火災保険で外壁塗装を行うための条件は?必要な手続きを解説
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台風、大雪などの自然災害や、隣家の火事で壁が煤けてしまったりと、外壁は常に様々な被害に合うリスクを抱えています。
もしもそのような事態に陥ったとき、保険金が下りて修繕費が賄えたら助かりますよね!
実は、条件によって外壁も火災保険の対象になりますが、外壁塗装を火災保険でカバーするのは、少しハードルが高いかもしれません。なぜなら、保険会社はもちろん沢山保険金を支払いたくないですし、塗装業者にとっても、保険金手続きが増えることで手間が増える一方売上が増えるわけではないので、積極的にお勧めするわけではないからです。
今回は、火災保険で外壁塗装を行うための条件や注意点をお伝えします。
目次
火災保険の種類と内容
火災保険には3つのタイプがあり、補償の内容も保険会社によって様々です。後から保険の適用外だと分かって落ち込む前に、ある程度自分の入っている火災保険の内容を知っておきましょう!この時注意したいポイントは「補償対象」と「自己負担額」。
自己負担額とは、契約の際に月々の保険料を決めると同時に、実際に損害を受けた際「いくらの被害額から保険金を受け取れるのか」が変わってくるものです。「自己負担額を0円」にすればどんな被害でも保険金が下りますが、代わりに保険料は高くなるという仕組みです。
住宅火災保険
最も保証対象が少なく、シンプルな保険です。月々の保険料によっては、被害の合計額が20万円以下の場合、保険金が下りないという契約内容であることも。追加のオプションで、建物自体だけでなく家具などにも保険をかけることができます。
住宅総合保険
住宅火災保険の「補償対象」の範囲がより広いタイプのものです。近年はこちらが主流です。外壁については、近所の子供にいたずら書きをされた、などのリスクが想定できますが、その場合は住宅総合保険に入っていればカバーされる可能性が高いです!住宅総合保険も、追加のオプションで家財保険を付けられます。
オールリスクタイプの火災保険
リスクが多様化した近年のニーズに応えるために登場した新しいタイプの火災保険です。補償の範囲が建物だけでなく外灯などにも適用できたり、損害額が小さくても保険金が下りたり、と、多様なオプションが付いています。保険会社によって内容は様々ですので、よく確認しましょう。
火災保険が外壁塗装に適用される例/されない例
では、実際にどんなケースで火災保険が適用できて、どんなケースではできないのでしょう?ケース1
道路に面した壁に、車による擦り傷がついてしまった!加入している保険は、住宅総合保険。自己負担額は0円に設定しました。
⇒保険金がおりる可能性が高いです!住宅総合保険では、車の衝突などのケースも補償対象になるのが一般的。さらに、自己負担額を0円に設定しているので、修理に掛かった費用はすべて保険金で賄える可能性が高いです!
ケース2
近所の子供が壁にいたずら書きをしてしまった!加入している保険は住宅火災保険。自己負担額は10万円です。
⇒保険金を受け取れる可能性は低いです。住宅火災保険は、住宅総合保険よりも補償対象が少なく、災害以外は対象外であることが一般的です。また、自己負担額が10万円なので、修理に掛かる金額が10万円以内の場合は保険金を受け取れません。
ケース3
塗装工事をして数か月。とくに災害もないはずなのに塗料が剥がれてきた!住宅総合保険に入っています。
⇒保険金を受け取れる可能性は低いです。なぜなら、この被害の原因は「塗装業者のミス」であると考えられるからです。でも、まだ工事をして日が浅いなら、「外壁塗装の保証」という観点から無償で修理をしてもらえるかもしれません!詳しくはこちらをご覧ください。
ケース4
もうすぐ築12年。いつ、どうして付いたか分からない傷を見つけました。オールリスクタイプの保険に入っています。
⇒保険金を受け取れる可能性は低いですが、オールリスクタイプの保険は補償内容が様々であること、傷の様子によっては専門家が見れば原因や時期も特定できるかもしれませんので、保険に詳しい業者に相談してみましょう。
火災保険で外壁塗装を行うための5ステップ
ステップ1:加入している火災保険の保険証書を確認しよう!
まずは自分がどの会社の保険に入っているか、どのような契約内容になっているかを確認しましょう。
ステップ2:塗装業者か保険会社に連絡
なるべく適正に、第三者の判断で被害状況を確認してもらいたければ、まずは塗装業者に連絡することがお勧めです。保険に詳しい業者であれば、保険会社に納得してもらえるような申請の出し方などをアドバイスしてくれるでしょう。
もし、直接保険会社に相談する場合は、被害を受けた時の状況の記録や被害箇所の写真などを取っておくと良いでしょう!
ステップ3:申請書を記入して保険会社に提出
被害の内容が確認できたら、保険会社に申請書を提出しましょう。書類の請求は、電話やインターネットから保険会社に連絡することで送ってもらえます。
ステップ4:保険会社による現場調査
適正に保険金を支払うために、保険会社が被害箇所の現場を調査します。
この際も、業者の方に立ち会ってもらうことで、必要な補修工事の内容などを保険会社と話し合ってもらえます。
ステップ5:保険適用対象かの審査
調査をもとに、保険会社が保険の適用を審査し、適用であれば支払額などが決まり、ご自身の口座に保険金が振り込まれます。
火災保険申請の際の注意点
明らかに保険適用内の損害がある場合でも、保険金申請のポイントを押さえていないと、保険金を受け取れないこともあります。注意すべきポイントをご紹介します!①申請期間内に保険金を申請する
どの火災保険でも、被害を受けてから申請するまでの期間が定められています。申請期間を過ぎてしまうと保険金が下りなくなってしまいますので、かならず保険証書で申請期間を確認しておきましょう。なお、一般的な申請期間は被害を受けてから2~3年です。
②塗装業者のミスによる被害ではないこと
塗装業者が手抜き工事をして外壁がもろくなっていたときは、たとえ自然災害によって被害が拡大したとしても保険金は下りません。保険会社が調査をした結果、「元々の塗装に問題あり」と判断されたときは、塗装工事費は自己負担あるいは塗装業者側の負担となります。
塗装業者のミスも、早いうちに見つけて対応すれば保証してもらえるケースもあります
③自己負担金や補償代金の最低額が決まっていないか
火災保険によっては、保険金を受け取るときに自己負担金が設定されていることがあります。外壁塗装工事の見積もり額が自己負担金以下のときは、保険金を受け取れないこともあるのです。
また、補償代金の最低額が決められているタイプの火災保険もあります。例えば最低額が20万円と定められているなら、見積もり額が20万円以下のときは保険金を一切受け取れません。工事業者に見積もりを依頼する前に、保険金の規定についても保険証書で確認しておきましょう。
詐欺に遭わないようにするには
保険に詳しく、公正な業者を選べば問題ありませんが、以下のようなことを言われた場合は詐欺であることを疑い、ほかの業者に相談するなど、注意しましょう。
「(保険金を使えば)自己負担額なく修理できます」
「保険金請求の代行をします」
「自然災害に見えるように、申請書にはこのように書いてください」
保険金でお安く施工できます!と言うことで、お客さんは興味を引いてくれるので、ある種の営業トークのように使っている業者も中にはあります。そのすべてが悪徳とは限りません。むしろ、そのような業者は保険金手続きに詳しいはずなので、良い味方になってくれるかもしれません。ただし、被害を実際よりも大げさに報告しようとしたり、といった様子があるようでしたら要注意です。
まとめ
家を建てる際には、今後どのようなリスクを抱えることになりそうか、よく考えて保険に加入するようにしましょう。また、実際に被害にあった場合は、なるべく速やかに業者や保険会社に相談するようにしましょう。
参照したサイト
損保ジャパン日本興亜
セツヤクライフプラン
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