
| 塗料の種類 | 耐用年数 |
|---|---|
| アクリル塗料 | 5~7年 |
| ウレタン塗料 | 8~10年 |
| シリコン塗料 | 10~15年 |
| フッ素塗料 | 15~20年 |
| 無機塗料 | 20~25年 |
セラミック外壁の塗り替えは?
セラミック外壁の塗り替えでは、通常の外壁塗装と同じ工程で塗り替えられますが、セラミック成分が多い「スキン塗装」などの場合は、厚い下塗り(シーラー)を何層も重ねる「4回塗りの工程」が必要です。
外壁の劣化症状によって対応の方法が変わってくるため、劣化が見られる場合は業者へ早めに相談することが大切です。
セラミック塗料のデメリットは?
セラミック塗料のデメリットとしては、「形状によっては汚れが付きやすい」「塗装に技術力が問われる」「費用が高い」ことなどが挙げられます。
とくに塗装には高い技術力が必要になるため、適切な業者を選ぶことが大切です。
色ムラが起こってしまったり、機能低下につながってしまう可能性があるため、慎重に選びましょう。
まとめ
今回は、セラミックの塗料について、解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
セラミック塗料と一言でいっても、セラミックの配合量から特徴さまざまです。
セラミック塗料は素晴らしい塗料であることは間違いありません。
ですが、セラミック塗料と謳うことで、簡単に価格を上げることが出来てしまうので、悪徳業者の騙しの道具になっている現状がヌリカエでも苦しい限りです。
こういった事態を1件でも多く防ぐため、ヌリカエでは些細なご相談でも常時受け付けておりますので、お気軽にご連絡下さい。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
セラミック塗料とは?
焼成した土や石を配合した塗料です。セラミック塗料にも、耐用年数が長いものから短いものまで存在しますので、選ぶ前には注意が必要です。詳しく知りたい方はセラミック塗料とは何かをご覧ください。
セラミックが入っていれば塗料の耐用年数は長くならないの?
塗料の耐用年数を左右するのは、ベースである樹脂です。セラミックが配合されていることそれ自体で、塗料の耐用年数が大きく向上することはありません。詳しくはセラミックが入ることで耐用年数が上がるわけではないをご覧ください。
セラミック塗料の効果は?
製品によりまちまちですが、ウリにしている機能は大きく3つの傾向があります。「おしゃれなデザイン」「断熱効果」「雨によるセルフクリーニング効果」です。詳しくはセラミック塗料の中でも得られる効果は異なるをご覧下さい。
セラミック塗料の代表的な製品は?
石材調のデザインをウリにした「アトモス」「ラピス」「フォーシーズン」、断熱効果をウリにした「ガイナ」、セルフクリーニング機能をウリにした「ファイン4Fセラミック」などがあります。詳しくはセラミック塗料の代表的な会社と製品をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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