「ユニットバスの壁は剥がれてしまった…」「壁がボロボロになっている…」などユニットバスをお使いの方でこんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
長年の使用によって壁面のフィルムが剥がれたり、壁に穴が開いたり、カビやサビが発生したりすることがあります。
この記事では、ユニットバス壁面のフィルムが剥がれ、壁の穴、カビやサビが発生した場合の原因と、その補修方法について詳しくお伝えします。
ユニットバスのリフォームを安く抑える秘訣など解説していきます。ぜひ、最後までご確認ください。【関連記事】
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ユニットバスの壁が剥がれる原因
ユニットバスの壁面が剥がれるシチュエーションとしては。壁面のフィルム剥がれや劣化が考えられます。また、浴槽やシャワーヘッドからの水滴が直接当たると壁に穴が空いてしまうケースも考えられます。
ユニットバスの壁面には、高温多湿な環境に耐えるためのフィルムが貼られています。しかし、長年にわたる使用や清掃によってフィルムが劣化し、剥がれてしまうことがあるのです。
- 下地のベース層が水に弱い
- 下地の鋼板が錆びる
この章では、ユニットバスの壁が剥がれる上記2つの原因について解説していきます。
①下地のベース層が水に弱い
ユニットバスの壁面が剥がれる原因として、下地のベース層が水に弱いということが挙げられます。ユニットバスの壁面は、基本的には鉄板やFRP(繊維強化プラスチック)などの素材が使用しています。この素材自体は水に強いため、ユニットバス自体の寿命は比較的長いとされています。
しかし、中には水に弱い素材が使われることがあります。例えば、古いタイプのユニットバスではベース層に合板が使用されていたり、壁面に接着する際に水に弱い接着剤が使用されていたりすることがあります。
これらの素材は水を吸収しやすく、湿度が高い環境下で膨張してしまうため、壁面の剥がれやふくらみ、穴あきなどが発生する原因になります。
②下地の鋼板が錆びる
ユニットバスの壁が剥がれるもう1つの原因として挙げられるのが、下地の銅板が錆びるということです。銅板は、軽量かつ耐久性もあるため、ユニットバスの下地に選ばれることが多い素材の一つです。
しかし、銅板は湿気や水分に弱いため、ユニットバスの壁面が長期間湿気や水分にさらされることで、錆びることがあります。銅板が錆びた箇所から次第に下地が膨れ上がったり、剥がれたりすることがあります。また、壁面に穴が開いてしまうことも考えられます。
何かが原因なのではなく、シャワーの水や日々の掃除など日々の蓄積によるものです。
長い時間をかけてゆっくり錆が侵食しているため、壁がいつ倒れてしまってもおかしくありません。改善のためには、ユニットバス内の換気をしっかりとおこなうこと、排水口周辺の定期的なメンテナンスが挙げられます。
ユニットバスの壁を補修する方法と手順を紹介
ユニットバスの壁が剥がれてしまったからといって、お風呂を丸ごとリフォームする必要はありません。剥がれた状態によっては補修工事でカバーできる場合があります。
- パネルを交換する
- ユニットバスの壁を塗装する
この章では、どういった上記補修内容の手順について解説していきます。
①パネルを交換する
化粧パネルは、柄のついたポリエステル系シートにPET樹脂でクリアコーティングしたもので出来ています。スポンジやたわしでこすった程度であれば、樹脂がめくれてしまうほどの傷にはなりません。
しかし、おもちゃのような尖った固い物をぶつけてしまうと、コーティングを深く傷つけてしまいます。表面のコーティングが剥がれてしまったり傷つくと、内部のシートに浸水しカビが生える原因にもなります。このような場合、化粧パネルを取り外し新しいものと付け替えが必要です。
手順1:腐食部分やカビを取り除く
まずは剥がれのあるパネルを外します。パネルを外したら、壁下地の処理から始めます。
表面の傷から侵食したカビや腐食部分があれば綺麗に取り除きます。化粧パネル表面だけのカビであれば、下地の鋼板は綺麗なことが多いです。
しかし、鋼板まで錆がきているような場合は他のパネルも取り除きます。錆の腐食がひどい場合は、石膏ボードも確認しましょう。
石膏ボード全体が乾いた状態でカビが無いか、濡れていたり侵食して崩れたような箇所が無いか確認します。もし、侵食されている状態であれば、石膏ボード丸ごと取り外します。こういった壁下地は表面を綺麗に仕上げておかないと、新しいパネルを取り付ける際に接着にムラが出来てしまうので注意が必要です。
綺麗に貼り合わせできているか、施工中確認をしておきましょう。
手順2:作業前にしっかり乾燥させてからシートやパネルを取り付ける
傷ついた壁の内部は非常にデリケートです。補修が終わってしまうと壁の中は確認できなくなってしまうので、すぐにパネルを貼るようなことはせず、内部をしっかり乾燥させなくてはいけません。
作業のスピードを優先してしまうとこの乾燥が不十分で、残った水分によって後からカビや錆が発生してしまいます。石膏ボードや下地の鋼板が乾いていることを確認してから新しいパネルを貼りましょう。乾燥がしっかりできた状態であれば下地が長持ちします。
また、水分による膨張や収縮も無いので、綺麗に接着させることができ、内部への浸水リスクを下げることができます。常に水分が発生する場所ですから、気を付けすぎるくらいでちょうどいいと心得ておきましょう。
手順3:コーキング剤で隙間を埋める
ユニットバスはパネルを組み立てたら、接合部をコーキング剤で隙間を埋めていきます。
コーキング剤はユニットバスの他、天井・床・浴槽に必ず使われています。
しかし経年劣化によって埋めたコーキング剤が傷がついてしまうと、隙間が生じる、お風呂を使うたびに少しずつ浸水してしまいます。
下地が綺麗に仕上がっていないと、コーキングをする際に段差が生じてしまうので、接合部がまっすぐ施工出来ているかも最終確認します。
②ユニットバスの壁を塗装する
ユニットバス壁面の剥がれが表面のみである場合、塗装することで補修することも可能です。
壁の材質によりますが、モルタルやタイル・ホーローといった壁でなければ、使える塗料はアクリルウレタン樹脂です。
表面の状態によっては下塗りにシーラーを使うこともあります。
塗装する場合通気を良くし、ゴム手袋・マスク・ゴーグルを装着して行います。実際の塗装手順は以下の通りです。
手順1.下地の汚れやカビ・剥がれかけた塗料を取り除く
まずは、カビや垢といった表面の汚れを綺麗にしていきます。カビ取り洗剤と中性洗剤を使用しますので、きちんと換気を行ってください。
汚れが取れていなければ、塗装した後から浮いてきたりカビが繁殖してしまいます。
時間をかけてでも汚れはすべて除去しましょう。
また、表面が凸凹していては塗装が綺麗に乗らないため、剥がれかけた塗料があればスクレーパーといった道具を使って剝がしていきます。
また、全体にサンドペーパーをかけて仕上げると塗料の乗りが良くなります。
壁に穴やヒビがある場合は、パテで隙間を埋めて表面の段差が無いようにします。
手順2:塗らない部分をマスキングしておく
塗料は塗る際に飛び散ってしまう可能性があり、付いてしまうと落とすのが大変です。
浴槽を保護するためにも、塗装しない箇所には養生シートやマスキングテープをして、塗料が付かないようにしておきましょう。
窓や浴槽、天井などの広い範囲は養生シートで覆い、細かい箇所はマスキングテープのみで保護します。
養生シートを床に敷く場合は、よれていると足を引っかけてしまうので、端のほうで折りたたんで止めておきます。
手順3:作業前にしっかり乾燥させてから塗装を行う
塗装箇所が濡れていては、塗料が綺麗に付きません。壁全体が乾いた状態で塗装を行います。
塗装をする際は、細かいところや隅から先に塗っていきます。細かいところを塗り終えたら、ローラーやコテ刷毛を使い全体を塗っていきます。塗りムラが出来ないよう一定方向へ均一の動きを心がけます。
塗り終わったらしっかりと乾燥させます。塗料は低温や湿気が高いと綺麗に塗れず、塗った後も乗りが良くないため、空気が乾燥した晴天のタイミングで塗装します。
ユニットバスの壁剥がれを業者に依頼する際の費用
ユニットバスの壁剥がれの補修に時間が取れなかったり、DIYする自信が無い場合は業者に依頼しましょう。リフォーム業者に壁の塗装を依頼した場合、概算の費用は10万円~20万円です。
この金額は浴室のサイズや壁の劣化状況により大きく変わります。壁の下地を補強したり改修する必要があれば、その費用も加算されます。塗装だけの見積もりをするのではなく、一度施工会社に現状を見てもらってから見積もり依頼しましょう。
工事業者によって得意・不得意があるため、相見積もりから費用の内訳を比較して工事業者の選定をします。金額もそうですが、ホームページ内に施工事例があると安心です。
工事担当者と現場の状況を話し合い、予算と施工内容を決めてください。
ユニットバスの壁剥がれを自分でDIYするメリット・デメリット
時間的な余裕がある方は、DIYで壁の剥がれに対応することも検討されるでしょう。業者に頼むよりも、安く仕上がる可能性や、手作り感を楽しむこともできます。
しかし、ご自身でDIYをする場合は、ある程度経験を積んでいないと塗装にムラができてしまいます。
希望通りの仕上がりには、業者へ依頼するほうが安心でしょう。この章では、ユニットバス壁の剥がれをDIYをする際のメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット1:業者に頼むよりも10万円以上安くできる
ユニットバスの壁剥がれの補修は、業者に依頼するよりも、DIYにすることで予算が大きく削減できます。
材料はホームセンターやインターネットで揃えられますし、人件費もかかりません。材料自体は1万円~5万円で大体揃いますので、10万円以上安くすることができます。
また、施工のタイミングも自分で決められるため、材料の準備ができて天候が良ければすぐに取り掛かることができます。業者に依頼すると施工のタイミングは業者に一任されますので、場合によっては人員確保のために施工のタイミングが遅れてしまうことがあります。
DIYなら人員確保の必要が無いので、お金も時間もかからずに施工が始められます。
メリット2:自分の好きなデザイン・色を使える
DIYのメリット2つ目はご自身の好きなデザイン・色で仕上げられることです。
ホームセンターの塗料のコーナーに行くと、様々な色が取り揃えられており種類が多いです。DIYであれば、好きな色を選んで塗ることができます。
業者に依頼した場合は大体1色の塗装ですが、DIYなら自分の好みにデザインできます。[/text]
また、浴室専用のシートも販売されています。
塗装ではなくシートであれば好みの柄を選べます。木目や石目調を塗装で表現するのは難しいので、そういった柄にしたいのであればシートを貼るのがおすすめです。
デメリット1:防カビや抗菌加工が不十分で効果が薄くなる
当然ですが、素人のDIYとプロの業者による仕上げには大きな差があります。[/text]
プロは下地の処理から施工までを仕事として何度もこなしているため、作業手順が決まっており技術も安定しています。
特に仕上げのコーキングは、素人がすぐに出来るような作業ではありません。
このコーキングがきちんとできていないと隙間から水が入り、カビが繁殖してしまいます。
下地の処理も素人目には分からないこともあり、業者に見てもらったほうがより安心した品質が期待できます。
浴室の壁は防水加工が出来ていないとカビや錆を何度も繰り返してしまいます。
業者であればカビを完全に除去し、抗菌や防水処理も施してくれます。
デメリット2:失敗すると浴室が使えない期間ができる
浴室の壁が剥がれた際に、業者が工事すると1日から2日で完了します。
これはプロのクオリティによるものなので、DIYで同じ工期で完了出来るとは限りません。
ましてや塗装やパネル貼りを失敗してしまえば、やり直す時間が必要です。
そうなると時間が2倍かかって、浴室が使えない期間が長くなってしまうといったケースも考えられます。
実際にDIYで始めてみて、自分では無理と判断した場合は、そこから業者の手配になります。
浴室が使えない状況で業者の選定と打合せが入るため、ユニットバスが使えない期間がさらに延びるという事態にもなりかねません。
また、工事業者がすぐ確保できればいいですが、2週間以上先まで施工が出来ないこともあるため注意が必要です。
デメリット3:壁に穴が開いているなどDIYでは直せないケースもある
ホームセンターの品揃えが良くなり、ほとんどの材料が手に入るようになりました。
しかし、浴室に穴が開いて下地まで補修する必要がある場合、DIYでの補修は困難です。
耐水用のシートの素材や補修の材料も簡単に手に入るものではありません。
そのため、壁に穴や亀裂が生じている場合は自力では工事することができないと判断したほうが賢明です。
さらに、材料が業者向けの物は1枚単位で買うことができない場合があります。
同じく部品を交換しようにも、購入を繰り返していては結局高くついてしまいます。
DIYの最大の利点はコストカットなので、余計に費用がかかるのであれば業者に依頼するのがおすすめです。
ユニットバスの壁補修を業者に依頼するメリット・デメリット
ユニットバスの壁剥がれが、表面が多少崩れている程度であれば、自分で補修工事することができるのでは?と思う方も多いかも知れません。
しかし一見すると小さな傷でも、壁の内部で重大な被害をもたらしている可能性があります。素人の見た目では分からないため、プロの業者へ鑑定してもらうことがおすすめです。
実際に工事を業者に依頼するメリットとデメリットを解説していきます。
メリット:早くて綺麗に仕上げてもらえる
ユニットバス壁剥がれの補修において施工実績が豊富な業者であれば、迅速かつ丁寧な作業で綺麗に仕上げてくれます。
事前の打ち合わせや日程調整に時間がかかりますが、工事は短く済みますので、浴室が使用できない期間も短くなります。
作業は二人でされる場合が多く、効率の良さも素早い施工につながります。
DIYの場合は一人であるが故に、1日の作業時間が限られてしまいます。
仕上がりも素人が時間をかけたものより、業者が効率よく仕上げたほうがムラなく綺麗です。
デメリット:DIYに比べて費用がかさむ
施工会社に依頼する際、材料代以外の費用が発生するため、金額は高くなりがちです。
材料代だけで済んでしまうDIYとは大きな違いとなります。
ただし、仕上がりにも歴然の差があるはずです。
予算が限られているのであれば、業者に見積もりをする際に、上限金額をしっかり伝えておきましょう。
そうすることによって、業者のほうから安く済む施工方法を提案してくれるかもしれません。また、DIYの場合失敗したら自分の責任でやり直しするため、余計な費用と日数がかかってしまいます。
業者であれば、万が一失敗が起こったとしても追加請求されることはありません。
確実に工事を終わらせたいのであれば、業者に工事依頼することをおすすめします。
費用が安くしっかりと対応してくれる業者の選び方
リフォーム業者を選ぼうとすると、大手から地域の工務店まで様々な会社があります。
それぞれの会社で得意な工事がありますので、いろいろ問い合わせてみるとよいでしょう。
資料を取り寄せられたら、任せられそうな業者を以下のように選定していきます。
ここからは、ユニットバス壁剥がれの際、業者の選び方について解説していきます。
選び方1:施工実績の豊富な業者を選ぶ
まずは施工業者の実績を確認しましょう。
豊富な施工実績があり、創業年数が長かったり口コミの件数が多い業者を候補に入れておきます。
口コミの内容や評価の点数は参考程度に留めておいて、施工エリアが身近であれば、知人がその業者に依頼しているかもしれません。
もし業者を知っている方がいれば、話を聞いてみるとよいでしょう。
地域に根差した工務店は近隣の工事を請け負っている場合が多いので、生の声を聞くことができます。
また、ホームページでリフォームの施工事例を載せている場合は、その会社がどういった工事を得意としているか知ることができます。
選び方2:アフターサービスが充実している業者を選ぶ
アフターサービスについても確認しておきましょう。
浴室は毎日水を使う設備なので、工事完了後に施工不良が発覚した場合、すぐに再工事してもらわなければなりません。
そんな事態でも、即時対応してくれるアフターサービスを有しているかなども判断基準に入れましょう。
万が一の施工不良で無償工事してくれるのか、期限は設けられているのかチェックしておきます。
施工後の定期点検を実施してくれるような業者であることも重要です。
無償点検は期限付きが多いですが、有償で数年先まで点検をしてくれるサービスがあれば安心して依頼できます。
選び方3:評価や口コミを確認する
その業者の第三者の意見も確認しておきましょう。
例えば、まとめサイトや検索エンジンなどで口コミや評価が書き込まれている場合があります。
それらは実際に業者に対応してもらった方々の意見なので、評価の件数が多ければ実績も多いと考えられます。
書き込まれた内容をまずはしっかり確認しましょう。
一文だけでなく、丁寧にいきさつから施工後のことまで書いてあれば信頼度が高いです。
評価の点数を参考にできるかは難しいですが、意見の内容が概ね良いものが多いのか、満足していない内容なのかで判断しましょう。
選び方4:業者に依頼するときは必ず事前に見積もりを取る
業者をいくつか絞り込むことが出来たら、気になる複数の業者へ依頼し、相見積もりをしましょう。
金額の比較はもちろん、工事の内容も確認します。
見積書には項目ごとに、どのような工事で費用がどれくらいかかるか記載されています。
補修事態は、下請け業者が施工するのか?会社の担当部署が施工するのか?見積書を比較することで分かります。
全体的に費用が高めであれば、下請け業者に依頼を出している会社です。
それは悪いことではなく、信頼関係があるからこそ下請けとして工事を依頼しているのです。
逆に費用が割安な場合は専門業者が自分たちで工事を請け負います。
工事内容に大きな差がなければ、それぞれの業者と話をしてから決断しましょう。
まとめ
ユニットバスの壁が剥がれる原因は、下地の素材や構造によって様々ですが、水に弱い素材や銅板が錆びることが主な原因です。
補修にかかる費用は、DIYであれば割安に済ませることができますが、場合によっては手の施しようがなく専門知識や技術が必要な場合もあります。
補修の難易度に応じてプロに依頼することも一つの選択肢となります。
ユニットバスの壁をきれいにして快適な生活をお送りください。