窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、国内で約8割のシェアがある外壁材です。
セメントと繊維質を混ぜて板状に成形し、窯で焼いて作る外壁材となっており、豊富なデザインが用意されている点ではほかの外壁材を凌駕しています。そこで本記事では窯業系サイディングのデザインの種類の紹介から、実際にどのように選べばいいのかまでを解説していきます。ぜひ、窯業系サイディングのデザインのお悩みの方は参考にしてみてください。
窯業系サイディングについて、より深く理解したい方はこちらの記事もあわせて確認してみてください。
この記事を監修しました

株式会社Speee
小林 成光
所有資格
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
専門分野
外壁工事
職業
外壁アドバイザー、外装劣化診断士、ホームインスペクター
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。


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窯業系サイディングのデザインの種類を比較【全7種類】

<窯業系サイディング デザイン種類別比較表>
デザインの種類 | 特徴 | 与える印象 | おすすめの住宅スタイル |
---|---|---|---|
タイル・レンガ調 | 本物のタイルやレンガのような重厚感を表現できる 軽量かつ安価で施工が可能 |
重厚感、高級感 | 欧風、プロヴァンス風、カントリースタイル |
石積柄 | 自然石の風合いで温かみのあるデザイン 大小様々な石の組み合わせで単調にならない |
温かみ、落ち着き | 和風、洋風、ナチュラルモダン |
木目柄 | 塗装で木目を再現。 腐食や害虫の心配がない |
ナチュラル、温もり、シック、モダン | 和モダン、北欧風 |
ライン柄 | 金属外壁のようなシャープでスタイリッシュな印象 横張り・縦張りで表情が変わる |
スタイリッシュ、シャープ | モダン、シンプルモダン、クール |
コンクリート柄 | 本物のコンクリートのような質感 軽量で建物への負担も少ない |
無機質、スタイリッシュ、クール | モダン、コンクリート打ちっぱなし風 |
無地・フラット柄 | 凹凸が少なくシンプルなデザイン どんな建築スタイルにもあわせやすい |
すっきり、ミニマム | シンプルモダン、和モダンなど |
塗り壁調 | 塗り壁のような自然な質感と温かみを表現 耐候性に優れ、安価 |
自然な風合い、温かみ | 和風、洋風、南欧風、ナチュラルテイスト |
タイル・レンガ調
タイル・レンガ調は、本物のタイルやレンガが持つ重厚感を外壁に再現できるデザインです。一枚一枚の風合いまで丁寧に表現されているため、手軽に欧風の伝統的な住宅を演出できます。
軽量な素材のため建物への負担が少なく、耐震性を重視したい方にも適しています。
また、安価で施工ができるため、外観にこだわりながらもコストや安全性を考慮したい方におすすめのデザインです。
石積柄
石積柄は、自然の石が持つ温かみと風合いを表現したデザインです。大きな特徴はな大きさや形の石が組み合わさって造られていることです。
単調になりやすい外壁の印象に、あえて不揃いな石積となることで、メリハリのある印象になります。
和風住宅にも洋風住宅にも馴染みやすいため、さまざま人に親しまれています。シンプルでありながらも陰影があり、重厚感のある外観に仕上げたい方に最適です。
木目柄
木目柄は温もりのある木材の質感を塗装によって施したデザインです。
木目柄ですが、天然素材を使用しないため、規則的なデザインになっていることや木材特有の腐食や害虫の発生といった心配はないのが特徴です。
黒や茶色はシックな印象を与え、少し薄い木の色であればナチュラルな雰囲気にできます。外壁全体を木目柄で統一したり、一部分をアクセントとして取り入れたり、さまざまな用途で利用できます。
ライン柄
ライン柄は、スタイリッシュでシャープな印象を与えるデザインです。
シンプルでありながら洗練された外観の印象を与えるため、よりスマートな印象の家にしたい場合におすすめです。
またライン柄は縦張りと横張りで異なる印象を与えることができ、横張りは落ち着いた雰囲気に、縦張りはスマートな雰囲気になります。クールな印象にしたい方などにおすすめです。
コンクリート柄

コンクリート柄は、本物のコンクリートのような質感を与えたデザインです。
一見しただけではコンクリート打ちっぱなしの外壁に見えますが、まぎれもなく窯業系サイディングの一種です。無機質なデザインが好みの方はおすすめになります。
実際のコンクリートと比較しても、非常に軽量である点が大きな特長になります。軽量であるため、建物にかかる負担を最小限に抑えられるデザインです。
無地・フラット柄

無地・フラット柄は、凹凸が少なく、すっきりとしたシンプルなデザインです。
シンプルなデザインとなるため、どのようなスタイルにも合わせやすく、クリーンで清潔感のある外観を好む方に人気があります。
特定の意匠性を求めずにシンプルに整えたい方や、ミニマムな印象を与えたい方におすすめです。塗り壁調

塗り壁調は、本物の塗り壁のような自然な質感と温かみを持つデザインです。
和風から洋風住宅まで、幅広い住宅スタイルに調和する高いデザイン性から人気を集めています。本物の塗り壁は高価な傾向にありますが、塗り壁調であれば比較的安価に導入できる点も魅力です。
また、本物の塗り壁よりも耐候性に優れており、雨風や紫外線による損傷を抑えるメリットもあります。落ち着いた雰囲気や自然な風合いを好む方におすすめです。
窯業系サイディングとその他のサイディングとの違い3つ
外壁窯業系サイディングはコストのかからない外壁材です。外壁ですので、他の金属系サイディングなどに比べると相場は低くなっています。
窯業系サイディングは金属系サイディングなどと比べると多岐にわたるデザインを採用することができます。例えば、布柄などにすることもできます。
ここでは、窯業系サイディングとその他のサイディングとの違い3つを挙げてみました。参考にしてみてください。
1:木質系サイディングとの違い
外壁窯業系サイディングは低いコストで外壁工事を行えるのが特徴です。外壁
木質系サイディングはデザイン性や耐震性に優れている反面値段が高いのがネックです。窯業系サイディングは値段が安いため、多くの一般住宅で使用されています。
しかし、メンテナンス頻度は窯業系サイディングのほうが多くなります。木質系サイディングはあまりメンテナンスがかかりません。
2:樹脂系サイディングとの違い
樹脂系サイディングは塩化ビニール素材を利用した外壁材です。外壁窯業系サイディングとの一番の違いはデザイン性が劣るということです。外壁窯業系サイディングは木目調や石板系など様々なデザインの中から選ぶことができます。
樹脂系サイディングのメリットもあります。それは耐用年数が窯業系サイディングより長いことです。また、海外では耐用年数が長いため窯業系サイディングより人気があります。
3:金属系サイディングとの違い
金属系サイディングとの一番の違いは、コストの面です。外壁金属系サイディングは重量、耐用年数など窯業系サイディングより優れたところがたくさんありますが、コストの面でかなりの費用がかかります。外壁
金属系サイディングの主な素材であるガルバリウム鋼板やアルミなら、重量は窯業系サイディングの4分の1もしくは8分の1程度です。
窯業系サイディングのデザインを決める際のポイント5つ
窯業系サイディングのデザインを決めるときは、施工会社のインテリアコーディネーターの意見などを聞き、ノートにまとめてみるのも大切です。施工会社にはデザインを決めるためのマニュアルも完備されており、そういったやり方をまねるのも良い方法です。
外壁基本的には、自分のイメージと完成されたものを近づけるために何度もシミュレーションをしてみるのが良いでしょう。外壁
ここでは、窯業系サイディングのデザインを決める際のポイント5つを挙げてみました。
1:窯業系サイディングメーカーの施工例を参考にしよう
外壁窯業系サイディングをする場合には、どのような仕上がりになるのかを施工例を見て判断すると良いでしょう。外壁また、施工例見て「費用」「工事期間」なども考慮したうえで、メーカーを選ぶようにしましょう。
2:見本を参考にするときは大きなサイズのものをもらう
見本をもらうときは大きなサイズのものをもらうと良いです。例えば、A4サイズのものです。
外壁窯業系サイディングは少しの色の違いが、家全体を建てたときには大きな違いとして出てきます。外壁例えば、グレーのワントーン違う色の見本を見せてもらったときに、たいした差はないと感じても完成後には実際には大きな差として出てきます。
3:理想とする外観イメージを具体的にすること
外観イメージは具体的に持っていたほうが良いです。完成後に大きなイメージとの差が生じづらくなります。
例えば、スタイリッシュなものにしたいと考えるならば、縦線を外壁に配したほうが良いでしょう。あるいは、温かみのあるものにしたいと考えるならば、一部に木目調の窯業系サイディングなどを配置するのが良いでしょう。
外壁具体的なイメージを持つことでより完成形に近づけることができます。外壁
4:近隣住宅を参考にする
外壁近隣の住宅がどのような家なのかは、サイディングを施す際にも参考になります。外壁例えば、木目調をあしらったサイディングが多いなら、その地域は冬に寒さが厳しいことが予想されます。
地域ごとに独自のルールなどがある場合もありますので、それを考慮したうえでツールとして窯業系サイディングを利用してもよいでしょう。
近隣と調和するかどうかも確認しよう
近隣と調和するかどうかも大切です。外壁自分の主張したいところは抑えて、なおかつ近隣住宅との和を乱さない程度のサイディングが有効です。外壁そのために最後に近隣住宅は散歩してみるのも良いでしょう。実際に歩いてみることでその地域の雰囲気を知ることができます。
5:実際の家でカラーシミュレーションを行う
外壁施工会社に相談すれば、窯業系サイディングで実際の家でカラーシミュレーションをしてくれます。外壁カラーシミュレーションとは、専用ソフトやサイトを使った3Dモデル上のシミュレーションを行うことで色を建物に施してみることです。
施工会社には専門のカラーコーディネーターなどがいることも多いので、わかりやすく色味などを解説してくれます。実際に家を建てた後ではやり直しに大きなコストがかかるため、カラーシミュレーションをすると良いでしょう。
窯業系サイディングのデザインを考えよう
窯業系サイディングは多くのデザインを自分で決めることができます。木目調やレンガ柄など様々です。外壁多様性のある素材なので好きなものを自分で選ぶことができます。外壁
値段も他のサイディングと違い安値なので、家を建てる際やリフォームをするときにはコスパが良いです。
お気に入りの窯業系サイディングを見つけて、素敵な家を建ててみましょう。