フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!

  • 【更新日】2024-04-19
フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!

一般的に住宅の外壁塗装に使用される塗料は、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の主に4種類で、もっとも上のグレードに位置するのが「フッ素塗料」です。
本記事では、フッ素塗料の特徴やメリット・デメリット、コストパフォーマンスなどを解説します。

Point
  • フッ素塗料は高価だが耐用年数が長い。長い目でみると高コスパ。
  • 大きな家ほど、フッ素塗料を使うとお得。
  • 劣化が早い「屋根」や「雨どい」の塗装にもおすすめ。

なお、はじめての外壁塗装を検討されている方は、こちらの記事がおすすめです。

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フッ素塗料の特徴

耐久性・耐候性

フッ素塗料はとにかく耐久性が高く、長持ちすることが特徴です。
しっかりと外壁に密着するため、長期間風雨に晒されても、隙間をつくらず強固に家をガードします。

現在もっとも主流のシリコン塗料の耐用年数が10年~15年といわれているのに対し、フッ素塗料の耐久年数は外壁で15年~20年。劣化の早い屋根でも12年~15年は持つとされています。

また、家の屋根や外壁を紫外線のダメージから守る耐候性(たいこうせい)の高さも魅力のひとつです。
フッ素樹脂は、炭素とフッ素の結合が非常に強固なので、紫外線で破壊されにくいのが特徴です。
紫外線を受けても色あせや劣化の進行を抑えることが可能です。

親水性

「親水性」とは、水に濡れやすく密着しやすい性質のことをいいます。

空気中のホコリや排ガスが塗膜に付着しても、高い親水性により、フッ素塗料の表面は雨で自然に汚れを落とす効果が期待できます。
この性質のことを、「低汚染性」ともいいます。

防藻性・防カビ性

フッ素塗料には塗膜に防藻性や防カビ性があります。
そのため、太陽の光があまりあたらない北面の壁や湿気がこもりやすい壁でも、藻やカビの発生を抑える効果があります。
カビや藻の付着によって建物の美観を損なわず、綺麗な状態が長く続きます。

耐摩耗性

フッ素塗料は耐摩耗性が高く、長期間光沢を保ちます
フッ素塗料の塗膜の光沢保持力は非常に優れており、光沢は20年でわずか10%しか減少しないといわれています。

耐薬品性

フッ素塗料は、耐薬品性にも優れています。
近年問題となっている酸性雨にも強い効果を発揮します。

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フッ素塗料のメリット・デメリット

フッ素塗料のメリット

フッ素塗料のメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 耐用年数が長い
  • メンテナンスコストが削減できる
  • 美しい外観が長続きする

それぞれの点について説明します。

耐用年数が長い

前項でも触れましたが、フッ素塗料は代表的な4樹脂グレード中、最も長い耐用年数を誇ります。
価格こそ高価ですが、長期間でみた場合の塗り替えリフォームの回数が減るので、トータルコストで安く済む場合がほとんどです。

【表:フッ素塗料と他樹脂塗料の比較】

樹脂・商品 耐久年数(外壁用) 実勢価格(/㎡) 特徴
アクリル 5~7年 1,400円~1,600円 最安価。住宅にはほぼ使われない
ウレタン 7~10年 1,700円~2,200円 価格が安いがやや低耐久
シリコン 10~15年 2,200円~3,000円 最も頻繁に使われる

フッ素
15年~それ以上 3,800円~4,800円 高耐久だが価格が高い

メンテナンスコストが削減できる

耐用年数が長いことで、長期間でみた場合の塗り替え回数を少なくすることができ、トータルコストコストを抑えることが可能です。
例として、同じ塗装面積の家で、フッ素塗料を使い続けた場合の出費と、ひとつ下のグレードであるシリコン塗料を使い続けた場合の出費の差を、例としてあらわしました。

*塗料の材工費以外の費用(足場代・諸経費など)はどちらも75万円で固定されています。

「シリコン塗料」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

美しい外観が長続きする

フッ素塗料は親水性を高めるため、ツヤあり塗料になっています
また、前述のさまざまな防護機能により、光沢のあるピカピカの外観が長持ちします。

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フッ素塗料のデメリット

フッ素塗料のデメリットは以下の3点があります。

  • 価格が高い
  • ツヤあり塗料しか選べない
  • 塗膜が硬く、ひび割れしやすい

それぞれの点について説明します。

価格が高い

フッ素塗料は、数ある塗料の中でも高価な部類の塗料になります。
必然的に、初期費用はウレタン、シリコン塗料などと比べて高額になります。

ツヤあり塗料しか選べない

フッ素塗料は、塗膜の親水性の高さによりメリットを発揮するため、塗装するとピカピカな光沢のある仕上がりになります。
逆に言えば、ツヤあり塗料しか選べないので、マットな艶消し仕上げを希望する方には不向きです。

塗膜が硬く、ひび割れしやすい

フッ素塗料は、非常に耐久性の高い塗料である反面、他の塗装に比べて塗膜が硬いため伸びにくく、外壁のひび割れが発生すると塗膜も一緒に割れてしまうことがあります。
モルタル外壁などの動きのある素地へ塗装する場合、特に注意が必要です。

他の外壁塗装の塗料について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介」

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フッ素塗料は、こんな方にオススメ

フッ素塗料は以下のような方におすすめです。

  • 初期費用が高くなっても、トータルコストを安くしたい方
  • 光沢のある仕上がりが好みの方
  • 大きな家に住んでいる方

それぞれについて説明します。

初期費用が高くなっても、トータルコストを安くしたい方

フッソ塗料のような長耐久の塗料を使えば、工事ごとにかかる足場をかける費用や高圧洗浄などの費用も節約することができます。
長期的に見れば、ほとんどの場合でコストを削減できます。

【(再掲)表:フッ素塗料とシリコン塗料のトータルコスト比較】

光沢のある仕上がりが好みの方

フッ素塗料は、ピカピカな光沢のある仕上がりが特徴で、艶のキラキラしたような外観がお好みの方には最適な塗料です。
ただし、環境によっては「安っぽく見える」という声も少なくないので、その点も注意してご判断されるのが望ましいでしょう。

大きな家に住んでいる方

自宅が広ければ、リフォームのたびの工事費も多額になります。
そこで、最大限長持ちする塗料を使うことで、なるべく工事回数を減らし、費用を節約するのがオススメです。

大きくない家に住んでいる方に比べて、耐用年数の長い塗料を選ぶメリットが大きくなります。

▼「外壁塗装の耐用年数」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 外壁塗装の耐用年数って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!

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フッ素塗料は劣化の激しい部分にオススメ

フッ素塗料は高価なので、住宅の全てをフッ素塗料で塗装すると、予算をはるかにオーバーしてしまうケースが多いと思います。
そのような場合は、「面積が限られていて」「劣化が激しい」部分だけでも、フッ素で塗装することをオススメします。

住宅の部位の中で最も劣化しやすい「屋根」

屋根は住宅の部位の中でも、最も風雨や紫外線の影響を受ける場所なので、劣化しやすく、メンテナンス周期が最も短くなる場所です。
屋根を耐久性の高いフッ素塗料で塗装することで、他の部位と同時に次の塗り替え時期を迎えることが可能になることもあります。

実は劣化が早い「付帯部分」。雨樋・派風・幕板・軒天など

あまり目立たない雨樋などの「付帯部分」には、コストを抑えるためにとにかく安い塗料が使われがちです。
しかし、実は、ほとんどの付帯部分が外壁と同程度、もしくはそれ以上のスピードで劣化しやすいとも言われており、付帯部分こそ耐用年数の長い塗料で塗装することをオススメします。

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まとめ:フッ素塗料は、長い耐用年数と高価な費用が特徴

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

フッ素塗料の耐用年数は?

壁で15~20年、屋根でも12~15年と言われています。4種類ある住宅用塗料のなかで、フッ素樹脂塗料はもっとも高いグレードです。詳しく知りたい方は耐久性と耐候性をご覧ください。

フッ素塗料のメリットは?

耐用年数が長いこと、メンテナンスコストが削減できること、光沢が美しく、長持ちすることです。詳しくはフッ素塗料のメリットをご覧ください。

フッ素塗料のデメリットは?

価格が高いこと、ツヤありの色しか選べないこと、モルタル外壁には向かないことです。詳しくはフッ素塗料のデメリットをご覧下さい。

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