外壁塗装は必要ないって本当?自宅に塗装が必要かどうか見極める方法を紹介します

  • 【更新日】2023-03-31
外壁塗装は必要ないって本当?自宅に塗装が必要かどうか見極める方法を紹介します

外壁塗装についてそもそも必要なのか分からない方が多いでしょう。
実際、年間1万人以上にご利用いただいている当社「ヌリカエ」でも、以下のようなお問い合わせをいただくことは少なくありません。

  • 「訪販販売業者に提案されたが、家の外壁って本当に塗装する必要があるの?」
  • 「築10年だが、特に損傷はない。そのままでも大丈夫なのでは?」

外壁塗装のことを調べると、塗装工事をする前提のことを書いている記事がほとんどで、それが必ず必要なのか気になってしまいますよね…。

「外壁塗装をしなくても、見た目が悪くなるくらいだから、それを我慢すればなんかなるのでは」
そう考えることもあるのではないでしょうか?

まず、結論からお伝えすると、外壁塗装をせずに放置していると、むしろ余計に出費が増えるのでおすすめできません。

外壁塗装が必要ないのでは?外壁塗装が必要ない家とはどんな家なのか?とお考えの方のために、外壁塗装が必要ない家の特徴と放置の危険性を解説します。

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装が必要ない家とは

外壁塗装が必要のない家とはどんな家なのでしょうか。

下記のような家の場合は外壁塗装は不要です。

外壁塗装が必要ない家
  • 外壁がタイルの家

  • 外壁がレンガの家

  • サイディング工事をして10年以内の家

これらの家に外壁塗装が必要のない理由を一つずつ解説します。

外壁がタイルの家

タイル外壁の家の写真

外壁がタイルの家の場合、塗装は必要ありません。

これはタイル自体が、非常に硬くて傷や摩耗がつきにくく、紫外線による変色や褪色といった経年劣化もほとんどないからです。

さらに、吸水性が低く、汚れにくく、雨の影響を受けにくい素材でもあり、正しく施工されれば、20年~30年以上の耐久性を発揮します。

このため、外壁がタイルの家には外壁塗装は不要となります。

外壁がレンガの家

外壁がレンガの家の場合、塗装は必要ありません。

レンガもタイル同様に、雨風や紫外線による変色に強く、また吸水性が低いことからカビや汚れを影響を受けないことから、外壁塗装が不要となります。

さらにレンガの耐用年数は50年とタイルよりも20年以上長いことも特徴です。

レンガに塗装をしてしまうとかえってメンテナンスの手間がかかってしまうので、塗装は不要で、塗装をしないことが推奨されます。

サイディング工事をして10年以内の家

サイディングの工事をして10年以内の家の場合は、塗装は必要ありません。

ただし、サイディングの状態や、工事で使用した塗料の種類によっては、サイディング工事をして10年以内の家の場合でも、塗装が必要になります。

グレードの高いフッ素塗料や、人気のラジカル塗料、シリコン塗料を使用している場合は、基本的には外壁塗装は不要だと考えてよいでしょう。

自宅に外壁塗装が必要かどうか確認する方法

自宅に外壁塗装が必要かどうか確認する方法は、3つあります。

確認方法
  • 自宅の外壁はタイルかレンガか

  • サイディング工事を最後にしてから10年が経っていないか

  • 外壁に劣化症状が見られないか

ここからは、自宅に外壁塗装が必要かどうか確認する方法をひとつずつ解説していきます。

自宅の外壁はタイルかレンガか

自宅の外壁がタイルやレンガの場合は、外壁塗装は必要ありません。「外壁はタイルか?」「外壁はレンガか?」を見分ける方法は下記の通りです。

外壁がタイルの場合

  • 叩くとガラスのような音がする
  • タイルのつなぎ目にゴム材のようなものはない

外壁がレンガの場合

  • 風合いがあり、表面には凹凸がある
  • ひとつひとつのレンガの形が異なっている

近年は本物のタイルやレンガに似たデザインのサイディング材が開発されていますので、見た目だけではなく、手触りなども確認するようにしましょう。

サイディング工事を最後にしてから10年が経っていないか

サイディング塗装が必要になる時期は築10~12年目です。
ただしこれは目安であり、実際はサイディング材にもともと施されていた塗装の種類によって、外壁塗り替えのタイミングは変わります。

塗料の種類と耐用年数
塗料の種類 塗装必要時期の目安
アクリル塗料 6~8年
ウレタン塗料 8~10年
シリコン塗料 10~15年
フッ素塗料 15~20年
※塗料の種類をクリックすると、その塗料についての解説記事にジャンプします。
アクリル塗料や、ウレタン塗料といったグレードの低い塗料を使用している場合は、サイディング工事を最後にしてから10年以内であっても、塗装が必要になることがあります。

自宅で使用した塗料が何か、まずは確認をしましょう。

外壁に劣化症状は見られないか

最後の確認方法は、外壁の劣化症状のチェックです。

自宅の外壁がレンガやタイル以外の場合で、下記のような劣化症状が見られる場合は、外壁塗装が必要になります。

とくに「チョーキング現象」という表面に粉が吹く症状がでたら、塗膜の防水性が失われているサインなので、なるべく早めに外壁塗装が必要です。

以下は、「こんな症状が出たら塗装が必要だ」といったサインです。

  1. チョーキング現象
  2. 塗膜の剥がれ
  3. 変色・退色
  4. コーキングのひび割れ
  5. 塗膜の膨れ

ここからは、それぞれ劣化症状について写真付きで簡単に解説をします。

①チョーキング現象

サイディングの表面を指で触ると、古くなった塗膜がチョークの粉のように付きます。外壁に「チョーキング」という劣化症状が表れた場合、塗装が必要なサインです。

②塗膜の剥がれ

塗膜の剥がれは、前回塗装した塗膜が剥がれてしまう現象を表します。下地が露出した部分から腐食のおそれがあるため、至急の対処が必要です。

③外壁の変色・退色

外壁の変色・退色は色褪せして見えたり、色が白くぼやけて見える現象です。放置しておくと、塗膜の防水効果切れ、サイディングの腐食のおそれがあります。

④コーキングのひび割れ


コーキングのひび割れは、経年劣化や施工不良によって起こり、「切れ」「破断」とも言われています。放置しておくと雨水が入り、雨漏り被害から外壁や構造体の腐食に繋がる可能性があります。

⑤塗膜の膨れ

塗膜の膨れは、内側に溜まっていた水分が熱によって気化されることが原因で発生します。放置しておくと雨水が入り、雨漏り被害から外壁や構造体の腐食に繋がる可能性があるため注意が必要な劣化症状です。

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必要ない?外壁塗装をせずに放置することの問題

メンテナンスされず放置された家 きれいな状態に保たれた家
状況 特徴 メリット デメリット
放置した場合 建物内部まで劣化する 塗装費用を気にしなくていい 塗装よりも高い修理費がかかる
放置しない場合 建物の劣化を防げる 建物の耐久性を維持できる メンテナンスの手間がかかる

外壁塗装をせずに、放置するとどうなってしまうのでしょうか。

「塗装をしていなくてもある程度は平気なんじゃないの?」と疑問になりますよね。

答えとしては、塗装をしなくてもある程度は平気です。と言えるでしょう。

しかし、「ある程度」という言葉の通り、外壁の塗装を完全にやらないということは危険なのです。

では、なぜ危険なのでしょうか?

これから、外壁塗装をせずに放置しているとどのような症状が出てくるのかをご紹介しますので参考にしてみてください。

外壁の耐久力(防水性)が下がる

雨天時の住宅の外壁・雨樋・屋根

外壁の耐久力を守っているのは、「塗料の機能による防水効果」が大きくあります。

定期的に塗料で防水性を保つことで、雨・風・紫外線などの外的な劣化要因から壁面を守ってくれます。

耐久力が低下してしまうと、外壁にひび割れ・浮き・剥がれ・チョーキング現象など様々な劣化症状が現れます。

一方で、塗料にも耐久力というものがあり、それがなくなることによって外壁に様々な劣化症状が出てきてしまいます。

外壁だけの劣化ならまだ良いほうなのですが、外壁の塗膜の劣化を放置することで、建物内部の構造体にまで更なる劣化を招いてしまいます。

表面をバリアしている機能がなくなれば、当然、本体にも影響が出てきて、建物自体の耐久力が下がってしまう可能性が出てしまいます。

塗装が必要な箇所にトラブルが起こる

建物は、さまざまな部位で構成されています。

その一つ一つの部位には、建物を守る重要な機能が備わっています。

外壁の塗装をしないことで、本来塗り替えが必要な箇所がメンテナンスできなくなり、部分的な劣化によって深刻なダメージを建物に与える可能性があります。

ここから、住宅のなかで塗装が必要な部位と、その部位の役割は以下のとおりです。

一戸建ての各部の名称
部位 塗装をしないことで起こる症状
外壁 美観の低下、雨漏り、建物の躯体(構造体)への腐食
屋根 美観の低下、断熱性の低下、雨漏り、建物の躯体(構造体)への腐食
雨戸 腐食、さび、耐火性の低下、防犯性の低下
戸袋 腐食、さび、風による雨戸の音鳴り
鼻隠し 雨樋の落下、屋根内部の腐食
破風板 屋根内部の腐食
軒天 屋根の腐食、屋根の落下、防火性の低下
雨樋 外壁の防火性低下、雨水による外壁の侵食
笠木 ベランダ部の防水性低下、腐食、さび
玄関通行時の水濡れ

外壁塗装の際ではほとんどの場合、破風板や軒天などの付帯部分も同時に塗装を行います。
定期的に塗装を行うことで、家全体の防水性や美観、住心地を守ることに繋がるのです。

長い目でみるとトータルコストが高くなる

外壁塗装をせずに放置していると起こる最後の問題はトータルコストが高くなることです。

外壁を放置し、深刻な異常が起こってから修理工事を行うと、トータルコストは高くなります。

外壁塗装をしなければ、そもそも費用は節約できているのでは?と考えがちですが、長期的にみると大きな誤解です。

外壁の劣化が進んでしまった場合は、塗装作業では直すことができません。

そうなると、外壁材を張り替えたり、ひどいときには躯体(内部の骨組み)の修理や作り直しが発生することもあります。

定期的に塗装で保護しておけば防げたであろうトラブルが起こり、塗装よりも大規模な工事をしなくてはならず、費用はさらにかかることになります。

「塗装をしないでおいて、劣化してしまったらついでに外観を変えるために全部取り替えてしまおう!」
と考えるのも良いのですが、建物内部に劣化が進むまで放置していると、思いもよらない高額なお金が出ていってしまう可能性が高くなります。

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外壁塗装が必要なくなるような方法はないの?

外壁塗装が必要なくなるような方法は何かないのでしょうか…

残念ながら、外壁塗装をまったくしなくてもよくなることはありませんが、外壁塗装の回数やメンテナンス時期を延ばす方法はあります

これから、その方法をご紹介いたします。

外壁塗装が必要ない外壁材に張り替えをする

ひとつめとして、外壁塗装が必要ない外壁材に張替えるという方法があります。外壁塗装が必要ない外壁材には以下のものがあります。

  • タイル
  • レンガ

タイルやレンガは、雨風や紫外線による変色に強く、吸水性が低いことから外壁塗装は必要ありません。さらに耐用年数も他の外壁材に比べて長いことが特徴です。

塗装のメンテナンスが手間に感じる方は張り替えを検討してみてもよいかもしれません。

ただし、タイルやレンガは完全メンテナンスフリーというわけではありません。目地の打ち替えなど軽微なメンテナンスを8~10年に一度行わなければなりません。

また、1㎡あたり「7,000~11,000円」と張り替えの初期費用が高いこともあるため、長期的な視点に立ちつつ、メンテナンスにかかる手間も含めて工事を検討するとよいでしょう。

「外壁材の種類」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【全7種】外壁材の種類は結局どれがいい?人気の外壁材ベスト3を公開」

耐久性の高い塗料を選んで塗装する

塗料には耐久性の低いものから高いものまでさまざまです。

グレードの高い塗料・低い塗料は価格も変わってきますが、耐久性にもはっきりと違いが出てきます。

外壁塗装の期間を長くするための、おすすめの塗料はシリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料です。

シリコン塗料

シリコン塗料は近年の外壁塗装によく利用されていて、シリコン樹脂が耐水・耐候・電気絶縁などの特性を持つ人気の塗料です。

また、人気の理由は耐久性だけでなく、価格もリーズナブルなところです。

シリコン塗料の平均的な耐久力は10年~15年ほどで、

価格は1㎡あたり2,300円~2,800円となります。

ラジカル塗料

ラジカル塗料は、2015年から発売が開始された比較的新しい塗料です。

ラジカル、という酸素や紫外線、水などが塗料に接触することで起きる劣化因子を防いでくれる効果のある塗料です。

ラジカル塗料の平均的な耐久力は12年~16年とシリコンよりも高く、

価格は1㎡あたり2,400円~3,000円となります。

フッ素塗料

フッ素は、塗料の合成樹脂にフッ素を含む塗料のことで、そのコーティング力から高耐久力を発揮してくれる塗料です。

また、フッ素には親水性と呼ばれる雨が降った時に塗装面を水分でコーティングする性能があり、これが壁面を汚れにくくしてくれます。

フッ素塗料の平均的な耐久力は15年~20年で、

価格は1㎡あたり3,800円~4,800円となります。

シリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「シリコン塗料って本当にいいの?おすすめ製品やメリット・デメリット、注意点を解説」
>>「ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!」
>>「フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!」

悪徳業者からの工事を避ける

悪徳業者から工事を受けると、外壁塗装の回数が増えてしまいます。

外壁塗装の品質は業者の技術によって大きく異なります。悪徳業者に工事を依頼をすると塗料を薄められたり、グレードの低い塗料にすり替えをされていたり、すぐに再塗装が必要になってしまいます。

業者を選ぶ際のポイントは、下記の通りです。

業者を選ぶ際のポイント
  • 実績のある専門業者に工事を依頼する

  • 相見積もりを複数業者でとる

  • 外壁塗装に必要な知識をつけておく

実績のある専門業者に工事を依頼する

外壁塗装工事は、確かな技術力と適切な知識が必要になります。

そもそものスタートが良くないと、その後の工事の質と工事後の耐久性に問題が発生する可能性があります。

過去の実績や業者の評価が第三者によってしっかりと提示されている業者に工事を依頼することが大切です。

相見積もりを複数業者でとる

外壁塗装工事は、業者によって同じ塗料の提案でも価格が違うことがあります。

1社だけで判断しようとすると、平均的な価格や提案が間違いではないか?などが分かりません。

大変かもしれませんが、必ず複数の業者で見積もりを取って検討しましょう。

また、わからないことはその都度聞いて、答えが明確に返ってくるかなどのチェックもしましょう。

外壁塗装に必要な知識をつけておく

外壁塗装は必要な知識をつけておくことで、

「何が正しい提案なのか?」

という悩みを解決することができます。相見積もりもそうですが、

しっかりとご自身の知識をつけておくことで、必要なことを必要なタイミングでおこなうことができます。

外壁塗装で失敗しないためにもネットやカタログなどで塗装に必要な知識をつけておきましょう。

外壁の定期点検を受ける

最後に、業者から工事を受けたあとは、外壁の定期点検をお願いするという方法も有効です。

外壁が劣化して余計な費用が掛からないようにするためには、外壁の状態をこまめに把握しておくことが大切です。

外壁の診断をちゃんとしてもらうには、外壁劣化診断士の資格を持った人に依頼することがおススメです。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

まとめ

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

今回は、外壁塗装が必要ないのか?について解説してきましたが、

結論として、ご自身の大切な家の劣化を防いで守っていくために、外壁塗装は必要です。

劣化症状を放置すると、外壁塗装よりも高いメンテナンス費用がかかるようになってしまいます。

ただ、そう何度も塗装をしなくてもいいように、耐久年数の長い塗料を選んだりして解決していきましょう。

このページにある「無料診断」「料金診断」ボタンには、あなたの地元の優良業者を判定し、お教えする機能もあります。
相見積もりをとりたくても、近隣の外壁塗装業者をあまりご存知ない場合、優良業者を選定するのに苦労する場合にご活用いただければ幸いです。

もちろん、利用料金は一切かかりません
加えて、当ページから見積もり希望の連絡をいただいた方へのサービスとして、最終的に選んだ業者以外への気まずい「キャンセル連絡」も代行いたします。

以上、本記事の解説があなたの外壁塗装の悩みのお役に立ちましたら幸いです。


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