天気の急変も少なくない毎日の生活の中、洗濯物の乾燥に便利なのが浴室乾燥機です。
これから購入しようか迷っている方、すでに既存の設備としてありながら高い電気代に悩んでいる方もいるでしょう。
近年は省エネタイプの浴室乾燥機も販売され、ランニングコストも大幅に改善されています。
洗濯乾燥だけでないさまざまなメリットと掛け合わせると、購入しない手はありません。
この記事では、洗濯乾燥の節電方法と最新の浴室乾燥機情報をお届けします。
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浴室乾燥機の電気代は高い?安い?3つの要素から比較
あると便利な浴室乾燥機ですが「電気代が高いのでは?」と購入に二の足を踏んでいる方は少なくないかもしれません。電気の節約は個々の生活にとって優先的に考えたい課題です。
浴室乾燥機の電気代の実情について、3つの観点からアプローチしていきます。
1.浴室乾燥機そのものにかかる電気代
浴室乾燥機の消費電力は1,250Wでドライヤーの熱風モードとほぼ同じです。ドライヤーといえば瞬時に熱風を送り出すほどの電力量ですから、浴室乾燥機の電気代は高い、とイメージしてしまうのも無理はありません。
浴室乾燥機を洗濯乾燥用として使ったときの1回の電気代(1回の洗濯量3kg、乾燥機能の使用3時間)はおよそ90~150円です。この電気代は世帯人数や洗濯物の種類、気象条件によって差が出てきます。
2.浴室乾燥機1時間あたりの電気代
浴室乾燥機を3時間使ったときの電気代が90~150円なので、単純計算で1時間あたりの電気代は30~50円です。「たった30円か」と思う方や「1回使用で100円ならコインランドリーと同じくらいだからそう高くないのでは」と考える方もいるかもしれません。
では、1日90~150円を30日繰り返した1ヵ月の電気代は、そして1年間の電気代はどうなるのでしょう?
浴室乾燥機を1ヵ月使い続けると2,700~4,500円、1年間使い続けた場合は32,400~54,000円になります。電気代全体の何%を占めるかは世帯人数や家電製品の数に左右されるとはいえ、一つの電気機器にかかる電気代としては、やや高いといえるかもしれません。
3.世帯人数による電気代
まずは平均的な衣類の重さを表にしてみます。
衣類の種類 | 重さの目安 |
---|---|
トレーニングウェア上下(混紡) | 850g |
シーツ(綿100%) | 500g |
パジャマ(綿100%) | 500g |
スカート(化繊) | 400g |
綿パンツ(綿100%) | 400g |
バスタオル(綿100%) | 300g |
セーター(混紡) | 300g |
Yシャツ(混紡) | 200g |
ブラウス(混紡) | 200g |
子どもスカート(混紡) | 200g |
エプロン(混紡) | 200g |
スリップ(混紡) | 150g |
長袖肌着(綿100%) | 130g |
半袖肌着(綿100%) | 110g |
トランクス | 80g |
タオル | 70g |
靴下 | 50g |
ブリーフ | 50g |
ショーツ | 30g |
ハンカチ(綿100%) | 15g |
上記表からおおよその平均値を取ると、一人あたりの洗濯量を1日あたり1.5kgと仮定できます。浴室乾燥機が1kgの洗濯物を乾かすためにはおよそ1時間必要です。したがって、1人暮らしなら1〜1.5時間の使用で済み、2人世帯で3時間、3人家族なら4.5時間、4人となると6時間となります。4人分を乾かす場合の電気代は1日180~300円、1ヵ月で5,400~9,000円が目安です。
一概にはいえませんが、世帯人数が増えるほど洗濯物の量も増え、稼働時間が長くなるため電気代もかかってきます。
浴室乾燥機の購入コストとランニングコスト・耐久性
浴室乾燥機は「ガス式浴室乾燥機」と「電気式浴室乾燥機」の2種類があります。さらにメーカーや機種、施工業者によって購入時のコストは大きく変わってきます。買い替えや購入の際は、複数業者へ見積もり依頼し、慎重に比較検討するのが望ましいでしょう。
ガス式浴室乾燥機と電気式を比較すると、導入時の機種価格・施工費はガス式の方が数千円から1~2万円ほど高くなります。ただし、ガス式は電気代がほとんどかからない点がメリットです。ご家庭の熱源供給手段が何であるかによって選択は変わってくるでしょう。
浴室乾燥機でかかるランニングコストは電気代とメンテナンス費用です。最新の機種は節電対策が施されているので、かなりのコストダウンが期待できます。
浴室乾燥機の標準使用期間はおよそ10年です。10年を超える前に、メーカーの整備点検を受けると劣化の著しい箇所を発見できるため、大きな故障を免れる可能性があります。
浴室乾燥機の電気代をほかの乾燥方法と比較
電気なしには暮らせない生活の中、浴室乾燥機は頼もしい存在です。その一方で、電気代をはじめとしたコスト面での懸念をなかなか払拭できない方もいるかもしれません。
ここでは、他の乾燥方法の1回あたりの電気代を算出し、浴室乾燥機と比較してみます。
1.洗濯乾燥機
洗濯乾燥機は洗濯機についている衣類乾燥機です。洗濯から乾燥までを一度にできるため、入れ替えたり干したりする手間が省ける点がメリットです。
乾燥機の種類 | 消費電力量(wh) | 乾燥1回あたりの電気代 |
---|---|---|
縦型ヒーター乾燥機 | 1,752wh | 54.31円 |
ドラム型ヒーター乾燥機 | 1,812wh | 56.17円 |
ドラム型ヒートポンプ乾燥機 | 830wh | 25.73円 |
浴室乾燥機 | 1,250w × 3h = 3,750wh | 90~150円 |
2.ガス式浴室乾燥機
同じ浴室乾燥機なのですが、ガス熱源による暖房水で温風を送り出すため電気代はかなり安いです。しかも出力が高いため乾燥時間が短いメリットがあります。
乾燥機の種類 | 乾燥1回あたりの電気代 | 乾燥1回あたりのガス代 |
---|---|---|
ガス式浴室乾燥機 | 8.0円 | 45.3円 |
電気式浴室乾燥機 | 90~150円 | 0円 |
ガス式浴室乾燥機の1回あたりの電気代は8円ですが、ガス代が45.3円もかかるため合計53.3円です。乾燥時間が短いため、電気代とガス代を合計しても電気式浴室乾燥よりはるかに安くなります。
ただし、導入時の機種代金や工事費などは電気式より数千円から数万円高くなります。
3.コインランドリー
乾燥機の種類 | 1回あたりの乾燥時間 | 1回あたりの乾燥コスト | 最大乾燥量 |
---|---|---|---|
コインランドリー | 30分~ | 300円~ | 10~22kg |
浴室乾燥機 | 3時間 | 90~150円 | 量が増えると時間も長くなる |
あくまで概算ですが、コインランドリーの乾燥機でしっかり乾かすためには最低でも300円以上のコストがかかります。さらに持ち込みの手間を考えると効率のよい乾燥方法とはいえません。
けれども、大量の洗濯物をわずか30分で一度に乾燥させられる点はコインランドリーの大きなメリットです。数日~数週間に1回くらいの頻度や大きな洗濯物の多い方には、コストパフォーマンスの高い乾燥方法といえます。
4.除湿器
除湿器の消費電力は約600wでドライヤーや浴室乾燥機のおよそ半分です。
家電の種類 | 消費電力 | 1時間当たりの電気代 | 乾燥に要する時間 | 乾燥1回あたりのコスト |
---|---|---|---|---|
除湿器 | 600w | 13.5円 | 6時間~ | 81円~ |
浴室乾燥機 | 1,250w | 30~50円 | 3時間 | 90~150円 |
除湿器のメリットは、場所を選ばず洗濯乾燥と部屋全体の除湿ができる点です。消費電力も少なく電気代も安い反面、出力が弱く、長時間稼働のデメリットがあります。
5.冷暖房機器 + サーキュレーター
扇風機よりも強い風で部屋中の空気を攪拌してくれるのがサーキュレーターです。サーキュレーターの機能的な外観は季節を問わないため、エアコンやファンヒーターなどの冷暖房機器と併用しながら、使用している方も多いのではないでしょうか。
機器名 | 消費電力 | 1時間当たりの電気代 | 乾燥1回あたりのコスト |
---|---|---|---|
サーキュレーター | 29w | 0.783円 | 条件や併用品による |
浴室乾燥機 | 1,250w | 30~50円 | 90~150円 |
サーキュレーターの電気代は8時間稼働させても6.264円です。部屋全体の空気の攪拌と洗濯乾燥を同時に行えるので、コスト面でも効率面でも優秀といえます。
しかしながら、あえて洗濯乾燥のためだけに、サーキュレーターと何らかの冷暖房機器を稼働させるのはかえってコスト高となります。冷暖房の使用時期以外の活用が難しい点がサーキュレーターのデメリットです。
浴室乾燥機の電気代を節約する4つの方法
ここでは浴室乾燥機の電気代を節約する具体的な方法を4つ紹介します。春夏秋冬、季節に応じた乾燥方法や時間帯などを考慮すれば、電気代を減らすのは決して難しくありません。一つずつ取り組んでみましょう。
1.乾燥モードでの使用を控える
浴室乾燥機が最も電気を消費するのは「乾燥モード」のときです。そのため「乾燥モード」での稼働を減らすのが節電に効果的です。季節や天候、洗濯量に合わせて「送風モード」や「換気モード」など、消費電力の少ない機能を交えながら乾燥させると、かなりの節電が期待できます。
最新の機種は、この節電方法を自動制御できる「節電乾燥モード」として搭載しています。
2.時間を選んで使用する
電気の契約には、24時間365日いつでも同じ料金の従量電灯と夜間に安くなる時間帯別電灯があります。電気代の時間単価で比較するとその差は2倍以上です。ほかにも週末に電気代が安くなるプランもあります。
夜間の午後10時~11時から安くなるプランでは、その時間を狙って浴室乾燥機を稼働させると、かなり電気代を抑えられるでしょう。
一方で空気が乾燥して気温の高い昼間に浴室乾燥機を使用し、使用時間を短くする節約方法もあります。使用時間が短ければ電気代も少なくなるのでお得です。
このように時間を少しずらす工夫をするだけで、電気代は抑えられるのです。
3.他の乾燥方法と併用する
浴室乾燥機の節電方法の基本は稼働時間の短縮です。すなわち、稼働させる前に部屋干ししたり、冷暖房機器や送風機などと併用したりして少しでも乾かしておくと、大幅に浴室乾燥機の使用時間を短縮できます。
冷暖房機器はかえって燃料費や電気代がかさむ可能性がありますが、電気代のかかりにくい扇風機やサーキュレーターの使用は節約にも効果的です。浴室乾燥機からの風を攪拌して全体的な乾燥を早めてくれるため、効果的な節電方法といえるでしょう。
4.契約会社やプランを見直す
電力自由化により民間のさまざまな企業と電気の契約を結べるようになりました。電力会社ではない民間企業が、電気料金込みのさまざまなプランを打ち出し、ポイント還元やキャンペーンサービスを展開しています。
豊富な選択肢からお得なプランを選べる時代です。
生活コスト全般から電気代について考え、通信会社やガス会社、グループ企業などのセットプランを上手に使って節約をしましょう。
電気代がいくらかかるか、ではなく、毎月の光熱費・通信費など必要経費全般からコストを考えてみましょう。たとえば、電気契約以外でもよく利用する多い企業と契約すると、ポイント還元やイベント・キャンペーン案内など、お得にできる機会も多くなります。
まとめ
浴室乾燥機の電気代ついて掘り下げてご紹介しました。
家電製品なので使用時に電気代は付き物です。しかしながら、使用時に得られる効率性や快適性も忘れてはなりません。浴室乾燥機のメリット・デメリットを踏まえ、ライフスタイルとの相性を考慮して判断するのがよいでしょう。
近年、浴室乾燥機も節電を実現し、今なお進化し続けています。浴室乾燥機はもはや、欠かせない家電製品の一つになりつつあります。ご自身のライフスタイルに合った浴室乾燥機を導入してはいかがでしょうか。