【入門】ガルバリウム鋼板の全知識を公開!特徴・価格・勾配・選び方

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屋根の張り替えやカバー工法をご検討されている方であれば、「ガルバリウム鋼板」を一度は耳にしたことがあるでしょう。ガルバリウム鋼板は金属屋根として、特にリフォーム領域においてよく使われる屋根材の一つですが、営業トークに「メンテナンスフリー!」や「一切錆びない!」などの誇張表現が使われがちな素材でもあります。
これらの表現は本当に正しいのでしょうか?
本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴に加え、これら過大表現の真相と正しい見極め方、知っておきたい注意点などを解説していきます。

Point
  • ・ガルバリウム鋼板は、金属屋根の中でも最も「総合力」の高い屋根材です。
  • ・ガルバリウム鋼板を採用する前に、特に業者選び保証内容に注意しましょう。
  • 「横葺き」か「縦葺き」か?SGLか?を事前に確認しましょう。

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1. これでOK!ガルバリウム鋼板の3大ポイント

「ガルバリウム鋼板の絶対に押さえておきたい情報だけすぐに知りたい!」

という方向けに、ガルバリウム鋼板のポイントを1分で読めるよう3大ポイントとしてお伝えします。第二章以降に、より詳細な説明を記載していますので、お時間がある方はそちらも合わせてご覧ください。

ガルバリウム鋼板の3大ポイント

  • 1. 屋根材の中でも総合力が高い
  • 2. ただし、メンテナンスは必要!
  • 3. 塗装業者ではなく、板金工事業者に依頼しよう!

1-1. 屋根材の中でも総合力が高い

ガルバリウム鋼板は主に次のような特徴を持っています。
● 費用対効果が高い(耐用年数が長く、価格が安い)
● 設置可能な屋根勾配が他の屋根材に比べ広い
● 薄く(約0.4mm)、軽い(6kg/㎡)ため、耐震性が高い
そのため、全ての屋根材の中でも使い勝手の良い屋根材といえるでしょう。
実際、多くの屋根のカバー工法(重ね張り)でガルバリウム鋼板が使われています。

1-2. ただし、メンテナンスは必要!

ただし、ガルバリウム鋼板と言えど、メンテナンスは必須です。
ガルバリウム鋼板は施工単価が高くなる傾向にあるため(理由は後述)、「メンテナンスはいらない」などの誇張表現が使われる屋根材である、ということを頭の片隅に入れておいてください。
お住まいの住宅環境が、強風地域・潮風によく当たる沿岸部・屋根に傷がつきやすい、などに当てはまる場合、ガルバリウム鋼板も特に錆びやすくなりますので、特にメンテナンスは必要といえるでしょう。

1-3.必ず複数業者から見積もりをとろう!

実はガルバリウム鋼板はその薄さ故、取り扱いが非常に難しい屋根材です。仮に傷が一つでも入ると、そこから腐食が進行し、錆びに繋がる可能性が高いためです。
そのため、ガルバリウム鋼板をご検討される方は特に、業者選びに慎重になることをおすすめします。一社から見積もりを取るのではなく、必ず複数社から相見積もりを取得しましょう。


それでは、ガルバリウム鋼板の特徴・性能について具体的にみていきましょう。

2. ガルバリウム鋼板とは?


ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を主とした金属板の一種で、主要な屋根材の一つです。業界では「ガルバ」「GL鋼板」などと略されます。(よく使われるので、覚えておくと良いかもしれません。)
また、ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%/亜鉛43.4%/シリコン1.6%で構成されており、一言でいうと、アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により、20年以上の長期にわたり錆を防ぐ(※注)という、いわば「良いとこどり」の材質と言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板をはじめとする金属屋根(鋼板)は、現在屋根材として、特にカバー工法の現場でよく利用されている材質の一つです。
ガルバリウム鋼板そのものの説明をする前に、まず金属屋根の特徴について解説します。

※注:あくまで、通常の屋根面であった場合の数値です。金属屋根は外部環境の影響を受けやすい側面があり、耐久性が大幅に低下する可能性がある点に注意してください。例えば、水たまり、土ぼこり、傷など、耐久性を損ねる要因が生じた場合は、その部分から錆が生じ、腐食が進行しやすくなる可能性が大きくなります。

3. 【参考】金属屋根の特徴は?

3.1. 耐震性の高さ

他の屋根材と比べると、金属屋根はその「耐震性の高さ」が最大の特徴として挙げられます。つまり、金属屋根は素材そのものが軽いため、建物に負担がかかりません。結果として建物の重心位置が下がり、倒壊のリスクが低い家にすることができる屋根材といえます。(実際、金属屋根の中でも、ガルバリウム鋼板(6kg/㎡)は、日本瓦の8分の1(48kg/㎡)、スレート屋根(18kg/㎡)の3分の1程度の重量しかないため、この点で他の屋根材と比較しても非常に優秀な材質といえるでしょう。)
また、その軽さから、金属屋根は屋根のカバー工法に最も使われる素材です。
ご参考までに、他の屋根材と金属屋根を比較した簡易表を作成いたしましたので、ご覧ください。

▼参考:金属屋根とその他の屋根材の比較

金属屋根 瓦屋根 スレート屋根 アスファルトシングル
平均施工費用 8,000円/㎡ 10,000円/㎡ 6,000円/㎡ 7,000円/㎡
平均重量 6kg/㎡ 45kg/㎡ 18kg/㎡ 12kg/㎡
平均耐久性 30~40年 約50年 20~25年 20~30年
主な特徴 耐震性に優れる 耐久性に優れる 対応業者が多く安価 防水性・防音性に優れる

3.2. 設置勾配の幅広さ


金属屋根の2つ目の特徴として、「設置可能な屋根の勾配の幅広さ」が挙げられます。
前提として、屋根材によって水はけ能力が異なるので、最低限必要な屋根勾配が各々異なります。仮に、基準外の屋根勾配に本来使うことができない屋根を設置すると、雨水がたまりやすく、雨漏りのリスクが高まります。
実際、ガルバリウム鋼板は他の屋根材と比較しても、水はけ能力に優れているため、瓦やスレート屋根では対応できない勾配の緩い屋根にも広く対応することが可能です。

4. ガルバリウム鋼板の特徴は?

では本題です。まず金属屋根には「ガルバリウム」の他にも、「ステンレス」「トタン」「ジンカリウム」「ステンレス」「アルミ」などが存在します。これら他の金属屋根と比べると、ガルバリウム鋼板の最大の特徴は「総合力」が高いという点が挙げられます。つまり、平米単価・耐用年数・性能などを総合的に比較検討した結果、金属屋根の中でもガルバリウム鋼板が最も優れている、といえるということです。以下で、詳細に見ていきましょう。

4.1. ガルバリウム鋼板のメリット

  • ● 金属屋根の中でも特に「総合力」の高い素材
  • ● デザイン性に優れている

では、それぞれ具体的にみていきましょう。

金属屋根の中でも特に「総合力」の高い素材

ガルバリウム鋼板が金属屋根の中でも「総合力」の高い理由は大きく2つあります。

  • ● コストパフォーマンスが高い(耐用年数が長く、価格が安い)
  • ● (特に後述のSGLであれば)耐食性がステンレスにも劣らない

確かにガルバリウム鋼板よりも、ジンカリウム鋼板やステンレス鋼板の方が耐用年数は長いですが、その分価格も高くなるというのが難点です。また例えば一般的な30坪(100㎡)程度の住宅の場合、ガルバリウム鋼板屋根のカバー工法の場合は60~90万円、葺き替えの場合は80~120万円ほどの費用が必要になります。

▼参考:各金属屋根の種類ごとの説明

ガルバリウム鋼板 トタン屋根 ジンカリウム鋼板 ステンレス鋼板
施工費用(㎡) 6000~9000円 5000~6000円 7000~12000円 10000~14000円
耐用年数 25~30年 10~20年 40~50年 50年~
主な特徴 錆びにくい 安価だが、耐久性が低い 防音性に優れる 耐久性・耐候性が高い

デザイン性に優れている

※出典:日光鋼板株式会社
※出典:住宅塗り替え館.com
※出典:株式会社牧野製作所-施工事例-

ガルバリウム鋼板は、金属屋根のため、基本的にはどの色を選んでもスタイリッシュかつ、シャープな印象を与えます。また、カラーバリエーションも幅広く存在するので、与える印象を自由に変えることができます。

4.2. ガルバリウム鋼板のデメリット

  • ● 施工自体が難しいうえに、本職の業者を探すことも難しい
  • ● 施工費用が高くなる傾向にある
  • ● 断熱性が低い
  • ● 遮音性が低い
  • ● 結露が発生しやすい

一つずつ具体的にみていきましょう。

施工自体が難しいうえに、本職の業者を探すことも難しい

ガルバリウム鋼板は原則として、瓦屋や塗装屋ではなく、主に板金工事業者が行うことになっています。その理由は、ガルバリウム鋼板は確かに錆びにくい素材ではありますが、実は傷には弱い素材(厚さ約0.4mm)だからです。施工途中に角をぶつけてしまったり、切断面の鉄粉を残したままにしてしまうと、そこから腐食が進行し、錆びになりやすくなってしまいます。そのため、ガルバリウム鋼板の施工は難しく、本職と言われる板金工事業者も、その数自体が少ないため、業者選びも含めて施工難易度の高い素材と言えるでしょう。(※注)
※注:東京都の場合:板金工事業者3679社・屋根工事業者5779社・塗装工事業者7698社
※出典:建設業界のマッチングサイト「ツクリンク」

施工費用が高くなる傾向にある

実際のところ、多くの塗装業者や瓦業者がガルバリウム鋼板を含む、板金工事を請け負う営業活動を行っているのが現状です。塗装業者や瓦業者が工事を請け負う場合、板金工事が外注になるので、いわゆる「中間マージン」が上乗せされた料金での施工になることが多く、結果的に施工費用が高くなる傾向にあります。施工費用を安く抑えたい方は「本当に板金工事業者かどうか?」の確認は必ず事前に行いましょう。(「ガルバリウム鋼板を採用する場合の注意点は?」の章にチェックリストを設けましたのでご覧ください)

断熱性が低い

上述の通り、ガルバリウム鋼板は薄いため、断熱性能はほとんどありません。また、熱伝導率が高いため、夏場には太陽熱の影響で屋根直下が高温になり、室内温度が上昇しやすくなります。 そのため、リフォーム以外でガルバリウム鋼板を使用する場合は通常、断熱材とセットで販売されるか、遮熱塗料で塗装をすることが多いです。
リフォーム(カバー工法でガルバリウム鋼板屋根を採用するなど)の場合は、既存の屋根材の断熱性能も考慮し、断熱材を組み込むか否か決めることになります。例えば、既存屋根がスレート屋根であれば断熱材は不要ですが、トタン屋根であれば断熱材を組み込むとよいでしょう。

遮音性が低い

ガルバリウム鋼板は薄く、音や振動が伝わりやすく、雨音が響きやすいのも欠点の一つです(屋根勾配が緩いお建物の場合は、特に響きやすいです)。カバー工法で使用する場合は特に心配ありませんが、リフォームではなく、新築でガルバリウム鋼板の使用をお考えの場合は、対策を講じたほうが良いでしょう。
その場合は、断熱材を兼用したり、天井裏に吸収材などを敷き詰める、など建築本体での対策を行うことが多いです。

結露が発生しやすい

通常の屋根材の場合、ある程度湿気が外に逃げるように施工されますが、ガルバリウム鋼板の場合は、隙間なく敷き詰めるので、室内の気密性が高まります。加えて、ガルバリウム鋼板は熱伝導率が高いため、湿度が高いと屋根裏などに結露が発生しやすく、結露が発生すると住宅の腐食につながります。
そのため、対策として屋根下に湿気が溜まらないよう、定期的な屋根裏換気などを行う必要があります。

強風に弱い

屋根が軽いと耐震性は向上しますが、同時に強風には弱くなってしまいます。
これには、大きく二つの欠点があります。
一つは「強風により屋根材が剥がれる可能性がある」という点です。屋根と住宅本体の接合部分が弱いと、強風が原因でガルバリウム鋼板がはがれ、元の素材が丸出しになる、という可能性も考えられます。
もう一つは、「飛来物が当たった場合、へこみやすい」という点です。上述の通り、もともと素材が薄いためへこみやすく、へこみが錆びの原因になる可能性も考えられます。

潮風に弱い

金属屋根(ガルバリウム鋼板を含む)は、基本的に潮風に弱いです(一般に錆びは、金属の持つ電子が水や塩分のもつ電解質に奪われることで発生します)。特に、ガルバリウム鋼板の場合は、潮風に含まれる塩分が原因で、白さびが発生しやすいです。そのため、特に沿岸地域にお住まいの方には、金属屋根を採用することはあまりお勧めできません。もしデザイン性などが理由でどうしても金属屋根の採用をお考えの場合は、最も耐食性の高い(錆びにくい)ステンレスを採用されることをお勧めします。

5. ガルバリウム鋼板屋根はどんな場合におすすめ?

5.1. スタイリッシュなデザインにこだわりたい方

上述通り、ガルバリウム鋼板スタイリッシュな印象を与える金属屋根ですので、デザインにこだわりたいという方によく使われる素材の一つです。

5.2. 積雪量の多い地域にお住まいの方

ガルバリウム鋼板は、密閉性の高い構造になっているため、水が入り込みにくい構造をしています。そのため、積雪量の多い地域でよく使われ、事実、東北や北海道では半数以上の戸建てがガルバリウム鋼板屋根を採用しています。

5.3. 雨音が気にならない方

ガルバリウム鋼板のデメリットである「断熱性の低さ」は、断熱材をセットで使用することである程度軽減できます。しかし、遮音性の低さを補うことは基本的に難しいというのが現状です。主な対策としては、

  • 特殊な塗料(ガイナ)で塗装する
  • 断熱材を兼用する
  • 天井裏に吸収材などを敷き詰める

などがあります。

5.4. 【葺き替えの場合】住宅の耐震性を向上させたい方

ガルバリウム鋼板は、瓦屋根の8分の1・スレート屋根の3分の1程度の重さなので、屋根の葺き替えをお考えの方は、ガルバリウム鋼板に吹き替えることによって、住宅の耐震性を向上させることができます。

5.5. 【外壁の場合】幼いお子さんがいない方・ペットを飼っていない方

こちらは外壁材としてガルバリウム鋼板をご検討されている方向けになりますが、ガルバリウム鋼板は一度傷がつくとそこっから腐食が進行し、錆びやすくなるため、外壁の傷がつきやすいであろうお家での採用は、よほどのことがない限り控えたほうが良いといえます。

6. ガルバリウム鋼板の注意点は?

ガルバリウム鋼板は採用する場合、注意すべき点が特に多く、見極めが必要な屋根材の一つです。 というのも、冒頭で記載した通り、「ガルバリウム鋼板は決して錆びないので、メンテナンスは不要です。」「ガルバリウム鋼板は耐久性が非常に高いので半永久的に使用可能です。」などの誇張表現がセールストークとしてよく使われるためです。
一方で、ネット上ではガルバリウム鋼板を勧めない(むしろ批判しているような)業者や工務店も多いです。それは、ガルバリウム自体は非常に優れた素材ではあるものの、取り扱いが難しいため、施工を避ける業者も多いためです。また、そのような業者には、瓦工事業者やアルミ系の屋根材を主力商品としているケースが多い、ということも覚えておきましょう。
つまり、色々なことを主張する業者がいますが、

  • ● 業者の言うことをそのまま鵜呑みにせず、常に疑ってかかること
  • ● ポジショントークに終始せず、本当にお客様のことを考えている優良業者を見極めること

が、一番大事なことといえるでしょう。
それを踏まえ、以下4つの注意点を解説していきます。

6.1. 業者選びの見極め

ガルバリウム鋼板の施工において、業者選びは特に重要です。なぜなら、ガルバリウム鋼板を取り扱える板金工事業者の数が少ないということもあり、塗装職人やリフォーム業者が現場では施工を行っているともいわれているためです。結果的に、ガルバリウム鋼板の適切な施工ができておらず、後々後悔したという声も、実際、当社ヌリカエをご利用のお客様からもいただいております。
ではどうすれば、本職の屋根専門職人を見分けられるのでしょうか?
以下に、チェックリストを記載しましたので、ぜひ実際に業者に直接聞いてみたり、業者HPをご見るなどして、活用してみてください。業者に直接聞きにくいという場合は、当社ヌリカエの無料相談窓口でもチェックリストを満たす業者を探すことが可能なため、ヌリカエへご連絡ください。

▼参考:本職の屋根専門職人を見分けるためのチェックリスト

  • 瓦工事業者ではなく、板金工事業者か?
  • ガルバリウム鋼板を取り扱える本職の職人さんがいるか?
  • 屋根専門資格や技術を持っているか?(施工職人が「建築板金責任施工士」という資格を持っていないと、瑕疵保険が適用されません。)
  • ガルバリウム鋼板を、4~5種類以上の幅広いラインナップで提案できているか?
  • 屋根専門職人の親方の下で長年経験を積んだ職人かどうか?
  • 6.2. 保証の対象範囲

    「本当に保証の対象内か」を事前に確認しておくことも重要です。ガルバリウム鋼板のメーカーは、赤サビ・穴あき・塗膜の変色、全てにおいてメーカー保証を10年程度つけていることがほとんどです。
    しかしながら、その保証内容をよく見ると、製品を出荷する際は10年保証がついているものの、実は現場で加工・切断すると、その時点で保証対象外になる、という保証規定を出しているという内容がほとんどです。実際、ほとんどの現場でガルバリウム鋼板を加工することになるので、メーカーの保証内容を事前に確認しないまま施工を進めてしまうと、いつの間にか保証対象外になっていた・・・という事態も考えられます。

    6.3. メンテナンスの頻度と方法


    ガルバリウム鋼板も決してメンテナンス要らずの魔法のような素材ではありません。
    上述の通り、永久に錆びない素材ではなく、メンテナンスが必要な屋根材になります。
    では、ガルバリウム鋼板屋根は、どのようなメンテナンスをどれくらいの頻度・どのような方法で行うことが良いのでしょうか?
    メーカー推奨のメンテナンスは「1年に数回の水洗い」「5年に1回の業者点検」「10年に1回の塗装」を推奨しています。しかしながら、これは、メンテナンス頻度としてはあくまで理想の頻度ですので、現実的には難しい場合もあるかとは思います。
    そのため、最低限必要なメンテナンスは「1年に1回の水洗い」「10年に1回の業者点検」「20年に1回の塗装」を目安にしていただくと良いかと思います。

    なお、水洗いを行う際は、以下2点の注意が必要です。
    まず「雨に濡れにくい箇所を重点的に洗うこと」です。雨に濡れにくい箇所は塩分や酸が付着しやすくなっていおり、重点的に水洗いをすることで白さび予防になります。
    次に「高圧洗浄機の使用は避けること」です。高圧で洗浄するとガルバリウム鋼板が凹んだり、表面を傷めてしまうのでご注意ください。自宅で車を洗うときの水の量や勢いがおおよその目安です。

    6.4. ガルバリウム鋼板の使用を避けたい環境

    沿岸地域

    上述の通り、金属屋根(ガルバリウム鋼板を含む)は潮風による塩害の影響を受けやすい屋根材です。

    工業地域・排気ガスが多い地域

    排気ガスは、大気中の炭酸ガス(二酸化炭素)を多く含んでおり、これをとりこんだ雨が酸性雨となります。つまり排気ガス(工業地帯において排出されるガスも含む)の多い地域では特に強い酸性の雨が降ります。そのため、該当の地域に住んでいる方は、金属屋根を採用してもすぐに錆びてしまう可能性も考えられます。

    落ち葉や枯れ葉がたまりやすい環境

    木や枯れ葉が水分を含むと酸性の木酢液が発生し、ガルバリウム鋼板が錆びやすくなります。そのため、屋根付近に大きな木があり、屋根上に落ち葉がたまるような環境にお住まいの方は、ガルバリウム鋼板の使用は避けたほうが良いでしょう。

    7. ガルバリウム鋼板を選ぶポイントは?

    7.1. 「横葺き」か「縦葺き」か?

    ※出典:日鉄鋼板株式会社 エバールーフ横葺5型

    ガルバリウム鋼板には、「横葺き」と「縦葺き」という2つのタイプがあります。
    横葺きは、地面に対して屋根材を平行に葺いた屋根(屋根面に対して横に張る屋根)のことで、
    縦葺きは、雨が流れる方向に屋根材を葺いた屋根(屋根面に対して縦に張る屋根)のことです。

    また、どちらを選ぶか?は、屋根勾配によって大きく変わってきます。
    横葺きは、2.0寸(約11°)以上の屋根勾配でなければ施工することができません。
    縦葺きは、勾配が緩い屋根から急な屋根まで幅広く(0.2寸~)施工可能です。

    それぞれの特徴は以下の通りです。

    「横葺き」(屋根面に対して横に張る屋根)

    特徴

    • 断熱材と一体型のものがある(断熱性と遮音性に優れる)
    • 和瓦風などデザインの種類が豊富にある
    • 既に成型された形で全国に広く流通している
    • 複雑な屋根に対応することができる

    「縦葺き」(屋根面に対して縦に張る屋根)

    特徴

    • 横葺きよりも工事期間が短く、横葺きより工事費が安い
    • 緩やかな勾配の屋根に適用できる(かつ、雨漏りしにくい)
    • シンプルでモダンな外観を実現できる

    屋根勾配が2.0寸(約11°)以上の場合、横葺き・縦葺きどちらも採用することが可能ですが、一体どちらが「良い」のでしょうか?
    世間一般では、大量生産されている横葺き屋根のほうが安価で良いのではないか?との認識が広まっていますが、実は多くの点で縦葺き屋根が優れています。縦葺き屋根は横葺き屋根とは異なり、屋根材同士の横のつなぎ目がないため、雨漏りしにくいこと。また、屋根の長さに合わせてあらかじめ加工された屋根材を張るだけの屋根なので、手間がかからず、短い期間で施工することができます。

    7.2. 新しいガルバリウム鋼板(SGL)であるか?



    ※出典:日鉄鋼板株式会社 「エスジーエル・耐食性の比較」

    SGLとは「スーパーガルバリウム」の略で、従来のガルバリウムにマグネシウムを添加した屋根材です。これまでのガルバリウムと比較して、3倍を超える耐食効果(錆びにくさ)をもち、特に、腐食が起こりやすい切断面の腐食抑制効果が大きく改善されました。2016年頃から普及し始め、現在ではほとんどの金属屋根メーカーがSGLを採用しています。今後ガルバリウム鋼板を採用しようとお考えの方は、事前にSGLであるかどうかの確認は必ず行いましょう。

    8. 【Q&A】ガルバリウム鋼板のよくある質問

    初級編

    Q. そもそもガルバリウムとは何?

    [A] ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を主成分としたメッキをコーティングした金属板のことです。昔はブリキ(スズでメッキした鋼板)やトタン(亜鉛でメッキした鋼板)と呼ばれていました。

    Q. トタンなど他の鋼板との違いは?

    [A] 鋼板のコーティング材の種類が異なります。ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛、トタンは亜鉛のみ、ステンレスはクロムやニッケルでそれぞれコーティングされています。これにより、耐食性や防食性が変わってきます。

    Q. ガルバリウム鋼板のどこが良いの?

    [A] ガルバリウム鋼板は、アルミ二ウムと亜鉛の両方の特性を持っているため、一般的な建材よりも「錆びに強い」「加工しやすい」「近未来的なデザイン」という点が、優れた点として挙げられます。

    Q. ガルバリウム鋼板の代表的なメーカーは?

    [A] ガルバリウム鋼板の主なメーカーとして、アイジー工業の耐久性と断熱性に優れた「アイジールーフ」、ニチハの軽さと遮熱性に優れた「横暖ルーフ」、福泉工業の石綿屋根材への重ね葺きも可能な「MFシルキー」などが挙げられます。

    中級編

    Q. ガルバリウム鋼板の寿命は?

    [A] ガルバリウム鋼板の寿命は、最低25年と捉えてよいでしょう。適切なメンテナンスを施していれば、50年以上持つケースもあります。沿岸地域など錆びやすい地域の方は特に、最低でも10年おきのメンテナンスが必要です。

    Q. メンテナンスは必要?どれくらい大変?

    [A] メンテナンスは必要です。放置すると当然錆びやすくなりますので、最低でも「1年に1回の水洗い(高圧洗浄機はNG)」「10年に1回の業者点検」「20年に1回の塗装」を目安に、メンテナンスを行いましょう。

    Q. カバー工法と葺き替えどっちが良いの?

    [A] 既存屋根に凹凸が少ない。屋根下地の劣化が進行していない。→カバー工法がおすすめ
    既存屋根に凹凸がある。屋根下地が劣化しており、雨漏りが発生している。→葺き替えがおすすめ

    上級編

    Q. 屋根裏の結露を防ぐには?

    [A] 第一に、建物の防湿層の性能を上げる(イゾベール・スタンダードなど)ことが有効。野地合板(屋根の木下地)外側の結露に対しては、透湿ルーフィング(通常のルーフィングシートに湿気を通す機能が加わったシート)が有効。野地合板内側の結露に対しては、小屋裏換気が有効。

    Q. ガルバリウム鋼板の熱による影響は?

    [A] ガルバリウム自体には、断熱性能がほとんどないため、熱伝導率が高く夏場は室内温度が上昇しやすくなります。そのため、断熱材とセットで販売されるか、遮熱塗料で塗装をするケースがほとんどです。

    Q. ガルバリウム鋼板の波板と一般的な波板の違いは?

    [A] 塩ビやポリカ、カラートタンなどの一般的な波板に比べて、ガルバリウム鋼板の波板は、価格は高いものの、耐久性に優れ寿命が長く(15~20年)、加工しやすい(電気ノコギリで切れる)という特徴があります。


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    この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

    監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

    塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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