無機塗料はこんな人におすすめ!ポイントと利点や注意点についても紹介

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無機塗料は、一般的に利用されているシリコン塗料、ウレタン塗料、フッ素塗料を上回るほどの高い耐候性を誇る塗料です。初期費用は高コストであるものの、非常に長持ちするといった特徴を持っているため、長期的なスパンで考えるとコストパフォーマンスが高い塗料だと言えます。
無機塗料を扱う塗装業者は年々増えており、塗り替えの際にはぜひ選択肢に入れたい最高グレードの高性能塗料です。
無機塗料ってどんな塗料?
無機塗料とは、鉱物などの自然界にある劣化しにくい無機物を含んだ塗料のことです。
無機塗料と言っても、100%無機物だけで出来ているわけではありません。無機物の利点を生かしつつ、合成樹脂などの有機物を混ぜることによって塗料にしたものが無機塗料です。
そのため、別名では「無機ハイブリット塗料」「無機有機ハイブリット塗料」と呼ばれることがあります。
無機物は石やレンガなど丈夫なものが多く、そのままで外壁に付着させることができます。それを有機樹脂の中に含ませることで付着性を上げています。
無機塗料は、有機物だけで出来ている塗料に比べて、耐久性が高く劣化しづらいのが最大の特徴です。
「無機塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!」
一般的な塗料と無機塗料の違いとは?

一般的によく利用されている塗料である、シリコン塗料、フッ素塗料、アクリル塗料などは、有機物である合成樹脂を100%使用した塗料であるため「有機塗料」と呼ばれています。一方、無機塗料の方は鉱物などの無機質が有機樹脂に加えられて出来ています。
そのため、100%の無機塗料はなく、正確には無機物を含んだ有機塗料です。そのため無機塗料は有機塗料の1つといえます。
無機塗料と有機塗料との大きな違いは耐用年数の高さです。無機塗料は耐用年数が長く、コストが高いです。有機塗料は紫外線に弱く、耐用年数が劣るものの、価格幅は豊富です。
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 1㎡あたりの価格 |
|---|---|---|
| 無機塗料 | 20~25年 | 4300円~5500円 |
| アクリル塗料 | 5~6年 | 1,400~1,600円 |
| シリコン塗料 | 7~15年 | 2,300~3,500円 |
| ラジカル塗料 | 12~15年 | 2,200~4,000円 |
| フッ素塗料 | 15~20年 | 3,500〜5,000円 |
「外壁塗装用の塗料」について広く知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介」
無機塗料はこんな人におすすめ!チェックポイント4つ

ここからは、無機塗料はどのような人に向いているのかの、チェックポイントを紹介していきます。
無機塗料は耐久性が高く、長期間持ちますので、必然的に塗装替えする間隔を延ばすことになります。長期的に見た結果として、塗装回数を減らすことでメンテナンスの手間を減らすことに繋がります。
1:塗装を長持ちさせたい

画像出典:GAISOガイソー小平店
塗装を長持ちさせるには、対候性の高さが影響します。対候性が高ければ、長い時間外壁を維持してくれるため、光沢などといった見た目も変化が少なくなります。この点で純粋な有機塗料に比べて、無機物の含まれる無機塗料の方が耐候性の面で向いています。
一般的に塗装に悪い影響を与えるのは太陽光線に含まれる紫外線だと言われています。紫外線に対して無機物が含まれる無機塗装の方が有機塗料に比べて耐久性が高いため長持ちすることになります。
2:綺麗な見た目を保ちたい
無機塗料は、汚れが付きにくい塗料が多くなっています。綺麗な外観の見た目を保ち続けたい方に向いています。無機塗料の特徴として、低汚染性や防汚性が高く、汚れが付きにくいことが挙げられます。
無機塗料に含まれた無機物には親水性があり、水分となじみやすく、汚れが表面についたとしても雨が降ることで水分になじんだ汚れがそのまま雨に流れて取れやすくなっています。
3:塗装回数を減らしたい
無機塗料には、紫外線により劣化する有機成分である樹脂成分をサポートしてくれる紫外線に強い無機物が含まれているため、耐候性が高く、耐用年数が長いという特徴があります。無機塗料は、塗装の間隔を長く取れるため、塗装回数を減らしたい方におすすめです。
日の当たり方や、塗料に含まれている無機物の質や量によって再塗装の期間は変わってきます。基本的に無機塗料の多くは20年以上持つと言われていますから、長期間美しい外観を保ちます。
4:メンテナンスの手間を最小限にしたい
無機塗料はホコリなどの汚れがつきにくいという特徴に加え、汚れを自ら落とすセルフクリーニング機能が備わっているため特に汚れにくい塗料でしょう。有機塗料に比べて静電気も発生しにくいため、ホコリの付着も少なくなります。
そのおかげで外壁のメンテナンスはその分楽になり、メンテナンスの手間が少なくて済みます。
無機塗料の6つの利点とは?

ここからは、無機塗料の利点を6個紹介します。無機塗料の利点の1つとして、カビやコケが発生しづらくなり、綺麗な状態を保つことができます。無機塗料の利点には塗装面に汚れが付きにくい上に、雨水により汚れが取れる効果を持つこともあります。
無機塗料は難燃性の塗料が多く、燃えづらいことも利点になります。また、無機塗料の皮膜は強いので、悪天候に強く、耐久性も高いのでメンテナンス性が高く、塗装が長持ちしますから再塗装を行う間隔を長くとることができます。
1:カビやコケが発生しづらい
無機塗料には鉱物などが混ぜられて作られる特性上、カビやコケの栄養分となる有機物の含有量が少なくなります。そのためにカビやコケの発生が抑制できる効果が期待できるでしょう。カビやコケは発生すると、塗装面の美観を損なってしまいます。
さらに美観を損なうだけではなく、コケの根からは酸性物質が発生し、下地のセメントやモルタルのアルカリ性を中和させることで耐久性を落としてしまいます。
そのため、コケをはやさないことは、建物の強度を落とさないことに繋がります。
2:汚れにくい
無機塗料は汚れが付きにくいのが特徴の塗料ですが、特に汚れにくいように配合を変えた超低汚染性の製品も販売されています。無機塗料を塗った面に汚れがついても塗装面と汚れの間に水が入り込み流してくれるといった効果を持っているため、汚れが取れやすくなっています。
無機塗料は有機塗料に比べて静電気の発生が少ないため、空気中に漂っているホコリや小さなチリが静電気により付着することも少なく、綺麗な塗装面を維持できます。
3:燃えづらい
無機塗料は鉱物などの不燃性の無機物を含んでいるため、有機物100%の有機塗料に比べると燃えづらいのが特徴です。燃えにくさの程度には違いがありますが、無機塗料はかなり燃えにくいです。
ただし、無機塗料は有機樹脂を使っていますので、絶対に燃えないわけではなく火気の使用に注意が必要なのは変わりません。
4:悪天候に強い
無機塗料は無機物を多く含むために、安定した強度を持っており、雨や紫外線に強くなっています。特に有機塗料の劣化に大きな影響を与える紫外線に強くなっているため、強い日差しなどにも耐えることができます。
また、塗膜の強度が高いので、風雨や強風にも強く悪天候に強い塗料になっています。風によりたたきつけられるチリや砂などに対しても耐久性が高いということなので、外壁表面を長期間守ってくれるのが無機塗料のメリットの1つです。
5:メンテナンスを削減できる
無機塗料は一回塗ってしまえば耐用年数が長いため、長期間塗り替えを行う必要がありません。無機塗料は有機塗料に比べて、コストが高いのがデメリットですが、塗り替え回数が少なくて済むため、長期的にみると他塗料と比べて特別高いわけではありません。
また、塗り替え間隔を長く取れることは、メンテナンスが少なくなりますので、メンテナンスの手間を少なくしたい方におすすめの塗料です。
6:塗装が長持ちする
無機塗料は、塗膜の強度が高く安定性が高いため、耐候性に優れ耐用年数が長くなっています。樹脂成分が少ないため、紫外線による劣化が抑えられ、日差しに対して強くなっています。
無機塗料の素材や使用条件により変わりますが、一般的には20年以上も塗装が長持ちするとされています。
おすすめ無機塗料メーカーと商品4つ

耐用年数が長く、汚れに強く、燃えにくいなど多くのメリットがある無機塗料ですが、それは高品質な無機塗料だからできることです。そこでここからは、大手の信頼できる無機塗料メーカーと商品を紹介していきます。
信頼できる無機塗料メーカーとして紹介するのは、日本ペイント、関西ペイント、カーボラインの3社になります。
「日本の塗料メーカー」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「日本の代表的な塗料メーカー10社を紹介!特色と代表商品をチェック」
1:日本ペイント アプラウドシェラスターⅡ

画像出典:塗料通販のペイントシティーコム
日本ペイントは、最高位の超高耐候性を実現した無機塗料「アプラウドシェラスターⅡ」を販売しています。
建物寿命の最大化をコンセプトに、超高耐候性でメンテナンスサイクルの最大化を実現する耐候性と、超低汚染性で美しい外観を保ち続けます。
メンテナンスサイクルを最大化したい建物や、メンテナンスが難しい高層ビルに最適です。
2:日本ペイント ニッペ パーフェクトセラミックトップG

画像出典:塗料通販のペイントシティーコム
日本ペイントは、フッ素樹脂塗料を超える高耐候性で美しいつやを保つ無機塗料「ニッペ パーフェクトセラミックトップG」を販売しています。
高いレベリング性を持つことで美しいつやを再現し、超低汚染性によって建物外観に付着した汚れを雨とともに洗い流し、透湿性によって塗膜の剥がれを防ぎ美しい外観を保ちます。
3:関西ペイント アレスダイナミックMUKI

画像出典:PAINT-ESHOP
関西ペイントは、超長期耐久と強力な付着力を発揮する無機塗料「アレスダイナミックMUKI」を販売しています。
無機と有機の特性を最大限に生かし、優れた耐候性と多彩な機能を持っています。水性塗料の1液システムとなっているため、まわりの環境にもやさしく安全です。
4:カーボライン セラスターウォール

画像出典:株式会社アシスト
カーボラインは、無機の特長である優れた耐候性と、有機の特長である耐クラック性・耐屈曲性を兼ね備えた「セラスターシリーズ」を販売しています。
高耐候性によって光沢を維持し、特殊セラミック成分が住宅に付着した汚れを落とします。水性で環境にやさしく、他の強溶剤型の塗料よりも臭気が控えめであるため周りに配慮した塗料となっています。
無機塗料の注意点5つ

強度が高く、汚れにくいなどのメリットが多くある無機塗料ですが、無機塗料を使う上での注意点を紹介します。無機塗料を塗る際の注意点の1つには、職人の技術によって仕上がりに差がでることがあります。
また、ツヤありの仕上がりに限りあることや、ひび割れしやすいことなどにも注意が必要です。無機塗料には豊富な種類がありますがそれで逆に選びにくくなってしまったことや、価格が高いことも注意点になります。
1:職人の技術によって仕上がりに差が生まれる
無機塗料を塗って貰う際に、職人の知識や高い技術が要求されるでしょう。なぜなら有機塗料に比べてコストが高く、使われるシーンが少ないため、施工経験が豊富な業者や職人が見つけにくいことなどが挙げられます。
施工の質が悪いと性能を十分に発揮することができない上に、塗膜の耐久性も落ちてしまいます。無機塗料を選択する際には、依頼する業者の施工実績が豊富かどうかを確認することをおすすめします。
2:ツヤありの仕上がりに限られる
無機塗料は、100%有機塗料と異なり、ツヤありの仕上げに限りがあります。完全なつや消しができないところがデメリットです。外壁のツヤについては個人の好みが大きく影響しますが、綺麗に見える反面、安っぽいイメージになりかねません。
無機塗料は完全にツヤ消しにはできませんが、調整することでツヤの程度を少し抑えることができます。ただし、高度な技術が要求され、塗りムラが起こりやすくなってしまいます。
3:塗装できない外壁材もある
無機塗装は汚れが付きにくいメリットがありますが、それがデメリットになる場合もあります。汚れをはじく性質が原因で、上からの再塗装が難しい場合や新しい塗料が密着しにくく剥がれやすいことがあります。
また、無機塗料でできた塗膜は固いため、ヒビと一緒に割れてしまいます。ヒビのある下地やヒビの起こりやすい下地には向いていません。
4:ひび割れすることがある

無機物を含んでいるため塗膜の硬い無機塗料は、ひび割れしやすいのが注意点です。100%有機物でできた有機塗料である弾性を持つ塗料とは違い、下地にヒビが入ると一緒に割れてしまいます。
ヒビが入ってしまうと雨水が侵入してしまうため、ヒビが予想される場合には、無機塗料よりも、伸縮性のある有機塗料がおすすめです。
5:パフォーマンスは高いが価格も高い
無機塗料自体の単価は安くありません。しかし、耐久性や耐候性に優れ、耐用年数も長いため、長期的にみるとコストパフォーマンスは他の塗料と比べて遜色ありません。
しかし、外壁の塗装工事の回数を減らしたい方であれば、価格の高さを補うメリットとなります。
おすすめの無機塗料について知ろう
無機塗料は長期的なコストパフォーマンスをよくしたい方や、とにかく塗装面を長く持たせたい、最後の塗装にしたいと考えている方におすすめの塗料です。
ただし、無機塗料は比較的新しい製品なため、施工業者の経験が浅く、仕上がりに差が出やすいことや製品間の差があることを知っておきましょう。その上で、おすすめの無機塗料を選ぶことが必要です。
