FRP防水とは?メリット・デメリット、見積もり2,127件における費用相場も紹介

あなたのお家
外壁塗装するといくら?
本記事は、ご自宅のベランダや陸屋根(屋上)の防水工事をお考えの方に向けて、
・FRP防水とはどんな工事か?
・FRP防水は他の防水工事とどう違う?
・FRP防水のメリット・デメリットは?
・FPR防水のトップコートのメンテナンスはどうする?
・FRP防水のトップコートを塗り替える目安は?
という疑問を解消できる解説を行いました。
特に、FRP防水「以外」の工事方法についても、特徴紹介と性能や費用の違いについて比較を行っています。
本記事のポイント
・FRPとは「防水用のプラスチック繊維」のこと
・FRP防水は軽くて丈夫。防水性も高いのが特徴
・FRP防水は費用が少し高いのと、施工できる場所をやや選ぶのが弱点
FRP防水とは?
本章では、FPR防水とは何か、その定義や目的、他の防水方法との違いについて詳しく解説していきます。
FRP(繊維強化プラスチック)による最強の防水層

FRP防水の「FRP」とは、Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略称です。これは、液状のポリエステル樹脂に「ガラスマット(ガラス繊維)」を組み合わせて固めることで作られる素材です。
この素材は非常に強度が高く、軽量で、耐水性・耐熱性に優れているため、住宅の防水以外にも、ボートや自動車のバンパー、浴槽、プールなど、過酷な環境で使われる製品に多く採用されています。住宅のリフォーム分野においては、特に戸建て住宅のベランダやバルコニーの床防水として、現在最も普及している主流の工法です。

他の防水工法(ウレタン・シート)との違い

ベランダ防水にはFRPの他にも「ウレタン防水」や「シート防水」がありますが、FRP防水最大の特徴は「硬さ」と「速乾性」です。
ウレタン防水がゴムのような柔らかい弾性を持つのに対し、FRP防水はカチカチに硬化して継ぎ目のないシームレスな層を作ります。このため、歩行による摩擦や衝撃に強く、洗濯物を干すなどの日常的な使用に耐えられる頑丈な床面を実現できます。また、樹脂の硬化速度が早いため、天候さえ良ければ1〜2日という短期間で施工が完了するのも大きな特徴です。
ただし、その「硬さ」ゆえに地震などの揺れには追従しにくく、木造住宅の広い屋上など、建物自体が動く可能性がある場所にはあまり向きません。あくまで「ベランダ・バルコニー向け」の最強工法と言えます。

FRP防水のメリット・デメリット
FRP防水のメリットとデメリットは、主に以下のようになります。
| 外壁塗装をDIYするメリット | 外壁塗装をDIYするデメリット |
|---|---|
| 圧倒的な強度と耐久性 建物への負担が少ない 施工スピードが速い | ひび割れやすい 施行中に刺激臭がある |
FRP防水は、ガラス繊維による圧倒的な強度と摩擦への強さを備えており、ベランダのような歩行頻度の高い場所に最適な工法ですが、一方でプラスチックのように硬く伸縮性がないため、下地の動きや地震、気温変化によってひび割れしやすいという側面も持ち合わせています。
機能面では、1平米あたり約3〜5kgと非常に軽量なため建物への負担が少なく、耐震性を重視する木造住宅に適しているほか、樹脂の硬化が早く通常1〜2日で全工程が完了するという施工スピードの速さも大きな魅力です。
ただし、施工中にポリエステル樹脂特有の強い臭いが発生する点や、動きの大きい広い屋上・鉄骨造には不向きな場合がある点には注意が必要です。
FRP防水のトップコートのメンテナンス方法

FRP防水の寿命を延ばすためには、5〜10年ごとのトップコートの塗り替えが推奨されています。
ここでは、DIYでもできるトップコートのメンテナンス方法の手順を、写真付きで5つのステップで具体的に解説します。各工程の意味を理解し、正しい手順で施工しましょう。
手順①:洗浄

まずは塗装面の汚れ、コケ、カビなどを高圧洗浄で洗い流し、塗料の密着できる下地を作ります。高圧洗浄機が最も手軽で効率的ですが、ない場合はデッキブラシと中性洗剤を使ってこすり洗いをしてください。
ベランダやバルコニーの床面には、砂埃や排気ガスなどによる油分がこびりついています。そのままの状態で作業をしても、新しいトップコートがうまく密着せずすぐに剥がれてしまう可能性が高いです。
特に、排水口(ドレン)周りは泥や落ち葉が溜まりやすいため、念入りな掃除が必要です。洗浄後は、水分が完全に乾くまで最低でも24時間以上の乾燥時間を設けてください。水分が残っていると、塗装後に膨れの原因となってしまいます。
手順②:目荒らし(サンディング)

今あるFRP防水層の表面をあえて傷つけることで、新しい塗料の食いつきを良くする「目荒らし」(サンディング)を行います。
サンディングは、トップコートの塗り替えにおいて大切な下地処理の一つです。FRPの表面は非常に硬くツルツルしているため、そのままでは新しいものを塗っても密着しません。電動サンダーや紙やすり(#80〜#100程度の粗め)を使用し、表面全体の光沢がなくなるまで均一に研磨します。
研磨が不十分な箇所は、施工後に塗料がペラペラと剥がれる原因になるのでむらなく削っていきましょう。角や立ち上がり部分もしっかりとこすり、全体が白っぽくなるまで作業を行ってください。
研磨後は大量の粉塵が出るため、掃除機やほうきなどで綺麗にしておく必要があります。。
手順③:アセトンを使った拭き取り

表面に残った微細な油分やワックス成分を除去し、密着不良を防ぐためにアセトンで拭き上げます。
目荒らし後の清掃だけでは取りきれない油脂分を、アセトンという強力な溶剤を使って拭き取ります。ウエス(布)にアセトンを染み込ませ、床面全体を拭いていきましょう。アセトンで拭きあげることで表面の油膜がなくなり、次に塗るプライマーが強力に接着するようになります。
注意点として、アセトンは揮発性が高く引火しやすいため、火気厳禁で作業を行ってください。また、吸い込むと健康被害の恐れがあるため、必ず有機溶剤用のマスクと手袋を着用し、換気を十分に行いながら短時間で済ませるようにしましょう。
手順④:プライマーを塗る

下地と仕上げ塗料(トップコート)を接着させるための「プライマー(下塗り材)」を塗布します。
プライマーは、FRP防水層とトップコートをつなぐ接着剤の役割を果たします。FRP専用のプライマーを選定し、ローラーを使って均一に塗っていきましょう。塗り残しがあると、その部分からトップコートが剥離してしまうため、縦横にローラーを動かして隙間なく塗布することがポイントです。
塗布後はメーカー指定の乾燥時間(通常2〜4時間程度)を守ってください。乾燥させすぎると逆に密着力が低下する場合があるため、その日のうちにトップコートを塗る工程まで進めるのが基本です。雨天や湿度が85%以上の高い日は硬化不良を起こしやすいため、作業しないことをおすすめします。
手順⑤:トップコートを塗る

最後に、防水層を紫外線や摩耗から守るための仕上げ材「トップコート」を2回に分けて塗っていきます。
1回目の塗布では、全体に色がつくように丁寧に塗り広げます。一度で厚塗りしようとすると、ムラや乾燥不良の原因になるため、薄く均一に塗ることを意識してください。1回目の塗装が乾いたら(指で触れてつかない程度)、2回目の仕上げ塗りを行います。
2回塗ることで膜厚が確保され、耐久性が向上するとともに美しい仕上がりになります。トップコートには「ポリエステル系」「ウレタン系」などの種類がありますが、FRP防水の再塗装では既存のFRP層と相性の良いポリエステル系を使用するのが一般的です。
塗り終わったら、丸一日(24時間)以上しっかりと乾燥させ、完全に乾くまで立ち入らないようにしましょう。
事例写真から分かるFRP防水の補修タイミング
一般的に、FRP防水のメンテナンスサイクルは、築10年程度トップコートの塗り替え、築~20年で防水層全体の改修検討というのが目安です。
しかし、「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と放置し、築15年を超えてから対処しようとすると、下地のベニヤ板や構造材まで腐食していることがあり、その場合の修理費用は数十万円単位で跳ね上がります。
そこで本章では、劣化症状ごとにFPR防水をすべきかどうかについて、事例写真付きで詳しくご紹介していきます。
【レベル別】劣化症状と必要なメンテナンス

FRP防水の劣化は、表面の「トップコート」から始まり、徐々に内側の「防水層」へと進行します。どの段階で気づくかによって、工事内容も費用も大きく変わります。
以下の表を参考に、ご自宅のベランダがどの状態に近いかチェックしてみてください。
レベル1:緊急度「低」【表面のメンテナンス時期】
色あせやツヤがない、表面のざらつき、細かなひび割れがある場合は、防水層の表面を保護している「トップコート」が紫外線で劣化している状態です。この段階ではまだ防水層本体(ガラス繊維の層)は生きていますが、放置すると防水層が直接ダメージを受けて寿命を縮めてしまいます。
この段階は、トップコートの補修だけで済むため、最も安くメンテナンスができるタイミングです。
レベル2:緊急度「中」【早めの補修が必要な時期】
深いひび割れ、表面の浮き・剥がれ、苔やカビの発生している状態は、トップコートを突き抜けて、防水層本体にひびが入ったり、下地から防水層が浮き上がったりしている状態です。
すぐに雨漏りするわけではありませんが、隙間から水が入り込むと下地の木材を腐らせる原因になります。
この段階では、劣化した部分を削り取り部分的にガラス繊維を敷き直す、あるいは全体的な防水層の再形成を検討すべき時期です。
レベル3:緊急度「高」【今すぐ修理が必要な時期】
すでに雨漏りが発生している、防水層が広く破断している、下地がぶかぶかしているというった状態では、 防水機能が完全に失われ、下地の木材まで腐食が進んでいる可能性が高いです。この段階になると、室内の天井にシミができている、あるいはベランダを歩くと足元が沈むような感覚があるケースもあります。
放置すると建物の構造部材(柱や梁)までダメージが及び、修理費用が跳ね上がってしまいます。表面的な補修では直りません。下地の野地板から交換する全面的な「撤去・再施工」が必要な緊急事態です。

FRP防水の補修はトップコートだけでいい?

FRP防水の補修において、新築や前回の施工から5〜8年程度で、表面の色あせや細かいひび割れはあるものの防水層自体が無傷で雨漏りもしていない状態であればトップコートの塗り替えのみで対応可能です。
しかし、築10年以上メンテナンスをしておらず、ガラス繊維の露出や床の沈み込み、あるいは既に雨漏りが発生している場合には防水層からの全面的な改修が必要となります。
特に、既に雨漏りしている状況で表面のトップコートだけを塗り替えても内部の腐食を止めることはできません。雨漏りを根本から直すなら「防水層の再施工」、将来のトラブルを予防するなら「トップコートの塗り替え」という明確な使い分けが重要です。
【補修方法別】FRP防水の補修費用や期間
FRP防水のメンテナンスにかかる費用は、防水層の表面であるトップコートのみを補修するか、防水層全体の再施工かによって大きく異なります。
トップコートのみの補修と、防水層の再施工ごとの金額は以下の通りです。
費用相場と工事総額目安は、ヌリカエが保有する防水工事の見積もりデータ2,127件から算出しています。

各補修方法について詳しくご紹介していきます。
トップコートのみの補修
トップコートのみの補修は、防水層がまだ生きていて表面の保護塗装だけを塗り替えるケースです。
ヌリカエが保有する防水工事の見積もりデータ2,127件から算出したところ、トップコートのみの補修金額は以下の通りになりました。
トップコートのみの補修
費用相場(1㎡あたり):2,500円
工事総額目安:約5.1万円
トップコートのみ補修する方法は、最も安く済むメンテナンスです。高圧洗浄で汚れを落とし、表面をサンドペーパー等で研磨(目荒らし)してから新しいトップコートを塗布します。
乾燥時間を含めても1, 2日で完了することがほとんどです。
FRP防水の再施工
既存の防水層の劣化が激しい場合、新たにFRP防水層を作り直す必要があります。このとき、耐久力を高めるためにガラスマットを敷きますが、これを何枚重ねるかで費用が変わります。
ヌリカエが保有する防水工事の見積もりデータ2,127件から算出したところ、トップコートのみの補修金額は以下の通りになりました。
ボックスのタイトル
工事総額目安:約13万円
なお、雨漏りなどによって下地の木材が腐っている場合は、別途下地交換費用が必要です。正確な金額を知るためには、必ず現地調査で見積もりをとるようにしてください。
まとめ
最後に、FRP防水について重要なポイントを振り返ります。
FRP防水の重要なポイント
- FRP防水は「最強の防水」
軽量かつ強靭で、歩行に強いため、戸建て住宅のベランダに最も適した工法です。 - 弱点は紫外線
防水層自体は紫外線に弱いため、5〜8年おきに「トップコート」を塗り替えて保護する必要があります。 - 「繊維」が見えたら赤信号
白いガラス繊維が露出している場合は、トップコートでは直せません。すぐに防水層の再施工が必要です。 - 雨漏り防止は早期発見が鍵
下地が腐食する前に対処できれば、費用は数万円〜十数万円で済みます。。
ベランダは普段あまりじっくり見ない場所かもしれませんが、洗濯物を干すついでなどに足元をチェックしてみてください。
もしひび割れや繊維の露出を見つけたら、早めに専門業者に診断を依頼しましょう。ヌリカエでは、防水工事の実績が豊富な優良業者を無料でご紹介しています。
