フッ素塗料の費用対効果は?メリット・デメリットを徹底解剖

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現在、住宅の塗装工事で主流になっているシリコン塗料よりも上級グレードに位置付けされているフッ素塗料。 15~20年の耐久性があるとされていますが、戸建て住宅ではまだそんなに普及していません。

フッ素塗料とはいったいどんな塗料なのか、メリットとデメリットにはどのような点があるのか、どんな場合に使用すれば効果的なのか等、フッ素塗料について徹底解説いたします。


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この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役 長谷川佳広

塗装経験年数29年
千葉を中心に地域に根ざした創業100年を誇る老舗の塗装店の経営をしながら自らも現場に携わる。戸建、アパート、集合住宅、工場、店舗等の外装一切を請け負い、年間施工件数は200件にのぼる



1. フッ素塗料とはどんな塗料なのか?

塗料は、顔料、樹脂、溶剤を混ぜて作られています。 中でも樹脂は、塗膜を生成する原料としてもっとも重要な成分で、塗膜の性能や特徴に大きな影響を与えるものです。

フッ素塗料は、合成樹脂に蛍石を原料としたフッ素樹脂が使われています。

フッ素は耐久性に優れ、時間が経っても塗装面の強度が落ちにくく、長い間塗装したての品質を保ちます。

フッ素が持つ非粘着性や耐摩耗性、難燃性などの性能は、フッ素加工された焦げないフライパンなどでお馴染みの方も多いと思います。
汚れを寄せ付けず、長い間綺麗な状態を保ち、お手入れも簡単です。

そのため、東京スカイツリーや六本木ヒルズ、国立劇場、レインボーブリッジといった高層ビルや大型の商業施設、橋梁など、短期スパンでの塗り替えが困難な施設にはフッ素塗料が数多く使用されています。

一方、高額なため一般の一戸建て住宅では、あまり多く採用されていません。

多少費用が高くなっても、永住するつもりの大切な家なので、綺麗な外観をできるだけ長期間維持したいと考えている方も少なくないでしょう。
そんな方にとっては、フッ素塗料は理想の塗料といえます。ただし、メリットばかりではありません。

自宅の屋根や外壁を塗り替える際に、フッ素塗料を採用したいと思ったら、その特徴やメリットとデメリットを正しく理解しておく必要があります。

2. フッ素塗料の特徴

では、フッ素塗料にはどのような特徴があるのでしょうか。

2.1. 高い耐久性と耐候性

フッ素塗料の一番のメリットは、耐久性・耐候性の高さにあります。 しっかりと外壁に密着するため、長期間風雨に晒されても、隙間をつくらず強固に家をガードします。

現在主流のシリコン塗料の耐用年数が10~15年といわれているのに対し、フッ素塗料の耐久年数は最低でも15~20年といわれています。

また、家の屋根や外壁を紫外線のダメージから守る耐候性の高さも魅力のひとつです。
フッ素樹脂は、炭素とフッ素の結合が非常に強固なので、紫外線で破壊されにくいのが特徴です。
紫外線を受けても色あせや劣化の進行を抑えることが可能です。

2.2. 親水性

親水性とは、水に濡れやすく密着しやすい性質のことをいいます。 空気中の汚染物質やホコリ、鳥の糞などが外壁面に付着しても、フッ素塗料で塗装した外壁の表面は高い親水性塗膜が形成されているため、汚れと塗膜の間に雨水が入り込み、汚れを洗い流す効果があります。 この性質のことを、汚れが落ちやすいことから低汚染性ともいいます。

2.3. 防藻性、防カビ性

フッ素塗料には塗膜に防藻性や防カビ性があるため、太陽の光があまりあたらない北面の壁や湿気がこもりやすい壁でも、藻やカビの発生を抑える効果があります。 カビや藻の付着によって建物の美観を損なわず、綺麗な状態が長く続きます。

2.4. 耐摩耗性

フッ素塗料は耐摩耗性が高く、長期間光沢を保ちます。 フッ素塗料の塗膜の光沢保持力は非常に優れていて、光沢は20年でわずか10%しか減少しないといわれています。

2.5. 耐薬品性

フッ素塗料は、耐薬品性にも優れています。 近年問題となっている酸性雨にも強い効果を発揮します。

以上の様にフッ素塗料には汚れが付着しにくく、付着した汚れを弾くので、非常に耐久性が高いという性質があります。
フッ素塗料を採用すれば、長期にわたって美観を保つことが可能になります。

次項ではフッ素塗料のメリットについてもう少し詳しく見ていきましょう。

3. フッ素塗料のメリット

3.1. フッ素塗料の耐用年数は信頼性が高い

前項でも触れましたが、フッ素塗料には一般的な塗料の中では最も高い耐用年数があります。

塗料の中には光触媒塗料や無機塗料など、耐用年数が20年を超えるといわれている塗料もありますが、これらはまだ販売開始後の実績が乏しいため、やや信頼性に欠けます。
実際に20年以上経過した実例がまだほとんどないため、ほんとうに20年以上もつのかどうかわかりません。

その点、フッ素塗料には十分な実績があるので、15年~20年といわれている耐用年数は、比較的信頼性の高い数値です。

3.2. メンテナンスコストが削減できる

塗料の耐用年数が長ければそれだけ塗り替え回数を少なくすることができます。

新築してから30年経過すると、シリコン塗料を使用した場合には2回目の塗り替えが必要になりますが、新築時からフッ素塗料を使用していれば、2回目の塗り替えはさらに10年後まで先延ばしすることができます。

屋根や外壁を塗り替えるためには足場が必要になるため、メンテナンスサイクルが長くなればその分のコストを抑えることが可能です。

3.3. 光沢のある仕上げ

フッ素塗料は親水性を高めるために、ツヤあり塗料になっています。 塗装すると、光沢のあるピカピカの外観になるので、古い家でもまるで新築の様になります。

4. フッ素塗料のデメリット

では、フッ素塗料にはデメリットはないのでしょうか。 そんなに優れた塗料なのに、なぜ住宅ではあまり普及していないのでしょうか。 それは、残念ながらフッ素塗料にもデメリットが存在するためです。 採用する場合には、デメリットもしっかりと把握しておかなければいけません。

4.1. 価格が高い

フッ素塗料は、数ある塗料の中でも高価な部類の塗料になります。 塗料の種類別価格相場の目安は、以下の通りです。

塗料の種類 1㎡あたりの価格の目安
アクリル樹脂塗料 1,400円~1,600円
ウレタン樹脂塗料 1,700円~2,200円
シリコン樹脂塗料 2,300円~3,000円
フッ素塗料 3,800円~4,800円
無機塗料 5,000円~5,500円

※ちなみに無機塗料の耐用年数は20年~25年といわれています。

耐用年数が15~20年と非常に長いフッ素塗料ですが、耐用年数が10~15年のシリコン塗料と比較すると価格が1.6倍以上になるので、必ずしも費用対効果が高いとはいえません。
実際の建物で、メンテナンスサイクルを考慮の上、足場費用を含めて比較検討する必要があります。

また、採用にあたっては外壁や屋根、シーリング、付帯設備を含めた家全体のメンテナンスサイクルも考えなければいけません。
外壁にフッ素塗料を使用しても、他の部分が先に劣化してしまえば、無駄に高いコストが発生することにもなりかねません。

4.2. 施工が悪ければ塗料の性能が発揮できない

施工が悪ければ塗料の性能が発揮できないのは、どんな塗料でも同じですが、塗料の性能が高くなるほど、その差が顕著に表れる傾向があります。

塗料は下地との密着性が大事なので、塗料が下地にしっかりと密着するように下地処理を行う必要があります。
下地処理が甘ければ、せっかく高価なフッ素塗料を使用してもその性能を十分に活かすことができません。
正しい知識を持った経験豊富な業者に工事を依頼することが大切です。

4.3. ツヤあり塗料しか選べない

フッ素塗料は、塗膜の親水性の高さによりメリットを発揮するため、塗装するとピカピカな光沢のある仕上がりになります。 しかしフッ素塗料にはツヤあり塗料しかないので、マットな艶消し仕上げを希望する方には不向きです。

4.4. 塗膜が硬いため、追従性に劣る

フッ素塗料は、非常に耐久性の高い塗料である反面、他の塗装に比べて塗膜が硬いため伸びにくく、外壁のひび割れが発生すると塗膜も一緒に割れてしまうことがあります。 モルタル外壁などの動きのある素地へ塗装する場合には、注意が必要です。

4.5. 建物の延命効果はない

フッ素塗料は、高価で高性能な塗料ですが、塗布すれば建物の寿命が長くなるというものではありません。 老朽化が激しい建物をフッ素塗料で塗装しても、延命効果があるわけではないので注意が必要です。

5. 結局フッ素塗料ってどうなの? フッ素塗料をおススメしたい方とは?

5.1. フッ素塗料をおススメしたい部位はどこ?

フッ素塗料は高価なので、家の全てをフッ素塗料で塗装すると、予算をはるかにオーバーしてしまうケースが多いと思います。

そんな場合には、まず屋根をフッ素塗料で塗装することをおススメします。
屋根は住宅の部位の中でも、最も風雨や紫外線の影響を受ける場所なので、劣化しやすく、メンテナンス周期が最も短くなる場所です。
また普段目につきにくい場所なので、知らないうちに予想外に経年劣化が進行していたというケースも多いものです。

屋根を耐久性の高いフッ素塗料で塗装することで、他の部位と同時に次の塗り替え時期を迎えることが可能になります。
以上のことから、最もフッ素塗料をおススメしたい部位として屋根が最適と思われます。
その他では、雨樋や破風板、幕板などの付帯部分も意外と劣化が早く進んでしまうものです。
付帯部分には、コストを抑えるためにとかく安い塗料が使われがちですが、予算に余裕がある様であれば、フッ素塗料をおススメしたいと思います。

5.2. フッ素塗料をおススメしたい方とは?

次にフッ素塗料はどんな方に向いているのでしょうか?

フッ素塗料は耐久性に優れた塗料なので、次の塗り替え時期をできるだけ先延ばししたいという方はもとより、長期的にメンテナンス費用を節約したいという方にも、有効な手段となる場合があります。

フッ素塗料の耐久性の高さを活かして塗り替え回数を減らせば、足場の架設費用や高圧洗浄などの費用も節約することができます。
長期的に見ればコストを削減できる可能性が高くなるので、メンテナンスサイクルや足場の費用などの付帯工事費用を含めて、他の塗料で塗り替えるケースと比較して欲しいと思います。

またフッ素塗料は、ピカピカな光沢のある仕上がりが特徴なので、このような外観がお好みの方には最適な塗料です。

ただし、フッ素塗料にも様々な種類があるので、使用する塗料がどの程度の耐候性があるのか業者から説明を受けると共に、実際にフッ素塗料で塗装した物件を見せてもらう様にすると良いでしょう。

6. まとめ

ここまで、フッ素塗料についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事の要点は以下の2つです。

1:フッ素塗料の良さが正しく理解されるようになって、広く普及する様になれば、今後低価格化が期待できます。

2:塗料を選定する上では、メリットばかりでなくデメリットも良く理解した上で、本当に自分の要望にあっているのかどうかを十分に検討する必要があります。

皆様がご自宅の塗装工事を検討する上で、本記事がお役に立てば幸いです。

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