外壁塗装の予算を5分で知ろう!費用相場、積立、保険、税金まで解説

あなたのお家
外壁塗装するといくら?
外壁塗装は10年に一度、延べ床面積30坪の家で100万円程度が費用相場と言われています。
「じゃあ、新築時から月に9,000円ちょっとを10年間コツコツ貯金して、築10年になったら100万円を支払っていざ塗装!」
・・・それでも悪くはないんですが、ちょっとだけ待ってください。
大事な家に、10年に一度の機会。
せっかくなら、 大切な「予算」のことについて、ちゃんと考えてみませんか?
この記事では、工事初心者の方に向けて、外壁塗装の予算をテーマに、費用相場、積立、保険、補助金、税金のことまで、お金にまつわるアレコレを簡単に解説します!
あなたのお家
外壁塗装するといくら?
外壁塗装の予算って、何で決まるの?
外壁塗装の予算は、メンテナンス周期を前提に、費用相場や積立方法、補助金や税制度、クレジット等の各種支払い方法といった、複数の要素から成り立っています。

ご自宅の外壁塗装の予算を考える際には、次の順序で調査・検討すると良いでしょう。
- ①予算を知る・・・・費用相場
- ②予算をつくる・・・積立
- ③予算を調整する・・補助金・税制度
- ④予算を繰り越す・・支払い方法
以下、順に、これらについて説明していきます。
外壁塗装の予算を知る:費用相場について
外壁塗装の予算を決めるには、まず、外壁塗装工事の大まかな費用相場を把握しておく必要があります。
ただし、細かい金額については、実際に複数の業者に現地調査を依頼し、見積書を受け取ってから比較検討・調整することになるため、計画を立てる時点では、平均的な価格帯についてだけ、簡単におさえておけば問題ありません。

外壁塗装の平均費用は100万円強
弊社サービスの過去3,000名の利用者統計データでは、一軒家の外壁塗装の費用相場はおよそ80万~130万円で、平均109万円でした。
延べ床面積の坪別相場は、30坪では「96万~111万円」、40坪では「115万~124万円」、50坪では「122万~136万円」です。
一般的な一戸建ては30坪程度の広さの住宅が多いため、ざっくりと「100万円くらい」と覚えておきましょう。
外壁塗装の見積もり実例について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の見積もり実例を公開。塗料・施工範囲ごとの金額の違いは?」
都道府県別の費用相場
外壁塗装の費用は、地域・エリアの影響を強く受ける傾向にあります。
下表は、2017年から2020年までの弊社過去実績データをもとに、都道府県別の平均費用を算出したものです。
| 地方 | 都道府県① | 平均費用 | 都道府県② | 平均費用 | 都道府県③ | 平均費用 | 都道府県④ | 平均費用 | 都道府県⑤ | 平均費用 | 都道府県⑥ | 平均費用 | 都道府県⑦ | 平均費用 | 都道府県⑧ | 平均費用 | 都道府県⑨ | 平均費用 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道・東北地方 | 北海道 | 112万円 | 青森県 | 92万円 | 岩手県 | 61万円 | 宮城県 | 120万円 | 秋田県 | 112万円 | 山形県 | 68万円 | 福島県 | 106万円 | - | - | - | - | ||
| 関東地方 | 茨城県 | 105万円 | 栃木県 | 97万円 | 群馬県 | 100万円 | 埼玉県 | 121万円 | 千葉県 | 111万円 | 東京都 | 140万円 | 神奈川県 | 117万円 | - | - | - | - | ||
| 中部地方 | 新潟県 | 109万円 | 富山県 | 134万円 | 石川県 | 131万円 | 福井県 | 140万円 | 山梨県 | 106万円 | 長野県 | 101万円 | 岐阜県 | 114万円 | 静岡県 | 120万円 | 愛知県 | 116万円 | ||
| 近畿地方 | 三重県 | 106万円 | 滋賀県 | 93万円 | 京都府 | 115万円 | 大阪府 | 113万円 | 兵庫県 | 116万円 | 奈良県 | 112万円 | 和歌山県 | 110万円 | - | - | - | - | ||
| 中国・四国地方 | 鳥取県 | 125万円 | 島根県 | 109万円 | 岡山県 | 121万円 | 広島県 | 107万円 | 山口県 | 116万円 | 徳島県 | 117万円 | 香川県 | 103万円 | 愛媛県 | 95万円 | 高知県 | 86万円 | ||
| 九州・沖縄地方 | 福岡県 | 118万円 | 佐賀県 | 116万円 | 長崎県 | 112万円 | 熊本県 | 110万円 | 大分県 | 84万円 | 宮崎県 | 102万円 | 鹿児島県 | 97万円 | 沖縄県 | 142万円 | - | - | - | - |
ご覧いただいた通り、都道府県によって、外壁塗装の平均費用相場はかなり異なります。
これは、都市部と地方による物価、家の大きさ、業者数といった多様な条件の違いを反映しているものと考えられます。
計画を立てる時点では強く気にする必要はありませんが、気になる方は、参考にしてみてください。
外壁塗装の予算をつくる:積立について
外壁塗装工事は、通常は10年に一度の頻度で、劣化症状がみられる場合に行います。
けれど、築10年目に、「100万円」の費用をいきなり捻出することは簡単ではありません。
そこで、貯蓄や保険といった形で、有事の際に備えた積立金を準備しておくのも一つの手でしょう。
ここでは、外壁塗装の予算を積み立てるための2つの方法を説明します。
財形住宅貯蓄
財形住宅貯蓄は、住宅の建設・購入・リフォームなどのための積立型の貯蓄方法です。

出典:独立行政法人 勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部
財形住宅貯蓄には、次のような特徴があります(ホームページより抜粋)。
- 勤労者が会社の協力を得て、給与から一定額を天引きして行う、住宅資金のための積立貯蓄です。
- 「財形年金貯蓄」と合わせて、貯蓄残高550万円まで利子等に税金がかかりません。
- 「財形持家融資」の利用が可能となります(他に要件があります)。
財形住宅貯蓄は、厚生労働省所管の公的制度であり、給与天引きのため、長期間に渡って半強制的に貯蓄できるというメリットがあります。
他方、利子額によっては税金優遇がいまひとつ効果を発揮しにくく、資産運用の観点から考えると魅力に欠けるというデメリットもあります。
総じて、リターンの大きな運用方法ではないものの、ついつい後回しになりがちなリフォーム費用を貯める方法としては適していると言えるでしょう。

火災保険
火災保険は、実は火災だけではなく、台風や雪、落雷など、広く自然災害による被害で適用可能な保険です。
したがって、住宅火災保険、あるいは住宅総合保険に加入していれば、外壁リフォームの際に保険金で費用の一部を補填できる可能性があります。

一般に、火災保険の適用条件は、次の通りです。
- ・自然災害による事故と認められること
- ・被害から3年以内であること
- ・修理費用が、免責金額を超えること(一般的には20万円)
経年劣化の補修工事は対象にはなりませんが、経年劣化が進んでいる状態に台風などの自然災害が重なった場合は、適用対象になる確率が高いと言われています。
火災保険に未加入の方は、保険という形での積立と考えて加入を検討してみても良いかもしれません。

外壁塗装の予算を調整する:補助金・税制度などについて
外壁塗装では、雨樋やサッシの交換、ベランダの防水工事といった付随工事や、屋根塗装工事との平行作業など、メインとなる塗装以外の工事もセットで行うことになる場合が少なくありません。
また、遮熱塗料や光触媒塗料といった特殊塗料や、ラジカル塗料やフッ素塗料といった耐久性の高い高級塗料を用いることもあるでしょう。
そういった、想定より一般的な費用相場よりも多くの金額がかかってしまう場合には特に、補助金や税制度などを検討してみることをおすすめします。
10年保証と瑕疵保険
一般的な一戸建て住宅は、完成(引き渡し)から10年間の瑕疵(かし)保証への加入が法律によって義務付けられています。
瑕疵とは、いわゆる手抜きや不適切な工事によって、住宅・建物に生じた欠陥のことです。
この制度によって、新築後10年以内に見つかった欠陥は、建築会社や施工会社、もしくは売主に補償を求めることができます。
通常、この補償のために、ハウスメーカー等の住宅事業者は瑕疵保険と呼ばれる保険に加入しています。
しかし、残念ながら、外壁塗装工事について、10年保証が適用されることはほとんどありません。
理由は、次の2点です。
- 保証期間内に塗装工事を行う場合が少ない
- 外壁の経年劣化を瑕疵のせいにすることは難しい
また、仮に一部の工事が適用される場合であっても、全面的に無料あるいは減額にならない限り、結局損をしてしまう恐れがあります。
ハウスメーカーによるリフォーム工事では、中間マージンと呼ばれる下請けへの発注コストが大幅に上乗せされるため、そもそもの費用金額が高額になりがちだからです。
10年保証の適用を考える際は、ハウスメーカーに適用条件と範囲、金額等をしっかりと聞いた上で、不適用で工事をするのとどちらが得になるか、専門家に相談するようにしましょう。
投稿が見つかりません。補助金・助成金
外壁塗装の工事では、条件を満たせば補助金・助成金がつかえるものがあります。上限金額は10万~20万円ほどで、最大25万円まで助成する自治体もあります。
外壁塗装で補助金・助成金を受けるには、「省エネ・断熱工事」であることが必要です。また、工事には、 「断熱塗料」「遮熱塗料」を使うことが条件とされています。
実際に使える補助金・助成金は、お住いの各地域によって異なり、自治体によっては補助金・助成金制度を設けていないところもあります。
お住いの地域での制度状況をお知りになりたい方は、上記「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」から検索できますので、ぜひ、ご利用ください。

住宅ローン減税、住宅ローン控除
「住宅ローン減税」や「住宅ローン控除」とも呼ばれる「住宅借入金等特別控除」は、居住用のために住宅ローンを利用している人で、条件が当てはまれば、所得税を一部減税できる制度です。
外壁塗装工事でも、リフォーム工事の一つとして、住宅借入金等特別控除による控除を受けることができます。
具体的には、確定申告することを条件(会社員は不要)に、年末時点で住宅ローン残高の1%分を、40万円を上限金額として、所得税から控除することができます。
また、控除が受けられる期間は、10年間です(2019年10月から2020年12月末までの入居の場合は13年間)。
控除のための条件は、次の通りです。
- ①返済期間が10年以上のローンであること
- ②居住用の住宅であること
- ③床面積の1/2以上が居住用であること
- ④工事完了後、6ヶ月以内に入居すること
- ⑤増改築等の日から6か月以内に居住し、その年の12月31日まで引き続き住み続けていること
- ⑥工事後の床面積が50㎡以上であること
- ⑦かかる費用が100万円以上
- ⑧合計所得金額が3000万円以下であること
一般的な外壁塗装工事と金利であれば、10年間で10万円前後の節税になる可能性があるため、検討してみる価値はあるかもしれません。
なお、リフォーム減税、リフォーム控除と呼ばれる「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という制度もありますが、遮熱塗料等を活用した省エネリフォームに該当する場合のみの適用となり、また住宅ローン減税とは併用不可なため、注意が必要です。
投稿が見つかりません。外壁塗装の予算を繰り越す:支払い方法
外壁塗装の費用は高額になることが多く、積立や補助金、減税といった手段を利用しても現金での支払いが難しい場合もあるでしょう。
そうした場合には、支払い方法を工夫することで、必要な工事を先延ばしにすることなく、長期的に見れば得をすることに繋がります。

クレジットカードで支払う
外壁塗装業者の中には、クレジットカードでの支払いに対応している業者も少なくありません。
クレジットカードは、分割払いが可能になる場合があるだけでなく、カード会社ごとにポイントが付与されるため、金額の大きな塗装工事の支払いに適していると言えます。
ただし、クレジットでの支払い可否に加えて、カードの利用可能額や手数料、分割払いの可否などは業者によって異なるため、支払いタイミングの前に必ず調べておくようにしましょう。
ローンを組む
クレジットカードでの支払いでも難しい場合は、支払い回数がより柔軟なリフォームローンを利用すると良いでしょう。
外壁塗装でローンを利用したい場合は、主に次の2つの選択肢があります。
- 銀行に相談する
- 信販会社に相談する
このうち、リフォームローンでもっとも利用が多いのは「信販」です。
大きな理由は、審査が早く、書類を用意する手間も無いことです。
一般に、リフォームローンの金利相場は「2~3%」です。
これは、銀行・信販を含めた相場になります。
「4%以上」の金利も存在しますが、ローンとしては高すぎるため、注意してください。
また、リフォームローンの支払い回数は「60~120回」、年数だと「5~10年」が目安です。
ローンを選ぶ多く人は、この範囲で支払い回数を決めています。
リフォームローンを検討する際は「2〜3%」の金利で、支払い回数が「60~120回」に収まる範囲で借り入れましょう。

まとめ:計画性のある予算を立てるためには?
本記事の内容をまとめると、次の通りです。
| 外壁塗装の予算はどれくらいで計画すべき? |
|---|
| 外壁塗装の費用相場は80万~130万円で、平均が109万円です。 また、30坪では「96万~111万円」、40坪では「115万~124万円」、50坪では「122万~136万円」です。都道府県など地域によっても変わってきますが、計画時点では強くきにする必要はありません。 |
| 外壁塗装の予算はどうやって準備すればいい? |
| 予算をつくるには、事前の積立が有効です。 積立には、①財形住宅貯蓄を利用する、②火災保険に加入する、の2つの方法があります。ローリスクでの施工を希望するのであれば、積立を意識するようにしましょう。 |
| 外壁塗装の費用を予算内に収めるにはどうしたらいい? |
| ①10年保証、②補助金・助成金、③住宅ローン減税、の3つの方法が考えられます。現実的には、10年保証は外壁塗装に適用されないケースが多いため、地域の補助金を探しつつ、住宅ローン減税を利用した節税に努めることをお勧めします。 |
| 外壁塗装の費用が予算オーバーしたら、諦めるしかないの? |
| 事代金の支払い方法を工夫することで、必要な工事をすぐに行うことができます。 具体的には、①クレジットカードで支払う、②ローンを組む、という方法をとる方が多いでしょう。特にローンを組むときは、金利2〜3%、支払い回数60〜120回の範囲で借り入れることがポイントです。 |
外壁塗装は、住宅を長持ちさせるだけでなく、資産価値を維持するためにも、10年に一度は必ず行うべき工事です。
定期的なメンテナンスを確実に行えるよう、本記事を参考にしながら、ご自身の家計にあった予算の計画を立てるようにできれば安心ですね。


