風呂釜の耐用年数は10年と言われています。
古い風呂釜を使用するのはリスクがあるため、交換や修理をおすすめします。
本記事では、お風呂で風呂釜を使っている方に向け、交換にかかる費用や交換時の注意点についてご紹介します。
- 風呂釜の交換工事にかかる費用は14~15万円が目安
- 10年以上経過した風呂釜は交換がおすすめ
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風呂釜交換にかかる費用相場
風呂釜を交換する工事の費用は、工事する内容によって大きく変わります。
具体的な費用に関して以下の項目で説明していきます。
その1:新しいガス風呂釜に取り替える費用
新しく交換する風呂釜がバランス釜であれば、追い炊き機能付きで4.5万円、シャワー付きで6万円の本体価格がかかります。
屋外設置型の風呂釜であれば、本体価格は据え置きタイプで3.5万円、壁かけタイプで6万円程度です。
本体価格に加えて、以下のような工事費用も別途必要です。
- 諸経費
- 点火試験
- 取り付け工事費
- 給水管接続工事
- ガス管接続工事
- 既存風呂釜の撤去と処分費
別途工事費用は合計で10万円程度かかります。
したがって、トータル交換費用は14万円から15万円を想定しておきましょう。
しかし、実際に現場を確認して分かった不具合や破損がある可能性があります。
提示された見積もりよりも余裕をもって資金は準備しておきましょう。
その2:給湯器に交換する費用
ガス給湯器に交換する場合、工事費用はほとんど変わりませんが、本体価格は風呂釜より高額になります。
エコジョーズの24号(1分間に沸かせる湯量24L)で15万円から20万円程度です。
エコジョーズはメーカーごとに販売価格が異なり、性能も給湯専用なら安くなるため、機能と価格の比較が重要です。
工事の内訳は以下の通りです。
- 諸経費
- 給水管接続工事
- ガス管接続工事
- 既存風呂釜の撤去と処分費
- 取り付けとリモコン設置工事費
給湯器には温度設定や湯沸かし時間を設定できるリモコンがあります。
風呂釜にはリモコンが無く、専用の電気配線はありません。
したがって、電気配線とリモコン本体価格が設置費として必要になります。
風呂釜の特徴
そもそも風呂釜とはどういったものでしょうか。
風呂釜は浴槽の中に張っている水を沸かしてお湯にする装置で、主に築年数が経過した物件に取り付けられています。
風呂釜によってはお湯を出せたり、シャワーを使えたりするケースもあります。
風呂釜の特徴は以下の通りです。
- 乾電池で着火するため停電中でも使用できる
- 現在主流となっている給湯器に比べて安い
- 浴槽の中に設置するものが多いので浴槽が狭くなる
- 給湯器に比べてシャワーの水圧が弱い
設置された当時の風呂釜は、経年劣化による不具合で健康被害を起こすリスクを抱えています。
現在は安全性が高く機能が豊富な給湯器が主流となったため、風呂釜を設置する住宅は少なくなりました。
風呂釜と給湯器との違い
風呂釜と給湯器は似たようなものに思えますが、お湯を沸かす以外の性能と使い勝手は大きく違います。
風呂釜は浴槽に張った水を温めたり、シャワーを出したりする性能しかありません。
単純な性能なので、本体価格は給湯器に比べ安く、使い方も簡単です。
一方、給湯器は家全体のお湯を管理し、タンクに貯めた水をお湯にして供給します。
タンクの水がなくなってしまったら、水を足して沸かし直す時間が必要になります。
湯量や沸かす時間などリモコンで細かく設定できるため、慣れるまでは操作が難しく感じてしまうでしょう。
普段お風呂以外にお湯を使わないのであれば、風呂釜を設置したほうが安く済みます。
お湯を他の設備でも使用するのであれば、本体価格は高くても給湯器のほうが使い勝手が良くなります。
風呂釜の種類
風呂釜の種類で最も普及したのはバランス式風呂釜です。公営住宅だけでなく、一般住宅でも積極的に設置されました。バランス式風呂釜以外には、石油やガス・電気を使用するか、設置場所が室内か屋外かで他に4種類あります。
それぞれどのような風呂釜なのか解説していきましょう。
その1:BF式(バランス式風呂釜)
BF式風呂釜はガスを利用した風呂釜です。
外気を利用してガスを燃焼させ、お湯を作ったら排気を外へ放出します。
吸気と排気の量がほぼ同じでバランスがいいことからバランス式と名付けられました。浴槽の真横に設置するため場所を取りますが、品揃えが豊富です。
その2:FF式(強制給排気式風呂釜)
BF式とほとんど同じですが、FF式は送風機を使って強制的に排気します。
リモコン付きの商品があり、温度設定が目で確認できるようになりました。
BF式よりも多くの空気を取り込めるため、シャワーの湯量が多くなります。
製品例
- リンナイ「RF-1663FFS-SA」
- パーパス「GF-A130E」
その3:FE式(強制排気式風呂釜)
FE式は屋内の空気を使ってお湯を沸かし、排気を強制的に屋外に排出します。
排気をする際の排気管が6センチと細く、屋内の空気を大量に消費してしまいます。
したがって、風呂釜を交換するのであればFF式のような屋外に設置するタイプにしましょう。
製品例
- リンナイ「RF-111SWF(A)」
その4:RF式(屋外設置型風呂釜)
RF式は屋外に風呂釜を設置する外炊きの風呂釜です。
屋外の空気で給気と換気ができるため、排気筒が必要ありません。
機器によりますが浴室から離れたところに設置でき、追い炊き付き給湯器を設置することも可能です。
風呂釜を交換するタイミング
風呂釜は経年劣化により様々な症状が出てきます。放っておくと、一酸化炭素中毒などのトラブルを引き起こすおそれがあります。
ここでは、風呂釜を交換すべきタイミングをご紹介します。もし当てはまる項目があれば、風呂釜の修理より交換を検討しましょう。
その1:風呂釜の寿命(10年)が過ぎている
風呂釜の耐用年数は10年程度とされています。10年以上使用しているのであれば、本体内部の部品が劣化している可能性があるので、修理ではなく交換を考えましょう。
修理できるのであれば安く済みますが、何度も不具合を繰り返す可能性があります。
不具合が起きる度に修理をすると、風呂釜を交換するよりも費用が高くついてしまいます。
メーカーでの部品製造を終了しているケースもあるため、10年以上経った風呂釜は交換したほうがよいでしょう。その2:ガスや焦げた臭いがする
風呂釜を使用中にガス臭や焦げたような異臭を感じたら、部品の破損や故障によりガス漏れや不完全燃焼を起こしている可能性があります。
もしも不完全燃焼であれば一酸化炭素中毒を起こす恐れがあるため、直ちに使用を中止してください。
可能であればすぐに風呂釜を交換したほうがよいですが、難しいようであれば使用を中止したまま後日業者に修理や交換を依頼してください。
一度不具合を起こしている風呂釜はその後も故障する可能性が高いため、修理よりも交換が望ましいです。
その3:お湯が出ない
お湯の出方が普段と違うようであれば、何かしら不具合が起きているサインです。出てくるお湯の温度が設定温度よりも低い、あるいはほとんど水のようであれば電気配線にトラブルが起きています。
そもそも水も出ないような状態であれば、水栓器具の不具合や配管の破損も考えられます。
断水されている可能性もあるため、水が出なくなっても慌てずに状況を判断しましょう。
断水の可能性が無いと分かったら、業者に修理や交換を依頼してください。
その4:着火時に音がする
風呂釜に着火した際に爆発したような音が出る場合、風呂釜内の熱交換器に不具合が起きて、溜まったガスに種火が引火してしまった可能性があります。
着火時に音が出るまま使い続けると、風呂釜が破損してしまうので使用を中止してください。
熱交換器の不具合は修理できますが、同じトラブルを繰り返し起こしかねません。
異音が気になる場合は、風呂釜本体を交換しましょう。何度も修理すると本体交換よりも費用がかかってしまうため、安全面だけでなく費用面でも風呂釜ごと交換することをおすすめします。
風呂釜の交換方法
使用年数が経過して、不具合を起こすようになったら交換がおすすめです。
実際に風呂釜を交換するとなった場合、2つの方法が考えられます。
費用はかかりますが、今後の使い勝手も含めて検討できるよう、以下で説明していきます。
その1:新しいガス風呂釜に取り替え
風呂釜を使い続けるのであれば、新しいものと取り換えるだけなので工事費用を安く抑えられます。
引き続き風呂釜を使うメリットは以下の通りです。
- 本体価格が安い
- 熱効率が良くなりガス代の節約になる
- 交換に要する時間が2時間から半日程度で済む
一方、デメリットは以下の通りです。
- 水圧が弱い
- お風呂の広さは変わらない
- 一酸化炭素中毒を起こす可能性が残る
風呂釜は機能がシンプルなので、本体価格はリーズナブルです。
したがって、交換にかかる費用はそのほかの工事と比べると安くなります。
しかし、大きなデメリットとして、一酸化炭素による事故や風呂釜の破裂が考えられます。
今後も風呂釜の適切な使用と、小さな異変を見逃さないよう注意してください。
その2:給湯器に交換
風呂釜から給湯器に交換する家庭が増えています。
給湯器にすると家全体でお湯が使えるようになり、使い勝手がよく省エネ機能も充実しています。
給湯器にするメリットは以下の通りです。
- 安全性能が高い
- バランス釜を撤去した分浴槽を広くできる
- 高効率で使えるためランニングコストが高くない
- 追い炊き機能や保温機能がある
一方、デメリットは以下の通りです。
- 交換に1日程度かかる
- 給湯器の本体価格が高い
- 浴槽も交換しないといけない場合がある
給湯器は風呂釜に比べて本体価格が高くなります。
しかし、省エネ性能が上がるため、ランニングコストを削減したい場合は給湯器の導入をおすすめします。
給湯器の取扱店はたくさんあるので、何社か相見積もりをして工事費用を比べるようにしましょう。
風呂釜交換にかかる時間
故障が判明した後、新しい風呂釜と交換するのか給湯器を導入するか検討する場合、費用だけでなく工期も考えなければいけません。
故障期間と取換期間中はお風呂が使えないため、目安の期間が分かったらその間お風呂をどうするか確認しておきましょう。
その1:新しい風呂釜に交換する場合
新しく風呂釜を交換する場合、同じタイプの風呂釜であれば作業は2時間程度で済みます。
したがって、故障期間だけお風呂が使えないと考えて大丈夫です。
工事期間は、バランス釜から屋外型へ変更するような場合や、お風呂の状況次第になりますので、工事期間が長くなる可能性を考えておきましょう。
その2:風呂釜から給湯器に交換する場合
風呂釜を撤去してガス給湯器を導入する場合、工事期間はおよそ1日です。
したがって、故障期間とは別に、1日程度お風呂が使えない可能性があります。
追加でリフォームする場合はさらに時間がかかるため、工事業者に日数を確認しておきましょう。
風呂釜交換を依頼する注意点
風呂釜を交換する場合、注意しなければならないことがあります。
ガス風呂釜は取扱いに気を付けなければいけませんし、集合住宅に住んでいる場合は許可が必要です。
風呂釜を交換する際の注意点を3つ以下の項目で紹介していきます。
その1:資格保持者がいる業者に依頼する
ガスは素人が取り扱っていいものではありません。
一歩間違えれば爆発や一酸化炭素中毒など、危険な事故を引き起こす可能性があります。
したがって、有資格者が在籍している業者に工事を依頼しましょう。
必要な資格は以下の通りです。
資格 | 内容 |
---|---|
ガス消費機器設置工事監督者 | 特定のガス機器の設置や交換工事に必要な知識・技術があることを証明する資格 |
ガス可とう管接続工事監督者 | ガス機器とガス管の接続に必要な知識・技術があることを証明する資格 |
液化石油ガス設備士 | LPガスを使った設備の設置工事などに必要な知識・技術があることを証明する資格 |
ガス機器設置スペシャリスト | ガス機器の設置に必要な知識・技術があることを証明する資格 |
簡易内管施工士 | 都市ガス配管の工事に必要な知識・技術があることを証明する資格 |
その2:団地やマンションの場合は必ず許可を取る
管理会社や大家の許可が無いまま工事を着工すると、トラブルに発展してしまう可能性があります。団地やマンションといった集合住宅に住んでいる場合、リフォームするためには必ず管理規約を確認して、管理会社には事前に許可を得てください。
さらに、管理規約の中で使用できる風呂釜の機種や号数が定められている場合、規約を守って風呂釜を選ぶ必要があります。
無視して違うものを設置してしまうと、後々トラブルとなってしまいます。
また、集合住宅では設置費用を誰が負担するのかも確認しなければなりません。
事前に貸主である管理会社や大家、管理組合に費用の負担割合を確認してから工事を依頼してください。
公営住宅に住んでいて許可を得る場合は、都道府県や市の相談窓口に連絡しましょう。
その3:複数業者に見積もり依頼する
後悔のないリフォームをするためには、複数の業者に見積りを依頼して、施工内容や工事費用を比べてみましょう。
リフォームで相見積もりをすることはとても大事なポイントです。
リフォーム業者は世に溢れているため、中には悪質な手法で工事費用を水増しして請求する業者もいます。
業者選びで失敗しないためにも、比較検討する時間を設けましょう。複数の業者に見積りを依頼するのは、手間暇がかかって面倒だと思う方もいるかもしれません。
ヌリカエの相見積もりを使えば、複数の業者へ一括して見積もりを依頼できます。忙しくて業者を探す時間が無い方におすすめのサービスです。
忙しくて業者を探す時間がない方は、ヌリカエを活用して効率的に相見積もりをしましょう。
まとめ
風呂釜を交換する工事について説明してきました。風呂釜に不具合が生じたら、一刻も早く解決したいと思うでしょう。
しかし、ほとんどの風呂釜はガスを使用しており、修理や交換を自力で行うことは困難です。一旦使用を中止して、今後風呂釜をどうするか検討しましょう。
工事内容によって費用の内訳が大きく変わりますので、失敗しないためにも業者を複数選抜し、相見積もりをして比較することを強くおすすめします。
忙しい方に向けてヌリカエ の相見積もりサービスがありますので、ぜひご活用ください。