エネファームのデメリットからメリットが得られるか。購入のポイント

  • 【更新日】2019-01-04
エネファームのデメリットからメリットが得られるか。購入のポイント

2008年に最先端技術として話題になった燃料電池を家庭用に改良し、発電と給湯を行うエネファームが誕生しました。その後も改良を進めながら、普及を図ってきたエネファーム。エネファームのメリットとデメリットを通して、購入時の検討に重要なポイントをみていきましょう。

エネファームの仕組みとは

販売以来、50万台を超える売上を誇るエネファーム。エネファームの仕組みと普及状況について、まずはみていきましょう。

エネファームとは

エネファームは「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の愛称です。2008年に家庭用燃料電池の認知向上を目的に、燃料電池普及促進協議会により統一名称が決められました。
「エネルギーを使う家から作る家」というCMが東京ガス圏内では大量に放映され燃料電池というよりも、エネファームという名称が広く浸透しました。

エネファームの仕組み

エネファームは燃料電池と貯水タンクから構成されています、。エネファームは都市ガスを内部で改良し、水素をつくりだして燃料電池に送り、発電しています。発電で発生した熱は貯水タンクに貯めた水を温め、給湯に使う仕組みです。原料は都市ガスで、機械の中で水素に分解します。燃料電池は水素と酸素を燃料に電気を作り、水を排出するエコな装置です。
燃料電池の構造によってPEFC(固体高分子形)とSOFC(固体酸化物形)に大きく分けられます。PEFCは運転温度が100℃以下で、30〜40%の発電効率があります。家庭用向けに普及が進んでおり、価格も燃料電池にしては抑えられています。SOFCは運転温度が700℃〜1,000℃で45〜60%の発電効率を発揮します。主に業務用で開発が進められてきましたが、家庭用にもSOFCを用いた機種も参入しています。

燃料電池とコージェネレーションの両方を機能を有している

エネファームは「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」と呼ばれるように、家庭用の「燃料電池」と「コージェネレーションシステム」の両方の機能を合わせ持っています
燃料電池は先程見たように、都市ガスを改良した水素と空気中の酸素を燃料電池で反応させて、電気と水を作り出す装置です。電気ができる時に、たくさんの熱が発生します。
コージェネレーションシステムとは、燃料電池のように電気を作る時に発生する熱も効率よく利用して、投入した原料からよりたくさんのエネルギーを利用できるように考えられたシステムです。エネファームでは約40%を発電で、約50%を給湯の熱で使用していて、合わせて90%の高いエネルギー効率を実現しています。

エネファームのデメリット

そんな高いエネルギー効率のエネファームはどんな弱点があるのでしょうか。エネファームのデメリットについてみていきましょう。

製品価格が高い

エネファームは燃料電池の普及促進を目的に販売されられた商品で、家庭用として利用できるよう製品価格を下げて、補助金も出して売り出しました。しかし、最先端技術である燃料電池が高く、全体の製品価格は260万0,000円前後します。設置工事費を含めると300万0,000円近くなり、太陽光発電のように初期費用を回収しようと思うと難しい商品です。

売電出来ない

エネファームによる発電はFIT(固定価格買取制度)の対象外です。太陽光発電のように、発電による自宅で消費する以上の発電をしても、余剰電力を電力会社は買い取ってくれません。自宅の光熱費がかからなくなるので、年間20万0,000円程度の電気ガスを使用している家庭なら20年ほどで元が取れる商品です。ただし、大阪ガスは独自にエネファームの買取制度を設けています。太陽光発電とのダブル発電では対象外で、エネファーム単体での売電のみ対応しています。

本体の寿命がメンテナンスを行っても最長で20年

エネファームは発電に燃料電池を使っています。いまだ発展途上の先端技術である燃料電池。メンテナンスを行っても寿命は20年とされています。10年間のフルメンテナンス保障などを付けていますが、10年以降の修理は有料となります。
燃料電池の中では電気を生み出す反応が繰り返し行われていて、定期的なメンテナンスも欠かせません。水素を使っていると言っても、供給される都市ガスからその都度作り出しているので、水素を心配する必要はありません。

ガスの輸入価格が高騰するとガス料金も高騰する可能性がある

原油価格が上昇し、ガソリン代が家計を圧迫しています。都市ガスの原料となる液化天然ガスの輸入価格が高騰すると、エネファームの原料となる都市ガスも燃料代が高騰す可能性があります。ガス会社である程度の調整をしていますが、ガス、電気をはじめ、さまざまなものの価格が上がるため、家計にも響きます。

スペースが必要

エネファームは燃料電池ともう1つの構成要素となる貯水タンクが必要です。お湯を利用すると発電するエネファーム。燃料電池のスペースと貯水タンクのスペースが必要となり、設置場所が限られる場合があります。これまで業務用か家庭用としては戸建て住宅を中心に販売されてきました。
製品も小さくなり1,500mm×400mm程度になりましたが、設置やメンテナンスの為には2,000mm×1,000mm程度の面積が必要です。高さは1,750mmあるので、突起などがあると注意が必要です。

低周波音の問題

エネファームはモーターでお湯を循環させるため、低周波音が発生します。近年、低いブーという低周波音による健康被害などが注目されていますが、メーカー側でも軽減するための対策をさまざま講じています。
エネファーム設置に伴う低周波音問題で気をつけたいのは、ペットを飼っている家庭が隣近所にあるかどうか。犬や猫をはじめペットは音に非常に敏感な生き物です。エネファームを設置後に、近所からクレームが来ないように、日頃からご近所と付き合いをするか、ペットを飼っている家庭がどこにあるかは把握しておくと、施工前に相談できます。

停電時に発電しない

エネファームはお湯を使うときにガスを改質して発電と給湯を行います。発電には電力が必要で、停電時には発電をしないので、太陽光発電のように、災害時の非常電源として常には利用できません。モデルによっては停電時発電機能を搭載している製品もあります。
停電時にエネファームが発電している場合は、発電を継続する機能です。停電時にエネファームが停止していた場合は、外部発電機で起動する必要があります。お湯を大量に使う家庭でより電気代、ガス代を削減することを目的としていますが、他のエコ商品と比較してできるはずと思っていたことができないことがありますので、注意しましょう。

エネファームのメリット

エネファームのデメリットについてみてきましたが、メリットはどこにあるでしょうか。エネファームのメリットについてみていきましょう。

お湯がたくさん使える

エネファームはエコ給湯システムの中でもお湯がたくさん利用できるのが最大のメリットです。140Lの大型貯水タンクを利用して、発電の熱を利用して豊富なお湯を使えます。ミストサウナや温水式床暖房を設置している家庭には経済メリットの高い製品です。
また、お湯を使う度にすぐ新しいお湯を沸かすので、きれいで新鮮なお湯が使えます。お風呂を楽しみに過ごしていたり、スポーツをするお子さんが多い家庭などに向いています。

補助金制度

一般社団法人燃料電池普及促進協会では、「平成30年度家庭用燃料電池システム導入支援事業補助金」として、2019年3月11日までに施工完了の工事に対して、2018年4月9日〜2019年2月22日までの間、補助金申請を受け付けています。
補助金額はPEFCとSOFCで分かれており、それぞれ、協会が指定するエネファームの機器価格と工事費の合計価格が、基準価格を下回る場合は、PEFCで6万円、SOFCで12万円補助されます。また、既築家屋や、プロパンガス家庭、寒冷地仕様などには3万円の補助額が上乗せされます。
また、東京都では2018年度にエネファーム機器費の1/5の助成を行っています。1台当たり上限額は戸建住宅に設置する場合10万0,000円、集合住宅に設置する場合15万0,000円助成されます。その他、市区町村によっては独自の助成金・補助金を用意しているところもあるので、役所の相談窓口で聞いてみましょう。

ガス料金優待プラン

全国のガス会社ではエネファームを設置した家庭に対して、独自の割引メニューを設定しています。東京ガスでは、「エネファームで発電エコプラン」を設定し、20?/月以上使用すると使うほどに割引かれる料金設定プランです。
また、バス暖割なら年間を通じて3%、床暖割だと冬期に13%の割引がプランがあり、使い方次第でかなり光熱費が抑えられるプランが用意されています。大阪ガスでも同様の割引プランが用意されているので、対象となるガス会社を調べてみましょう。割引上限金額が設定されていう場合もあるので注意が必要です。

発電量や使用電力をモニターで確認できる

部屋の中に発電量や使用電力が表示されるモニターが付いてきます。モニターを見ながらどれくらい発電したか、どの時間帯に電力消費が高いか視覚的に捉えることができて、より省エネ意識が高まって、暮らし方を見直すきっかけになります。
子どもたちとの会話を通して、環境意識を家族で高めたり、家族で目標を決めて節約したりと、楽しみながら環境に優しい暮らしを実践できます。

自宅で発電できる

都市ガスの水素と空気中の酸素を使って自宅で発電できるので、電気代を抑えられます。お得なガス料金プランと合わせれば光熱費を合わせて抑えることができるので、さらにお得に使えます。上手に使えば従来の30%までエネルギー消費を抑えられます。

環境に良い

エネファームで排出されるのは水です。天然ガスを改良して水素と空気中の酸素を反応させて電気を作り出すので、廃ガスに二酸化炭素は含まれません。また、コージェネレーションシステムによって電気とお湯を同時に作り出すので、これまでの半分程度の燃料消費で暮らせます。

災害時に利用できる

災害時には発電していれば停電時発電機能で3日程度発電を継続して電気を利用できます。500W程度の発電容量があり、給湯も継続して利用できます。また、断水時には貯水タンクの水を非常用に雑用水として利用できます。
現代社会において、電気を失うのは非常に生活が困難になります。また生きていくのに水の確保は必須です。各社災害時対応機能を備えたモデルを発売していて、いざという時に、どのように使えるのか調べて知識として蓄えておきましょう。

エネファームを設置するのにおすすめな家庭とは

どのような家庭でエネファームを導入するのが良いのかおすすめな事例についてみていきましょう。

お湯をたくさん使う家庭

エネファームはお湯を使うと発電する商品です。同じような給湯設備にエコキュートがありますが、エコキュートに比べてたくさんのお湯が使えるのがエネファームの特徴です。家族の人数が多かったり、スポーツをやっていたり、行動時間がバラバラだったりする場合には、エネファームがおすすめです。

ミストサウナや温水式床暖房を使用してる人

お湯をたくさん利用する設備として温水式床暖房があります。床下に張り巡らせた床暖房に温水を送るため、時期によっては24時間温水が必要な商品です。温水式床暖房を使用している場合は、エネファームでの経済効果は高いです
また、家庭でサウナが楽しめるミストサウナ機能もエネファームがあれば思う存分楽しめます。エネファームの特性にあった、お湯をたくさん消費する商品を使っている家庭ではエネファームがおすすめです。

日射量の少ない土地

エネファームは都市ガスを供給して発電します。太陽光発電のように太陽の光が十分に当たらない土地で、床暖房やミストサウナを設置したいと考えるなら、エネファームを検討してみましょう。
ソーラーパネルとエコキュート(省エネ電気給湯器)を設置して、電気代の削減を検討していたけど、シミュレーション結果で日射量が足りないから諦めようかと思っていたなら、エネファームでシミュレーションをしてみると解決するかもしれません。

迷ったら相談しよう

家族の暮らし方の中で、どのような給湯設備が合っているのか迷ったら、専門業者に相談してみましょうヌリカエならエネファームをはじめさまざまな給湯設備の相談にのってくれる地域の専門業者を紹介してくれます。高額な商品となるので、電気やガス、お風呂の使い方などをまとめておいて、専門家に相談して決めると良いです。

自分たちの生活に合ったエコ生活をしよう

エネファームは最先端の燃料電池とコージェネレーションシステムを利用して、お湯と電気を作り出す発電給湯器です。エネルギー効率90%以上の高い省エネ構造ながら、たくさんのお湯を自由に使えることが最大のメリットです。
家族の暮らし方に合わせて、エコな生活をする中で、エネファームの特性に合った生活で省エネや環境にやさしい暮らしを実現しましょう。導入にあたっては、使い方や予算の面からさまざまなメーカーのモデルを比較検討すると良いでしょう。発売から10年が経過し、デメリットも改善してきています。わからないことはメーカーや専門業者に問い合わせて不安を解消しておきましょう。

エネファームの設置を検討しているならヌリカエへ相談しよう

これまでみてきてエネファームの設置をしようと思ったなら、ヌリカエへ相談してみましょう。豊富な実績と専門性の高い事業者を地域に合わせて紹介してくれます。一度の情報入力で複数社からの見積もりを取ることも可能です。エネファームの設置相談に信頼のできるヌリカエを利用してみましょう。
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